JPH0542775A - ビデオ印画紙 - Google Patents

ビデオ印画紙

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JPH0542775A
JPH0542775A JP3202031A JP20203191A JPH0542775A JP H0542775 A JPH0542775 A JP H0542775A JP 3202031 A JP3202031 A JP 3202031A JP 20203191 A JP20203191 A JP 20203191A JP H0542775 A JPH0542775 A JP H0542775A
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JP
Japan
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resin
dye
urethane
receiving layer
polysaccharide
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Withdrawn
Application number
JP3202031A
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English (en)
Inventor
Rikio Kobayashi
力夫 小林
Masanobu Hida
正信 肥田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 受容層3への染料の移行により形成された画
像の耐光性が優れたビデオ印画紙を提供する。 【構成】 基体に支持された染料または染料を含むイン
クを加熱により溶融または昇華させて染料を印画紙の主
として樹脂よりなる受容層3に移行して画像を形成する
ビデオ印画紙において、受容層の樹脂は主として多糖類
ウレタン誘導体であるビデオ印画紙である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオ印画紙に関し、
特に主として多糖類ウレタン誘導体からなる受容層を有
するビデオ印画紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、昇華性の分散染料を含有する染料
層を有するインクリボンを、サーマルヘッド等により、
画像信号に応じて点状に加熱し、樹脂塗工紙の表面に移
行した染料からなる画像を形成する試みがビデオ印画紙
において行われている。
【0003】このビデオ印画紙は、シート状基材上に受
容層が形成された二層構造により構成されている。上記
受容層は、インクリボンから移行する染料、例えば昇華
性の分散染料の画像を受容(受像)し、受容により形成
された画像を維持するための層である。従来、受容層を
構成する材質としては、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニル共重合体等が用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、受容層
がこれらの樹脂からなる従来のビデオ印画紙では形成さ
れた画像の耐光性及び耐候性が充分でなく、一旦形成さ
れた画像の鮮明度が低下したり変色することがあった。
これは、サーマルヘッド等により移行する染料が受容層
の表面近傍に存在するため、光、湿度、及び空気中の酸
素等の影響を受けやすいと考えられる。
【0005】本発明は従来技術の欠点を解消し、染料の
移行により形成された画像が耐光性および耐候性に優れ
たビデオ印画紙を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、受容層の構
成材料として多糖類ウレタン誘導体を用いることによ
り、ビデオ印画紙の耐光性、耐候性が向上することを見
出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】本発明のビデオ印画紙は、基体に支持され
た染料または染料を含むインクを加熱により溶融または
昇華させて染料を印画紙の主として樹脂よりなる受容層
に移行して画像を形成するビデオ印画紙において、受容
層の樹脂は主として多糖類ウレタン誘導体であることを
特徴とするするものである。また、本発明のビデオ印画
紙は、上記受容層の樹脂は多糖類ウレタン誘導体に相溶
な他の樹脂を50重量%以下含有することを特徴とする
ものである。
【0008】更に、本発明のビデオ印画紙は、上記受容
層の樹脂は相溶して染着性を高めるための化合物を含有
することを特徴とするものである。
【0009】本発明のビデオ印画紙1は、図1に示すよ
うに、シート状基材2の上に受容層3を有する構造を有
している。上記受容層は、主として樹脂から構成され
る。本発明においては、この受容層を構成する樹脂とし
て、主として多糖類ウレタン誘導体を用いることを特徴
としている。
【0010】上記多糖類ウレタン誘導体としては、セル
ロースフェニルウレタン、セルロースフェニルウレタン
酢酸エステル、セルロースフェニルウレタンメチルエー
テル、プルランフェニルウレタン、キドサンフェニルウ
レタンフェニル尿素等が挙げられる。
【0011】この多糖類ウレタン誘導体は、多糖類また
はその誘導体とイソシアネート化合物との反応によって
製造される。
【0012】ここで、原料として使用される多糖類とし
ては、セルローズ、プルラン、でんぷん、キチン、セル
ローズ誘導体(たとえばセルローズエステル、セルロー
ズエーテル等)等が使用可能である。一方、イソシアネ
ート化合物としては、フェニル、トルイル、ナフチル、
シクロヘキシル、オクチル、クロロフェニル、ニトロフ
ェニルイソシアネートなどがその代表的なものである
が、本発明に使用し得る化合物がこれらの記述に限定さ
れないことは云うまでもない。
【0013】また、本発明においては、染料の染着性を
増加させ、耐光性、耐熱性を向上させるために、上記樹
脂とともに添加剤を含有させても良い。この添加剤は、
上記多糖類ウレタン誘導体と相溶し、染料の拡散性が促
進され、染料を受容層の内部にまで浸透させる作用を有
するものと考えられる。
【0014】上記添加剤としては、エステル類、エーテ
ル類、ウレタン化合物等が何れも使用可能であるが、以
下に例示する化合物は、その一例に過ぎない。
【0015】エステル類としては、例えばジメチルフタ
レート、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレート、
ジシクロヘキシルフタレート、ジフェニルフタレート、
などのフタル酸エステル類、ジオクチルアジペート、ジ
オクチルセパケート、ジシクロヘキシルアゼラエートな
どの脂肪族二塩基酸エステル類、トリフェニルフォスフ
ェート、トリシクロヘキシルフォスフェート、トリエチ
ルフォスフェートなどのリン酸エステル類、さらにジメ
チルイソフタレート、ジエチルイソフタレート、ジシク
ロヘキシルイソフタレート等のイソフタル酸エステル
類、ブチルステアレート、シクロヘキシルラウレート等
の高級脂肪酸エステル、テトラエチルシリケート、テト
ラフェニルシリケート等のケイ酸エステル類、トリブチ
ルボレート、トリフェニルボレート等のほう酸エステル
類などがある。
【0016】エーテル類としては、ジフェニルエーテ
ル、ジシクロヘキシルエーテル、P−エトキシ安息香酸
メチルエステル等が挙げられる。
【0017】ウレタン化合物としては、m−キシレンジ
ブチルジウレタン、1,6−ジフェニルヘキサメチレン
ジウレタン、4,4’−ジフェニルメタンジオクチルジ
ウレタンさらにN−エチルトルエンスルホン酸アミド等
のスルホン酸アミド類が挙げられる。
【0018】更に、上記受容層は、多糖類ウレタン誘導
耐と他の樹脂との混合物から構成することができる。例
えば、下記に示す樹脂は単独もしくは数種を混合して使
用できるが、下記に示す樹脂類に限定されるものでなく
下記のものは具体例の一例を示したにすぎない。
【0019】(a)エステル結合を有するもの ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアク
リレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂。 (b)ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂等。
【0020】(c)アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂。 (d)尿素結合を有するもの 尿素樹脂等。 (e)その他 ポリカプロラクトン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩
化ビニルおよびその共重合体、ポリアクリロニトリルお
よびその共重合体。
【0021】例えば飽和ポリエステルとしてはバイロン
200、バイロン290、バイロン600等(以上、東
洋紡社製)、UE3600、XA6098、XA702
6(以上、ユニチカ社製)、TP220、TP235
(以上、日本合成社製)等が用いられる。芳香族二塩基
酸とグリコール類、脂肪族二塩基酸とグリコール類、芳
香族、塩基酸、脂肪族二塩基酸とグリコール類との混合
ポリエステルなどがある。
【0022】ウレタン樹脂としては分子末端に水酸基を
もったポリエーテルあるいはポリエステルとイソシアネ
ートから作られるエーテル型ポリウレタン、エステル型
ポリウレタンがあり、アミド結合を有する樹脂としては
ナイロンなどの他、分枝基をもったジアミンとダイマー
酸等から誘導されたポリアミド等がある。
【0023】尿素結合をもった化合物としては、ジアミ
ン酸とジイソシアネート類との反応によって得られるも
ののほか、尿素とアルデヒド類との、反応物等も使用で
きる。さらにエステル接合をもったポリカプロラクトン
やポリスチレン、塩化ビニルおよびその共重合体など広
範囲のものが使用可能である。
【0024】多糖類ウレタン誘導体と他の樹脂とを併用
するときは、ウレタン誘導体100重量部に対し、その
他の樹脂1〜100重量部の使用が可能である。
【0025】一方、受容層の白色度を向上して転写画像
の鮮明度を高めさらに画像表面に筆記性を付与し、かつ
転写された画像の再転写を防止する目的で受容層3中に
蛍光増白剤及び白色顔料を添加することができる。
【0026】蛍光増白剤としては、たとえばチバガイギ
社性のユビテックスOBのような、蛍光増白剤として市
販されている多くの化合物を使用することができる。又
白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、
クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等があり、これ
らは単独または2種以上混合して用いることができる。
【0027】また、転写画像の耐光性を向上させるため
に、受容層中に紫外線吸収剤、光安定剤、もしくは酸化
防止剤等の添加剤の1種もしくは2種以上を必要に応じ
添加することができる。
【0028】これら蛍光増白剤、白色顔料、紫外線吸収
剤、光安定剤等の添加量はセルロースエステル樹脂10
0重量部に対して0.05〜10重量部が適している
が、目的によっては、その範囲外の量を添加してもよ
く、上記の添加量は単にその一例を示したにすぎず、し
たがって、この添加量に拘束されるものではない。
【0029】本発明のビデオ印画紙は、インクリボンシ
ートとの離型性を向上せしめるために受容層中に離型剤
を含有せしめることができる。離型剤としてはポリエチ
レンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の
固形ワックス類、フッ素系、リン酸エステル系の界面活
性剤、シリコーンオイル、高融点シリコーンワックス等
が上げられるがシリコーンオイルが好ましい。
【0030】たとえば、シリコーンオイルとしては油状
のものでも、反応(硬化)型のものでもよく、目的に応
じて使用する。反応(硬化)型シリコーンとしては、ア
ルコール変性シリコーンオイルとイソシアネートなどが
上げられる。また、反応(硬化)型シリコーンオイルと
しては、エポキシ変性シリコーンオイル(エポキシ・ポ
リエーテル変性シリコーンオイル)とカルボキシ変性シ
リコーンオイル(カルボキシ・ポリエーテル変性シリコ
ーンオイル)とを反応硬化させたもの、又はアミノ変成
シリコーンオイル(アミノ・ポリエーテル変性シリコー
ンオイル)とカルボキシ変性シリコーンオイル(カルボ
キシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル)とを反応硬
化させたものも好ましい。
【0031】離型剤層の厚さは0.01〜5μmが好ま
しいが特にこの厚さに限定されるものではない。
【0032】ビデオ印画紙の加工工程中又はプリンター
内での走行時に静電気の発生を抑えるために、セルロー
ズエステル樹脂系、受容層中又は受容層の表面に帯電防
止剤を含有させることもできる。
【0033】帯電防止剤としては、界面活性剤たとえば
陽イオン型界面活性剤(たとえば第4級アンモニウム
塩、ポリアミン誘導体等)、陰イオン型界面活性剤(た
とえばアルキルベンゼンスルホネート、アルキル硫酸エ
ステルナトリウム塩)、両性イオン型界面活性剤もしく
は非イオン型界面活性剤が挙げられる。
【0034】これらの帯電防止剤は、コーティング等に
より受容層表面に塗布形成または多糖類ウレタン誘導体
に添加してもよい。
【0035】
【作用】本発明によれば、受容層3の組成を多糖類ウレ
タン誘導体系の樹脂にすることにより、ポリエステル系
樹脂等を用いた場合と比較して、耐光性が大幅に改善さ
れ、また、多糖類ウレタン誘導体系樹脂に染着性を高め
る化合物を配合することにより、耐光性を改善すること
ができる。一方、多糖類ウレタン誘導体系樹脂に他の樹
脂を配合することにより、さらに耐光性を改善できる。
【0036】
【実施例】以下、本発明のビデオ印画紙の実施例の具体
的内容について説明する。図1に示すように、本実施例
のビデオ印画紙1は、シート状基材2上に受容層3を有
する構造を有している。上記受容層3は、主として樹脂
から構成される。ここでは、この樹脂として多糖類ウレ
タン誘導体を使用した。
【0037】ここで、多糖類ウレタン誘導体の代表的な
製造方法として、セルローズフェニルウレタン及びプル
ランフェニルウレタンの製造方法を記述する。A.セル
ローズフェニルウレタンの製造方法
【0038】セルローズの前処理 セルローズ(透析用セルファンチューブ、ユニオンカー
バイド社製8/32インチ)製チューブ6gを開管し、
イオン交換水500mlに室温で5時間浸漬し、その間
時々もみ出した。イオン交換水を変え、この操作を5回
行ったのち、濾紙間にはさんで強く押し、含浸した水分
を可及的に除去した。その後ジメチルホルムアミド(和
光純薬工業株式会社製,試薬特級)100mlに室温で
30分浸漬し、その間もみ出した。ジメチルホルムアミ
ドを新しいものに変え同様な操作を3回行なって、セル
ローズ中の水を可及的にジメチルホルムアミドと置換し
た後、トライボックス中で長さ約1cmに切断した。
【0039】セルローズとフェニルイソシアネートの反
かきまぜ機、逆流冷却器(先端に塩化カルシューム管装
備)、温度計、滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた5
00mlの4ツ口フラスコをマンドルヒーターにセット
し、前処理したセルローズ、ジメチルホルムアミド25
0ml、ジブチル錫ジラウレートおよびトリエチレンジ
アミン各々0.02gを仕込み、窒素ガスを導入(流速
100ml/分)しながら激しくかきまぜた。滴下ロー
トからフェニルイソシアネート〔試薬、東京化成工業株
式会社製、蒸留(161〜162℃)〕20gを滴下し
た。この時、イソシアネートの滴下によって内容物の温
度は約5℃上昇した。
【0040】内容物の温度が一定化してから、徐々に
(内容物の温度が100℃になるのに約1時間)加熱
し、そのままの状態で(100℃で)10時間加熱し
た。その間100℃になって約30分後にセルローズの
大部分は溶解し、透明な淡黄色の粘稠溶液となった。
【0041】その後、内容物を室温まで放冷したのち、
はげしくかきまぜたメダノール中に(徐々に)滴下し、
粉末状の白色沈殿物を得た。沈殿物は口別したのち、温
メタノールで数回洗浄し、10mmHg、温度60℃で
48時間減圧乾燥させた。
【0042】得られた白色粉末状沈殿物は、ジメチルホ
ルムアミドに室温で、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンに加熱する
と溶解した。沈殿物のジメチルホルムアミド溶液(濃度
0.250g/100ml、30℃)の極限粘度は、
1.84を示し、高分子量化合物であることが確認され
た。
【0043】また、ジフェニルカルボヒドラジットを用
いた呈色反応〔エフ・フェイグル(F.Feigl)著
「スポット・テスト・イン・オルガニック・アナライジ
ィズ(5)」409頁、1956参照。〕によってウレ
タン(−NHCOO−)基の存在が確認され、さらに元
素分析によって6.98%の窒素含有率が測定された。
【0044】以上の測定結果および(反応)原料等か
ら、この実施例によって得られた化合物は、セルローズ
中の水酸基約2個がフェニルイソシアネートと反応した
セルローズフェニルウレタンであることが推定された。
【0045】B.プルランフェニルウレタンの製造プルランの前処理 市販プルラン〔東京化成工業株式会社製、試薬〕8gを
温水(イオン交換水)80mlに溶解し、この溶液を強
くかきまぜたメタノール(試薬1級)200ml中に滴
下し、白色の不溶物とし、濾別し、さらにメタノールで
数回洗浄し、室温で減圧乾燥(10mmHg、1週間)
して、試料とした。
【0046】プルランとフェニルイソシアネートの反応 上述と同様な装置に(前処理した)プルラン5g、N−
メチルピロリドン(東京化成工業株式会社製、試薬のモ
レキュラーシーブ乾燥、減圧蒸留物)200ml、ジブ
チル錫ジラウレート0.02g、トリエチレンジアミン
0.02gを仕込み、窒素ガスを送入しながらかきまぜ
た。白濁した内容物にフェニルイソシアネート12.8
gを滴下した。滴下によって僅かに発熱(約2℃)し
た。内温が一定化してから、1時間後に内温が70℃に
なるように加熱し、そのままの状態で7時間反応した。
その間、白濁していた内容物は、70℃で約1時間加熱
した時点で黄色の粘稠透明液に変化した。
【0047】反応終了後、内容物を室温まで放冷したの
ち、強くかきまぜたメタノール(1l)中に滴下した。
生成した白色沈殿物を濾別し、メタノールで数回洗浄、
減圧乾燥し、白色粗粉未状物9.5gを得た。生成物
は、室温でテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアシ
ド、メチルエチルケトンに、加熱するとジオキサン、シ
クロヘキサノンに溶解し、トルエンには加熱しても、膨
潤するのみで不溶であった。
【0048】ジメチルホルムアシド溶液(濃度0.25
0g/100ml、30℃)の極限程度は2.03を示
し、高分子量化合物であることが確認された。ジフェニ
ルカルボヒドラジットによる呈色反応でウレタン基の存
在が明確に示され、赤外線吸収スペクトル(テトラヒド
ロフラン溶液から作成したフィルムを試料とする)には
3300、1730、1500cm-1付近にウレタン結
合の吸収が、又650〜750cm-1付近に芳香族一置
換体の吸収が現れた。さらに元素分析によって6.10
%の窒素含有率が測定された。
【0049】以上の測定結果ならびに原料から、この実
施例による生成物はプルランの3個の水酸基の内約1.
5個がフェニルウレタン基、1.5個が未反応水酸基か
らなるプルランフェニルウレタンであることが推定され
た。
【0050】なお、以上に準じた製造方法で原料を種々
に選択することによって各種類の多糖類ウレタン誘導体
を製造することができる。
【0051】また、以下に本実施例においてインク層形
成組成物として用いた染料を示す。 メチン系染料(A)(マクロレックス・イエロー6
G,バイヤー社製) メチン系染料(B)(フォロン・ブリイアント・ブル
ーSR−PI,サンドッツ社製) アントラキノン系染料(C)(マクロレックス・レッ
ド・バイオレットR,バイヤー社製) アゾ系染料(D)(スミカロン・レッドS−BDF,
住友化学社製) インドアニリン系染料(E) イエロー(プリント材のリボンVPM−30ST,ソ
ニー社製) マゼンタ(プリント材のリボンVPM−30ST,ソニ
ー社製) シアン(プリント材のリボンVPM−30ST,ソニー
社製) イエロー(プリント材のリボンUPC−3010,ソ
ニー社製) マゼンタ(プリント材のリボンUPC−3010,ソニ
ー社製) シアン(プリント材のリボンUPC−3010,ソニー
社製) なお、上述のインドアニリン系染料(E)の構造式は化
1に示す通りである。
【0052】
【化1】
【0053】また、この染料の合成方法は以下のとおり
である。先ず、インドアニリン系誘導体を合成するため
に、2−(n−ブチロイルアミノ)−4,6−ジクロロ
−5メチルフェノール3gをエタノール200gに溶か
し、そこへ炭酸ナトリウム8gを水100gに溶かした
ものを加え良く撹拌した。そして、4−アミノ−N(β
−ヒドロキシエチル)−N−エチル−mトルイジン硫酸
塩5gを水100gに溶かした物を加えて更に30分撹
拌し、次亞塩素酸ナトリウム溶液15gを少しずつ加え
て行き、加え終ったら10分間撹拌し、水300gを加
えてろ過して染料の結晶を得た。下記に反応式を示す。
【0054】
【化2】
【0055】次に、出来た染料の結晶のうち2gをピリ
ジン50gに溶かして塩化ブチリル0.6gを少しずつ
加え、1時間還流してエステル化した。下記に反応式を
示す。
【0056】
【化3】
【0057】そして、この得られた化合物をクロロホル
ムを展開溶媒としてカラムクロマトグラフィー(充填
剤:和光純薬社製、商品名ワコーゲルC−200)にか
けて精製し、これを染料1として使用した。
【0058】そこで、上記〜の染料を含有するイン
ク層組成物を下記の組成に従って調製した。 インク層組成物 染料(〜の染料) 3.70重量部 エチルヒドロキシエチルセルロース 7.42重量部 (EHEC−LOWハーキュレス社製) トルエン 44.44重量部 メチルエチルケトン 44.44重量部
【0059】上記割合の組成の混合物を撹拌して、イン
クの調整を行った。そして、このインク層組成物をコイ
ルバーを用いて背面処理した6μmポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム上に乾燥膜厚が約1μmと
なるように塗布して昇華型転写シートを作製し、インク
シートとした。以上のように作製された各インクシート
を用いて、被転写体となる受容層シートに熱転写記録を
行った。
【0060】なお、上記受容層シートは、150μm合
成紙(王子油化社製、商品名FPG−150)に受容層
組成物を乾燥膜厚が10μmとなるように塗布し、50
℃、48時間でキュアリングを行うことによって作成さ
れるものである。受容層組成物の組成は下記に示す通り
である。 受容層組成物 多糖類ウレタン誘導体 20.0重量部 (表1参照) 染着性を高めるための化合物 0〜4重量部 (表1参照) イソシアネート 1.0重量部 (武田薬品社製、商品名タケネートD−110N) 変成シリコンオイル 0.6重量部 (東レダウコーニング社製、商品名SF8427) 蛍光増白剤 0.04重量部 (チバガイギー社製、商品名ユビテックスOB) メチルエチルケトン 40.0重量部
【0061】
【表1】
【0062】また、上記熱転写記録においては、インク
シートと受容層シートをカラービデオプリンター(ソニ
ー社製、商品名CVP−G500)を用いて12階調の
ステアステップ印画を行った。
【0063】そして、耐光性試験を行うために、階調印
画した受容層シートをキセノンアークフェードメーター
(スガ試験機製)で60,000KJ/m2 照射した。
照射前後の濃度をマクベス反射濃度計(TR−924
型)を用いて、最高濃度部および濃度1.0付近の階調
部を測定し、染料の残存率を下記の(4)式にしたがっ
て算出した。
【0064】
【数1】
【0065】次に、暗退色試験を行うために、階調印画
した受容層シートを恒温恒湿槽(タバイ製)中で、65
℃、85%RH、10日間保持し、マクベス反射濃度計
(TR−924)を用いて、最高濃度部および濃度1.
0付近の試験前後の濃度変化を測定し、染料の残存率を
下記の(5)式にしたがって算出した。
【0066】
【数2】
【0067】また、染着濃度を調べるために、マクベス
反射濃度計(TR−924)を用いて、階調印画した受
容層シートの最高濃度部を測定した。本発明の重合体を
受容層として使用した印画像の染着濃度、耐光性試験、
暗退色試験の結果を一括して表2及び表3に示した。
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】表2〜3の試験結果から、従来使用されて
いたポリエステル系樹脂(比較例1,2)に比べて、本
発明の重合体を用いると、染着度が向上し、耐光性、退
色性試験後の染料の残存率が高く、耐光性、耐退色性な
どの耐久性が改善されていることが判った。
【0071】なお、本発明は上述実施例に限ることなく
本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成が採
り得ることは勿論である。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、受容層の組成を多糖類
ウレタン誘導体系の樹脂にすることにより、ポリエステ
ル系樹脂等を用いた場合と比較して、耐光性が大幅に改
善され、また、多糖類ウレタン誘導体系樹脂に染着性を
高める化合物を配合することにより、大旨耐光性を改善
することができる。一方多糖類ウレタン誘導体系樹脂に
他の樹脂を配合することにより、さらに耐光性を改善で
きる場合があるという利益が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビデオ印画紙の断面図である。
【符号の説明】
1 ビデオ印画紙 2 シート状基材 3 受容層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオ印画紙に関し、
特に主として多糖類ウレタン誘導体からなる受容層を有
するビデオ印画紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、昇華性の分散染料を含有する染料
層を有するインクリボンを、サーマルヘッド等により、
画像信号に応じて点状に加熱し、樹脂塗工紙の表面に移
行した染料からなる画像を形成する試みがビデオ印画紙
において行われている。
【0003】このビデオ印画紙は、シート状基材上に受
容層が形成された二層構造により構成されている。上記
受容層は、インクリボンから移行する染料、例えば昇華
性の分散染料の画像を受容(受像)し、受容により形成
された画像を維持するための層である。従来、受容層を
構成する材質としては、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニル共重合体等が用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、受容層
がこれらの樹脂からなる従来のビデオ印画紙では形成さ
れた画像の耐光性及び耐候性が充分でなく、一旦形成さ
れた画像の鮮明度が低下したり変色することがあった。
これは、サーマルヘッド等により移行する染料が受容層
の表面近傍に存在するため、光、湿度、及び空気中の酸
素等の影響を受けやすいためと考えられる。
【0005】本発明は従来技術の欠点を解消し、染料の
移行により形成された画像が耐光性および耐候性に優れ
たビデオ印画紙を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、受容層の構
成材料として多糖類ウレタン誘導体を用いることによ
り、ビデオ印画紙の耐光性、耐候性が向上することを見
出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】本発明のビデオ印画紙は、基体に支持され
た染料または染料を含むインクを加熱により溶融または
昇華させて染料を印画紙の主として樹脂よりなる受容層
に移行して画像を形成するビデオ印画紙において、受容
層の樹脂は主として多糖類ウレタン誘導体であることを
特徴とするものである。また、本発明のビデオ印画紙
は、上記受容層の樹脂は多糖類ウレタン誘導体に相溶な
他の樹脂を50重量%以下含有することを特徴とするも
のである。更に、本発明のビデオ印画紙は、上記受容層
の樹脂は相溶して染着性を高めるための化合物を含有す
ることを特徴とするものである。
【0008】本発明のビデオ印画紙1は、図1に示すよ
うに、シート状基材2の上に受容層3を有する構造を有
している。上記受容層は、主として樹脂から構成され
る。本発明においては、この受容層を構成する樹脂とし
て、主として多糖類ウレタン誘導体を用いることを特徴
としている。
【0009】上記多糖類ウレタン誘導体としては、セル
ロースフェニルウレタン、セルロースフェニルウレタン
酢酸エステル、セルロースフェニルウレタンメチルエー
テル、プルランフェニルウレタン、キドサンフェニルウ
レタンフェニル尿素等が挙げられる。
【0010】この多糖類ウレタン誘導体は、多糖類また
はその誘導体とイソシアネート化合物との反応によって
製造される。
【0011】ここで、原料として使用される多糖類とし
ては、セルローズ、プルラン、でんぷん、キチン、セル
ローズ誘導体(たとえばセルローズエステル、セルロー
ズエーテル等)等が使用可能である。一方、イソシアネ
ート化合物としては、フェニル、トルイル、ナフチル、
シクロヘキシル、オクチル、クロロフェニル、ニトロフ
ェニルイソシアネートなどがその代表的なものである
が、本発明に使用し得る化合物がこれらの記述に限定さ
れないことは云うまでもない。
【0012】また、本発明においては、染料の染着性を
増加させ、耐光性、耐熱性を向上させるために、上記樹
脂とともに添加剤を含有させても良い。この添加剤は、
上記多糖類ウレタン誘導体と相溶し、染料の拡散性が促
進され、染料を受容層の内部にまで浸透させる作用を有
するものと考えられる。
【0013】上記添加剤としては、エステル類、エーテ
ル類、ウレタン化合物等が何れも使用可能であるが、以
下に例示する化合物は、その一例に過ぎない。
【0014】エステル類としては、例えばジメチルフタ
レート、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレート、
ジシクロヘキシルフタレート、ジフェニルフタレート、
などのフタル酸エステル類、ジオクチルアジペート、ジ
オクチルセパケート、ジシクロヘキシルアゼラエートな
どの脂肪族二塩基酸エステル類、トリフェニルフォスフ
ェート、トリシクロヘキシルフォスフェート、トリエチ
ルフォスフェートなどのリン酸エステル類、さらにジメ
チルイソフタレート、ジエチルイソフタレート、ジシク
ロヘキシルイソフタレート等のイソフタル酸エステル
類、ブチルステアレート、シクロヘキシルラウレート等
の高級脂肪酸エステル、テトラエチルシリケート、テト
ラフェニルシリケート等のケイ酸エステル類、トリブチ
ルボレート、トリフェニルボレート等のほう酸エステル
類などがある。
【0015】エーテル類としては、ジフェニルエーテ
ル、ジシクロヘキシルエーテル、P−エトキシ安息香酸
メチルエステル等が挙げられる。
【0016】ウレタン化合物としては、m−キシレンジ
ブチルジウレタン、1,6−ジフェニルヘキサメチレン
ジウレタン、4,4’−ジフェニルメタンジオクチルジ
ウレタンさらにN−エチルトルエンスルホン酸アミド等
のスルホン酸アミド類が挙げられる。
【0017】更に、上記受容層は、多糖類ウレタン誘導
体と他の樹脂との混合物から構成することができる。例
えば、下記に示す樹脂は単独もしくは数種を混合して使
用できるが、下記に示す樹脂類に限定されるものでなく
下記のものは具体例の一例を示したにすぎない。
【0018】(a)エステル結合を有するもの ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアク
リレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂。 (b)ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂等。 (c)アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂。 (d)尿素結合を有するもの 尿素樹脂等。 (e)その他 ポリカプロラクトン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩
化ビニルおよびその共重合体、ポリアクリロニトリルお
よびその共重合体。
【0019】例えば飽和ポリエステルとしてはバイロン
200、バイロン290、バイロン600等(以上、東
洋紡社製)、UE3600、XA6098、XA702
6(以上、ユニチカ社製)、TP220、TP235
(以上、日本合成社製)等が用いられる。芳香族二塩基
酸とグリコール類、脂肪族二塩基酸とグリコール類、芳
香族、塩基酸、脂肪族二塩基酸とグリコール類との混合
ポリエステルなどがある。
【0020】ウレタン樹脂としては分子末端に水酸基を
もったポリエーテルあるいはポリエステルとイソシアネ
ートから作られるエーテル型ポリウレタン、エステル型
ポリウレタンがあり、アミド結合を有する樹脂としては
ナイロンなどの他、分枝基をもったジアミンとダイマー
酸等から誘導されたポリアミド等がある。
【0021】尿素結合をもった化合物としては、ジアミ
ン酸とジイソシアネート類との反応によって得られるも
ののほか、尿素とアルデヒド類との、反応物等も使用で
きる。さらにエステル接合をもったポリカプロラクトン
やポリスチレン、塩化ビニルおよびその共重合体など広
範囲のものが使用可能である。
【0022】多糖類ウレタン誘導体と他の樹脂とを併用
するときは、ウレタン誘導体100重量部に対し、その
他の樹脂1〜100重量部の使用が可能である。
【0023】受容層の白色度を向上して転写画像の鮮明
度を高めさらに画像表面に筆記性を付与し、かつ転写さ
れた画像の再転写を防止する目的で受容層3中に蛍光増
白剤及び白色顔料を添加することができる。
【0024】蛍光増白剤としては、たとえばチバガイギ
社製のユビテックスOBのような、蛍光増白剤として市
販されている多くの化合物を使用することができる。又
白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、
クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等があり、これ
らは単独または2種以上混合して用いることができる。
【0025】また、転写画像の耐光性を向上させるため
に、受容層中に紫外線吸収剤、光安定剤、もしくは酸化
防止剤等の添加剤の1種もしくは2種以上を必要に応じ
添加することができる。
【0026】これら蛍光増白剤、白色顔料、紫外線吸収
剤、光安定剤等の添加量はセルロースエステル樹脂10
0重量部に対して0.05〜10重量部が適している
が、目的によっては、その範囲外の量を添加してもよ
く、上記の添加量は単にその一例を示したにすぎず、し
たがって、この添加量に拘束されるものではない。
【0027】本発明のビデオ印画紙は、インクリボンシ
ートとの離型性を向上せしめるために受容層中に離型剤
を含有せしめることができる。離型剤としてはポリエチ
レンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の
固形ワックス類、フッ素系、リン酸エステル系の界面活
性剤、シリコーンオイル、高融点シリコーンワックス等
が上げられるがシリコーンオイルが好ましい。
【0028】たとえば、シリコーンオイルとしては油状
のものでも、反応(硬化)型のものでもよく、目的に応
じて使用する。反応(硬化)型シリコーンとしては、ア
ルコール変性シリコーンオイルとイソシアネートなどが
上げられる。また、反応(硬化)型シリコーンオイルと
しては、エポキシ変性シリコーンオイル(エポキシ・ポ
リエーテル変性シリコーンオイル)とカルボキシ変性シ
リコーンオイル(カルボキシ・ポリエーテル変性シリコ
ーンオイル)とを反応硬化させたもの、又はアミノ変成
シリコーンオイル(アミノ・ポリエーテル変性シリコー
ンオイル)とカルボキシ変性シリコーンオイル(カルボ
キシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル)とを反応硬
化させたものも好ましい。
【0029】離型剤層の厚さは0.01〜5μmが好ま
しいが特にこの厚さに限定されるものではない。
【0030】ビデオ印画紙の加工工程中又はプリンター
内での走行時に静電気の発生を抑えるために、セルロー
ズエステル樹脂系、受容層中又は受容層の表面に帯電防
止剤を含有させることもできる。
【0031】帯電防止剤としては、界面活性剤たとえば
陽イオン型界面活性剤(たとえば第4級アンモニウム
塩、ポリアミン誘導体等)、陰イオン型界面活性剤(た
とえばアルキルベンゼンスルホネート、アルキル硫酸エ
ステルナトリウム塩)、両性イオン型界面活性剤もしく
は非イオン型界面活性剤が挙げられる。
【0032】これらの帯電防止剤は、コーティング等に
より受容層表面に塗布形成または多糖類ウレタン誘導体
に添加してもよい。
【0033】一方、インクリボンに使用する染料は任意
であるが、具体的に例示するならば、例えば下記の各染
料が挙げられる。 メチン系染料(A)(マクロレックス・イエロー6
G,バイヤー社製) メチン系染料(B)(フォロン・ブリイアント・ブル
ーSR−PI,サンドッツ社製) アントラキノン系染料(C)(マクロレックス・レッ
ド・バイオレットR,バイヤー社製) アゾ系染料(D)(スミカロン・レッドS−BDF,
住友化学社製) インドアニリン系染料(E) 例えば、インドアニリン系誘導体の合成方法は以下の通
りである。先ず、2−(n−ブチロイルアミノ)−4,
6−ジクロロ−5メチルフェノール3gをエタノール2
00gに溶かし、そこへ炭酸ナトリウム8gを水100
gに溶かしたものを加え良く撹拌した。そして、4−ア
ミノ−N(β−ヒドロキシエチル)−N−エチル−mト
ルイジン硫酸塩5gを水100gに溶かした物を加えて
更に30分撹拌し、次亞塩素酸ナトリウム溶液15gを
少しずつ加えて行き、加え終ったら10分間撹拌し、水
300gを加えてろ過して染料の結晶を得る。
【0034】
【作用】本発明によれば、受容層3の組成を多糖類ウレ
タン誘導体系の樹脂にすることにより、ポリエステル系
樹脂等を用いた場合と比較して、耐光性が大幅に改善さ
れ、また、多糖類ウレタン誘導体系樹脂に染着性を高め
る化合物を配合することにより、耐光性を改善すること
ができる。一方、多糖類ウレタン誘導体系樹脂に他の樹
脂を配合することにより、さらに耐光性を改善できる。
【0035】
【実施例】以下、本発明のビデオ印画紙の実施例の具体
的内容について説明する。図1に示すように、本実施例
のビデオ印画紙1は、シート状基材2上に受容層3を有
する構造を有している。上記受容層3は、主として樹脂
から構成される。ここでは、この樹脂として多糖類ウレ
タン誘導体を使用した。
【0036】多糖類ウレタン誘導体の合成 ここで、多糖類ウレタン誘導体の代表的な製造方法とし
て、セルローズフェニルウレタン及びプルランフェニル
ウレタンの製造方法を記述する。 A.セルローズフェニルウレタンの製造方法
【0037】(1)セルローズの前処理 セルローズ(透析用セルファンチューブ、ユニオンカー
バイド社製8/32インチ)製チューブ6gを開管し、
イオン交換水500mlに室温で5時間浸漬し、その間
時々もみ出した。イオン交換水を変え、この操作を5回
行ったのち、濾紙間にはさんで強く押し、含浸した水分
を可及的に除去した。その後ジメチルホルムアミド(和
光純薬工業株式会社製,試薬特級)100mlに室温で
30分浸漬し、その間もみ出した。ジメチルホルムアミ
ドを新しいものに変え同様な操作を3回行なって、セル
ローズ中の水を可及的にジメチルホルムアミドと置換し
た後、トライボックス中で長さ約1cmに切断した。
【0038】(2)セルローズとフェニルイソシアネー
トの反応 かきまぜ機、逆流冷却器(先端に塩化カルシューム管装
備)、温度計、滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた5
00mlの4ツ口フラスコをマンドルヒーターにセット
し、前処理したセルローズ、ジメチルホルムアミド25
0ml、ジブチル錫ジラウレートおよびトリエチレンジ
アミン各々0.02gを仕込み、窒素ガスを導入(流速
100ml/分)しながら激しくかきまぜた。滴下ロー
トからフェニルイソシアネート〔試薬、東京化成工業株
式会社製、蒸留(161〜162℃)〕20gを滴下し
た。この時、イソシアネートの滴下によって内容物の温
度は約5℃上昇した。
【0039】内容物の温度が一定化してから、徐々に
(内容物の温度が100℃になるのに約1時間)加熱
し、そのままの状態で(100℃で)10時間加熱し
た。その間100℃になって約30分後にセルローズの
大部分は溶解し、透明な淡黄色の粘稠溶液となった。
【0040】その後、内容物を室温まで放冷したのち、
はげしくかきまぜたメダノール中に(徐々に)滴下し、
粉末状の白色沈殿物を得た。沈殿物は口別したのち、温
メタノールで数回洗浄し、10mmHg、温度60℃で
48時間減圧乾燥させた。
【0041】得られた白色粉末状沈殿物は、ジメチルホ
ルムアミドに室温で、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンに加熱する
と溶解した。沈殿物のジメチルホルムアミド溶液(濃度
0.250g/100ml、30℃)の極限粘度は、
1.84を示し、高分子量化合物であることが確認され
た。
【0042】また、ジフェニルカルボヒドラジットを用
いた呈色反応〔エフ・フェイグル(F.Feigl)著
「スポット・テスト・イン・オルガニック・アナライジ
ィズ(5)」409頁、1956参照。〕によってウレ
タン(−NHCOO−)基の存在が確認され、さらに元
素分析によって6.98%の窒素含有率が測定された。
【0043】以上の測定結果および(反応)原料等か
ら、この実施例によって得られた化合物は、セルローズ
中の水酸基約2個がフェニルイソシアネートと反応した
セルローズフェニルウレタンであることが推定された。
【0044】B.プルランフェニルウレタンの製造 (1)プルランの前処理 市販プルラン〔東京化成工業株式会社製、試薬〕8gを
温水(イオン交換水)80mlに溶解し、この溶液を強
くかきまぜたメタノール(試薬1級)200ml中に滴
下し、白色の不溶物とし、濾別し、さらにメタノールで
数回洗浄し、室温で減圧乾燥(10mmHg、1週間)
して、試料とした。
【0045】(2)プルランとフェニルイソシアネート
の反応 上述と同様な装置に(前処理した)プルラン5g、N−
メチルピロリドン(東京化成工業株式会社製、試薬のモ
レキュラーシーブ乾燥、減圧蒸留物)200ml、ジブ
チル錫ジラウレート0.02g、トリエチレンジアミン
0.02gを仕込み、窒素ガスを送入しながらかきまぜ
た。白濁した内容物にフェニルイソシアネート12.8
gを滴下した。滴下によって僅かに発熱(約2℃)し
た。内温が一定化してから、1時間後に内温が70℃に
なるように加熱し、そのままの状態で7時間反応した。
その間、白濁していた内容物は、70℃で約1時間加熱
した時点で黄色の粘稠透明液に変化した。
【0046】反応終了後、内容物を室温まで放冷したの
ち、強くかきまぜたメタノール(1l)中に滴下した。
生成した白色沈殿物を濾別し、メタノールで数回洗浄、
減圧乾燥し、白色粗粉未状物9.5gを得た。生成物
は、室温でテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアシ
ド、メチルエチルケトンに、加熱するとジオキサン、シ
クロヘキサノンに溶解し、トルエンには加熱しても、膨
潤するのみで不溶であった。
【0047】ジメチルホルムアシド溶液(濃度0.25
0g/100ml、30℃)の極限程度は2.03を示
し、高分子量化合物であることが確認された。ジフェニ
ルカルボヒドラジットによる呈色反応でウレタン基の存
在が明確に示され、赤外線吸収スペクトル(テトラヒド
ロフラン溶液から作成したフィルムを試料とする)には
3300、1730、1500cm-1付近にウレタン結
合の吸収が、又650〜750cm-1付近に芳香族一置
換体の吸収が現れた。さらに元素分析によって6.10
%の窒素含有率が測定された。
【0048】以上の測定結果ならびに原料から、この実
施例による生成物はプルランの3個の水酸基の内約1.
5個がフェニルウレタン基、1.5個が未反応水酸基か
らなるプルランフェニルウレタンであることが推定され
た。
【0049】なお、以上に準じた製造方法で原料を種々
に選択することによって各種類の多糖類ウレタン誘導体
を製造することができる。
【0050】受容層シートの作成 上記受容層シートは、150μm合成紙(王子油化社
製、商品名FPG−150)に受容層組成物を乾燥膜厚
が10μmとなるように塗布し、50℃、48時間でキ
ュアリングを行うことによって作成されるものである。
受容層組成物の組成は下記に示す通りである。なお、各
シートにおいて使用した多糖類ウレタン誘導体及び染着
性を高めるために添加したエステル化合物の種類,添加
量を表1に示す。 受容層組成物 多糖類ウレタン誘導体 20.0重量部 (表1参照) 染着性を高めるための化合物 0〜4重量部 (表1参照) イソシアネート 1.0重量部 (武田薬品社製、商品名タケネートD−110N) 変成シリコンオイル 0.6重量部 (東レダウコーニング社製、商品名SF8427) 蛍光増白剤 0.04重量部 (チバガイギー社製、商品名ユビテックスOB) メチルエチルケトン 40.0重量部
【0051】
【表1】
【0052】使用したインクリボン Y:イエロー(プリント材のリボンVPM−30ST,
ソニー社製) M:マゼンタ(プリント材のリボンVPM−30ST,
ソニー社製) C:シアン(プリント材のリボンVPM−30ST,ソ
ニー社製) 使用したインクリボンの作成方法は下記の通りである。 インク層組成物 染料 3.70重量部 エチルヒドロキシエチルセルロース 7.42重量部 (EHEC−LOWハーキュレス社製) トルエン 44.44重量部 メチルエチルケトン 44.44重量部
【0053】上記割合の組成の混合物を撹拌して、イン
クの調整を行った。そして、このインク層組成物をコイ
ルバーを用いて背面処理した6μmポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム上に乾燥膜厚が約1μmと
なるように塗布して昇華型転写シートを作製し、インク
シートとした。
【0054】熱転写記録 熱転写記録においては、インクシートと受容層シートを
カラービデオプリンター(ソニー社製、商品名CVP−
G500)を用いて12階調のステアステップ印画を行
った。
【0055】耐光性試験 階調印画した受容層シートをキセノンアークフェードメ
ーター(スガ試験機製)で60,000KJ/m2 照射
した。照射前後の濃度をマクベス反射濃度計(TR−9
24型)を用いて、最高濃度部および濃度1.0付近の
階調部を測定し、染料の残存率を下記の(4)式にした
がって算出した。
【0056】
【数1】
【0057】暗退色性試験 階調印画した受容層シートを恒温恒湿槽(タバイ製)中
で、65℃、85%RH、10日間保持し、マクベス反
射濃度計(TR−924)を用いて、最高濃度部および
濃度1.0付近の試験前後の濃度変化を測定し、染料の
残存率を下記の(5)式にしたがって算出した。
【0058】
【数2】
【0059】染着濃度測定 マクベス反射濃度計(TR−924)を用いて、階調印
画した受容層シートの最高濃度部を測定した。印画像の
染着濃度、耐光性試験、暗退色試験の結果を一括して表
2及び表3に示した。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】表2〜3の試験結果から、従来使用されて
いたポリエステル系樹脂(比較例1,2)に比べて、多
糖類ウレタン誘導体を用いると、染着度が向上し、耐光
性、退色性試験後の染料の残存率が高く、耐光性、耐退
色性などの耐久性が改善されていることが判った。
【0063】なお、本発明は上述実施例に限ることなく
本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成が採
り得ることは勿論である。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、受容層の組成を多糖類
ウレタン誘導体系の樹脂にすることにより、ポリエステ
ル系樹脂等を用いた場合と比較して、耐光性が大幅に改
善され、また、多糖類ウレタン誘導体系樹脂に染着性を
高める化合物を配合することにより、大旨耐光性を改善
することができる。一方多糖類ウレタン誘導体系樹脂に
他の樹脂を配合することにより、さらに耐光性を改善で
きる場合があるという利益が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体に支持された染料または染料を含む
    インクを加熱により溶融または昇華させて染料を印画紙
    の主として樹脂よりなる受容層に移行して画像を形成す
    るビデオ印画紙において、 受容層の樹脂は主として多糖類ウレタン誘導体であるこ
    とを特徴とするビデオ印画紙。
  2. 【請求項2】 受容層の樹脂は多糖類ウレタン誘導体に
    相溶な他の樹脂を50重量%以下含有することを特徴と
    する請求項1記載のビデオ印画紙。
  3. 【請求項3】 受容層の樹脂は相溶して染着性を高める
    ための化合物を含有することを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載のビデオ印画紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7485689B2 (en) * 1999-12-14 2009-02-03 Tiense Suikerraffinaderij N.V. Tensio-active glucoside urethanes

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