JPH0542538A - 繊維複合シートの製造方法 - Google Patents

繊維複合シートの製造方法

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JPH0542538A
JPH0542538A JP3199360A JP19936091A JPH0542538A JP H0542538 A JPH0542538 A JP H0542538A JP 3199360 A JP3199360 A JP 3199360A JP 19936091 A JP19936091 A JP 19936091A JP H0542538 A JPH0542538 A JP H0542538A
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JP
Japan
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resin
fiber bundle
thermoplastic resin
endless belts
sheet
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Application number
JP3199360A
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English (en)
Inventor
Masahiro Ishii
正裕 石居
Kiyoyasu Fujii
清康 藤井
Masami Nakada
雅己 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートの幅方向において重量が均一でしかも
熱可塑性樹脂と繊維との分布が均一となり、その結果、
物性の均一な繊維複合シートを生産性よくうる。 【構成】 まず、多数の連続モノフィラメントよりなる
強化繊維束(F1)を、粉体状熱可塑性樹脂の流動層(R) 中
を通過させ、繊維束(F1)の各モノフィラメントに粉体状
熱可塑性樹脂を付着させる。つぎに、樹脂付着繊維束(F
2)を幅の中央部が疎になり同両側部が密になるようにし
てカッターに導いて所定長さに切断し、切断樹脂付着繊
維(F3)を、所定間隔をおいて対向せしめられた上下無端
ベルト(10)(11)の間隙への送り込み部(11b) 上に落下さ
せて集積する。最後に、切断樹脂付着繊維集積物(F4)を
両無端ベルト(10)(11)の間隙へ送り込み、これを移動す
る両無端ベルト(10)(11)で挾みながら、加熱及び冷却領
域(12)(13)を通過させてシート(S) を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、強靭なプレート材
料、各種製品を得るためのプレス成形用材料であるいわ
ゆるスタンパブルシートなどに使用される繊維複合シー
トの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維複合シートの製造方法として、
(イ)圧縮空気のジェット気流下で強化短繊維と粉体状
熱可塑性樹脂を混合して網上に落下させて集積したの
ち、集積物を移動する無端ベルト上へ移し、加熱加圧後
冷却してシート状となす方法(特開昭59−49929
号公報参照)、及び(ロ)強化短繊維と粉体状熱可塑性
樹脂を流動状態に保ちながら容器内で混合し、これを容
器から取り出し、移動する無端ベルト上に落下させて集
積したのち、所定間隔をおいて対向せしめられた移動す
る上下無端ベルトの間隙へ送り込み、加熱加圧後冷却し
てシート状となす方法は知られている(特開昭62−2
08914号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(イ)の繊維複合
シートの製造方法では、比重の異なる強化短繊維と粉体
状熱可塑性樹脂を気流下で混合して落下集積するもので
あるから、繊維と樹脂との分布が不均一となり、得られ
たシートの物性のばらつきが大きくなるという問題があ
る。さらに上記(ロ)の繊維複合シートの製造方法で
は、強化短繊維と粉体状熱可塑性樹脂を容器中で混合す
るものであるから、バッチ方式とならざるを得ず、シー
トを連続的に得ることができず、生産性が悪いという問
題がある。
【0004】この発明の目的は、シートの幅方向におい
て重量が均一でしかも熱可塑性樹脂と繊維との分布が均
一となり、その結果、物性の均一な繊維複合シートを生
産性よく製造しうる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の繊維複合シー
トの製造方法は、上記の目的を達成するために、多数の
連続モノフィラメントよりなる強化繊維束を、粉体状熱
可塑性樹脂の流動層中を通過させ、繊維束の各モノフィ
ラメントに粉体状熱可塑性樹脂を付着させる工程と、樹
脂付着繊維束を幅の中央部が疎になり同両側部が密にな
るようにしてカッターに導き、所定長さに切断する工程
と、切断樹脂付着繊維を、所定間隔をおいて対向せしめ
られた上下無端ベルトの間隙への送り込み部上に落下さ
せて集積する工程と、切断樹脂付着繊維集積物を両無端
ベルトの間隙へ送り込み、これを移動する両無端ベルト
で挾みながら、加熱及び冷却領域を通過させてシート状
となす工程とを含むものである。
【0006】強化繊維としては、使用せられる熱可塑性
樹脂の溶融温度において熱的に安定な繊維が用いられ
る。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン・チ
タン・炭素繊維、ボロン繊維、微細な金属繊維、アラミ
ド繊維、液晶ポリマー繊維、ポリエステル繊維、ポリア
ミド繊維などの有機繊維をあげることができる。
【0007】モノフィラメントの直径は1〜50μmが
好ましい。多数の連続モノフィラメントを強化繊維束と
するさいに集束剤を使用しても使用しなくてもよいが、
使用する場合には、集束剤の付着量が1重量%以下が好
ましく、さらに好ましくは0.5重量%以下である。集
束剤の付着量が1重量%を超えると、流動層中で繊維束
をモノフィラメント単位に分離するのが困難となり、熱
可塑性樹脂のモノフィラメント相互間への含浸性が低下
する。
【0008】強化繊維束は、連続するモノフィラメント
が数百〜数千から構成されたストランド状またはロービ
ング状のものである。そしてこの強化繊維束は、製造す
る繊維複合シートの幅、厚み、製造速度などを考慮し
て、通常多数並列にして使用される。
【0009】粉体状熱可塑性樹脂としては、加熱により
溶融軟化する樹脂がすべて使用可能である。例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルエーテルケトンなどが使用される。また上記熱可塑
性樹脂を主成分とする共重合体やグラフト樹脂やブレン
ド樹脂、例えばエチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビ
ニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重
合体、ウレタン−塩化ビニル共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸変性ポ
リプロピレン、マレイン酸変性ポリエチレンなども使用
しうる。そして前記熱可塑性樹脂には、安定剤、滑剤、
加工助剤、可塑剤、着色剤のような添加剤が配合されて
もよい。また重合時に粉体状で得られる熱可塑性樹脂及
び粉砕機により粉体状となされる熱可塑性樹脂のいずれ
も使用できる。粒子径としては、平均粒径が2mm以下が
好ましい。平均粒径が2mmを超えると、流動層中で強化
繊維束のモノフィラメントに均一に付着させにくくな
る。
【0010】熱可塑性樹脂と強化繊維との割合は、繊維
複合シートの必要とする物性により適宜決定されるが、
シート中の強化繊維が5〜70重量%であることが好ま
しい。強化繊維が5重量%未満ではシートの機械的強度
が充分でなく、70重量%を超えると熱可塑性樹脂が均
一に含浸したシートが得にくい。
【0011】切断樹脂付着繊維の長さは、通常0.5〜
500mmであり、特に5〜150mmが好ましい。切断樹
脂付着繊維の長さが0.5mm未満ではシートの補強効果
が少なく、また500mmを超えると均質な繊維複合シー
トを得ることが困難となる。
【0012】
【作用】この発明による繊維複合シートの製造方法は、
まず、多数の連続モノフィラメントよりなる強化繊維束
を、粉体状熱可塑性樹脂の流動層中を通過させるから、
流動層中で、気体の噴出や流動層中に発生する靜電気や
粉末状熱可塑性樹脂の擦り揉みによって、強化繊維はモ
ノフィラメント単位に分離、開繊され、モノフィラメン
ト相互間に粉体状熱可塑性樹脂が侵入し、靜電気的に各
モノフィラメントに捕捉されて付着する。そして、樹脂
付着繊維束を幅の中央部が疎になり同両側部が密になる
ようにしてカッターに導き、所定長さに切断し、フィラ
メント相互間に均一に樹脂が存在する切断樹脂付着繊維
を、所定間隔をおいて対向せしめられた上下無端ベルト
の間隙への送り込み部上に落下させて集積するから、全
幅均一な量の集積物が得られる。なぜなら、樹脂付着繊
維を全幅同じ密度でカッターに導くと、図3に示すよう
に、切断された樹脂付着繊維が上下無端ベルトの間隙へ
の送り込み部に達する間に裾広がり状になって落下する
ため、送り込み部の幅の中央部より両側部寄りの方が必
然的に集積量が少なくなるが、幅の中央部が疎で両側部
が密な状態の樹脂付着繊維束を切断することにより相殺
されるからである。そして、強化繊維と樹脂との混合割
合が均一な切断樹脂付着繊維集積物を両無端ベルトの間
隙へ送り込み、これを移動する両無端ベルトで挾みなが
ら、加熱領域及び冷却領域を通過させるから、熱可塑性
樹脂がモノフィラメント相互間にまで充分含浸する。そ
の結果、熱可塑性樹脂と繊維との分布が均一となる。
【0013】
【実施例】
実施例1 まず、この発明の実施に使用する装置につき、図面を参
照して説明する。以下の説明において、前とは図1の右
方向をいうものとする。
【0014】図1に示す繊維複合シート製造装置は、強
化繊維束(F1)が巻回されている巻戻しロール(1) と、そ
の前方に配置されかつ粉体状熱可塑性樹脂の満たされた
槽を備えている流動層装置(2) と、流動層装置(2) の前
方に配された上下一対のスクレーパー(3) と、スクレー
パー(3) の前方に配された2本の拡幅用固定ロール(4)
と、拡幅用固定ロール(4) の前方に配され樹脂付着繊維
束(F2)を幅の中央部が疎になり同両側部が密になるよう
に案内する疎密形成ガイド(8) と、疎密形成ガイド(8)
の前方に配されかつ巻き戻しロール(1) から強化繊維束
(F1)を巻き戻すための引き取り駆動ロール(5) 及びピン
チ・ロール(6) と、ピンチ・ロール(6)の前下方で引き
取り駆動ロール(5) と対峙せしめられたロータリー・カ
ッター(7) と、所定間隔をおいて対向せしめられた上下
無端ベルト(10)(11)と、両無端ベルト(10)(11)の対向移
送部(10a)(11a)に対して後側から順次配された加熱手段
(12)及び冷却手段(13)とを備えており、下無端ベルト(1
1)の後部が上無端ベルト(11)より後方に突出せしめら
れ、その移送部(11a)の後方延長部分がロータリー・カ
ッター(7) の下方に位置せしめられ、両無端ベルト(10)
(11)の間隙への送り込み部(11b) となされている。な
お、上記移送部(11a) を延長して送り込み部(11b) とす
る代わりに、別の無端ベルトを同じ場所に配置して送り
込み部を設けてもよい。
【0015】流動層装置(2) の槽底は多孔板(14)で形成
せられており、気体供給路から送られてきた空気や窒素
などの気体(G) が多孔板(14)の下方からこれの多数の孔
を通って上方に噴出せしめられる。その結果、流動層装
置(2) の槽内に満たされた粉体状熱可塑性樹脂は噴出気
体(G) によって流動化状態となり流動層(R) が形成され
る。流動層装置(2) の槽内及びその前後壁上端には、繊
維束(F1)を案内するためのガイド・バー(15)が設けられ
ている。
【0016】疎密形成ガイド(8) は、図2に示すよう
に、全幅同じ密度で通過してきた樹脂付着繊維束(F2)
を、その中央部が疎になりその両側部が密になるように
案内する所要数の溝を備えたバーよりなるものである
が、このようなものに限らず、疎な間隙と密な間隙のあ
る櫛状のものでもよい。疎密形成ガイド(8) において、
疎になるように案内する中央部の長さは全幅の1/50
〜1/3が適当である。1/50未満では集積物の全幅
においてなお中央部より両側部の方が集積量が少なく、
1/3を超えると中央部より両側部の方が逆に集積量が
多くなり、全幅に均一な集積量が得られない。また疎な
部分と密な部分における樹脂付着繊維束の割合は、密な
部分が疎な部分に比べて1.1〜3倍が好ましい。1.
1倍未満では集積物の全幅においてなお中央部より両側
部の方が集積量が少なく、3倍を超えると中央部より両
側部の方が逆に集積量が多くなり、全幅に均一な集積量
が得られない。
【0017】なお、図3に図1の装置から疎密形成ガイ
ド(8) を除いた場合における送り込み部(11b) の切断樹
脂付着繊維集積物(F4)の集積状態を参考として示す。す
なわち、ロータリー・カッター(7) により切断された樹
脂付着繊維(F3)は、送り込み部(11b) に達する間に裾広
がり状になって落下するため、送り込み部(11b) の幅の
中央部より両側部寄りの方が必然的に集積量が少なくな
り、集積物(F4)は台形となる。
【0018】両無端ベルト(10)(11)は、モーター(図示
略)で上下各複数のプーリー(16)(17)のうち上下各1つ
を駆動することにより、連続して同方向へほぼ同速度で
移動するようになされている。また上無端ベルト(10)の
移送部(10a) の後部は、後上向きに傾斜せしめられてお
り、上下移送部(10a)(11a)の間隙が後方に向かって広が
っている。上下無端ベルト(10)(11)は、高強度で耐熱性
のある、例えばスチール、ステンレス、ガラス布強化テ
フロンなどで形成される。
【0019】加熱手段(12)としては、電熱式または熱風
循環式の加熱炉が用いられ、これらの中を上下無端ベル
ト(10)(11)を通過させてもよいし、或いは上下無端ベル
ト(10)(11)の移送部(10a)(11a)を上下より押さえかつ直
接加熱する複数対の加熱ロールが用いられてもよい。加
熱手段(12)内及び上下冷却手段(13)の内側には、上下対
応位置に複数対のガイド・ロール(18)(19)がそれぞれ配
設されており、複数対のガイド・ロール(18)(19)の間隙
は、それぞれ調整可能となされている。冷却手段(13)と
しては、上下無端ベルト(10)(11)の移送部(10a)(11a)に
対し、空気を吹き付けて冷却するブロアーが用いられ
る。なお、ガイド・ロール(19)自体が冷却されるように
してもよい。
【0020】上記装置を用い、巻き戻しロール(1) から
多数の連続モノフィラメントよりなる強化繊維束(F1)1
2本を、引き取り駆動ロール(5) 及びピンチ・ロール
(6) によりひねりが生じないようにしながら巻き戻し、
粉体状熱可塑性樹脂の流動層(R) 中を通過させ、繊維束
(F1)の各モノフィラメントに粉体状熱可塑性樹脂を付着
させる。
【0021】粉体状熱可塑性樹脂としては、スーパー・
ミキサーで予め下記配合により混合したものを用いた。
【0022】 ポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度400、平均粒径150μm) ……100重量部 ブチル錫マレエート ……3重量部 ポリエチレンワックス ……0.5重量部 ステアリルアルコール ……1重量部 強化繊維束(F1)としては、直径23μmのモノフィラメ
ント4000本が集束されてなるロービング状ガラス繊
維束(集束剤付着量約0.3重量%)を用いた。
【0023】樹脂付着繊維束(F2)を上下一対のスクレー
パー(3) 間を通過させ、スクレーパー(3) により過剰の
粉体状熱可塑性樹脂を除去し、粉体状熱可塑性樹脂と強
化繊維の重量割合が3:1となるように調節する。この
ように上下一対のスクレーパー(3) の間隙を調節するこ
とにより、粉体状熱可塑性樹脂の付着量を調整すること
ができる。
【0024】樹脂付着繊維束(F2)を、疎密形成ガイド
(8) を通過させることにより、その全幅500mmのうち
両端部100mmにわたり、中央部より1.5倍量多くな
るように、中央部を疎に、両端部を密にして引き取り駆
動ロール(5) 及びピンチ・ロール(6) 間を通過させ、次
にロータリー・カッター(7) により長さ約12.5mmに
切断し、短寸法の切断樹脂付着繊維(F3)とする。
【0025】切断樹脂付着繊維(F3)を、上下無端ベルト
(10)(11)の間隙への送り込み部(11b) の上に自然落下さ
せ集積する。集積量は、幅600mmの下無端ベルト(11)
の送り込み部(11b) の中央部において、約500mmの範
囲にわたり5050g/m2 となるようにした。このと
きの集積物(F4)の見掛け厚みは約48mmであった。
【0026】上下無端ベルト(10)(11)には、幅600m
m、厚さ約1mmのガラス布強化テフロン・ベルトを用い
た。
【0027】切断樹脂付着繊維集積物(F4)を、580mm
/分の速度で移動する上下無端ベルト(10)(11)で挾みな
がら、両無端ベルト(10)(11)間の最小間隙を上下ガイド
・ロール(18)により約3.1mmに調節して切断樹脂付着
繊維集積物(F4)を厚み方向に加圧して長さ約1500mm
で約200℃の熱風が循環している加熱手段としての加
熱炉(12)中を通過させ、粉体状熱可塑性樹脂を溶融させ
てフィラメント相互間に溶融樹脂を含浸させる。集積物
(F4)を厚み方向に加圧することにより、溶融した熱可塑
性樹脂が流動してモノフィラメント相互間の空隙を埋
め、熱可塑性樹脂と強化繊維とが確実に一体化するので
ある。
【0028】引き続いて、溶融状態にある樹脂と強化繊
維の混合物を、上下無端ベルト(10)(11)間の最小間隙を
上下ガイド・ロール(19)により約3mmに調節して加圧す
るとともに、冷却手段としての冷却ブロアー(13)により
冷却し、繊維複合樹脂シート(S) を得た。この繊維複合
樹脂シート(S) は、幅約500mm、厚み約3mmであっ
て、シート(S) の幅方向におけるシート重量は均一であ
った。
【0029】上記繊維複合シートから上記送り込み部(1
1b) の幅方向で、500mm×同長さ方向で200mmのシ
ートを切り出しさらにこれを幅50mmずつ10個の50
mm×200mmの試験片に分断して、重量(g/m2 )を
測定した。この測定を3箇所について行なった結果を表
1に示す。なお、表1において、番号の連続する試験片
同士は、切り出しシートにおいて隣接していたものであ
る。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 この実施例は、図1の装置において、樹脂付着繊維束(F
2)がその全幅500mmのうち両端部125mmにわたり、
中央部より2倍量多くなるように案内する疎密形成ガイ
ドを用いたものである。
【0032】粉体状熱可塑性樹脂としては、ペレット状
ポリプロピレン樹脂の冷凍粉砕粉体(平均粒径200μ
m)を用い、また強化繊維束(F1)として、直径17μm
のモノフィラメント4000本が集束されてなるロービ
ング状ガラス繊維束(集束剤付着量約0.4重量%)3
0本を用いた。
【0033】実施例1と同じ工程を経て得られた樹脂付
着繊維束(F2)を、上下一対のスクレーパー(3) 間を通過
させ、スクレーパー(3) により過剰の粉体状熱可塑性樹
脂を除去し、粉体状熱可塑性樹脂と強化繊維の重量割合
が6:4となるように調整する。
【0034】樹脂付着繊維束(F2)を、疎密形成ガイド
(8) により上記のように疎密に振り分けた後、引き取り
駆動ロール(5) 及びピンチ・ロール(6) 間を通過させ、
次にロータリー・カッター(7) により長さ約25mmに切
断し、短寸法の切断樹脂付着繊維(F3)とする。
【0035】切断樹脂付着繊維(F3)を、上下無端ベルト
(10)(11)の間隙への送り込み部(11b) の上に自然落下さ
せ集積する。集積量は、幅600mmの下無端ベルト(11)
の送り込み部(11b) の中央部において、約500mmの範
囲にわたり3600g/m2 となるようにした。このと
きの集積物(F4)の見掛け厚みは約45mmであった。
【0036】切断樹脂付着繊維集積物(F4)を、500mm
/分の速度で移動する上下無端ベルト(10)(11)で挾みな
がら、両無端ベルト(10)(11)間の最小間隙を上下ガイド
・ロール(18)により約3.2mmに調節して、切断樹脂付
着繊維集積物(F4)を厚み方向に加圧して長さ約1500
mmで約210℃の熱風が循環している加熱炉(12)中を通
過させ、粉体状熱可塑性樹脂を溶融させてフィラメント
相互間に溶融樹脂を含浸させる。
【0037】引き続いて、溶融状態にある樹脂と強化繊
維の混合物を、上下無端ベルト(10)(11)間の最小間隙を
上下ガイド・ロール(19)により約3mmに調節して加圧す
るとともに、冷却ブロアー(13)により冷却し、繊維複合
樹脂シート(S) を得た。この繊維複合樹脂シート(S)
は、幅約500mm、厚み約3mmであって、シートの幅方
向にシート重量の均一なものであった。
【0038】実施例1と同様の測定を行なった。その結
果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】比較例 この比較例は、図1の装置において、疎密形成ガイド
(8) を除き、実施例1と同様にして繊維複合シートを製
造したものである。
【0041】実施例1と同様の測定を行なった。その結
果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】この発明の繊維複合シートの製造方法に
よれば、シートの幅方向において重量が均一で、しかも
強化繊維と樹脂の分布が均一となるので、物性の均一な
シートが得られる。また工程が連続であるから生産性も
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いられる装置全体の垂直側断
面略図である。
【図2】疎密形成ガイド、引取り駆動ローラ、ピンチ・
ロール及びロータリー・カッターの拡大平面図で、樹脂
付着繊維束を幅の中央が疎になり同両側部が密になるよ
うにして前記カッターに導く状態を示す。
【図3】図1の装置より疎密形成ガイドを除いた場合、
ロータリー・カッターにより切断された樹脂繊維束が、
上下無端ベルトの間隙への送り込み部にその幅の中央部
より両側部寄りの方の集積量が少なく台形状に集積して
いる状態を示す横断面図である。
【符号の説明】
(R) 粉体状熱可塑性樹脂の流動層 (F1) 強化繊維束 (F2) 樹脂付着繊維束 (F3) 切断樹脂付着繊維 (F4) 切断樹脂付着繊維集積物 (8) 疎密形成ガイド (10) 上無端ベルト (11) 下無端ベルト (11b) 送り込み部 (12) 加熱手段 (13) 冷却手段 (S) 繊維複合シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:06 B29L 7:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a) 多数の連続モノフィラメントよりな
    る強化繊維束を、粉体状熱可塑性樹脂の流動層中を通過
    させ、繊維束の各モノフィラメントに粉体状熱可塑性樹
    脂を付着させる工程と、 b) 樹脂付着繊維束を幅の中央部が疎になり同両側部が
    密になるようにしてカッターに導き、所定長さに切断す
    る工程と、 c) 切断樹脂付着繊維を、所定間隔をおいて対向せしめ
    られた上下無端ベルトの間隙への送り込み部上に落下さ
    せて集積する工程と、 d) 切断樹脂付着繊維集積物を両無端ベルトの間隙へ送
    り込み、これを移動する両無端ベルトで挾みながら、加
    熱及び冷却領域を通過させてシート状となす工程とを含
    む繊維複合シートの製造方法。
JP3199360A 1991-08-08 1991-08-08 繊維複合シートの製造方法 Pending JPH0542538A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008149615A1 (ja) * 2007-06-04 2008-12-11 Toray Industries, Inc. チョップド繊維束、成形材料、および、繊維強化プラスチック、ならびに、これらの製造方法

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