JP2023147672A - 記録システムおよび後処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄積量を確保するためにバッファー部の容量を増やすと装置が大型化する。【解決手段】記録システムは、連続状の媒体を搬送する第1搬送部と、前記第1搬送部により搬送される前記媒体へ記録を行う記録部と、前記媒体を搬送する第2搬送部と、前記第2搬送部により搬送される前記媒体へ所定の後処理を行う後処理部と、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間に設けられ、前記第1搬送部から搬送される前記媒体の蓄積と前記第2搬送部への前記媒体の供給とが可能なバッファー部と、を備え、前記記録部が前記媒体へ記録を行う記録期間において、前記第2搬送部は第1搬送速度により前記媒体を搬送し、前記記録期間後の前記記録部が前記媒体へ記録を行わない非記録期間において、前記第2搬送部は前記媒体の搬送速度を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度とする。【選択図】図5

Description

本発明は、記録システムおよび後処理装置に関する。
連続状の長尺なラベル紙等の媒体へ記録を行う記録部と、記録が行われた媒体に対する後処理を実行する後処理部とを有し、記録部から後処理部へ向かう媒体の搬送経路に、媒体を一時的に蓄積して媒体の弛みやテンションを制御するバッファー部を設けた構成が知られている。
また、レーザー加工装置と印刷装置とを備えるラベル作成装置が開示されている(特許文献1参照。)。文献1によれば、レーザー加工装置には、加工側送り機構が設けられ、印刷装置には、印刷側送り機構が設けられており、加工側送り機構および印刷側送り機構により、長尺帯状のシートであるメディアをロール・ツー・ロール方式で送るメディア送り部が構成されている。レーザー加工装置と印刷装置との間には、バッファー部が設けられており、バッファー部には、レーザー加工装置から送り出されたメディアが一時的に蓄積される。
特開2016‐64541号公報
上述のような前段部と、バッファー部と、後段部とが媒体の搬送経路で繋がった構成において、前段の記録部がユーザーの要望や工程の決まり上、記録を終えた媒体を戻し搬送する場合がある。戻し搬送をバックフィードとも言う。バックフィードでは、バッファー部に蓄積された媒体量分の距離を搬送上流へ戻すことができる。バッファー部からは下流へ媒体が流出するため、十分なバックフィードの距離を確保するには、バッファーの容量を増やす必要があったが、バッファーの容量増はバッファーを含む装置の大型化を招く。このような課題に鑑みて、バックフィードの距離確保に寄与する改善が求められている。
記録システムは、連続状の媒体を搬送する第1搬送部と、前記第1搬送部により搬送される前記媒体へ記録を行う記録部と、前記媒体を搬送する第2搬送部と、前記第2搬送部により搬送される前記媒体へ所定の後処理を行う後処理部と、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間に設けられ、前記第1搬送部から搬送される前記媒体の蓄積と前記第2搬送部への前記媒体の供給とが可能なバッファー部と、を備え、前記記録部が前記媒体へ記録を行う記録期間において、前記第2搬送部は第1搬送速度により前記媒体を搬送し、前記記録期間後の前記記録部が前記媒体へ記録を行わない非記録期間において、前記第2搬送部は前記媒体の搬送速度を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度とする。
連続状の媒体へ記録を行う記録装置により搬送される前記媒体を受け入れて、前記媒体に対して所定の後処理を行う後処理装置は、前記媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記媒体へ前記後処理を行う後処理部と、前記記録装置から搬送される前記媒体の蓄積と前記搬送部への前記媒体の供給とが可能なバッファー部と、を備え、前記搬送部は、前記記録装置が前記媒体へ記録を行う記録期間において、第1搬送速度により前記媒体を搬送し、前記記録期間後の前記記録装置が前記媒体へ記録を行わない非記録期間において、前記媒体の搬送速度を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度とする。
記録システムの構成の一部を簡易的に示す図。 バッファー部の一例を示す図。 記録装置および後処理装置それぞれの制御系の構成を簡易的に示すブロック図。 第1制御モードおよび第2制御モードを説明するための回路図。 記録装置が実行するモード切替制御処理を示すフローチャート。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。各図は例示であるため、比率や形状が正確でなかったり、互いに整合していなかったり、一部が省略されていたりする場合がある。
1.システム構成の説明:
図1は、本実施形態にかかる記録システム10の構成の一部を、媒体30の搬送経路Fに交差する向きの視点によりを簡易的に示している。記録システム10は、概略、連続状の媒体30へ記録を行う記録装置20と、媒体30へ所定の後処理を行う後処理装置50と、を含んでいる。記録装置20および後処理装置50に亘って媒体30の搬送経路Fが形成されている。搬送経路Fは、後述するように、第1搬送部22、バッファー部40、第2搬送部51により形成されている。
媒体30は、例えば用紙であるが、記録の対象となり得るシート状の媒体であればよく、フィルムや生地等であってもよい。また、媒体30は、台紙と、台紙に対して剥離可能に貼り付けされたラベルとを有するラベル紙であってもよい。記録装置20は、連続状の媒体30をロール状に巻いたロール状媒体30Aを、繰り出し機21により保持している。記録装置20は、モーターで繰り出し機21を駆動することにより、ロール状媒体30Aを回転させ、ロール状媒体30Aから媒体30を搬送経路Fの下流へ繰り出す。以下では、搬送経路Fの上流、下流を、単に上流、下流と言う。図1においては、繰り出し機21が最も上流に在り、後処理装置50は記録装置20よりも下流に在る。搬送とは、基本的には上流から下流に向けた媒体30の搬送を意味する。ただし、記録システム10では、下流から上流に向けた媒体30の戻し搬送であるバックフィードも実行可能である。
記録装置20は、ロール状媒体30Aから繰り出された媒体30を搬送する第1搬送部22を有する。図1の例では、第1搬送部22は、搬送ローラー22aと従動ローラー22bとによる第1ローラー対と、搬送ローラー22cと従動ローラー22dとによる第2ローラー対とを有する。各ローラー対は、対を形成するローラー間に媒体30を挟持した状態で回転することにより媒体30を搬送する。第1ローラー対は、第2ローラー対よりも上流に配置されている。
第1ローラー対と第2ローラー対との間には、搬送される媒体30を支持する面としてのプラテン23が配置されている。プラテン23の上方には、第1搬送部22により搬送される媒体30へ記録を行う記録部24が支持されている。記録部24は、インクジェット方式によりインク等の液体を吐出して記録を行う手段である。図1の例では、記録部24は、記録ヘッド24C,24M,24Y,24Kを有している。記録ヘッド24C,24M,24Y,24Kは夫々が複数のノズルを有し、各ノズルから液体のドットを吐出することが可能である。
記録ヘッド24Cは、シアン(C)インクを吐出する記録ヘッドである。また、記録ヘッド24Mはマゼンタ(M)インクを、記録ヘッド24Yはイエロー(Y)インクを、記録ヘッド24Kはブラック(K)インクを吐出する記録ヘッドである。プラテン23上を搬送される媒体30に対して記録ヘッド24C,24M,24Y,24KがCMYKの各色インクを吐出することにより、媒体30にカラー画像が記録される。搬送経路Fに沿った記録ヘッド24C,24M,24Y,24Kの配置順は、図1に示す通りでなくてもよい。また、記録部24は、CMYKインク以外の色のインクや、インク以外の液体を吐出して媒体30に記録することも当然に可能である。
第1搬送部22は、プラテン23の替わりに円筒状の回転可能なドラムを有し、ドラムの周面で媒体30を支持して、記録部24により記録される媒体30を搬送するとしてもよい。第1搬送部22は、第2ローラー対よりも下流にローラー22e,22fを有し、第2ローラー対の下流における搬送経路Fをさらに形成してもよい。記録部24による記録が行われた媒体30は、ローラー22e,22fに案内されてさらに下流へ搬送される。
第1搬送部22によって下流へ搬送される媒体30は、後処理装置50が受け入れる。後処理装置50は、媒体30を搬送する第2搬送部51と、第2搬送部51により搬送される媒体30へ後処理を行う後処理部52と、記録装置20から搬送される媒体30の蓄積と第2搬送部51への媒体30の供給とが可能なバッファー部40と、を備える。つまり、バッファー部40は、第1搬送部21と第2搬送部51との間に設けられている。第2搬送部51は、バッファー部40に蓄積された媒体30を、さらに下流へ搬送する。
図1の例では、第2搬送部51は、搬送ローラー51aと従動ローラー51bとによる第3ローラー対と、搬送ローラー51cと従動ローラー51dとによる第4ローラー対とを有する。第3ローラー対は、第4ローラー対よりも上流に配置されている。第3ローラー対と第4ローラー対との間には、後処理部52が配置されている。
言うまでもないが、第1搬送部22や第2搬送部51が夫々に有するローラーの配置および数や、それらによって案内される搬送経路Fの形状は、図1に示す通りでなくてもよい。
本実施形態が想定する後処理部52は多岐に亘る。以下に、後処理の具体例を幾つか挙げる。
後処理部52が実行する後処理は、例えば、記録部24による記録が行われた媒体30に対して第2の記録を行う記録処理である。この場合、後処理部52は記録や印刷を行う手段であり、記録部24によって記録された媒体30上の画像に対して、第2の記録として、例えば、保護膜を印刷したり、特殊な記録剤を用いた装飾のための印刷をしたりする。また、後処理部52は、記録部24による記録後の媒体30に、第2の記録として金箔を付着させるものであってもよい。
後処理部52が実行する後処理は、例えば、記録部24による記録が行われた媒体30を読取部により読み取って検査を行う検査処理である。この場合、後処理部52はスキャナー、カメラ、測色器等の読取部を兼ねており、記録部24によって記録された媒体30上の画像を読み取り、その読取結果から、色、明るさ、傾き、ずれ、文字品質、その他の様々な検査を実行可能である。後処理部52は、このような検査の結果を、所定のディスプレイに表示させてユーザーに視認させるとしてもよい。
後処理部52が実行する後処理は、例えば、記録部24による記録が行われた媒体30を切るカット処理である。この場合、後処理部52は媒体30に対して移動可能なカッターであり、媒体30に記録された画像単位、あるいは複数の画像のまとまり単位、あるいはページ単位等、必要な単位で媒体30を切断する。また、カット処理は媒体30をカッターで分断する処理だけでなく、後に分断し易いように媒体30に切れ目を入れる処理であってもよい。また、媒体30がラベル紙であるとき、カット処理は、台紙はカットせずに画像が記録されたラベルを特定形状にカットする処理であってもよい。
後処理部52が実行する後処理は、例えば、記録部24による記録が行われた媒体30を加熱する加熱処理である。この場合、後処理部52はヒーターであり、媒体30を加熱する。加熱は、例えば、インクの乾燥のための加熱である。また、後処理部52は、媒体30をラミネート加工するために、所定の素材を加熱して媒体30に圧着させる手段であってもよい。
その他にも、後処理部52が実行する後処理は、媒体30に対するパンチ穴の加工処理、ステープルによる綴じ処理、折り曲げ処理等、様々な処理が考えられる。
後処理部52によって後処理された媒体30の部分は、搬送ローラー51cによりさらに下流へ搬送される。図1では、搬送ローラー51cよりも下流の搬送経路Fは図示を省略している。
2.バッファー部40の説明:
図2は、バッファー部40の一例を示している。バッファー部40は、複数の固定ローラー41と、ダンサーローラー43とを有する。複数の固定ローラー41は、互いの間を空けて直線状に並んでおり、固定された位置でそれぞれが回転可能である。ダンサーローラー43は、それぞれが回転可能な複数の移動ローラー42が互いの間を空けて直線状に並ぶことにより構成されている。ダンサーローラー43は、一端側の軸44を中心に全体が回転可能である。図2では、固定ローラー41から最も離れたときのダンサーローラー43を破線で示している。ダンサーローラー43が固定ローラー41から最も離れているとき、バッファー部40は容量の全てを使用して媒体30を蓄積していることになる。
方向A1は、第1搬送部22からバッファー部40へ媒体30が送られる方向を示し、方向A2は、バッファー部40から第2搬送部51へ媒体30が供給される方向を示している。なお、バッファー部40自体に媒体30を動かす能力は無いため、第2搬送部51の搬送力によってバッファー部40から下流へ媒体30が移動することを、バッファー部40から第2搬送部51へ媒体30が供給されると表現している。図2に示すように、媒体30は、固定ローラー41と移動ローラー42とに交互に巻き掛けられている。単位時間当たりの第1搬送部22による媒体30の搬送量の方が、単位時間当たりの第2搬送部51による媒体30の搬送量よりも多い場合は、バッファー部40における媒体30の蓄積量の増加に応じてダンサーローラー43は固定ローラー41から離れる方向へ回転する。
逆に、単位時間当たりの第1搬送部22による媒体30の搬送量の方が、単位時間当たりの第2搬送部51による媒体30の搬送量よりも少ない場合は、バッファー部40における媒体30の蓄積量の減少に応じてダンサーローラー43は固定ローラー41へ接近する方向へ回転する。バッファー部40は、媒体30の蓄積量の増減に応じて移動可能なダンサーローラーを含むものであればよく、図2に示す構成に限定されない。
3.制御系の説明:
図3は、記録装置20、後処理装置50それぞれにおける主に制御系の構成をブロック図により簡易的に示している。記録装置20は、記録制御部25や第1搬送モーター26を有する。第1搬送モーター26は、第1搬送部22の動力源であり、図1を参照すると、繰り出し機21、搬送ローラー22a、搬送ローラー22cを駆動させる。記録制御部25は、記録装置20のコントローラーであり、プロセッサー、メモリー、メモリーに記憶されたプログラム等により構成される。プロセッサーは、プログラムに従った処理を行う。記録制御部25は、記録部24による記録を制御して媒体30に画像を記録する。また、記録制御部25は、第1搬送モーター26の回転速度や回転位置を制御して、第1搬送部22による媒体30の搬送を実行する。
後処理装置50は、後処理制御部53や第2搬送モーター54や位置センサー45を有する。第2搬送モーター54は、第2搬送部51の動力源であり、図1を参照すると、搬送ローラー51a、搬送ローラー51cを駆動させる。後処理制御部53は、後処理装置50のコントローラーであり、プロセッサー、メモリー、メモリーに記憶されたプログラム等により構成される。後処理制御部53は、後処理部52を制御して媒体30に対して後処理を実行する。また、後処理制御部53は、第2搬送モーター54の回転速度や回転位置を制御して、第2搬送部51による媒体30の搬送を実行する。第2搬送部51による媒体30の搬送は、当然に、後処理部52が実行する後処理にとって必要な搬送である。そのため、例えば、継続的な搬送であったり、搬送と停止とを繰り返す間欠搬送であったり、一時的なバックフィードを含みつつ結果的に下流へ搬送する動作であったりする。
位置センサー45は、軸44を中心にして回転するダンサーローラー43の位置(以下、ダンサーローラー位置)を検知し、ダンサーローラー位置の検知結果を後処理制御部53へ出力する。後処理制御部53は、位置センサー45によるダンサーローラー位置の検知結果に応じて第2搬送部51を制御する「第1制御モード」を実行可能である。また、後処理制御部53は、第2搬送部51の制御として、第1制御モードと異なる「第2制御モード」を実行可能である。
図示は省略しているが、記録システム10は、ユーザーからの操作を受け付けるためのユーザーインターフェイスや、視覚情報を表示するディスプレイや、外部装置との通信をするための通信インターフェイスといった一般的な構成を適宜有する。
図4は、第1制御モードおよび第2制御モードを説明するための回路図であり、速度制御回路55を示している。速度制御回路55は、後処理制御部53の一部と解してよい。速度制御回路55は、減算器56、速度決定部57、第2速度指示部58、切替部59、モータードライバー60を有する。減算器56には、後処理制御部53がダンサーローラー43の目標位置を入力する。目標位置は、例えば、ダンサーローラー43が固定ローラー41に最も接近した位置と、ダンサーローラー43が固定ローラー41から最も離れた位置との中間位置である。図2に実線で示すダンサーローラー43は、ほぼ中間位置に在る。
また、減算器56には、位置センサー45による検知結果であるダンサーローラー位置が入力される。減算器56は、目標位置とダンサーローラー位置との差分である位置偏差を速度決定部57へ入力する。速度決定部57は、入力された位置偏差に応じて、第2搬送部51の搬送速度V1を決定し、切替部59へ出力する。速度決定部57は、例えば、位置偏差と搬送速度V1との対応関係を予め規定した速度プロファイルを参照して、入力された位置偏差に応じた搬送速度V1を決定する。従って、搬送速度V1は一定ではない。
概略的には、速度決定部57は、目標位置よりもダンサーローラー位置の方が固定ローラー41に近い場合は、搬送速度V1を遅くしてバッファー部40における媒体30の蓄積量が増えるようにする。一方、目標位置よりもダンサーローラー位置の方が固定ローラー41から遠い場合は、搬送速度V1を速くしてバッファー部40における媒体30の蓄積量が減るようにする。このように搬送速度V1を位置偏差に応じて決定することで、第1制御モードでは、ダンサーローラー位置が目標位置もしくは目標位置の近傍に在るように、ダンサーローラー位置を安定させる。ダンサーローラー位置を目標位置近傍で安定させることにより、バッファー部40において媒体30が弛むことや、媒体30に過剰なテンションがかかることを防ぐ。
上述したように、後処理のための第2搬送部51による媒体30の搬送は、間欠搬送であったり、バックフィードを含んでいたりすることがある。従って、搬送速度V1は、第2搬送部51が実行する上流から下流に向かう媒体30の搬送の速度と解してよい。搬送速度V1は「第1搬送速度」に該当する。
切替部59は、速度決定部57から搬送速度V1を入力すると共に、第2速度指示部58から、所定の搬送速度V2を入力する。搬送速度V2は「第2搬送速度」に該当する。本実施形態では、搬送速度V1>搬送速度V2が成り立つ。速度決定部57が決定する搬送速度V1は一定ではないが、速度決定部57が決定し得る搬送速度V1の範囲の最小値よりも搬送速度V2は遅く設定されている。ここでは、搬送速度V2=0であるとする。
切替部59は、スイッチSW1,SW2を有し、搬送速度V1,V2を択一的にモータードライバー60へ出力する。切替部59は、スイッチSW1をONにすることで、搬送速度V1をモータードライバー60へ出力し、スイッチSW2をONにすることで、搬送速度V2をモータードライバー60へ出力する。切替部59は、記録装置20の記録制御部25から送信される切替信号を入力する。ここでは、切替信号=OFFであるとき、切替部59は、スイッチSW1をONとし、スイッチSW2をOFFとする。一方、切替信号=ONであるとき、切替部59は、スイッチSW1をOFFとし、スイッチSW2をONとする。
モータードライバー60は、切替部59から搬送速度を入力し、第2搬送モーター54の回転速度を当該搬送速度にする。第2搬送モーター54は、DCモーターであり、モータードライバー60は、入力した搬送速度に応じてパルス幅変調した駆動信号を第2搬送モーター54へ供給することにより、第2搬送モーター54の回転速度、すなわち第2搬送部51の搬送速度を制御する。従って、搬送速度V1をモータードライバー60へ入力して第2搬送部51の搬送速度を搬送速度V1とするモードが、第1制御モードである。一方、搬送速度V2をモータードライバー60へ入力して第2搬送部51の搬送速度を搬送速度V2とするモードが、第2制御モードである。
搬送速度V2=0であるから、第2制御モードでは、第2搬送部51の搬送が停止される。第2制御モードでは、第1制御モードのようにダンサーローラー位置を目標位置に安定させようとする制御は機能せず、ダンサーローラー43は単純に第1搬送部22による媒体30の搬送に従って移動する。このような構成によれば、記録制御部25は、切替部59へ送信する切替信号のON/OFFを切り替えることにより、後処理装置50における第2搬送部51の制御を第1制御モードから第2制御モードへ切り替えたり、第2制御モードから第1制御モードへ切り替えたりすることが可能である。
4.記録と制御モードとの関係:
次に、記録部24による記録と、第1制御モードおよび第2制御モードとの関係について説明する。記録システム10では、記録部24が媒体30へ記録を行う「記録期間」において、第2搬送部51は搬送速度V1により媒体30を搬送し、記録期間後の記録部24が媒体30へ記録を行わない「非記録期間」において、第2搬送部51は媒体30の搬送速度を搬送速度V2とする。
図5は、記録制御部25がプログラムに従って実行するモード切替制御処理をフローチャートにより示している。
ステップS100では、記録制御部25は、媒体30への記録を開始する。つまり、記録制御部25は、第1搬送モーター26を駆動させて第1搬送部22による媒体30の搬送を開始し、記録部24に、媒体30へのインク等の吐出による記録を実行させる。本実施形態では、記録装置20が実行する記録の内容は問わない。記録制御部25は、ユーザーによって任意に指定されたページ単位や1ラベル単位や複数のラベルのまとまり単位の画像を、搬送される媒体30へ繰り返し記録するように、記録部24や第1搬送部22を制御すればよい。
記録制御部25は、ステップS100により記録を開始して以降、記録が完了したか否かを繰り返し判定する(ステップS110)。記録制御部25は、ユーザーにより予め指定された部数の記録が完了した時点で、ステップS110において“Yes”と判定してステップS120へ進む。ここで言う部数とは、例えば、1ページや1ラベルや複数のラベルの1まとまりを1部と捉えたときの部数である。ただし、1部の意味は特に問わない。記録制御部25は、ユーザーにより記録完了が指示された場合に、ステップS110で“Yes”と判定してもよい。いずれにしても、記録制御部25が、記録が完了したと判定しさえすればよい。
ステップS100を開始してからステップS110で“Yes”と判定するまでの期間が、記録期間である。ステップS110で“Yes”と判定してから、記録装置20が次に記録を開始するまでの期間が、非記録期間である。
ステップS120では、記録制御部25は、切替部59へ出力する切替信号を、OFFからONへ切り替える。ステップS110で“Yes”と判定する前は、記録制御部25は、切替信号=OFFとしている。ステップS120の結果、後処理制御部53は、第2搬送部51の制御を、それまでの記録期間中の第1制御モードから第2制御モードへ切り替える。第2制御モードによれば、搬送速度V2が適用されて第2搬送部51による媒体30の搬送が停止する。このように、記録期間から非記録期間へ切り替わったタイミングで、第1制御モードから第2制御モードへ切り替える。なお、第2搬送部51による媒体30の搬送を停止する場合は、これに伴い、後処理制御部53は後処理部52による後処理も一時的に停止すればよい。
ステップS130では、記録制御部25は、第1搬送部22による媒体30の搬送停止に向けて第1搬送部22の減速を開始する。つまり、記録制御部25は、第1搬送モーター26を減速させて、その回転速度を0にする。ステップS130の結果として、第1搬送部22による搬送が停止する(ステップS140)。ステップS130からステップS140までは、幾らかの時間を要する。従って、記録部24による画像の記録が最後に完了した媒体30における位置(以下、記録完了位置)は、ステップS140で第1搬送部22による搬送が完全に停止するまでは、下流へ搬送される。
ステップS150では、記録制御部25は、第1搬送モーター26を制御して、第1搬送部22に媒体30をバックフィードさせる。例えば、記録制御部25は、搬送経路Fにおける所定の確認位置Pへ記録完了位置が戻るまで、第1搬送部22に媒体30をバックフィードさせる。図1の例では、搬送ローラー22cよりも下流であって、ローラー22eよりも上流に確認位置Pが設定されている。記録完了位置が確認位置まで戻ったか否かは、不図示のセンサーで検知してもよいし、ユーザーが記録制御部25に対して通知してもよい。
ユーザーは、確認位置Pまで戻った記録完了位置の画像やその近辺の画像を視認して、画像の記録結果を評価したり、必要に応じて記録装置20による記録に関する調整や設定を行なったりすることができる。ステップS120において切替信号=ONとしたことで、第2搬送部51が停止する。そのため、バッファー部40に蓄積された媒体30が下流へ流出しなくなり、第1搬送部22がステップS130で減速を開始してから完全に停止するまで(ステップS140)の減速期間中、第1搬送部22が搬送した距離分の媒体30は全てバッファー部40に蓄積される。そのため、ステップS150を実行する時点では、バックフィードに必要な量の媒体30がバッファー部40に確保されており、確認位置Pまで媒体30を確実にバックフィードすることが可能となる。
ステップS160では、記録制御部25は、切替部59へ出力する切替信号を、ONからOFFへ切り替えて図5のフローチャートを終える。この結果、後処理制御部53は、第2搬送部51の制御を第2制御モードから第1制御モードへ切り替える。従って、後処理制御部53は、第2搬送部51による媒体30の搬送速度V1での搬送を再開し、媒体30における残りの画像やその近辺に対する後処理部52による後処理を再開することができる。このような説明によれば、非記録期間において第2搬送部51の搬送速度を搬送速度V2にするとは、必ずしも非記録期間の全てにおいて第2搬送部51の搬送速度を搬送速度V2にするという訳ではない。
5.まとめ:
このように本実施形態によれば、記録システム10は、連続状の媒体30を搬送する第1搬送部22と、第1搬送部22により搬送される媒体30へ記録を行う記録部24と、媒体30を搬送する第2搬送部51と、第2搬送部51により搬送される媒体30へ所定の後処理を行う後処理部52と、第1搬送部22と第2搬送部51との間に設けられ、第1搬送部22から搬送される媒体30の蓄積と第2搬送部51への媒体30の供給とが可能なバッファー部40と、を備える。そして、記録部24が媒体30へ記録を行う記録期間において、第2搬送部51は第1搬送速度により媒体30を搬送し、記録期間後の記録部24が媒体30へ記録を行わない非記録期間において、第2搬送部51は媒体30の搬送速度を第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度とする。
前記構成によれば、記録期間から非記録期間へ切り替わると、第2搬送部51による搬送速度が第1搬送速度から第2搬送速度へ低下するため、非記録期間では、バッファー部40における媒体30の蓄積量が記録期間中よりも増える。そのため、第1搬送部22が非記録期間中に停止後の媒体30をバックフィードすることを想定した場合に、バックフィードに必要な量の媒体30がバッファー部40に蓄積され易くなっている。つまり、バッファー部40が有する容量内で蓄積量を増やすことで、バッファー部40の容量自体を増やすことなくバックフィードを適切に実行することが可能となり、バッファー部40を含む装置の大型化を回避することができる。
非記録期間においても後処理装置50が第1制御モードのままであると、ダンサーローラー43は、中間位置である目標位置を維持しようとするため、バッファー部40が有する容量の約半分しか媒体30の蓄積に用いられない。そのため、より多くの蓄積量を確保するにはバッファー部40の容量自体を増やす必要があったが、本実施形態では、第1制御モードから第2制御モードへ切り替えることにより、そのような必要性が無くなる。
また、本実施形態によれば、第2搬送速度は0としてもよい。
前記構成によれば、記録期間から非記録期間へ切り替わると、第2搬送部51による搬送が停止し、非記録期間中に第1搬送部22が停止するまでに搬送した距離分の媒体30は全てバッファー部40に蓄積される。そのため、バックフィードに必要な量の媒体30がバッファー部40に確実に確保される。
ただし、第2搬送速度=0に限定されない。第2搬送速度は、第1搬送速度が取り得る速度範囲の最小値よりも遅く、0ではない一定値であってもよい。第2搬送速度が0でなくても、第1搬送速度よりも確実に遅ければ、非記録期間にバッファー部40における媒体30の蓄積量を増やすという効果が生じる。
本実施形態によれば、後処理は、例えば、記録部24による記録が行われた媒体30に対して第2の記録を行う記録処理である。
あるいは後処理は、例えば、記録部24による記録が行われた媒体30を読取部により読み取って検査を行う検査処理である。
あるいは後処理は、例えば、記録部24による記録が行われた媒体30を切るカット処理である。
あるいは後処理は、例えば、記録部24による記録が行われた媒体30を加熱する加熱処理である。
つまり本実施形態は、様々な後処理を実行する構成に対して適用することが可能である。
本実施形態は、記録システム10に限らず、システムを構成する各装置や、システムや各装置が実行する工程を含む方法や、方法をプロセッサーに実行させるプログラムといった各種カテゴリーの発明を開示する。
例えば、連続状の媒体30へ記録を行う記録装置20により搬送される媒体30を受け入れて、媒体30に対して所定の後処理を行う後処理装置50は、媒体30を搬送する搬送部である第2搬送部51と、搬送部により搬送される媒体30へ後処理を行う後処理部52と、記録装置20から搬送される媒体30の蓄積と搬送部への媒体30の供給とが可能なバッファー部40と、を備え、搬送部は、記録装置20が媒体30へ記録を行う記録期間において、第1搬送速度により媒体30を搬送し、記録期間後の記録装置20が媒体30へ記録を行わない非記録期間において、媒体30の搬送速度を第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度とする。
記録部24は、媒体30へ記録を実行可能な手段であればよい。記録部24は、例えば、記録ヘッド24C,24M,24Y,24Kを搭載して媒体30の面と平行に移動可能なキャリッジを有する。そして、記録装置20は、第1搬送部22による搬送を一時的に停止した媒体30に対してキャリッジを移動させながら記録ヘッド24C,24M,24Y,24Kからインクを吐出して記録を行うとしてもよい。記録部24が採用する記録方式はインクジェット方式に限られない。記録部24は、例えば、トナーを媒体30へ付着させて記録する電子写真方式を採用してもよい。
10…記録システム、20…記録装置、21…繰り出し機、22…第1搬送部、22a,22c…搬送ローラー、23…プラテン、24…記録部、24C,24M,24Y,24K…記録ヘッド、25…記録制御部、26…第1搬送モーター、30…媒体、40…バッファー部、41…固定ローラー、43…ダンサーローラー、45…位置センサー、50…後処理装置、51…第2搬送部、51a,51c…搬送ローラー、52…後処理部、53…後処理制御部、54…第2搬送モーター、55…速度制御回路、56…減算器、57…速度決定部、58…第2速度指示部、59…切替部、60…モータードライバー

Claims (7)

  1. 連続状の媒体を搬送する第1搬送部と、
    前記第1搬送部により搬送される前記媒体へ記録を行う記録部と、
    前記媒体を搬送する第2搬送部と、
    前記第2搬送部により搬送される前記媒体へ所定の後処理を行う後処理部と、
    前記第1搬送部と前記第2搬送部との間に設けられ、前記第1搬送部から搬送される前記媒体の蓄積と前記第2搬送部への前記媒体の供給とが可能なバッファー部と、を備え、
    前記記録部が前記媒体へ記録を行う記録期間において、前記第2搬送部は第1搬送速度により前記媒体を搬送し、
    前記記録期間後の前記記録部が前記媒体へ記録を行わない非記録期間において、前記第2搬送部は前記媒体の搬送速度を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度とする、ことを特徴とする記録システム。
  2. 前記第2搬送速度は0であることを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
  3. 前記後処理は、前記記録部による記録が行われた前記媒体に対して第2の記録を行う記録処理である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録システム。
  4. 前記後処理は、前記記録部による記録が行われた前記媒体を読取部により読み取って検査を行う検査処理である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録システム。
  5. 前記後処理は、前記記録部による記録が行われた前記媒体を切るカット処理である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録システム。
  6. 前記後処理は、前記記録部による記録が行われた前記媒体を加熱する加熱処理である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録システム。
  7. 連続状の媒体へ記録を行う記録装置により搬送される前記媒体を受け入れて、前記媒体に対して所定の後処理を行う後処理装置であって、
    前記媒体を搬送する搬送部と、
    前記搬送部により搬送される前記媒体へ前記後処理を行う後処理部と、
    前記記録装置から搬送される前記媒体の蓄積と前記搬送部への前記媒体の供給とが可能なバッファー部と、を備え、
    前記搬送部は、
    前記記録装置が前記媒体へ記録を行う記録期間において、第1搬送速度により前記媒体を搬送し、
    前記記録期間後の前記記録装置が前記媒体へ記録を行わない非記録期間において、前記媒体の搬送速度を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度とする、ことを特徴とする後処理装置。
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