JPH0542254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、各種機器を遠隔操作するためのコ
ントロールケーブルの組付け構造に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来、この種のコントロールケーブルの組付け
構造は、第４図のようにブラケツトａに穿設した
孔ｂにケーブルｃを挿通する装着具ｄを嵌合し、
これをナツトｅで締付け固定するものであつた。
このため組付け作業は両手で行われ、近接部品が
あるレイアウトにおいては締付け工具が使えない
等、作業能率が悪いばかりでなく、締付け不充分
による故障の発生の虞れがあつた。これに代わる
ものとして実開昭55−137712号公報には、アウタ
ーケーシング台枠係着金具に係着力付勢ばねを単
一物に成形したものが開示されているが、この構
造ではフランジと付勢ばねで台枠を単に挟着する
のみであるため、台枠が振動、衝撃等を受けると
離脱する虞があり、またばねと装着具が一体のた
め熱履歴が生じ弾性効果が減殺され、係着金具に
付勢ばねを一体に成形するため、コスト高となる
等の問題点があつた。

（考案が解決しようとする課題） そこで、この考案は上記問題点を解決しようと
したものであつて、組付け操作が簡単で、確実堅
牢に取付けられる安価なコントロールケーブルの
組付け構造を得ようとするものである。

（課題を解決するための手段） これを達成する手段として、この考案は、コン
トロールケーブルの装着具を挿入係止するブラケ
ツトの装着部の側方に開口する挿込口に、基部を
挿込口の外端に固定し、他端部分にばね脚を形成
して挿込口内に向け弾性により突出する弾性体を
挿込口の側面に対向して取付け、弾性体を挿込口
の側面に面して取付け、該弾性体のばね脚によつ
て挿込口に係止部を形成し、ばね脚先端の係止片
は、挿込口の凹陥部にその弾性により出没自在と
して、装着具を２個のフランジを介してその間に
ブラケツトとを係着の上、保持してなるコントロ
ールケーブルの組付け構造にある。

（作用） このような手段によるものであるから、ブラケ
ツトの装着部の挿込口にコントロールケーブルの
装着具をフランジを介して挿込むと、挿込口に取
付けられているばね脚部先端が凹陥部に挿入され
て弾性体は押拡げられ装着部に嵌入されると共に
挿込口の弾性体は再び狭められて係止部を形成し
て、装着具が上下方向を２個のフランジ間に挟着
し、ブラケツトに係着保持されるものである。

（実施例） この考案の具体的構成を図面に示す実施例につ
いて以下詳細に説明する。

１はブラケツトで、例えばＬ形に折曲げ形成し
て、その垂直板２を機体に固定する。また水平板
３には装着部である嵌合孔４を穿設すると共に、
該嵌合孔４に通ずる挿込口５を開口する。この挿
込口５は外端６から嵌合孔４に向つて幅狭となる
ように両側に傾斜縁７，７を形成し、その内端の
嵌合孔４との間に夫々凹陥部８，８を形成する。
９は板ばねよりなる弾性体であつて、その基部を
ブラケツト１の挿込口５の両側外端にビスによつ
て夫々固定し、そのばね脚１０を挿込口５の傾斜
縁７に沿つて配設して、先端の折曲げられた係止
片１１を凹陥部８に嵌入するように取付ける。１
３はコントロールケーブルの装着具であつて、コ
ントロールケーブル１４を挿通すると共に、外周
部には上記ブラケツト１の厚みに相当する幅の挿
嵌部１５を設け、その上下部にフランジ１６，１
６を形成する。

このように構成されているので、装着具１３を
ブラケツト１に装着するには、装着具１３の挿嵌
部をブラケツト１の挿込口５に挿入する。これに
よつて挿込口５の傾斜縁７に沿つて配設されてい
る板ばね９の両ばね脚１０，１０は、その弾性に
抗して押拡げられ、係止片１１は凹陥部８内に回
避して装着具１３は嵌合孔４に達し、両フランジ
１６，１６はブラケツト１を挟むようにし、挿嵌
部１５は嵌合孔４に嵌合する。それと共に挿込口
５に配設された板ばね９は再び弾性によつてばね
脚１０を互に内方に向つて間隔を狭めるように移
動して旧に復し、その先端の係止片１１も嵌合孔
４と挿込口５との通路を閉止するよう互に近接し
て係止部を形成し、挿嵌部１５が嵌合孔より離脱
するの防止して、装着具１３がフランジ１６，１
６により上下の移動を阻止してブラケツト１に確
実に固定される。

なお、装着具１３をブラケツト１より外す時
は、挿込口５よりドライバー等の工具を挿込み、
板バネ９のばね脚を押拡げて嵌合孔４と挿込口５
との通路を拡げた状態に保持したまま装着具１３
を挿込口５側に引出せば、装着具１３をブラケツ
ト１より外すことができる。

（考案の効果） 以上、実施例について詳述したように、この考
案は、ブラケツトの挿込口に一体に取付けられた
板ばねにより弾性を利用するものであるから、装
着具はフランジを設けるだけで特別な構成を必要
とせず、また、装着具は板ばねの弾性に抗して側
方に開口する挿込口より押込むのみでばね脚の係
止片は挿込口の凹陥部に挿入するから、簡単に装
着でき、その組付け作業は特別の締付け作業も必
要なく、片手で迅速に組付ける事ができるので、
近接部品のあるレイアウトの場所でも確実に組付
けることができる。さらに組付けられた後は板ば
ねの弾性により係止片で嵌合孔の挿込口に通ずる
通路は閉止状態を形成するため、ブラケツト或は
装着具に振動、衝撃等の外力を受けても離脱する
ことがなく堅牢確実に固定される。特にブラケツ
トの挿込口が側方に開口するため、装着具の挿入
方向上下に径大部分があつても容易に装着するこ
とができ、その上構造も簡単であり、安価に製作
できる等の種々の優れた効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の分解斜視図、第２図はブラ
ケツトの平面図、第３図は組付け状態の正面図、
第４図は従来例の側面図を示す。 １……ブラケツト、４……嵌合孔、５……挿込
口、７……傾斜縁、８……凹陥部、９……板ば
ね、１０……ばね脚、１１……係止片、１３……
装着具、１４……コントロールケーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コントロールケーブルの装着具のフランジ間に
   おいて、上記装着具を挿入係止するブラケツトの
   側方に開口する装着部の挿込口両側に、基部を挿
   込口の外端に固定し、他端部分にばね脚を形成し
   て挿込口内に向け弾性により突出する弾性体を挿
   込口の側面に対向してそれぞれ取付け、該弾性体
   のばね脚によつて挿込口に係止部を構成し、ばね
   脚先端の係止片は、挿込口の凹陥部にその弾性に
   より出没自在として、装着具をブラケツトに側方
   より挿入の上、係着保持してなるコントロールケ
   ーブルの組付け構造。