JPH05104525A - 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法

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JPH05104525A
JPH05104525A JP3270785A JP27078591A JPH05104525A JP H05104525 A JPH05104525 A JP H05104525A JP 3270785 A JP3270785 A JP 3270785A JP 27078591 A JP27078591 A JP 27078591A JP H05104525 A JPH05104525 A JP H05104525A
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JP
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fiber
thermoplastic resin
resin powder
resin
reinforced
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JP3270785A
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Masahiro Ishii
正裕 石居
Kiyoyasu Fujii
清康 藤井
Masaki Ito
正喜 伊藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維マットに樹脂が均一且つ充分に含浸さ
れ、強度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂シートを高い生
産性でもって製造する。 【構成】 多数のロービング状ガラス繊維束F1をポリ
塩化ビニル樹脂の配合粉末Rの流動床中を連続的に通過
させ、強化繊維束F1に樹脂配合粉末Rを付着させる。
樹脂配合粉末Rが付着した化繊維束F2を各繊維繰出機
7に供給し、多数のループ状となるように屈曲させて無
端ベルト11の移送部11b上に落下させ、マット状に
集積する。この集積物F3を無端ベルト10、11の間
に挟持しつつ加熱炉12の中を通過させ、樹脂配合粉末
を溶融させる。引き続いて、冷却ブロアー13により冷
却して目的の繊維強化熱可塑性樹脂シートSを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分 】この発明は、スタンピング成形に
用いて好適な繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】スタンピング成形には、繊維強化熱可塑
性樹脂シートが広く使用されている。この種の繊維強化
熱可塑性シートの製法として、多数のガラス長繊維或い
は多数のガラス長繊維と有機長繊維との混合繊維を、連
続的にループ状或いは波状に屈曲させてマット状に集積
し、これにニードルパンチングを施して繊維マットを形
成し、その上下或いは層間に熱可塑性樹脂シートを積層
し、これを加熱加圧して熱可塑性樹脂シートを溶融させ
一体化する方法が知られている(例えば、特開昭59−
71847号公報参照)。
【0003】また、このような繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートに用いる繊維マットの製法は、例えば特開昭62−
15372号公報及び特開昭62−78248号公報に
も記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来方法にあっては、繊維マットの上下或いは層間に熱
可塑性樹脂シートを積層するので、繊維マットの中に溶
融樹脂を均一に且つ充分に含浸しにくい。そのため、繊
維マットによる補強効果が充分に発揮されず、強度的に
まだ改善すべき問題がある。なお、繊維マットに溶融樹
脂を充分に含浸させるために、長時間にわたり加熱加圧
すると生産性が悪くなる。
【0005】さらに、この従来方法は、繊維の集積物に
ニードルパンチングを施したり、熱可塑性樹脂シートを
積層したりせねばならず、このような操作は面倒で、手
間がかかるという問題もある。
【0006】この発明は、このような問題を解決するも
のであり、その目的とするところは、繊維マットに樹脂
が均一に且つ充分に含浸され、強度に優れた繊維強化熱
可塑性樹脂シートを高い生産性でもって製造する方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の繊維強化熱可塑性樹脂樹脂シートの製造
方法は、多数の連続モノフィラメントからなる強化繊維
束に熱可塑性樹脂粉末を付着させ、これを連続的に屈曲
させてマット状に集積し、この集積物を加熱加圧して熱
可塑性樹脂粉末を溶融させ一体化するものである。
【0008】この発明において、強化繊維束を構成する
繊維としては、使用する熱可塑性樹脂粉体の溶融温度に
おいて熱的に安定な繊維が用いられる。例えば、ガラス
繊維、炭素繊維、シリコン・チタン・炭素繊維、ボロン
繊維、微細な金属繊維等の無機繊維、アラミド繊維、エ
コノール繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の
有機繊維が用いられる。特に、ガラス繊維が好適であ
る。
【0009】強化繊維束は、連続モノフィラメントの数
百本〜数千本から構成されたストランド状又はロービン
グ状のものである。モノフィラメントの直径は1〜50
μmが好ましい。また、モノフィラメントが収束剤によ
り収束された状態の強化繊維束を使用する場合には、収
束剤の付着量が1重量%以下が好ましい。収束剤の付着
量が1重量%を上回ると、強化繊維束をモノフィラメン
ト単位に分離するのが困難となり、樹脂粉末のモノフィ
ラメント間への含浸性が低下する。
【0010】これ等の強化繊維束に付着させる熱可塑性
樹脂としては、加熱により軟化溶融する樹脂はすべて使
用可能である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポ
リエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等が
使用される。
【0011】また、上記の樹脂を主成分とする共重合体
やグラフト樹脂や変成樹脂、例えば、エチレン−塩化ビ
ニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビ
ニル−塩化ビニル共重合体、ウレタン−塩化ビニル共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、アクリル酸変成ポリプロピレン、マレイン酸変成ポ
リエチレン等も使用される。
【0012】これ等の樹脂は、重合時に粉末状で得られ
る樹脂粉末及び粉砕機により粉末状に粉砕された樹脂粉
末が使用される。樹脂粉末の粒子径は、平均粒径が20
00μm 以下が好ましい。平均粒径が2000μm を超
えると、樹脂粉末をモノフィラメント間に均一に付着さ
せにくくなる。なお、樹脂粉末には、安定剤、滑剤、加
工助剤、可塑剤、紫外線吸収剤、着色剤のような公知の
添加剤が配合されてもよい。
【0013】強化繊維束に樹脂粉末を付着させる割合
は、繊維強化熱可塑性樹脂シートの必要とする物性によ
り適宜決定されるが、一般に、シート中の強化繊維が5
〜70重量%の範囲にあることが好ましい。強化繊維が
70重量%を上回ると溶融樹脂が均一に含浸しにくくな
り、逆に5重量%を下回るとシートの機械的強度が低下
する。
【0014】強化繊維束に樹脂粉末を付着させる方法と
しては、多数の連続モノフィラメントからなる強化繊維
束を、樹脂粉末の流動床に導入する方法が好適に採用さ
れる。その他、移送される強化繊維束に向けて樹脂粉末
を噴射し、その後この強化繊維束を上下に配置されたロ
ールを屈曲させて通して張力を付加することにより、樹
脂粉末を強化繊維束に擦り込む方法なども採用される。
【0015】樹脂粉末が付着した強化繊維束を連続的に
屈曲させてマット状に集積する方法としては、例えば、
前記の特開昭59−71847号公報、特開昭62−1
5372号公報及び特開昭62−78248号公報に記
載された方法で、螺旋や円のようなループ状、波状、ラ
ンダム状など任意形状に平面的に屈曲させてマット状に
集積する方法が採用される。
【0016】このようにして形成される繊維の集積物を
加熱加圧する方法としては、一対の無端ベルトの間に繊
維の集積物を挟み、搬送しながら加熱装置と冷却装置と
を通過させる方法が好適に採用される。その他、繊維の
集積物を熱プレスに挟み、その後冷却する方法なども採
用される。
【0017】以下、図面を参照しながら、この発明方法
を詳しく説明する。図1は、この発明方法の一例を示す
側面図である。巻戻しロール1から多数の連続モノフィ
ラメントからなる強化繊維束F1が巻き戻され、ガイド
バー15を経て流動槽2に導入される。図には、強化繊
維束F1が一本だけ示されているが、実際には数本〜数
十本が巻き戻され長手方向に配列されて流動槽2に導入
される。
【0018】流動槽2には熱可塑性樹脂粉末Rが供給さ
れる。流動槽2の底部には多数の通気孔を有する多孔板
が設けられており、気体供給路から送られた空気や窒素
などの気体Gが矢印方向に多孔板の通気孔を通って流動
槽2へ噴出する。流動槽2に供給された樹脂粉末Rは、
この気体Gにより上方に吹き上げられて浮遊状態にな
り、樹脂粉末Rの流動床が形成される。
【0019】流動槽2の中にもガイドバー15が設けら
れており、強化繊維束F1は、このガイドバー15を通
過する際に、噴出する空気や窒素などの気体圧、流動床
中の樹脂粉末に発生する静電気、樹脂粉末の擦り揉み効
果によって、モノフィラメント単位に分離、開繊され、
このモノフィラメント間に樹脂粉末が侵入して均一且つ
充分に付着する。流動槽中のガイドバー15も強化繊維
束F1の開繊を促進させるが、この開繊をさらに促進さ
せるために、流動槽中のガイドバー15としては、表面
にネジを切るか或いは中央部を膨出させたガイドバーを
用いるのが好ましい。
【0020】樹脂粉末Rが付着した強化繊維束F2は、
ガイドバー15を経て、上下一対のスクレーバー3の間
に移送され、このスクレーバー3の間隙を調節すること
により過剰に付着した樹脂粉末Rが除去され、その付着
量が調整される。樹脂粉末の付着量は、強化繊維束F2
に一定の振動を与えることにより調整することもでき
る。
【0021】樹脂粉末の付着量が調整された強化繊維束
F2は、これが屈曲して進行するように配置された二本
のガイドバー4を経て引取り駆動ロール5、6で引取ら
れる。強化繊維束F2は、この二本のガイドバー4によ
り張力が付加され強化繊維束F2に樹脂粉末Rが擦り込
まれる。その後、強化繊維束F2は、幅方向に適宜間隔
をもって配設された複数の繊維繰出機7に送られる。
【0022】この複数の繊維繰出機7は、例えば、特開
昭62−15372号公報又は特開昭62−78248
号公報に記載されたように構成されている。この複数の
繊維繰出機7の下方には、上下一対の無端ベルト10、
11が設置されている。この無端ベルト10、11は、
図外のモーターで駆動ロール16、17を駆動すること
により、連続して同方向へ同速度で回動するように構成
されている。上側無端ベルト10と下側無端ベルト11
には、それぞれ移送部10aと11aが形成され、移送
部10aと11aは間隙を介して上下に対向している。
【0023】下側無端ベルト11の移送部11aは、上
側無端ベルト10の移送部10aより前方へ長く延設さ
れ、延長の移送部11bが形成されている。この延長の
移送部11bを形成することなく、別の無端ベルトを下
側無端ベルト11の移送部11aの前方に配置してもよ
い。このような無端ベルト10、11は、高強度で耐熱
性のあるもの、例えば、スチールベルト、ステンレスベ
ルト、ガラス布強化テフロンベルト等で形成される。
【0024】上側無端ベルト10と下側無端ベルト11
の移送部10a、11aの対向する箇所には、それぞれ
加熱装置12が配置され、加熱装置12に続く後方には
冷却装置13がそれぞれ配置されている。
【0025】加熱装置12は、熱風循環式或いは遠赤外
線式の加熱炉で構成され、この加熱炉内には上下対応す
る位置に複数対のガイドロール18が配設されている。
そして、加熱炉の中を無端ベルト10、11が通過す方
式のものである。なお、加熱装置12が加熱ロールで構
成され、この加熱ロールで無端ベルト10、11を挟持
しつつ直接ベルトを加熱する方式のものでもよい。
【0026】また、冷却装置13は、上下の冷却ブロア
ーで構成され、上下対応する位置に複数対のガイドロー
ル19が配設されている。なお、冷却装置13は水冷式
のガイドロールで構成されたものでもよい。
【0027】複数の繊維繰出機7に供給された強化繊維
束F2は、この繊維繰出機7の作動により、螺旋や円の
ようなループ状、波状、ランダム状など任意形状に平面
的に屈曲させた状態で、下側無端ベルト11の移送部1
1bに落下供給され、所定の厚みのマット状に集積され
る。その概略を斜視図で図2に示す。
【0028】このマット状の集積物F3は、上側無端ベ
ルト10と下側無端ベルト11の移送部10aと11a
の間で挟持されながら搬送され、加熱装置12に供給さ
れる。ここで、樹脂粉末Rの融点或いはそれ以上の適当
な温度に加熱され、繊維のフィラメント間に溶融した樹
脂が含浸される。
【0029】ここで、ガイドロール18により上下の無
端ベルト10、11間の間隙が調節され、マット状の集
積物F3は厚み方向に適当な圧力で加圧される。この加
圧により、溶融した樹脂が流動しモノフィラメント間の
空隙が埋められ、溶融樹脂と強化繊維とが一体化され
る。引き続いて、冷却装置13のガイドロール19によ
り上下の無端ベルト10、11間の間隙が調節され、加
圧されながら適当な温度に冷却される。こうして、所望
厚みの繊維強化熱可塑性樹脂シートSが製造される。
【0030】
【作用】この発明方法によれば、多数の連続モノフィラ
メントからなる強化繊維束に熱可塑性樹脂粉末を付着さ
せ、これを連続的に屈曲させてマット状に集積するの
で、樹脂粉末はこのマット状の集積物の中に均一に分散
した状態となる。そして、樹脂粉末が均一に分散したマ
ット状の集積物を加熱加圧して樹脂粉末を溶融させる
と、モノフィラメント間に溶融樹脂が充分にして且つ均
一な分布で含浸される。
【0031】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 図1に示す方法で繊維強化熱可塑性樹脂シートを製造し
た。
【0032】熱可塑性樹脂粉末Rとして、ポリ塩化ビニ
ル樹脂(平均重合度400、平均粒径150μm ) 10
0重量部に、グリシジルメタクリレート共重合体5重量
部及びブチル錫マレエート3重量部をスーパーミキサー
で混合した樹脂粉末を用いた。
【0033】また、強化繊維束F1として、ロービング
状ガラス繊維束(モノフィラメントの直径14μm 、1
100 kg/km)32本を用いた。上下無端ベルト1
0、11として、ガラス布強化テフロンベルト(幅60
0mm、厚さ約1mm)を用いた。
【0034】強化繊維束F1の32本を上記樹脂粉末R
の流動床中を連続的に通過させ、強化繊維束F1のモノ
フィラメント間に樹脂粉末Rを付着させた後、スクレバ
ー3により過剰の樹脂粉末を除去し、樹脂粉末と強化繊
維の重量割合が7:3となるように調整した。
【0035】調整された強化繊維束F2を各繊維繰出機
7に供給し、概ね直径が150mmの円でその中心点間の
距離が75mmの多数のループ状となるように屈曲させて
無端ベルト11の移送部11b上に落下供給した。供給
量は、幅600mmの無端ベルト11の中央部の約500
mmの範囲に3200g/m2 となるように供給しマット
状に集積した。この集積物F3の見掛け厚みは約25mm
であった。
【0036】この集積物F3を、580mm/分の速度で
移動する上下の無端ベルト10、11の間に挟持しつ
つ、この無端ベルトの間隙をガイドロール18により
2.1mmに調節し、長さ約1500mmで約200℃の熱
風が循環している加熱炉12中を通過させて樹脂粉末を
溶融させた。
【0037】引き続いて、樹脂粉末Rが溶融状態にある
集積物F3を、無端ベルトの間隙をガイドロール19に
より1.9mmに調節し、冷却ブロアー13により冷却し
て繊維強化樹脂シートSを製造した。この繊維強化樹脂
シートSは、幅約500mm、厚み約1.9mmであり、フ
ィラメント間に樹脂がよく含浸され均一に分散したシー
トであった。
【0038】このシートの500mm×2000mmの範囲
のランダムな5箇所より、幅20mm×長さ150mmの試
験片を切り出し、支点間距離120mmで三点曲げ試験を
行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。その試験結
果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2 図1に示す方法で繊維強化熱可塑性樹脂シートを製造し
た。熱可塑性樹脂粉末Rとして、冷凍粉砕したポリプロ
ピレン樹脂粉末(平均粒径130μm ) を用いた。
【0041】また、強化繊維束F1として、ロービング
状ガラス繊維束(モノフィラメントの直径23μm 、4
400 kg/km)32本を用いた。上下無端ベルト1
0、11として、ガラス布強化テフロンベルト(幅60
0mm、厚さ約1mm)を用いた。
【0042】強化繊維束F1の32本を上記樹脂粉末R
の流動床中を連続的に通過させ、強化繊維束F1のモノ
フィラメント間に樹脂粉末Rを付着させた後、スクレバ
ー3により過剰の樹脂粉末を除去し、樹脂粉末と強化繊
維の重量割合が6:4となるように調整した。
【0043】調整された強化繊維束F2を各繊維繰出機
7に供給し、概ね振幅が150mmで波長が75mmの多数
の正弦波状となるように屈曲させて無端ベルト11の移
送部11b上に落下供給した。供給量は、幅600mmの
無端ベルト11の中央部の約500mmの範囲に2820
g/m2となるように供給集積した。この時の集積物F
3の見掛け厚みは約25mmであった。
【0044】この集積物F3を、580mm/分の速度で
移動する上下の無端ベルト10、11の間に挟持しつ
つ、この無端ベルトの間隙をガイドロール18により
2.4mmに調節し、長さ約1500mmで約200℃の熱
風が循環している加熱炉12中を通過させて樹脂粉末を
溶融させた。
【0045】引き続いて、樹脂粉末Rが溶融状態にある
集積物F3を、無端ベルトの間隙をガイドロール19に
より2.3mmに調節し、冷却ブロアー13により冷却し
て繊維強化樹脂シートSを製造した。この繊維強化樹脂
シートSは、幅約500mm、厚み約2.3mmであり、フ
ィラメント間に樹脂がよく含浸され均一に分散したシー
トであった。
【0046】このシートの500mm×2000mmの範囲
のランダムな5箇所より、幅20mm×長さ150mmの試
験片を切り出し、支点間距離120mmで三点曲げ試験を
行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。その試験結
果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】比較例1 実施例1で用いたのと同じポリ塩化ビニル樹脂の配合粉
末を、押出機により溶融押出して厚さ0.8mmの樹脂シ
ートを成形した。
【0049】また、実施例1で用いたと同じロービング
状ガラス繊維束32本を、実施例1で用いたのと同じ繊
維繰出機を用いて、実施例1と同じく、概ね直径が15
0mmの円でその中心点間の距離が75mmの多数のループ
状となるように屈曲させてマット状に集積し、これにニ
ードルパンチング(1/2インチ長×1/4インチ幅当
たり1個)を施して繊維マットを作成した。
【0050】この繊維マットの両面に上記の樹脂シート
を積層し、この積層物を実施例1で用いた上下の無端ベ
ルト10、11の間に挟持し、以後は実施例1と同じ条
件で繊維強化樹脂シートを製造した。
【0051】このシートの500mm×2000mmの範囲
のランダムな5箇所より、幅20mm×長さ150mmの試
験片を切り出し、支点間距離120mmで三点曲げ試験を
行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。その試験結
果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】比較例2 実施例2で用いたのと同じポリプロピレン樹脂、押出機
により溶融押出して厚さ0.9mmの樹脂シートを成形し
た。
【0054】また、実施例2で用いたのと同じロービン
グ状ガラス繊維束32本を、実施例2で用いたのと同じ
繊維繰出機を用いて、実施例2と同じく、概ね振幅が1
50mmで波長75mmの正弦波状に屈曲させてマット状に
形成し、これにニードルパンチング(1/2インチ長×
1/4インチ幅当たり1個)を施して繊維マットを作成
した。
【0055】この繊維マットの両面に上記の樹脂シート
を積層し、この積層物を実施例2で用いた上下の無端ベ
ルト10、11の間に挟持し、以後は実施例2と同じ条
件で繊維強化樹脂シートを製造した。
【0056】このシートの500mm×2000mmの範囲
のランダムな5箇所より、幅20mm×長さ150mmの試
験片を切り出し、支点間距離120mmで三点曲げ試験を
行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。その試験結
果を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】上述の通り、この発明の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの製造方法は、多数の連続モノフィラメン
トからなる強化繊維束に熱可塑性樹脂粉末を付着させ、
これを連続的に屈曲させてマット状に集積し、この集積
物を加熱加圧して熱可塑性樹脂粉末を溶融させ一体化す
るものであって、これにより繊維マットに樹脂が均一且
つ充分に含浸され、強度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂
シートを製造することができる。
【0059】また、この発明方法は、従来方法のように
繊維マットの上下或いは層間に熱可塑性樹脂シートを積
層せず、またニードルパンチングを施す必要がないの
で、このような面倒で手間のかかる工程が省かれ、強度
に優れた繊維強化熱可塑性樹脂シートを高い生産性でも
って製造することができるという利点を持っている。
【0060】そして、この発明方法により得られた繊維
強化熱可塑性樹脂シートは、各種成形品を得るためのプ
レス成形用の素材である所謂スタンパブルシートとして
好適に使用されるが、その他強靱なプレート材料として
も有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法の一例を示す側面図である。
【図2】図1において、強化繊維束を屈曲させてマット
状に集積させる状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
F1 強化繊維束 F2 樹脂粉末が付着した強化繊維束 F3 樹脂粉末が付着した強化繊維束の集積物 S 繊維強化熱可塑性樹脂シート 2 樹脂粉末の流動槽 7 繊維繰出機 10 上側無端ベルト 11 下側無端ベルト 12 加熱装置 13 冷却装置 18 ガイドロール 19 ガイドロール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の連続モノフィラメントからなる強
    化繊維束に熱可塑性樹脂粉末を付着させ、これを連続的
    に屈曲させてマット状に集積し、この集積物を加熱加圧
    して熱可塑性樹脂粉末を溶融させ一体化することを特徴
    とする繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002046049A1 (fr) 2000-12-05 2002-06-13 Toyo Seikan Kaisha, Ltd. Contenant en plastique et procede de fabrication correspondant

Cited By (2)

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