JPH0542862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、開渠状の滑降路を走降する滑降用
の車輪付台車を設けたレジヤー用滑降装置に関す
る。

（従来の技術） 滑降路内面を車輪付台車で走降するように形成
した従来例には、例えば出願人のなした特願昭62
−326778号の発明並びに同人の出願に係る実願昭
63−71106号の考案がある。特願昭62−326778号
の発明は、筒体状に形成して滑降路内面を車輪を
設けた台車で走降するように形成すると共に、滑
降路出口に台車の停車機構と、搭乗者の操作技量
に応じて台車の走降速度を制限する制動装置を設
けて構成したものである。

また実願昭63−71106号の考案は、筒体状の滑
降路内面を設けた台車で走降するように形成し、
当該台車の走降速度を搭乗者の操作技量とは関係
なく作動する、機械式自動操作の調速機で制動す
るように形成したものである。

上記の発明考案はいずれも、搭乗者の安全性を
重視して筒体状に形成した滑降路を走降するよう
に形成している。

（考案が解決しようとする課題） 従来例に示す、筒体状の滑降路内面を走降する
レジヤー用滑降装置では、搭乗者は直接外気を切
つて走降することがないので、解放感やスリルを
感ずる雰囲気を味わうことができない問題点があ
つた。

また、滑降路を開渠状に形成した場合には、滑
降者がより高いスリル感を求めるため、台車の走
降速度が過大となり、開渠状滑降路の回転部で台
車が横振れして不安定になつたり台車が滑降路か
ら飛び出す恐れがあつた。

また、滑降路出口付近では、より長く滑降を楽
しもうとしたり、制動が十分でなかつたりして、
滑降路出口での台車の停止距離が長くなつたり、
台車が追突したりする問題点も併存した。

この考案は、従来技術が有する上述の問題点に
鑑みてなされたもので、開渠状に形成した滑降路
の回転部を台車が安全に旋回して走降し、また、
台車が滑降路出口で短い距離で安全確実に制動さ
れて停止するようにしたレジヤー用滑降装置を提
供するものである。

（課題を解決するための手段） この考案のレジヤー用滑降装置は、開渠状滑降
路の回転部に、滑降路の回転に従つて徐々に台車
の車輪がガイドされて遊嵌するように、溝巾が
徐々に狭まりかつ両側縁の高さが徐々にせり上が
る溝状に形成した凹部を設け、台車の下面に強磁
性体の制動板を設け、該制動板と接触するよう
に、滑降路出口の中央の軸線に沿つて設けた減速
停車台と、その減速停車台の表面に所定間隔をお
いて設けた電磁石とからなる減速停車装置を設け
たものである。

（作用） 開渠状滑降路を走降中の台車の車輪は、回転部
では直走路の終端近部から滑降路の回転に従つて
徐々に車輪がガイドされ、徐々に巾狭で両側縁が
徐々にせり上がる溝状の凹部で形成された軌道と
嵌合しているので、速度を増した台車が回転部に
おいて滑降路外に飛び出す恐れは全くない。また
走降中の台車の横振れやスピン等の恐れもなく円
滑に旋回できる。

また滑降路出口の車輪付台車の減速停車も、台
車の下面に設けた強磁性体の制動板が、減速停車
台に接触しながら減速停車台表面の電磁石に引着
されて、漸増する磁気力と摩擦力とで行われるの
で、台車の横振れもなく停車距離も一定し、かつ
搭乗者に衝撃的な力を与えることなく停車するこ
とができる。

（実施例） 実施例について図面を参照して説明する。

第１図は、本願考案に係るレジヤー用滑降装置
の全体説明図である。

滑降路１は地面から鉛直上方に高く突出して設
けた複数本の基柱２と当該基柱２から枝状に張り
出して形成した架構３を支えとして、上方から下
方へ全体としてなだらかに傾斜するように形成す
る。

また滑降路１は例えば半円形形状、Ｕ字形形状
を有する開渠状に形成し、直線状の直走路４と弧
状に旋回する回転部５を組み合わせて旋回しなが
ら下降するように形成する。

また直走路４は負の勾配で下降する降走路と正
の勾配で上昇する昇走路を組み合わせた降昇路１
６で形成し、局所的に起伏を設ける。

また、回転部５も負の勾配で下降しながら旋回
する下降回転部と、正の勾配で上昇しながら旋回
する上昇回転部を組み合わせた降昇回転路１７で
形成し、局所的な起伏を設ける。

例えば、降走路の最下端で、最大速度となり昇
走路の最上端で最小速度となるように形成する。
この場合、最小速度は０であつても良いが、負の
加速度を受けないようにすることが望ましい。

さらに滑降路１の回転部５には、第２図に示す
ように、台車の車輪の軌跡に対応させて、走降路
に軌道８を設ける。軌道８は直走路４の終端近部
から、滑降路１の回転に従つて徐々に車輪がガイ
ドされ導かれて遊嵌するように、溝巾が徐々に狭
まりかつ両側縁の高さが徐々にせり上がる溝状に
形成した凹部９を設け、回転部５では当該凹部９
に台車の車輪がわずかに遊嵌するように形成す
る。また凹部９の底面は平面状に形成し、台車の
車輪との接触は常に凹部９の底面で行うように形
成する。

また滑降路１の入口６には階段、エレベーター
若しくはエスカレーター又はリフト等の搭乗者用
の昇降装置を設ける。

さらに滑降路１の入口６には、第３図に示すよ
うに平板状の発車基台１１と、当該発車基台１１
に沿つて設けた電磁石１２とからなる発車装置を
設ける。発車装置における当該電磁石１２は、車
輪付台車の下面に固定した強磁性体の材料で形成
した制動板１３を引着して車輪付台車を停止さ
せ、磁気力を断つことによつて車輪付台車が発車
するように形成する。

また滑走路１の出口７には、第４図に示すよう
に、減速停車台１４を設ける。当該減速停車台１
４は、滑降路１の中央に、滑降路１の軸線に沿つ
て車輪付台車の制動板１３を接触する高さに設け
る。当該減速停車台１４には、複数個の電磁石１
５を列状に隔接して設ける。この場合電磁石１５
は、車輪付台車の進行方向に行くに従つて磁気力
を増加するように形成する。つまり車輪付台車
は、制動板１３を減速停車台１４と接触させなが
ら、漸増する引着力と摩擦力とにより減速されて
停車するように形成する。

また、滑降路１の出口７から入口６を結ぶ間
を、支柱２間を連接するケーブルを張り、当該ケ
ーブルの複数箇所に吊りフツクを設け、この吊り
フツクを台車の止め金に掛けて吊り下げ、走降済
の台車を入口６まで搬送するリフト式回収装置を
設ける。

また車輪付台車は、一人乗り又は二人乗りの単
一の台車に形成するか、若しくはこの単一の台車
を二車両連結して使用するように形成する。

（効果） この考案は以上説明したように構成されている
ので、次に記載する効果を生ずる。

開渠状滑降路の回転部に、台車の車輪が嵌合し
て走降するように形成した、直走路の終端近部か
ら滑降路の回転に従つて徐々に車輪がガイドさ
れ、徐々に巾狭で両側縁が徐々にせり上がる溝状
の凹部で形成された軌道を設けてあるので、台車
は走降中に横振れやスピン等の恐れはなく、かつ
滑降路外に飛び出す恐れはなく安全に走降でき
る。また回転部では軌道に案内されて走降するの
で、スピードを増加しても回転部で遠心力を増加
させながら円滑に旋回するので、高いスリル感を
味わうことができる。

また、滑降路出口での台車の減速停車も、台車
の下面に設けた強磁性体の制動板が、減速停車台
に接触しながら減速停車台表面の電磁石に引着さ
れて、漸増する磁気力と摩擦力との合成力で行わ
れるので、台車の横振れもなく正確かつ短い減速
停車距離と、衝撃にない減速力を得ることができ
るので安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係るレジャー用滑降装置
の一部を断面とした全体説明図、第２図は、滑降
路回転部の部分断面説明図、第３図は、発車装置
の部分断面説明図、第４図は、減速停車装置の部
分断面説明図である。 １……滑降路、４……直走路、５……回転部、
６……入口、７……出口、８……軌道、９……凹
部、１１……発車台、１２……電磁石、１３……
制動板、１４……減速停車台、１５……電磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上方から下方に旋回しながら傾斜する開渠状滑
   降路を車輪付台車で走降するレジヤー用滑降装置
   において、滑降路の回転に従つて徐々に台車の車
   輪がガイドされて遊嵌するように、開渠状滑降路
   の回転部に溝巾が徐々に狭まりかつ両側縁の高さ
   が徐々にせり上がる溝状に形成した凹部を設け、
   台車の下面に強磁性体の制動板を設け、該制動板
   と接触するように、滑降路出口の中央の軸線に沿
   つて設けた減速停車台と、その減速停車台の表面
   に所定間隔をおいて設けた電磁石とからなる減速
   停車装置を設けたことを特徴とするレジヤー用滑
   降装置。