JPH0542690A - 感熱転写記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字すべき画情報が無い時のインクフィルム
の浪費を低減し、ランニングコストをできるだけ安く維
持できる感熱転写記録装置を提供する。 【構成】 ラインサーマルヘッド（６）を、必要に応じ
てプラテンローラ（５）から離間させるヘッドレリーズ
機構（６１）と、インクフィルム（７）を、ライン印字
方向に正進搬送すると共に、必要に応じてその反対方向
への逆進搬送も可能なインクフィルム正逆進搬送制御ユ
ニット（１０Ａ）と、画像メモリ（１３）の記憶内容に
基づいて無印字ラインが副走査方向に一定長以上存続す
るかどうかを判定し、無印字ラインが一定長以上存続し
た場合、次に有効印字ラインが到来するまでラインサー
マルヘッド（６）をレリーズさせ、その間、記録用紙
（Ｐ）のライン印字方向への搬送に追従したインクフィ
ルム（７）の正進搬送を禁止すべく制御する印字制御部
（１４）とを設けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ装置等に
用いられ、感熱転写記録方式により記録を行う記録装置
に係り、特に、感熱転写記録媒体として用いられるイン
クフィルムの節約動作モードを備えた感熱転写記録装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、ファクシミリ装置の中に
は感熱転写記録方式の記録部を採用したものがあるが、
この種の用途に供する従来の感熱転写記録装置は図５に
示すような構成を有するのが一般的であった。

【０００３】図５において、給紙カセット１にはシート
状の記録用紙Ｐが装着されており、この記録紙用紙Ｐは
例えば記録開始の指令とともに給紙ローラ２により１枚
づつ引き出され、搬送路３を経た後、搬送ローラ対４に
よりプラテンローラ５とラインサーマルヘッド６との間
に給送される。

【０００４】このプラテンローラ５とラインサーマルヘ
ッド６との間には、予めインクフィルム７が介在されて
おり、かつ送りローラ８と巻取りローラ９とがインクフ
ィルム搬送制御ユニット１０からの制御のもとで矢印ａ
方向に搬送されている。

【０００５】これにより、搬送ローラ対４から送られて
きた記録用紙Ｐは、上記プラテンローラ５とラインサー
マルヘッド６間で、上記インクフィルム７の重ね合わさ
れたまま、かつこれと等速度で矢印ｂ方向へと搬送され
る。

【０００６】この搬送に合わせて、ラインサーマルヘッ
ド７は印字制御部１４の制御のもとに画情報に応じて発
熱駆動される。

【０００７】この時、ラインサーマルヘッド７の発熱部
がこれに当接されているインクフィルムのインクを溶融
させ、この溶融インクが記録用紙Ｐに感熱転写記録画像
として定着する。

【０００８】この感熱転写記録プロセスの後、記録用紙
Ｐは、インクフィルム剥離シャフト１１によりインクフ
ィルム７より剥離され、更に、搬送ローラ対１２により
図示しない排出部へと搬送される。

【０００９】このように従来の感熱転写装置では、１枚
の記録用紙Ｐに対して画情報を記録する間、記録部にお
いてその記録用紙Ｐがインクフィルム７と重ね合わされ
た状態で同一の方向に同一速度で搬送されるようになっ
ていた。

【００１０】このため、従来は、印字すべき画情報が無
い場合も記録用紙Ｐの搬送に追従してその搬送量と同量
のインクフィルム７が消費され、特に、画情報が、一枚
の記録用紙の副走査方向の上部と下部にのみ存在し、中
間部に印字の画情報が無い場合等の記録に際しては、イ
ンクフィルムの浪費が顕著化し、ランニングコストを高
騰させる大きな要因となっていた。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】このように上記従来の
感熱転写記録装置では、一旦印字が開始された後はイン
クフィルムが常に記録用紙と一体となって同一速度で同
一量だけ搬送される構造であったため、特に、その画情
報中に無印字ラインが多く存在する場合におけるインク
フィルムの浪費が甚だしく、ランニングコスト高騰の原
因になるという問題点があった。

【００１２】本発明はこの問題点を除去し、印字すべき
画情報が無い時のインクフィルムの浪費を低減し、ラン
ニングコストをできるだけ安く維持できる感熱転写記録
装置を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、プラテンロー
ラとこれに押圧されるラインサーマルヘッドの間でイン
クフィルムと記録用紙を重ね合わせて搬送し、前記ライ
ンサーマルヘッドの発熱駆動に応じた前記インクフィル
ムの溶融インクを前記記録用紙に転写せしめることによ
って画情報をライン毎に印字する感熱転写記録装置にお
いて、前記ラインサーマルヘッドを、必要に応じて前記
プラテンローラから離間させるヘッドレリーズ手段と、
前記インクフィルムを、前記ライン印字方向に正進搬送
すると共に、必要に応じてその反対方向への逆進搬送も
可能なインクフィルム正逆進搬送手段と、画像メモリの
記憶内容に基づいて無印字ラインが副走査方向に一定長
以上存続するかどうかを判定する無印字ライン判定手段
と、無印字ラインが一定長以上存続した場合、次に有効
印字ラインが到来するまで前記ラインサーマルヘッドを
前記プラテンローラから離間させ、その間、前記記録用
紙の前記ライン印字方向への搬送に追従した前記インク
フィルムの正進搬送を禁止すべく制御する印字制御手段
とを具備することを特徴とする。

【００１４】

【作用】本発明の感熱転写記録装置では、インクフィル
ムを正進または逆進のいずれかの方向に搬送可能な機構
を設けると共に、ラインサーマルヘッドを必要に応じて
プラテンローラから離間させ得るヘッドレリーズ機構を
設け、印字制御部においては、画像メモリ内に記憶され
た画情報中に一定長以上の無印字ラインが存在するかど
うかを常に監視し、一定長以上の無印字ラインが存続す
る場合には、ラインサーマルヘッドをレリーズさせた状
態で、その間、記録用紙の搬送に追従したインクフィル
ムの搬送を禁止するように制御するものである。

【００１５】その際、インクフィルムを記録用紙の搬送
と非同期に制御する方法としては、インクフィルムを一
定量巻戻すようにする他、単に、その搬送を停止させる
ようにしてもよい。

【００１６】いずれの方法の場合も、無印字ラインに相
当する区間にインクフィルムの搬送が禁止されるため、
この区間に相当した長さのインクフィルムの節約が可能
となる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。

【００１８】図１は、本発明の一実施例に係る感熱転写
記録装置の概略構成図であり、従来装置（図５）の各部
と同様の機能を果たすものには同一の符号を付してい
る。

【００１９】本発明の感熱転写記録装置の特徴的な構造
として、まず、インクフィルム７の搬送機構には、逆転
機能付き送りローラ８Ａと逆転機能付き巻取りローラ９
Ａが採用されている。

【００２０】これら逆転機能付きの送りローラ８Ａ，巻
取りローラ９Ａは、それぞれ実線で図示する矢印ｃ，ｄ
方向（正転）およびこれとは逆の点線で図示する矢印
ｃ′，ｄ′方向（逆転）のいずれの方向にも回転可能に
構成されている。

【００２１】これにより、インクフィルム正逆進搬送制
御ユニット１０Ａでは、上記送りローラ８Ａと巻取りロ
ーラ９Ａを正逆転いずれかの方向に回転駆動することに
よって、インクフィルム７を、実線で図示する矢印ａ方
向へ正進搬送するかまたは点線で図示する矢印ａ′方向
へ逆進搬送することができる。

【００２２】また、本発明の感熱転写記録装置では、ラ
インサーマルヘッド６を保持する機構に関して、ヘッド
レリーズ機構６１が採用されている。

【００２３】このヘッドレリーズ機構６１は、ラインサ
ーマルヘッド６をプラテンローラ５に押圧する矢印ｅ方
向（実線で図示する）およびプラテンローラ５から離間
する矢印ｅ′方向（点線で図示する）のいずれの方向に
も移動できるような機構となっている。

【００２４】このヘッドレリーズ機構６１によって、当
該装置内部におけるラインサーマルヘッド６の姿勢は、
図１に示す如くプラテンローラ５に対して押圧された状
態か、もしくは図２に示す如くプラテンローラ５に対す
る押圧を完全に解かれた状態のどちらかに保持すること
ができる。

【００２５】このうち、特に、図２に示す状態は、後述
するインクフィルム節約モードの制御によって確立され
る姿勢である。

【００２６】この姿勢の時、ラインサーマルヘッド６は
インクフィルム７から完全に離間するため、これを利用
して、上記インクフィルム正逆進搬送制御ユニット１０
Ａにより送りローラ８Ａと巻取りローラ９Ａをそれぞれ
矢印ｃ′，ｄ′方向に回転駆動させれば、インクフィル
ム７の矢印ａ′方向への逆進搬送を支障無く実行するこ
とができる。

【００２７】その他、給紙カセット１、給紙ローラ２、
搬送路３、搬送ローラ対４，１２、インクフィルム剥離
シャフト１１等は従来と同等のものである。

【００２８】係る構造を有する本発明の感熱転写記録装
置の基本的な印字動作を図３に示すフローチャートを参
照して説明する。

【００２９】例えば、受信により画像メモリ１３に対す
る復調画情報の記憶が完了すると、印字制御部１４が上
記各機構を印字モードに制御し、以下の方法によりその
記憶された画情報の印字を行う（Ｓ３０１）。

【００３０】すなわち、この印字モードにおいて、シー
ト状の記録用紙Ｐは給紙カセット１から１枚づつ引き出
され、搬送路３を経た後、搬送ローラ対４によりプラテ
ンローラ５とラインサーマルヘッド６間に給送される。

【００３１】この時、ラインサーマルヘッド６はヘッド
レリーズ機構６１により図１に示す如くインクフィルム
７を介してプラテンローラ５に押圧されている。

【００３２】また、この時、インクフィルム７はインク
フィルム正逆進搬送制御ユニット１０Ａの制御のもと
に、送りローラ８Ａと巻取りローラ９Ａの正転駆動に追
従して矢印ｂ方向に搬送されている。

【００３３】この状態で、搬送ローラ対４から送られて
くる記録用紙Ｐは、プラテンローラ５の手前で上記イン
クフィルム７と重ね合わされ、かつその搬送に追従して
プラテンローラ５とラインサーマルヘッド６間を矢印ｂ
方向へと搬送される。

【００３４】この搬送に合わせて、ラインサーマルヘッ
ド７は印字制御部１４の制御のもとに記録すべき画情報
に応じて発熱駆動され、その発熱部でインクフィルム７
のインクを溶融する。

【００３５】この溶融インクはインクフィルム７に当接
された記録用紙Ｐに転写され、感熱転写記録画像として
記録用紙Ｐに定着する。

【００３６】その後、記録用紙Ｐは、インクフィルム剥
離シャフト１１によりインクフィルム７から剥離され、
更に、搬送ローラ対１２によって図示しない排出部へと
搬送されていく。

【００３７】この通常印字動作の間、印字制御部１４は
画像メモリ１３に記憶された画情報に関して一定長以上
の無印字（印字画情報無し）ラインが存在するかどうか
を監視している（Ｓ３０２）。

【００３８】ここで、一定長以上の無印字ラインが存在
しないと判定されと（Ｓ３０２ＮＯ）、上記通常印字モ
ードによる印字を継続する（Ｓ３０３）。

【００３９】これに対して、通常印字モードにおいて、
一定長以上の無印字ラインが存在することが判定された
場合（Ｓ３０２ＹＥＳ）、次いで印字制御部１４はイン
クフィルム節約モードを実行する（Ｓ３０４）。

【００４０】次に、このインクフィルム節約モードにお
ける制御動作を図４に示すフローチャートを参照して説
明する。

【００４１】このインクフィルム節約モードでは、ま
ず、印字制御部１４からの指令に基づいてヘッドレリー
ズ機構６１がラインサーマルヘッド６をレリーズ動作さ
せ、該ラインサーマルヘッド６をプラテンローラ５から
離間させる（Ｓ４０１）。

【００４２】これによって、ラインサーマルヘッド６は
プラテンローラ５に対して図２に示す如くの姿勢に保た
れる。

【００４３】この状態の初期の段階では、記録用紙Ｐと
インクフィルム７を共に２の矢印ｂ方向に所定量だけ正
進搬送する（Ｓ４０２）。

【００４４】その後、所定量の搬送が完了した時点で、
記録用紙Ｐのみは引き続き正進搬送し、他方、インクフ
ィルム７は逆進搬送し、一定量だけ巻戻されたところで
その移動を停止する（Ｓ４０３）。

【００４５】引き続き、記録用紙Ｐの正進搬送を続けな
がら（Ｓ４０４）、印字制御部１４に画像メモリ１３の
監視によって、有印字（印字画情報有り）ラインがどの
程度先に存在するかを監視する（Ｓ４０５）。

【００４６】ここで、有印字ラインが見い出せない間は
（Ｓ４０５ＮＯ）、記録用紙Ｐの正進搬送を継続し、か
つインクフィルム７の搬送停止の状態を維持する。

【００４７】これに対して、その記録用紙Ｐの正進搬送
中に有印字ラインの存在を数ライン先に見い出すと（Ｓ
４０５ＹＥＳ）、記録用紙Ｐの正進搬送を続けながら、
インクフィルム７の正進搬送を再開する（Ｓ４０６）。

【００４８】更に、その後は、ヘッドレリーズ機構６１
によりラインサーマルヘッド６のレリーズ動作を解除し
（Ｓ４０７）、このラインサーマルヘッド６を上記正進
搬送の開始されたインクフィルム７を介してプラテンロ
ーラ５に押圧する。

【００４９】これによって、プラテンローラ５とライン
サーマルヘッド６は、再び、図１に示す如くの姿勢に保
たれ、この状態で、上記インクフィルム７と記録用紙Ｐ
とを重ね合わせたまま搬送しながらラインサーマルヘッ
ド６の駆動に応じて画情報の印字を再開する。

【００５０】このように、本発明では、印字すべき画情
報中に一定長以上の無印字ラインがある場合、その区間
のインクフィルムの搬送を禁止することによってその浪
費を防止できる。

【００５１】尚、上記実施例では、Ｓ４０３の処理にお
いて、ラインサーマルヘッド６をレリーズした後、イン
クフィルム７の巻戻しを行うようにしているが、係る状
況に際してインクフィルム７の巻戻しは行わず、単に、
インクフィルム７の搬送を停止するだけの制御によって
も同様の効果が期待できる。

【００５２】また、本発明は、上述したファクシミリ装
置のみならず、種々の機器における記録装置として適用
できることは言うまでもない。

【００５３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の感熱転写
記録装置によれば、印字すべき画情報中に一定長以上の
無印字ラインが存在する場合、その区間のみインクフィ
ルムの正進搬送を禁止するようにしたため、当該区間に
相当するインクフィルムの浪費を防止でき、特に、無印
字ラインの比率が大きな印字画情報を対象とした場合の
１枚当たりの印字コストの低減効果が大きく、結果とし
て、装置全体のランニングコストを大幅に低減すること
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る感熱転写記録装置の通
常印字モードの動作を説明するための概略図。

【図２】本発明の一実施例に係る感熱転写記録装置のイ
ンクフィルム節約モードの動作を説明するための概略
図。

【図３】本発明に係る感熱転写記録装置の基本印字動作
を示すフローチャート。

【図４】本発明に係る感熱転写記録装置のインクフィル
ム節約モードの動作を示すフローチャート。

【図５】この種の従来の感熱転写記録装置の一般的構成
を示す概略図。

【符号の説明】

１ 給紙カセット ２ 給紙ローラ ３ 搬送路 ４，１２ 搬送ローラ対 ５ プラテンローラ ６ ラインサーマルヘッド ７ インクフィルム ８ 送りローラ ９ 巻取りローラ １０ インクフィルム搬送制御ユニット ８Ａ 逆転機能付送りローラ ９Ａ 逆転機能付巻取りローラ １０Ａ インクフィルム正逆進搬送制御ユニット １１ インクフィルム剥離シャフト １３ 画像メモリ １４ 印字制御部 Ｐ 記録用紙

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラテンローラとこれに押圧されるライ
   ンサーマルヘッドの間でインクフィルムと記録用紙を重
   ね合わせて搬送し、前記ラインサーマルヘッドの発熱駆
   動に応じた前記インクフィルムの溶融インクを前記記録
   用紙に転写せしめることによって画情報をライン毎に印
   字する感熱転写記録装置において、 前記ラインサーマルヘッドを、必要に応じて前記プラテ
   ンローラから離間させるヘッドレリーズ手段と、 前記インクフィルムを、前記ライン印字方向に正進搬送
   すると共に、必要に応じてその反対方向への逆進搬送も
   可能なインクフィルム正逆進搬送手段と、 画像メモリの記憶内容に基づいて無印字ラインが副走査
   方向に一定長以上存続するかどうかを判定する無印字ラ
   イン判定手段と、 無印字ラインが一定長以上存続した場合、次に有効印字
   ラインが到来するまで前記ラインサーマルヘッドを前記
   プラテンローラから離間させ、その間、前記記録用紙の
   前記ライン印字方向への搬送に追従した前記インクフィ
   ルムの正進搬送を禁止すべく制御する印字制御手段とを
   具備することを特徴とする感熱転写記録装置。
2. 【請求項２】 ラインサーマルヘッドのレリーズ期間に
   おけるインクフィルムの正進搬送禁止制御として、前記
   印字制御手段は、前記記録用紙のライン印字方向への搬
   送を継続したまま、前記インクフィルムを逆進搬送さ
   せ、一定量逆進させたところで該インクフィルムを搬送
   停止状態に保持することを特徴とする請求項１記載の感
   熱転写記録装置。
3. 【請求項３】 ラインサーマルヘッドのレリーズ期間に
   おけるインクフィルムの正進搬送禁止制御として、前記
   印字制御手段は、前記記録用紙のライン印字方向への搬
   送を継続したまま、前記インクフィルムを搬送停止状態
   に保持することを特徴とする請求項１記載の感熱転写記
   録装置。