JPH0542919U - 床暖房用パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 パネル枠体内部に配線ボードを設置し、該ボ
ード面に発熱線と信号線とからなる一連のコードヒータ
を配線し、上記発熱線の適宜な箇所にサーモスタットを
接続する一方、発熱線に直列に温度ヒューズを接続し
て、この温度ヒューズに対応して上記信号線と直列にニ
クロム線を配したことを特徴とする床暖房用パネルであ
る。 【目的】 一定間隔で配置されるサーモスタット間に何
らかの原因で異常昇温が発生した場合でも、加熱部分の
温度を感知して電源を切断させるという安全性の向上を
目的としたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、床暖房用パネルにおける異常過熱の防止構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の床暖房用パネルは、概ね面状発熱体であった関係上、その熱管理には、 面状発熱体の適当な箇所に複数のサーモスタット又は温度ヒューズを配設したも のが広く知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような構造の床暖房用パネルでは、検温位置が疎らであったため、その中 間部の発熱体に異常昇温が発生して部分的に過熱状態になった場合には、適切な 熱管理が行い難く、火災その他の事故に繋がる可能性を有するという課題があっ た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

かかる実情に鑑み、本考案は床暖房用パネルに信号線付きコードヒータを使用 すると同時に、適宜な箇所に複数個のサーモスタットを配置したことで、叙述し た従来の課題を一気に解決したものである。 即ち、表板と底板の四囲を枠木で囲んでなるパネル枠体内に配線ボードを設置 し、該配線ボードに一次巻線である発熱線の全体にナイロン層を介して、二次巻 線である信号線を巻着してなる一連のコードヒータを取り付け、上記発熱線の適 宜な箇所にサーモスタットを接続すると共に、上記発熱線に直列に温度ヒューズ を接続し、該温度ヒューズの近傍に上記信号線と直列に接続されたニクロム線を 配するという手段を講じた。

【０００５】

【作用】

本考案の床暖房用パネルは、上記構成としたことで、床パネル全域に亘って発 熱線の異常発熱箇所の検知が行われ、異常部分の最寄りのサーモスタットが作動 するから、広い範囲の熱管理が確実に行えて高い安全性が得られるという格別の 作用を有する。

【０００６】 また万一コードヒータの一部に異常発熱が発生したり、或いは主回路の整流ダ イオードが不調となったような場合には、可熔絶縁材であるナイロン層の溶融に よって短絡回路を構成し、直列に接続されたニクロム線を加熱し、これによって 主回路の温度ヒューズを切断して電源電流の供給を絶つという作用を奏する。

【０００７】

【実施例】

以下、図面に示す実施例に基づいて、本案の構成を更に詳述すると、図１にお いて１は信号線付きコードヒータを示し、コアー１ａに発熱線１ｂを巻回した一 次巻線の全長をナイロン等の可熔絶縁層１ｃによって被覆し、該可熔絶縁層１ｃ に二次巻線である信号線１ｄを巻回し、更にこれを塩化ビニール等で外部被覆材 １ｅで被覆したものである。

【０００８】 このような信号線付きコードヒータ１を図２に例示するように配線ボード２上 に取り付け、適宜な箇所にサーモスタット３を配置して、上記コードヒータの発 熱線１ｂに接続したものである。

【０００９】 又、図２において、４は床暖房用のパネル枠体であって、表板４ａと底板４ｂ を四囲の枠木４ｃによって一定間隔に支持したものである。 尚、図中５はスイッチ基板、６は表板４ａの裏面一面に張設されたアルミ箔、 ７は電線コード、また８はアース線を示す。

【００１０】 他方、上記スイッチ基板５の構成を図３に示す回路図に従って説明すると、交 流１００Ｖの電源から整流ダイオード（Ｄ２）を経て上記配線ボードに設けられ たコードヒータ１の発熱線１ｂに接続する主回路中に、サーモヒューズ（ＴＦ） とバイパス回路（ＢＰ）を設け、該バイパス回路に整流ダイオード（Ｄ２）と逆 方向のダイオード（Ｄ１）を配した他、主回路から分れて上記温度ヒューズと対 向する位置に設けられたニクロム線（Ｒ１）を経て信号線１ｄに接続する分岐回 路を設けたものである。

【００１１】 上述の回路構成に従えば、正常時に発熱線１ｂを流れる電流は信号線１ｄと絶 縁されているため、主回路に沿って流れ、発熱線１ｂの温度を最寄りのサーモス タット（ＴＨ１）または（ＴＨ２）によって管理されるのであるが、最寄りサー モスタットを作動するに至らない急激なヒータ線の部分的異常過熱などが発生し た場合は、当該箇所におけるコードヒータ１の可熔絶縁層１ｃが溶触して信号線 １ｄと短絡し、ニクロム線（Ｒ１）を発熱するので、これを受けて主回路の温度 ヒューズ（ＴＦ）を溶断し、電流を遮断するのである。 尚、図中Ｔ１は過電流ヒューズを示す。

【００１２】

【考案の効果】

以上詳述した本案床暖房用パネルによれば、従来のこの種、床暖房用パネルに 比べて部分過熱の検知範囲が広く得られる一方、仮に部分過熱がサーモスタット から遠く離れた箇所で発生した場合でも、信号線付きコードヒータによって主回 路が当該部分で短絡して、温度ヒューズを溶断して電流を切断し、事故を未然に 防止するという安全性の面で顕著な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】コードヒータの構成を示す斜視図

【図２】本案床暖房用パネルの要部を示す断面図

【図３】スイッチ基板の回路図

【符号の説明】

１ コードヒータ ２ 配線ボード ３ サーモスタット ４ パネル枠体 ５ スイッチ基板 ６ アルミ箔 ７ 電線コード

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表板と底板との四囲を枠木で囲んでなるパ
   ネル枠体内に配線ボードを設置し、該配線ボードに一次
   巻線である発熱線の全体に可溶絶縁層を介して、信号線
   を巻着してなる一連のコードヒータを取り付け、上記発
   熱線の適宜な箇所にサーモスタットを接続すると共に、
   上記発熱線に直列に温度ヒューズを接続し、該温度ヒュ
   ーズの近傍に上記信号線と直列に接続されたニクロム線
   を配したことを特徴とする床暖房用パネル。