JPH0542055B2 - - Google Patents

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JPH0542055B2
JPH0542055B2 JP62106424A JP10642487A JPH0542055B2 JP H0542055 B2 JPH0542055 B2 JP H0542055B2 JP 62106424 A JP62106424 A JP 62106424A JP 10642487 A JP10642487 A JP 10642487A JP H0542055 B2 JPH0542055 B2 JP H0542055B2
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magnetic
ferrite
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crystal
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JP62106424A
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Katsuo Aoki
Toshio Ueda
Satoshi Aizawa
Hiromichi Oomori
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Dowa Holdings Co Ltd
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Dowa Mining Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、実質上スピネル型フエライトの結晶
構造を有しながらその磁化容易軸を(001)軸の
単軸にもつ新規な磁性体粒子を用いた保磁力の温
度依存性が低い磁気記録媒体に関する。
〔従来の技術および問題点〕
近年、デジタル記録、ビデオ記録等に用いられ
る磁気記録媒体として、六方晶フエライトを支持
体に塗布したものが検討されている。このうち、
六方晶フエライトを用いた磁気カードは既に市場
の一部を形成している。そして、高密度記録とし
て期待されている垂直磁気記録方式では六方晶フ
エライトを塗布した記録媒体が盛んに研究開発さ
れている。
つまり、一般式M0.6Fe2O3(MはBa,Sr,Pb,
Ca,から選ばれた少なくとも1つの金属元素)
で示されるか、更にはその三価のFeの一部を平
均価数が3である金属元素で置換したような、い
わゆる六方晶フエライトは、磁気異方性を調整す
ることにより広い範囲の保磁力が得られ、且つそ
の磁化容易軸が(001)軸の単軸であることから、
前記のような磁気記録媒体に用いる磁性体粉末と
して好適なためである。
しかしながら、上記六方晶フエライトの欠点と
して、これまで指摘されてきたのが、他の酸化物
磁性材料を用いた磁気記録媒体に比べて、その保
磁力の温度依存性が大きく且つ任意の値に調整さ
れ得なかつたことである。この特性は六方晶フエ
ライトの本質に由来するものであり、例えばこれ
までに開示されている六方晶フエライトの保磁力
の温度依存性はいずれも+3〜+5(0e/℃)の
値が報告されている。したがつて、このような保
磁力の温度依存性の高い磁性体粒子を用いた磁気
記録媒体は熱安定性が悪く、温度変化の大きい環
境で使用された場合に予め設計された所期の性能
を発揮することができなくなり、種々のトラブル
を引き起こすことがあつた。この現象は記録密度
の高密度化、即ち記録波度が短波長になるほど顕
著になる。したがつて、高度に記録密度化を図つ
たフロツピーデイスクには適用が困難であるとさ
えも唱えられている。すなわち、磁気記録媒体の
保磁力は電磁変換特性に大きく影響するものであ
るが、この電磁変換特性が変動すると直ちに記
録、再生および消去特性に変動をもたらすことに
なるから環境温度が著しく異なる箇所においてか
ような保磁力の温度変化が大きい磁気記録媒体が
使用されると、記録不良、再生出力の低下または
記録の消去不良等が発生し、磁気記録媒体として
の機能が著しく低下するという問題があつた。
他方、保磁力の温度依存性(θHC)が0(0e/
℃)付近を含み、0≧θHC≧−6(0e/℃)の範囲
の磁気記録媒体とすることのできる磁性体とし
て、スピネル型フエライトがある。しかし、スピ
ネルフエライトは、保磁力の温度依存性が小さい
ものを含むものの、その形状が針状であつたり、
更には板状であつてもその磁化容易軸が六方晶フ
エライトの場合のように(001)軸の単軸ではな
く、粒子板面と平行な(001)面に存在するから、
高密度磁気記録という要求に対しては六方晶フエ
ライトのようには十分に目的を達成できないとい
う本質的な問題がある。
従来の代表的なスピネル型フエライトとしては (a) 一般式MO・Fe2O3(ただしMは、Fe2+
Mg,Mn,Zn,Niから選ばれる少なくとも1
つの金属元素である)で表わされるフエライ
ト, (b) CoO・Fe2O3、 (c) γ−Fe2O3またはCoで変成されたγ−Fe2O3
が挙げられる。
上記のうち、(a)のスピネル型フエライトは軟質
磁性材料と呼ばれ、保磁力の温度依存性(θHC
がθHC≒0であるものの保磁力(HC)がHC<400
(0e)と低く、また磁化の容易軸が(001)面に有
り、六方晶フエライトのように(001)軸の単軸
ではない。(b)のコバルトフエライトは、高い保磁
力が得られるものの、その温度依存性は−6
(0e/℃)と大きく、また、その磁化の容易軸が
同じく(001)面にある。更に、(c)のγ−Fe2O3
又はCoで変成されたγ−Fe2O3は、通常、針状粒
子として用いられ、この場合磁化の発生機構が形
状異方性に基づくことから、磁化の発生機構が結
晶異方性に基づくものとは区別されるものであ
る。
一方、立方晶系に属する結晶からなる板状磁性
粉末が特開昭62−41717号公報で開示されている。
具体的物質として、γ−Fe2O3,Co変成γ−
Fe2O3およびFe3O4が示されている。しかし、い
ずれのものも(001)面の面内磁化を特徴とする
ことが記載されており、やはり、六方晶フエライ
トのように(001)軸の単軸に磁化容易軸をもた
せることは困難である。
また、特開昭60−255629号公報では粒子表面が
マグネタイト(FeOy・Fe2O3但し0<y≦1)
で変性されている板状Baフエライト微粒子粉末
が開示されているが、該公報によると、上記Ba
フエライト粒子表面に分布している金属元素は
Feのみである。この公報に記載の発明は、六方
晶フエライトとスピネルフエライトとを積層する
ことによつて両者の得失を合い補うという考え方
であり、この場合は、六方晶フエライトとスピネ
ルフエライトの二つの独立した結晶構造が積層し
た状態で存在するものであると考えることができ
る。したがつて、両者の結晶構造の特有の性質を
合わせて有するかも知れないが、六方晶フエライ
トとスピネルフエライトのそれぞれの欠点を本質
的に消去し得るような単一の結晶構造ではないと
言い得る。このため、スピネル型フエライトのも
つ前述のような問題と六方晶フエライトのもつ保
磁力の温度依存性の問題を同時には解決できない
であろう。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、前述のような問題点を解決
し、保磁力の温度依存性が低く且つ高密度記録方
式が可能な磁気記録媒体を提供することある。
〔発明の構成〕
本発明は、磁性体粒子を含有する磁性層を支持
体上に設けてなる磁気記録媒体において、その磁
性体粒子が板状比2〜30の板状結晶であつてその
磁化容易軸を粒子板面に直角方向〔(001)軸〕に
有する結晶異方性フエライトからなり、そして、
保磁力の温度依存性(θHC)が+2≧θHC≧−5
(0e/℃)の範囲にあることを特徴とする磁気記
録媒体を提供するものである。より具体的には、
平均粒度が0.01〜1.0μmで板状比が2〜30の板状
結晶からなるフエライト系酸化物磁性粉であつ
て、Ba,Sr,PbまたはCaの少なくとも1種の金
属元素と、場合によつてはさらにSb,V,Ti,
Sn,Ta,Zr,Siから選ばれる少なくとも1つの
金属元素と、Mg,Mn,Ni,Fe2+,Cu,Co,
Znから選ばれる少なくとも1つの金属元素とが
該結晶を構成する元素としてフエライト結晶構造
中に含まれ且つその結晶が実質上スピネルとして
のX線回折線を有し、そして磁化容易軸が六方晶
フエライトと同方向の(001)軸の単軸方向(粒
子板面と直角方向)に有している結晶異方性酸化
物磁性粉を磁性層として支持体上に設けてなる磁
気記録媒体を提供する。
この磁気記録媒体は、 一般式M1O・n(Fe2-xM2 xO3) ただし、上式において、 M1は、Ba,Sr,Ca,Pbから選ばれる少なく
とも1つの金属元素、 nは、4≦n≦6, xは、0≦x≦0.7, M2は、Sb,V,Ti,Sn,Ta,Zr,Siから選
ばれる少なくとも1つの金属元素と、Mg,Mn,
Ni,Fe2+,Cu,Co,Znから選ばれる少なくとも
1つの金属元素との組み合わせである、 で表される平均粒度が5μm以下の六方晶フエライ
ト粉と、グリコシド類、糖類、多価アルコール
類、オキシカルボン酸類またはその塩類からなる
群から選ばれる少なくとも一種の物質とを、100
℃を越える媒体中でアルカリの存在下で接触させ
ることにより、実質上スピネルとしてのX線回折
線を有し且つ磁化容易軸が六方晶フエライトと同
方向の(001)軸の単軸方向(板面と直角方向)
に有する結晶異方性酸化物磁性粉を製造し、この
磁性粉を用いて磁気塗料を作成し、この磁気塗料
を支持体上に塗布して製造する。
本発明に従う磁気記録媒体は、後記に実証する
ように、スピネルとしてのX線回折ピークを有す
るものであるが六方晶フエライトと同様に磁化容
易軸が(001)軸の単軸方向(板面と直角方向)
に有する磁性体粒子を磁性層として有するもので
あり、その保磁力の温度依存性は従来の六方晶フ
エライトのものでは得られなかつたような+2〜
−5(0e/℃)の範囲にある。
保磁力の温度依存性(θHC)は、一般に次のよ
うに評価される。
θHC=HC−HC 0/T−T0 ここで Tは、測定温度(℃), T0は、室温(℃), HCは、磁性体の温度がT(℃)の時、測定され
た保磁力(0e), HC 0は、磁性体の温度がT0(℃)の時、測定さ
れた保磁力(0e),である。
本発明の磁性体粒子による磁気記録媒体のθHC
は+2≧θHC≧−50e/℃であり、従来の六方晶フ
エライトのもののθHC≧+3比べて温度依存性が
小さい。これは、本発明の磁性体粒子のθHCがス
ピネル型フエライトとしてのX線回折線を有すこ
とに由来している。磁性体粒子のθHCは実質上そ
のまま磁気記録媒体のθHCの値となる。
本発明に従う磁気記録媒体を構成する磁性体粒
子は“実質上”スピネルの結晶構造を有するがそ
の磁化容易軸が六方晶フエライトと同方向の
(001)軸の単軸方向(板面と直角方向)に有する
点において全く新しい型の磁性材料である。そし
て、スピネル型であつてもBa,Sr,PbまたはCa
の少なくとも1種の金属元素が結晶を構成する元
素として結晶構造中に存在する。すなわち、六方
晶フエライトを構成する元素であるBa,Sr,Pb
またはCaの少なくとも1種の金属元素含み、こ
れによつて六方晶フエライトと同様に、磁化容易
軸を(001)軸の単軸方向にもつているのである。
なお“実質上”スピネルであるとは、僅かの六方
晶フエライト相が共存することもあるということ
である。そして僅かの六方晶フエライト相が共存
する方が、本発明を一層有利に達成することがで
きることもある。いずれにしても、本発明に従う
磁性体粒子は、Ba,Sr,PbまたはCaの少なくと
も1種の金属元素が内部にも表面部にもその結晶
の全体に結晶を構成する元素として存在したうえ
且つスピネルの結晶構造を示す点で、これまでに
ない新しい結晶異方性フエライトであると言うこ
とができる。
本発明において、粒子の板状比を2〜30とする
のは、これを磁気記録媒体の磁性層に形成する場
合、2未満では粒子の配向性が低下し、一方、30
を越えると粒子の厚みが薄くなることから嵩高く
なりハンドリングの面で好しくないからである。
なお、粒子の平均粒度は高密度磁気記録媒体に
は0.01μm〜0.3μmの微粒子が好ましく、他方磁気
カード等には0.3〜1.0μmの粒子が好ましい。
本発明の磁気記録媒体は支持体と磁性層からな
り、磁性層は前記のような新規な磁性体粒子によ
つて形成されるが、これはバインダー樹脂を使用
して形成することができる。そのさい、分散剤、
潤滑剤、帯電防止剤、研磨剤等の添加剤を必要に
応じて配合する。
支持体としては従来の磁気記録媒体に使用され
ているあらゆる材料が使用可能であるが、一般に
ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレン,塩
化ビニール,ナイロン樹脂などが使用される。
磁性層を形成するためのバインダー樹脂として
は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニ
ルブチラール,塩化ビニリデン−アクリロニトリ
ル共重合体などのビニル系樹脂、ニトロセルロー
ス、アセチルセルロースなどの繊維系樹脂、エポ
キシ、フエノキシ、ウレタンなどの架橋性樹脂が
挙げられる。分散剤としては、脂肪酸系、ポリカ
ルボン酸系、アミン系、レシチンなどが挙げられ
る。潤滑剤としては、ステアリン酸、シリコー
ン、フツ素化合物などがあり、帯電防止剤として
は、カーボンブラツクなど、また研磨剤としては
アルミナ微粉、酸化クロムなどが必要に応じて添
加される。
本発明に従う磁性体粒子を用いて磁気記録媒体
を製造するには、目的に応じてバインダー樹脂や
前記の添加剤の種類を選択し、磁性体粒子とこれ
らの配合比を決定後、所定量の溶媒と共に混練し
て磁性塗料を調整する。ここで用いる溶媒として
は、一般にメチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、トルエン、シクロヘキサノン等が使用
でき、また混練機としてはサンドミル、デイパー
ズミルなどの一般の塗料分散機が使用できる。得
られた磁気塗料を支持体に塗布し、場合によつて
は磁場配向処理を施し、次いで乾燥処理後、平滑
化処理を行う。そのさいの塗布機としては、通常
のクラビア・ロール,リバース・ロール等が使用
できる。磁場配向処理は、支持体の面に対して垂
直または平行に磁界を印加して磁性体粒子の磁化
容易軸をこれらの方向に整列させる処理である。
本発明の磁性体粒子のように板状の場合には磁場
を用いずにカレンダーロール等によつて機械的に
配向することもできる。この時、磁性体粒子の板
面は支持体面に対して平行となり、一方その磁化
容易軸は支持体面に対して垂直方向となる。なお
場合によつては、磁性体粒子の板面を支持体面に
対してアトランダムに分布させた、従つて、磁化
容易軸がアトランダムに分布した等方的磁気記録
媒体も製造できる。平滑化処理は、塗膜面の平滑
化を目的としたもので、カレンダーロールが用い
られる。この場合、前記のように板状磁性体粒子
の機械的配向が伴うことになる。
このようにして、本発明の新規な磁気記録媒体
が得られるが、本発明の基本をなす実質上スピネ
ルとしてのX線回折線を有した板状比2〜30の板
状結晶であつて、しかもその磁化容易軸を粒子板
面に直角方向〔(001)軸〕に有する磁性体粒子を
得る方法について次に説明する。
本発明の磁気記録媒体を構成する磁性体粒子は
下記の方法により製造することができる。
すなわち、Ba,Sr,PbまたはCaの少なくとも
1種の金属元素が結晶を構成する元素として結晶
構造中に含まれ且つ平均粒度が5μm以下の六方晶
フエライト粉と、グリコシド類、糖類、多価アル
コール類、オキシカルボン酸類またはその塩類か
らなる群から選ばれる少なくとも一種の物質と
を、100℃を越える媒体中でアルカリの存在下で
接触させるのである。
該方法で使用することができる六方晶フエライ
トは、その組成が下記に示す組成式(1)で表わすこ
とができ、その製法は、共沈法、ガラス法、水熱
合成法又は、通常の乾式法いずれでもよい。
組成式(1):M1O・n(Fe2-xM2 xO3) ……(1) ただし、(1)式において、 M1は、Ba,Sr,Ca,Pbから選ばれる少なく
とも1つの金属元素、 nは、4≦n≦6, xは、0≦x≦0.7, M2は、Sb,V,Ti,Sn,Ta,Zr,Siから選
ばれる少なくとも1つの金属元素と、Mg,Mn,
Ni,Fe2+,Cu,Co,Znから選ばれる少なくとも
1つの金属元素との組み合わせであり、このM2
は必ずしも存在しなくてもよい(x=0の場合)
が、存在した方が保磁力を効果的に調整できると
共に一層有利に高い飽和磁化を得ることができ
る。また、保磁力の温度依存性を目的とする値に
調整する元素として有益である。
以下に於いて上記組成式(1)の組成を有する六方
晶フエライトを水熱合成法により製造する場合を
例として、その製造法の詳細を説明する。
まず、上記組成式(1)の組成を有する六方晶フエ
ライトを水熱合成法で作成する方法は次のように
行われる。
上記組成式(1)で表わされる所定比率の金属成分
量を含む100℃を越えるH2O媒体中で且つ酸根に
対するアルカリ当量比が1.0を越える量のアルカ
リの存在下、または、反応系のPHが11以上となる
アルカリの存在下で水熱処理することにより六方
晶系フエライト粒子を生成させる。
組成式(1)は、水熱合成時に存在せしめる金属成
分の所要比率に実質上対応する。式中のモル比n
を4〜6としているのは、この範囲を外れるモル
比では所定の六方晶フエライトが得られないから
である。また置換成分であるM2は、保磁力を制
御するのに有益な成分であり、その置換基xを0
〜0.7の範囲とするのは、0.7を超えると本発明の
結晶異方性酸化物の飽和磁化が40emu/g未満と
なるためである。フエライト格子中のFe原子と
の置換成分M2としては、Sb,V,Ti,Sn,Ta,
ZrおよびSiからなる群から選ばれた少なくとも一
つの元素、または、この元素とNi,Co,Cu,
Mg,Mn,Fe2+およびZnからなる群から選ばれ
た少なくとも一つの成分との組合せ、が最も効果
的に保磁力を調整することができる。
次ぎに、100℃を越えるH2O媒体中で且つ酸根
に対するアルカリ当量比が1.0を超える量のアル
カリの存在下または反応系のPHが11以上となるア
ルカリの存在下で六方晶フエライトを生成させる
のであるが、これは、(1)式の組成になるように調
整された水を媒体とする原料混合物を、規定のア
ルカリの存在下で100℃を越える温度でつまりオ
ートクレーブを使用して(100℃を越える温度は
オートクレーブでなければ実質上得られない)フ
エライト生成反応を進行させるということを意味
する。また水熱合成法といえばこれはオートクレ
ーブ中での水を媒体としたフエライト合成反応を
いう。この水熱合成を実施するにあたつては、ま
ず、原料の混合調整とアルカリ調整を行わねばな
らない。
原料の調整は、(1)式のフエライト組成に基づい
て所定比率の金属成分が均一に混合された混合物
を調整する。これらの金属成分を与える原料物質
はハロゲン化物、硝酸塩またはその他の水溶性金
属塩または水酸化物のいずれでもよい。そのさい
に、全ての原料物質が水溶性金属塩である場合の
原料混合物は所定比率の金属イオンを含む水溶液
であり、一方、原料物質として水酸化物を選ぶ原
料混合物はスラリー状の混合物となる。また、水
溶性金属塩と水酸化物を共存させる場合には、金
属イオンと金属水酸化物を含むスラリーとなる。
なお、Fe成分を与える原料物質として、オキシ
水酸化鉄も適用できる。
次いで、この所定比率に調整された原料混合物
とアルカリ(アルカリ物質を含むアルカリ溶液)
とを接触せしめ、これによつて、通常は沈澱が生
成してアルカリ性のスラリー状物質を得る。用い
るアルカリ量は、酸根に対するアルカリ当量比が
1.0を越える量である。酸根が存在しない場合に
は、上記の原料混合物とアルカリ溶液を接触させ
て得られたアルカリ性スラリー状物質のPHが11.0
以上となるようなアルカリ量である。いずれにし
ても、アルカリ性スラリー状物質は金属水酸化物
を含むスラリー、金属水酸化物とオキシ水酸化鉄
を含むスラリー、またはこれらに金属イオンを含
むスラリー状物質である。アルカリ量をこのよう
な範囲に規定する理由はこの範囲外であると六方
晶フエライト相の生成量が著しく少なくなるから
である。使用するアルカリ溶液としては、
NaOH,KOH,LiOH,NH4OHの溶液またはこ
れらの混合溶液、若しくは、その他の強アルカリ
性を示す物質を含む溶液から選ばれる。
オートクレーブ内でのフエライト化反応の反応
温度については、100℃を越える温度、好ましく
は120〜400℃が適当である。オートクレーブ内の
温度が400℃を越えると、超高圧となり経済的に
不利である。一方、120℃以下では六方晶フエラ
イトの生成量が少なく本発明で用いる原料六方晶
フエライトとしては不適となる。この温度および
圧力の保持時間については10時間以内であれば十
分であり、場合によつては1時間程度でも十分に
目的が達せられる場合もある。
本発明の磁気記録媒体に使用する磁性体粒子は
前記のようにして作製された組成式(1)の六方晶フ
エライトと、グリコシド類、糖類、多価アルコー
ル類、オキシカルボン酸又はその塩から選ばれる
少なくとも1種以上の物質(以下甲剤と呼ぶ)と
を100℃を越えるH2O媒体中で且つアルカリの存
在下、接触せしめることにより製造することがで
きる。
そのさい、甲剤の添加の時期について次の3つ
のケースがある。
(1) 組成式(1)の六方晶フエライトを製造するさい
に、オートクレーブに供する原料アルカリ性ス
ラリー状物質を調整する過程(オートクレーブ
での六方晶フエライトの水熱合成反応の前)で
甲剤を添加する。
(2) 組成式(1)の六方晶フエライトを水熱合成する
過程で甲剤を添加する。この場合、所定量の甲
剤を含む溶液を所定温度・圧力に達したオート
クレーブ内に高圧給液する。
(3) 別途合成した組成式(1)の六方晶フエライトを
出発原料とする。この場合、大気下、所定量の
六方晶フエライトと甲剤をアルカリ物質を含む
アルカリ溶液中で混合調整し次いで水熱処理を
施す。なお、この(3)の場合には必ずしも水熱合
成法によつて製造した六方晶フエライトを出発
原料としなくてもよいことは勿論である。
いずれの場合にも、甲剤の添加時間は異なるも
のの、平均粒径が5μm以下の微細な六方晶フエラ
イトと甲剤が100℃を越える媒体中でアルカリの
存在下で接触することになり、本発明の新規な磁
性体粒子を製造することができる。
本法で使用できる甲剤の具体例としては、βメ
チルグルコシド,アルブチン等のグリコシド類;
モノース,ジオース,麦芽糖,シヨ糖,セルロー
ス,デキストラン,グリコーゲン,チキストリ
ン,デンプン,アルギン酸等の糖類;テトリトー
ル,ペンチトール,ヘキシトール等の糖,アルコ
ール糖;エチレングリコール,ジエチレングリコ
ール,ポリエチレングリコール,プロピレングリ
コール,グリセリン,コレステロール,ステイグ
マステロール等の多価アルコール類;モノ硝酸エ
ステル,安息香酸エステル等のエステル類;アス
コルビン類,酒石酸,クエン酸ナトリウム等のオ
キシカルボン酸またはその塩類;から選れる少な
くとも1種以上の物質であり、その添加量は、組
成式(1)の六方晶フエライト量に対して0.1重量パ
ーセント以上である。
尚、上記に記載した有機物の存在下でマグネト
プランバイト型フエライトを水熱合成する方法に
ついては、既に本発明者等による特開昭61−
40823号公報で開示している。ここでグリコシド
類,糖類,多価アルコール類,オキシカルボン酸
類またはその塩類に該当する有機物は前記公報に
於いて乙剤として記載したものである。しかしな
がら、前記公報で記載されているこの乙剤の効果
は次のとおりである。マグネトプランバイト型フ
エライトを水熱合成する際に従来の水熱合成法で
得られたフエライト粉はその飽和磁化が低いこと
から、該飽和磁化の向上を目的として、該公報に
記載する甲剤を主反応助剤として存在せしめ、場
合によつてはこれら甲剤の効果を一層助成するも
のとして乙剤を併用することにより、著しく飽和
磁化が改善されたとしている。このように、該公
報における乙剤の作用はマグネトプランバイト型
フエライトを水熱合成する際に、そのフエライト
粉の飽和磁化を向上させる補助的効果をねらつた
ものであり、本発明の目的である実質上スピネル
型フエライトの生成とは作用を異にする。更に
は、本発明製品のような+2≧θHC≧−5 0e/
℃を有するフエライト粉末を得るには、前記公報
で記載する方法による甲剤と乙剤の併用では得ら
れず、前記に述べた有機物だけを用いて且つ当該
特定の条件を採用することが必要である。
アルカリ調整(六方晶フエライトと甲剤を接触
させるさいのアルカリ調整)で用いるアルカリ量
は、調整後のアルカリ性スラリー状物質に遊離ア
ルカリが存在できる量である。アルカリ溶液とし
てはNaOH,KOH,LiOH,NH4OHの溶液また
はこれらの混合溶液、若しくはその他の強アルカ
リ性を示す物質を含む溶液を使用することができ
る。
オートクレーブでの水熱処理温度(六方晶フエ
ライトと甲剤とを接触させる温度)については、
100℃を越える温度、より好しくは120〜300℃が
適当である。オートクレーブ内の温度が300℃を
越えると粗大粒子の生成が多くなると共に粒度分
布が悪くなる。一方、120℃未満では目的とする
磁性体の生成量が少なくなる。この温度および圧
力の保持時間は通常1〜3時間程度でよい。
このようにして得られた結晶異方性酸化物磁性
体を含むスラリー状物質は高いアルカリ性を示す
ので濾過、水洗を繰り返し、十分に不純物を除去
する。なお、この洗浄後、公知の酸性物質例えば
HCl,HClO4,HNO3,HCOOH,H3PO4等で酸
処理を施してもよい。この場合、処理後、更に水
洗を加え酸性物質を除去する。
このようにしてその粒子形状が板状でその板状
比が2〜30であり、好ましくは平均粒度が0.01〜
1.0μmである本発明に従う磁性体粒子が得られ
る。この粉体は、後記の実施例に示すように、X
線回折による物質同定を行うと実質上スピネル構
造であることが認められ、場合によつては少量の
六方晶フエライト相も認められる。更に、粒子表
面に存在する金属成分を測定すると、例えばオー
ジエ電子を用いて測定すると、粒子の表面層まで
に組成式(1)のM1元素(すなわちBa,Sr,Pbまた
はCaの少なくとも1種の金属元素)が分布して
いることが認められる。
このようにして得られた磁性体粒子は10
(KOe)磁場中で測定した保磁力の温度依存性
(θHC)が+2≧θHC≧−5(0e/℃)であり、本発
明者らの実施結果では飽和磁化(δs)の最も大き
い値として63emu/gを得た。そして、この特性
はこの磁性体粒子を用いて磁気記録媒体を作製し
た場合にも実質的に保持されることがわかつた。
更に、該磁性体粒子は前記のようにスピネルと
してのX線回折線を有するにもかわらず、その磁
化の容易軸は粒子板面に対して垂直方向〔(001)
軸〕であることを確認することができた。これを
簡易法によつてテープを作製した例を挙げて説明
する。
前記のようにして得られた本発明に従う板状比
10のフエライト粉末を用いて、下記組成の磁性塗
料を分散時間4時間で調整し、得られた塗料をア
プリケーターにてポリエチレンテレフタレートフ
イルム上に塗布し、乾燥後、カレンダー処理を施
しテープを作成したものと、対照例として板状比
10の六方晶フエライト粉を用いて上記と同じ方法
でテープを作成したものとを比較したところ、下
記のような結果がえられた。
〔磁性塗料の組成〕
フエライト粉末 100重量部 塩化ビニール,酢酸ビニール,ビニールアルコ
ール共重合体 5重量部 レシチン 1重量部 ポリウレタン樹脂 5重量部 メチルエチルケトン 70重量部 シクロヘキサノン 70重量部 トルエン 70重量部 角形比および配向比は次のとおりであつた。
角形比 配向比 SQ(⊥) SQ(⊥)/SQ(=) (A):本発明品 0.816 2.71 (B):六方晶品 0.821 2.73 ここでSQ(⊥)は、ベースフイルムの面に対し
て垂直方向の角形比、SQ(=)はベースフイルム
面に平行な方向の角形比を示す。
このように本発明の磁性体粒子を用いたテープ
はそのSQ(⊥)が0.816と大きく、六方晶フエラ
イト粉末を用いたものにくらべても遜色がないこ
とから、その磁化容易軸が粒子板面に対して直角
方向〔(001)軸〕に存在することが確認された。
〔発明の効果〕
(1) 本発明の磁気記録媒体はその保磁力の温度依
存性(θHC)が+2≧θHC≧−5(0e/℃)の範
囲内で任意に調整されていることから、従来の
磁気記録媒体とは異なり、記録システムまたは
使用される環境温度の変化に応じて広く適用さ
れ得るという大きな利点がある。
(2) 本発明の磁気記録媒体は、支持体に対して垂
直方向に磁化容易軸が整列した垂直磁気記録方
式に適用できる。従来の垂直磁気記録方式では
その保磁力の温度依存性が大きいという問題が
あつたが、これが完全に解決されたので、垂直
磁気記録方式の進展に大きく寄与することがで
きる。
(3) 支持体に対して長手方向に磁化容易軸を整列
させた本発明に従う磁気記録媒体は、板状磁性
体粒子の厚さが薄いことから磁化容易軸方向に
小さな磁区をもつことになり、高記録密度が達
成できると共に保磁力の温度依存性が低いとい
う特性を兼備する。
以下に本発明の代表的な実施例を挙げる。
実施例 1 組成として、BaO・5.9(Fe1.6Zr0.2Cu0.1Fe2+ 0.1
O3)を有し、板状比が10で平均粒度が0.11μmで
あつて、10(k0e)の磁場中、VSMにて測定した
保磁力が700(0e)、その保磁力の温度依存性が+
3.5(0e/℃)であつて、飽和磁化が52.0emu/g
であるBa−フエライト粉末117gを水酸化ナトリ
ウム0.547モルを含む水溶液480mlに懸濁させ、次
いで、この懸濁液にジエチレングリコール5.85g
を含む水溶液520mlを加えて充分に攪拌・混合を
施しアルカリ性のスラリーを調整した後、該アル
カリ性スラリーをオートクレーブ中で280℃にて
60分間水熱処理した。こうして得られた反応生成
物について十分な洗浄を施し、不純物を除去した
あと、乾燥解粒を行つて、磁性体粒子を得た。
得られた磁性体粒子は、X線回折の結果、第1
図に示すように弱いマグネトプランバイト型構造
の回折線の他に、強いスピネル構造の回折線を認
めた。
第2図の写真に示すように該磁性粒子は、板状
比が14で平均粒度が0.15μmであつた。
更に、10(k0e)の磁場中VSMにて測定したと
ころ、保磁力が670(0e)、その保磁力の温度依存
性が+0.10(0e/℃)で、飽和磁化が58emu/g
であつた。また該磁性粒子の粒子表面に存在する
金属成分をオージエ電子により測定したところ、
Ba,Zr,Cu,Feの存在を確認した。
このようにして得られた磁性体粒子を用いて、
下記の組成でサンドミルにより120分間混練・分
散し、磁気塗料を調製した。
〔磁性塗料の組成〕
磁性体粉末 100重量部 塩化ビニール,酢酸ビニール共重合体 15重量部 ポリウレタン樹脂 5重量部 アセチルアセトン 1重量部 ステアリン酸ブチル 1重量部 カーボンブラツク 2重量部 アルミナ 6重量部 メチルエチルケトン 80重量部 トルエン 40重量部 シクロヘキサノン 40重量部 このようにして調製された磁気塗料をアプリケ
ーターにてポリエチレンテレフタレートフイルム
上に塗布したのち、フイルム面に垂直方向に印加
された1500Gの磁界中を通過させた後、直ちに乾
燥し、次いでカレンダー処理を行つて磁気記録媒
体を作製した。
作製された磁気記録媒体について10(k0e)の
磁場中VSMにて評価したところ、保磁力が720
(0e)、保磁力の温度依存性が+0.15(0e/℃)、フ
イルム面に対して垂直方向の角形比(SQ(⊥):
反磁界補正後の値)が0.85、フイルム面に対して
平行方向の角形比SQ(=)が0.28、そして、配向
比すなわちSQ(⊥)/SQ(=)が3.04であつた。
このSQ(⊥)およびSQ(⊥)/SQ(=)の値
が、後述の比較例(1)と遜色がなくほぼ同等の値を
示していることから、ここで用いた磁性体粒子の
磁化容易軸が粒子表面に対して垂直方向にあるこ
とを認めた。この磁気記録媒体は、その保磁力の
温度依存性が+0.15(0e/℃)と小さく、使用環
境温度の変化に対して、安定であることから、垂
直磁気記録方式に用いられる磁気記録媒体として
好適なものである。
実施例 2 組成として、BaO・5.2(Fe1.9Zr0.05Co0.05O3
を有し、板状比が2で平均粒度が、0.06μmであ
つて、10(k0e)の磁場中VSMにて測定した保磁
力が920(0e)、その保磁力の温度依存性が+4.1
(0e/℃)であつて、飽和磁化が56.2emu/gで
あるBa−フエライト粉末117gを、水酸化ナトリ
ウム0.547モルを含む水溶液480mlに懸濁させ、次
いでこの懸濁液にアスコルビン酸5.85gを含む水
溶液520mlを加えて充分に攪拌・混合を施しアル
カリ性のスラリーを調整した後、該アルカリ性ス
ラリーをオートクレーブ中で280℃にて60分間水
熱処理した。こうして、得られた反応生成物につ
いて十分な洗浄を施し不純物を除去したあと、乾
燥解粒を行つて磁性体粒子を得た。
得られた磁性体粒子は、X線回折の結果、実施
例(1)と同様に弱いマグネトプランバイト型構造の
回折線の他に、強いスピネル構造の回折線を認め
た。
該磁性体粒子は板状比が3で平均粒度が
0.08μmであつた。更に、10(k0e)磁場中、VSM
にて測定したところ保磁力が870(0e)、その保磁
力の温度依存性が−3.6(0e/℃)で、飽和磁化が
57.5emu/gであつた。
また該磁性体粒子の粒子表面に存在する金属成
分をオージエ電子により測定したところ、Ba,
Zr,Cu,Feの存在を確認した。
このようにして得られた磁性体粒子を用いて下
記の組成でサンドミルにより120分間混練・分散
し磁気塗料を調製した。
〔磁性塗料の組成〕
磁性体粉末 100重量部 塩化ビニール,酢酸ビニール共重合体 15重量部 ポリウレタン樹脂 5重量部 アセチルアセトン 1重量部 ステアリン酸ブチル 1重量部 カーボンブラツク 2重量部 アルミナ 6重量部 メチルエチルケトン 80重量部 トルエン 40重量部 シクロヘキサノン 40重量部 このようにして調製された磁気塗料をアプリケ
ーターにてポリエチレンテレフタレートフイルム
上に塗布したのち、フイルム面と平行方向に印加
された1500Gの磁界中を通過させた後、直ちに乾
燥し、次いでカレンダー処理を行つて磁気記録媒
体を作製した。
作製された磁気記録媒体について10(k0e)の
磁場中、VSMにて評価したところ、保磁力が970
(0e)、保磁力の温度依存性が−3.5(0e/℃)、フ
イルム面に対して垂直方向の角形比(SQ(⊥):
反磁界補正後の値)が0.37、フイルム面に対して
平行方向の角形比SQ(=)が0.81、そして、配向
比すなわちSQ(=)/SQ(⊥)が2.19であつた。
このように、該磁気記録媒体は面内方向に良く
配向し、また保磁力の温度依存性が−3.5(0e/
℃)であつた。
〔比較例〕
実施例(1)で用いたBaフエライト粉末を使用し
て実施例(1)と同一の方法で磁気塗料および磁気記
録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体につい
て、10(k0e)の磁場中VSMにて評価したとこ
ろ、保磁力が750(0e)、保磁力の温度依存性が+
3.3(0e/℃)、SQ(⊥)が0.87、SQ(=)が0.27,
そして、配向比SQ(⊥)/SQ(=)が3.22であつ
た。
この磁気記録媒体は良好な垂直配向を有してい
るが、保磁力の温度依存性が+3.5(0e/℃)と大
きく、熱的に不安定な記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の磁性体粒子のX線回折図、
第2図は実施例1の磁性体粒子の結晶の状態を示
す電子顕微鏡写真(倍率30000倍)である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 平均粒度が0.01〜1.0μmで板状比が2〜30の
    板状結晶からなるフエライト系酸化物磁性粉であ
    つて、Ba,Sr,PbまたはCaの少なくとも1種の
    金属元素が該結晶を構成する元素としてフエライ
    ト結晶構造中に含まれ且つその結晶が実質上スピ
    ネルとしてのX線回折線を有し、そして磁化容易
    軸が六方晶フエライトと同方向の(001)軸の単
    軸方向(粒子板面と直角方向)に有している結晶
    異方性酸化物磁性粉を磁性層として支持体上に設
    けてなる磁気記録媒体。 2 平均粒度が0.01〜1.0μmで板状比が2〜30の
    板状結晶からなるフエライト系酸化物磁性粉であ
    つて、Ba,Sr,PbまたはCaの少なくとも1種の
    金属元素と、Sb,V,Ti,Sn,Ta,Zr,Siから
    選ばれる少なくとも1つの金属元素と、Mg,
    Mn,Ni,Fe2+,Cu,Co,Znから選ばれる少な
    くとも1つの金属元素とが該結晶を構成する元素
    としてフエライト結晶構造中に含まれ且つその結
    晶が実質上スピネルとしてのX線回折線を有し、
    そして磁化容易軸が六方晶フエライトと同方向の
    (001)軸の単軸方向(粒子板面と直角方向)に有
    している結晶異方性酸化物磁性粉を磁性層として
    支持体上に設けてなる磁気記録媒体。 3 一般式M1O・n(Fe2-xM2 xO3) ただし、上式において、 M1は、Ba,Sr,Ca,Pbから選ばれる少なく
    とも1つの金属元素、 nは、4≦n≦6, xは、0≦x≦0.7, M2は、Sb,V,Ti,Sn,Ta,Zr,Siから選
    ばれる少なくとも1つの金属元素と、Mg,Mn,
    Ni,Fe2+,Cu,Co,Znから選ばれる少なくとも
    1つの金属元素との組み合わせである、 で表される平均粒度が5μm以下の六方晶フエライ
    ト粉と、グリコシド類、糖類、多価アルコール
    類、オキシカルボン酸類またはその塩類からなる
    群から選ばれる少なくとも一種の物質とを、100
    ℃を越える媒体中でアルカリの存在下で接触させ
    ることにより、実質上スピネルとしてのX線回折
    線を有し且つ磁化容易軸が六方晶フエライトと同
    方向の(001)軸の単軸方向(板面と直角方向)
    に有する結晶異方性酸化物磁性粉を製造し、この
    磁性粉を用いて磁気塗料を作成し、この磁気塗料
    を支持体上に塗布してなる磁気記録媒体の製造
    法。
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