JP3043152B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法

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JP3043152B2
JP3043152B2 JP3320362A JP32036291A JP3043152B2 JP 3043152 B2 JP3043152 B2 JP 3043152B2 JP 3320362 A JP3320362 A JP 3320362A JP 32036291 A JP32036291 A JP 32036291A JP 3043152 B2 JP3043152 B2 JP 3043152B2
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reinforcing fiber
resin powder
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正喜 伊藤
清康 藤井
正裕 石居
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、強靱なプレート材
料、或いは各種成形品を得るための熱成形用材料(所謂
スタンパブルシート)として用いられる繊維強化熱可塑
性樹脂シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の繊維強化熱可塑性樹脂シートを
製造する方法として、多数の連続モノフィラメントより
なる強化繊維束を、ロータリーカッターで切断し、これ
を無端ベルト上に落下させながらこれに熱可塑性樹脂粒
子を混合してシート状に集積し、これを上下一対の無端
ベルトで挟持し搬送しながら加熱加圧して熱可塑性樹脂
粒子を溶融させ一体化する方法が知られている(例え
ば、特開昭62−212110号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術に
おいて、ロータリーカッターは、細長い円筒状ロールの
表面に軸方向に沿って多数の細長い切断刃を等間隔に設
けてなり、その回転軸が無端ベルトの幅方向と平行にな
るように無端ベルトの上方に固定されている。
【0004】このようにロータリーカッターが固定され
ていると、切断された強化繊維束は、常に、ロータリー
カッターの長さと対応する無端ベルト上の一定位置(幅
方向)に落下し、また強化繊維束は切断された後落下の
途中で樹脂粒子と混合されるので、樹脂と繊維との分布
が不均一でしかも樹脂と繊維との含浸も充分ではなく、
その厚みや重量や物性のばらつきが大きくなるという問
題がある。
【0005】この本発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、厚みや重量や物性のばら
つきの少ない繊維強化熱可塑性樹脂シートを製造する方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートは、多数の
連続モノフィラメントよりなる強化繊維束に熱可塑性樹
脂粉末を付着させ、これをロータリーカッターで切断し
無端ベルト上に落下させてシート状に集積し、これを上
下一対の無端ベルトで挟持し搬送しながら加熱加圧して
熱可塑性樹脂粉末を溶融させ一体化する方法であって、
ロータリーカッターは、その回転軸が無端ベルトの幅方
向と交差するように配設され、このロータリーカッター
を無端ベルトの幅方向に往復運動させるものである。
【0007】以下、図面を参照しながら、この発明を詳
細に説明する。図1(イ)、(ロ)はこの発明方法の一
例を示す説明図で、(イ)は前半の工程を側面からみた
説明図、(ロ)は後半の工程を正面からみた説明図であ
る。
【0008】図1(イ)において、巻戻しロール1から
多数の連続モノフィラメントからなる強化繊維束F1が
巻き戻され、ガイドバー15を経て流動槽2に導入され
る。図には、強化繊維束F1が二本だけ示されている
が、実際には数本〜数十本が巻き戻され長手方向に配列
されて流動槽2に導入される。
【0009】強化繊維束F1としては、使用する熱可塑
性樹脂粉末の溶融温度において熱的に安定な繊維が用い
られる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン・チ
タン・炭素繊維、ボロン繊維、微細な金属繊維等の無機
繊維のロービング、アラミド繊維、ポリエステル繊維、
ポリアミド繊維等の有機繊維のロービングが用いられ
る。
【0010】モノフィラメントの直径は、一般に1〜5
0μm が好ましい。モノフィラメントが収束剤により収
束されている場合、収束剤の付着量は1重量%以下のも
のが好ましい。収束剤の付着量が1重量%を上回ると、
強化繊維をモノフィラメント単位に分離するのが困難と
なり、樹脂粉末のモノフィラメント間への含浸性が低下
する。
【0011】流動槽2には熱可塑性樹脂粉末Rが供給さ
れる。流動槽2の底部には多数の通気孔を有する多孔板
14が設けられており、気体供給路から送られた空気や
窒素などの気体Gが矢印方向に多孔板14の通気孔を通
って流動槽2へ噴出する。流動槽2に供給された樹脂粉
末Rは、その気体Gにより上方に吹き上げられて浮遊状
態になり、樹脂粉末Rの流動床が形成される。
【0012】熱可塑性樹脂としては、剛性の高い樹脂が
好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレン
サルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等が用いられ
る。
【0013】また、上記の樹脂を主成分とする共重合体
やグラフト樹脂や変成樹脂、例えば、エチレン−塩化ビ
ニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン−塩化ビニル共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、マレイン酸変成ポリエチレン、アクリル酸変成ポリ
プロピレン等も用いられる。
【0014】これ等の樹脂は、重合時に粉末状で得られ
る樹脂粉末及び粉砕機により粉末状に粉砕された樹脂粉
末が使用される。樹脂粉末の粒子径は、平均粒径が20
00μm 以下が好ましい。平均粒径が2000μm を越
えると、樹脂粉末と強化繊維を均一に混合しにくくな
る。なお、樹脂粉末には、必要に応じて、安定剤、滑
剤、加工助剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料のような公
知の添加剤が配合されてもよい。
【0015】流動槽2の中にはガイドバー15’が設け
られており、強化繊維束F1は、このガイドバー15’
を通過する際に、噴出する空気や窒素などの気体圧、流
動床中の樹脂粉末Rに発生する静電気、樹脂粉末の擦り
揉み効果によって、モノフィラメント単位に分離、開繊
され、このモノフィラメント間に樹脂粉末が侵入して均
一且つ充分に付着する。流動槽中のガイドバー15’も
強化繊維束F1の開繊を促進する。
【0016】樹脂粉末Rが付着した強化繊維束F2は、
ガイドバー15”を経て引張りロール3と押さえロール
3’によって引っ張られながら、張力調整ロール4及び
ターンロール5を経てスクレーパ6に通され、このスク
レーパ6により過剰に付着した樹脂粉末Rが除去され、
その付着量が調整される。樹脂粉末Rの付着量は、スク
レーバ6を用いずに、強化繊維束F2に一定の振動を与
えて過剰に付着した樹脂粉末Rを除去することにより調
整してもよい。
【0017】樹脂粉末Rの付着量は、強化繊維束F1が
5〜70重量%の範囲になるように調整するのが好まし
い。強化繊維束F1が5重量%より少ないと機械的強度
が充分に向上しない。逆に、強化繊維が70重量%より
多くなると剛性が著しく低下する。
【0018】なお、強化繊維束に樹脂粉末を付着させる
方法としては、上記のように樹脂粉末の流動槽中に通し
て樹脂粉末を付着させる方法が好ましいが、その他、樹
脂粉末の分散液中に通した後これを乾燥させて樹脂粉末
を付着させる方法、強化繊維束に樹脂粉末を吹き付けて
樹脂粉末を付着させる方法等が採用可能である。
【0019】樹脂粉末の付着量が調整された強化繊維束
F2は、引取りロール7と押さえロール7’を経てロー
タリーカッター8により、所望長さに切断される。この
切断された強化繊維F3は、上下一対の無端ベルト1
0、11の間へ落下供給される。ロータリーカッター8
により切断される強化繊維束F3の長さは、一般に0.
5〜500mmであり、特に5〜150mmが好ましい。強
化繊維の長さが0.5mm未満では繊維強化樹脂シートの
補強効果が少なく、逆に強化繊維の長さが500mmを越
えると均質な繊維強化樹脂シートを得るのが困難とな
る。
【0020】ロータリーカッター8は、円筒ロールの表
面に軸方向に沿ってやや斜めに多数の細長い切断刃を等
間隔に設けてなり、その回転軸8’が下側の無端ベルト
11の幅方向と交差するように、通常は、図1に示すよ
うに直角に交差するように配設されている。そして、こ
のロータリーカッター8は、無端ベルト11の幅方向に
往復運動するように構成されている。この場合、引取り
ロール7と押さえロール7’とロータリーカッター8と
が一組となって無端ベルト11の幅方向に往復運動す
る。
【0021】即ち、図(イ)において、下側の無端ベル
ト11の幅はHで示され、この無端ベルト11は図面に
対して垂直方向に進行する。そして、ロータリーカッタ
ー8は、その回転軸8’が図面に対して垂直になるよう
に、無端ベルト11の上方に配設され、図面に対して平
行に矢印方向A及びB方向に往復運動するように構成さ
れている。
【0022】これを参考までに図1(ロ)で説明する
と、この図1(ロ)は後半の工程を正面からみた説明図
であるから、下側の無端ベルト11は図面に対して平行
に矢印方向に進行する。そして、ロータリーカッター8
は、その回転軸8’が図面に対して平行になるように、
無端ベルト11の上方に配設され、図面に対して垂直方
向に往復運動するように構成されている。
【0023】図(イ)において、ロータリーカッター8
が無端ベルト11の幅方向に往復運動することにより、
切断された強化繊維F3は、無端ベルト11上に所定の
厚みのマット状に集積される。この場合、ロータリーカ
ッター8に導入される強化繊維束F2の線速度は500
cm/分以下が好ましい。この線速度が500cm/分を越
えると、樹脂粉末の付着量を制御しにくくなる。また、
無端ベルト11の速度は5〜500cm/分が好ましい。
この速度が5cm/分未満では生産性が悪すぎ、逆に50
0cm/分を越えると加熱手段としてかなり大きい設備が
必要になる。
【0024】ロータリーカッター8に導入される強化繊
維束F2の線速度(V)cm/分、強化繊維束F3の切断
長さ(L)cm、ロータリーカッター8の往復速度(U)
cm/分、ロータリーカッター8の往復振幅(W)cm、ロ
ータリーカッター8の長さ(T)cm、無端ベルト11の
移動速度(Y)とすると、 V/(L×U)≧0.02 ──────(1) (U/Y)≧(2W/T) ──────(2) の関係が満たされるように条件を設定するのが好まし
い。
【0025】上記の関係式、特に(2) の式を満足する場
合は、切断された強化繊維F3が無端ベルト11上に隙
間なく集積されて均一なシートを得ることができる。特
に、(U/Y)=(2nW/T)(但しnは正の整数)
の関係が満たされるように条件を設定すると、分布の精
度がさらによくなり、均一なシートを得る点でさらに好
ましい。
【0026】ロータリーカッター8が矢印A方向に移動
する場合は、張力調整ロール4が下がって強化繊維束F
2の張力を調整する。また、ロータリーカッター8が矢
印B方向に移動する場合は、張力調整ロール4が上がっ
て強化繊維束F2の張力を調整する。このように、ロー
タリーカッター8が、その回転軸8’が下側の無端ベル
ト11の幅方向と交差するように配設され、無端ベルト
11の幅方向に往復運動するように構成されていても、
強化繊維束F2の張力調整が容易に行える。
【0027】無端ベルト11上にシート状に集積された
強化繊維F4は、図1(ロ)に示すように、無端ベルト
10、11の間に搬送される。無端ベルト10、11
は、図外のモーターで駆動ロール16、17を駆動する
ことにより、連続して同方向へ同速度で回動するように
構成されている。上側無端ベルト10と下側無端ベルト
11には、それぞれ移送部10aと11aが形成され、
移送部10aと11aは間隙を介して上下に対向してい
る。
【0028】下側無端ベルト11の移送部11aは、上
側無端ベルト10の移送部10aより前方へ長く延設さ
れ、延長の移送部11bが形成されている。この延長の
移送部11bを形成することなく、別の無端ベルトを下
側無端ベルト11の移送部11aの前方に配置してもよ
い。このような無端ベルト10、11は、高強度で耐熱
性のあるもの、例えば、スチールベルト、ステンレスベ
ルト、ガラス布強化テフロンベルト等で形成される。
【0029】上側無端ベルト10と下側無端ベルト11
の移送部10a、11aの対向する箇所には、それぞれ
加熱装置12が配置され、加熱装置12に続く後方には
冷却装置13がそれぞれ配置されている。
【0030】加熱装置12は、熱風循環式或いは遠赤外
線式の加熱炉で構成され、この加熱炉内には上下対応す
る位置に複数対のガイドロール18が配設されている。
そして、加熱炉の中を無端ベルト10、11が通過す方
式のものである。なお、加熱装置12が加熱ロールで構
成され、この加熱ロールで無端ベルト10、11を挟持
しつつ直接ベルトを加熱する方式のものでもよい。
【0031】また、冷却装置13は、上下の冷却ブロア
ーで構成され、上下対応する位置に複数対のガイドロー
ル19が配設されている。なお、冷却装置13は水冷式
のガイドロールで構成されたものでもよい。
【0032】ロータリーカッター8で切断された強化繊
維F3は、上下一対の無端ベルト10、11の間へ落下
供給され、無端ベルト11(延長の移送部11b)上に
所定の厚みのマット状に集積される。このマット状の集
積物F4は、上側無端ベルト10と下側無端ベルト11
の移送部10aと11aの間で挟持されながら搬送さ
れ、加熱装置12に供給される。ここで、樹脂粉末Rの
融点或いはそれ以上の適当な温度に加熱され、繊維のフ
ィラメント間に溶融した樹脂粉末Rが含浸される。
【0033】ここで、ガイドロール18により上下の無
端ベルト10、11間の間隙が調節され、マット状の集
積物F4は、厚み方向に適当な圧力で加圧される。この
加圧により、溶融した樹脂が流動しモノフィラメント間
の空隙が埋められ、溶融樹脂と強化繊維とが一体化され
る。引き続いて、冷却装置13のガイドロール19によ
り上下の無端ベルト10、11間の間隙が調節され、加
圧されながら適当な温度に冷却される。こうして、所望
厚みの繊維強化熱可塑性樹脂シートSが製造される。
【0034】
【作用】このように、多数の連続モノフィラメントより
なる強化繊維束に熱可塑性樹脂粉末を付着させ、これを
ロータリーカッターで切断し無端ベルト上に落下させて
シート状に集積し、これを上下一対の無端ベルトで挟持
し搬送しながら加熱加圧して熱可塑性樹脂粉末を溶融さ
せ一体化すると、強化繊維のフィラメント単位への分離
が充分に行われ、フィラメント間に樹脂が均一な分布で
含浸される。
【0035】また、ロータリーカッターを、その回転軸
が無端ベルトの幅方向と交差するように配設し、このロ
ータリーカッターを無端ベルトの幅方向に往復運動させ
ると、切断された樹脂粉末付着の強化繊維は、往復運動
の範囲にわたって幅方向に広がり、常に、幅方向の位置
を変えながら無端ベルト上に落下してばらつきが相殺さ
れ、しかもロータリーカッターの長さの範囲にわたって
長さ方向にも広がってばらつきが相殺され、条件を適当
に設定することにより分布の精度がよくなり、無端ベル
ト上にシート状に均一に集積される。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 図1に示す方法により繊維強化熱可塑性樹脂シートを製
造した。
【0037】熱可塑性樹脂粉末Rとして、ポリ塩化ビニ
ル樹脂(平均重合度400、平均粒径150μm )10
0重量部とブチル錫マレエート3重量部とステアリルア
ルール1重量部とポリエチレンワックス0.5重量部
を、スーパーミキサーで混合した樹脂配合粉末を用い
た。
【0038】強化繊維束F1として、ロービング状ガラ
ス繊維束(太さ17μm のモノフィラメントが4000
本集束されたもので、収束剤付着量は約0.3重量%)
を用いた。
【0039】強化繊維束F1の20本を上記樹脂配合粉
末Rの流動床中を連続的に通過させ、モノフィラメント
間に樹脂配合粉末Rを付着させた後、スクレーバ6によ
り過剰の樹脂配合粉末を除去し、樹脂配合粉末Rと強化
繊維束F1の重量割合が4:1となるように調整した。
【0040】樹脂配合粉末Rの付着量が調整された強化
繊維束F2を、ロータリーカッター7により切断し、切
断された強化繊維F3を、幅60cmmm、厚さ1mmのガラ
ス繊維強化テフロンベルトからなる無端ベルト11の上
に落下供給した。
【0041】この場合、ロータリーカッター8に導入さ
れる強化繊維束F2の線速度(V)を200cm/分、強
化繊維F3の切断長さ(L)を2.5cm、ロータリーカ
ッター8の往復速度(U)を360cm/分、ロータリー
カッター8の往復振幅(W)を50cm、ロータリーカッ
ター8の長さ(T)を50cm、無端ベルト11の移動速
度(Y)を30cm/分とした。無端ベルト11の上に
は、強化繊維F3が幅約50cm、約1500g/m2
見掛け厚さ約48mmに積層された。
【0042】この30cm/分の速度で移動する上下の無
端ベルト10、11の間に挟持しつつ、この無端ベルト
10、11の間の間隙をガイドロール18で3.5mmに
調節し、長さ約150cmで約200℃の熱風が循環して
いる加熱炉12中を通過させて樹脂配合粉末Rを溶融さ
せた。
【0043】引き続いて、樹脂配合粉末Rが溶融状態に
ある集積物F4を、無端ベルト10、11の間の最小間
隙をガイドロール19で3mmに調節し、冷却ブロアー1
3により冷却して、繊維強化熱可塑性樹脂シートSを製
造した。この繊維強化熱可塑性樹脂シートSは、幅約5
0cm、厚み約3mmであり、フィラメント間に樹脂が均一
に含浸されたシートであった。
【0044】このシートSから幅50cm×長さ20cmの
試験片を切り出し、さらに幅を5cmで10個の試験片
(幅5cm×長さ20cm)に分断し、各々の重量を測定し
たところ、その平均値は1457g/m2 、最大値は1
534g/m2 、最小値は1390g/m2 で、幅方向
のばらつきは小さい。
【0045】また、上記のシートSから幅50cm×長さ
200cmの試験片を切り出し、さらに幅を5cmで10個
の試験片(幅5cm×長さ200cm)に分断し、その中央
部分の試験片を長さ20cmで10個の試験片(幅5cm×
長さ20cm)に分断し、各々の重量を測定したところ、
その平均値は1477g/m2 、最大値は1515g/
2 、最小値は1433g/m2 で、長さ方向のばらつ
きも小さい。
【0046】実施例2 図1に示す方法により繊維強化熱可塑性樹脂シートを製
造した。熱可塑性樹脂粉末Rとして、冷凍粉砕したポリ
プロピレン樹脂粉末(平均粒径200μm )を用いた。
【0047】強化繊維束F1として、ロービング状ガラ
ス繊維束(太さ17μm のモノフィラメントが4000
本集束されたもので、収束剤付着量は約0.3重量%)
を用いた。
【0048】強化繊維束F1の20本を上記樹脂配合粉
末Rの流動床中を連続的に通過させ、モノフィラメント
間に樹脂配合粉末Rを付着させた後、スクレーバ6によ
り過剰の樹脂配合粉末を除去し、樹脂配合粉末Rと強化
繊維束F1の重量割合が6:4となるように調整した。
【0049】樹脂配合粉末Rの付着量が調整された強化
繊維束F2を、ロータリーカッター7により切断し、切
断された強化繊維F3を、幅60cmmm、厚さ1mmのガラ
ス繊維強化テフロンベルトからなる無端ベルト11の上
に落下供給した。
【0050】この場合、ロータリーカッター8に導入さ
れる強化繊維束F2の線速度(V)を200cm/分、強
化繊維F3の切断長さ(L)を2.5cm、ロータリーカ
ッター8の往復速度(U)を360cm/分、ロータリー
カッター8の往復振幅(W)を50cm、ロータリーカッ
ター8の長さ(T)を50cm、無端ベルト11の移動速
度(Y)を30cm/分とした。無端ベルト11の上に
は、強化繊維F3が幅約50cm、約750g/m2 、見
掛け厚さ約50mmに積層された。
【0051】この30cm/分の速度で移動する上下の無
端ベルト10、11の間に挟持しつつ、この無端ベルト
10、11の間の間隙をガイドロール18で3.5mmに
調節し、長さ約150cmで約200℃の熱風が循環して
いる加熱炉12中を通過させて樹脂配合粉末Rを溶融さ
せた。
【0052】引き続いて、樹脂配合粉末R2が溶融状態
にある集積物F4を、無端ベルト10、11の間の最小
間隙をガイドロール19で3mmに調節し、冷却ブロアー
13により冷却して、繊維強化熱可塑性樹脂シートSを
製造した。この繊維強化熱可塑性樹脂シートSは、幅約
50cm、厚み約3mmであり、フィラメント間に樹脂が均
一に含浸されたシートであった。
【0053】このシートSについて、実施例1と同様に
して、幅方向及び長さ方向の重量を測定したところ、幅
方向の平均値は744g/m2 、最大値は786g/m
2 、最小値は790g/m2 で、幅方向のばらつきは小
さい。また長さ方向の平均値は756g/m2 、最大値
は791g/m2 、最小値は712g/m2 で、幅方向
のばらつきも小さい。
【0054】比較例1 実施例1において、ロータリーカッター8の回転軸8’
が無端ベルト11の幅方向と平行になるように固定し、
ロータリーカッター8に導入される強化繊維束F2の線
速度(V)を200cm/分、強化繊維F3の切断長さ
(L)を2.5cm、無端ベルト11の移動速度(Y)を
30cm/分とした。無端ベルト11の上には、強化繊維
F3が幅約50cm、約1500g/m2 、見掛け厚さ約
48mmに積層された。それ以外は実施例1と同様に行っ
た。
【0055】得られたシートについて、実施例1と同様
にして、幅方向及び長さ方向の重量を測定したところ、
幅方向の平均値は1481g/m2 、最大値は1726
g/m2 、最小値は1263g/m2 で、幅方向のばら
つきは実施例1に比べ大きい。また、長さ方向の平均値
は1491g/m2 、最大値は1600g/m2 、最小
値は1378g/m2 で、長さ方向のばらつきも実施例
1に比べ大きい。
【0056】
【発明の効果】上述の通り、この発明の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの製造方法は、多数の連続モノフィラメン
トよりなる強化繊維束に熱可塑性樹脂粉末を付着させ、
これをロータリーカッターで切断し無端ベルト上に落下
させてシート状に集積し、これを上下一対の無端ベルト
で挟持し搬送しながら加熱加圧して熱可塑性樹脂粉末を
溶融させ一体化する方法であって、ロータリーカッター
は、その回転軸が無端ベルトの幅方向と交差するように
配設され、ロータリーカッターを無端ベルトの幅方向に
往復運動させるもので、強化繊維束に樹脂粉末を付着さ
せた後でロータリーカッターで切断することと、ロータ
リーカッターの往復運動作用とが相まって、厚みや重量
や物性のばらつきの少ない繊維強化樹脂樹脂シートを製
造することができる。
【0057】また、ロータリーカッターの往復運動の振
幅を変えることにより、製品幅を自在に変えることがで
きるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法の一例を示す説明図で、(イ)は
前半の工程を側面からみた説明図、(ロ)は後半の工程
を正面からみた説明図である。
【符号の説明】
F1 強化繊維束 F2 樹脂粉末が付着した強化繊維束 F3 樹脂粉末が付着し切断された強化繊維 F4 樹脂粉末が付着し切断された強化繊維の集積物 R 熱可塑性樹脂粉末 S 繊維強化熱可塑性樹脂シート 2 樹脂粉末の流動槽 8 ロータリーカッター 8’ ロータリーカッターの回転軸 10 上側無端ベルト 11 下側無端ベルト H 下側無端ベルトの幅 12 加熱装置 13 冷却装置 18 ガイドロール 19 ガイドロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 105:12 B29L 7:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の連続モノフィラメントよりなる強
    化繊維束に熱可塑性樹脂粉末を付着させ、これをロータ
    リーカッターで切断し無端ベルト上に落下させてシート
    状に集積し、これを上下一対の無端ベルトで挟持し搬送
    しながら加熱加圧して熱可塑性樹脂粉末を溶融させ一体
    化する方法であって、ロータリーカッターは、その回転
    軸が無端ベルトの幅方向と交差するように配設され、こ
    のロータリーカッターを無端ベルトの幅方向に往復運動
    させることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シートの
    製造方法。
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