JPH0541A - パン生地用改良剤およびパン生地の製造方法 - Google Patents

パン生地用改良剤およびパン生地の製造方法

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JPH0541A JP26399991A JP26399991A JPH0541A JP H0541 A JPH0541 A JP H0541A JP 26399991 A JP26399991 A JP 26399991A JP 26399991 A JP26399991 A JP 26399991A JP H0541 A JPH0541 A JP H0541A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 親水性乳化剤と、シュクロースを除く糖およ
び/または糖アルコールを有効成分とするパン生地用改
良剤。 【効果】 本発明のパン生地用改良剤を用いて製造され
たパン生地は、グルテンネットワーク構造が緻密にな
り、パン体積やパン内相の柔かさ等品質が向上する。冷
凍パン生地に用いた場合は、長期間の冷凍貯蔵において
も、パンの劣化を生じ難いので製パン業界にとって画期
的な有益性もたらす。さらに、本発明のパン生地用改良
剤は製品の風味に悪影響を及ぼさずにパン生地およびパ
ンの品質改良効果を有し、特に冷凍パン生地においても
遜色なく効果が発揮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パン生地用改良剤およ
びパン生地の製造方法に関するものである。
【従来の技術】従来より、良質のパンを製造するために
多くの研究がなされ、様々な改良剤が使用されている。
例えば、パン内相の柔らかさの向上、パン内相の経
時的な硬化の防止(老化防止)、パン体積の増大、
大豆タンパク質などの異種タンパク質を強化したパンに
おけるパン体積の増大、ダイエタリーファイバーを強
化したパンにおけるパン体積の増大、などのパンの品質
向上の目的、および連続製パンにおけるパン生地の機
械耐性向上、パン生地の伸展性の改良、パン生地の
吸水量の増大などのパン生地改良の目的がある。
【0002】改良剤としては、モノグリセリドなどのグ
リセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ジア
セチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド
などの有機酸モノグリセリド、ステアロイル乳酸カルシ
ウムやステアロイル乳酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸
エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノステアレート、レシチンまたは酵素修飾レシチ
ンなどの乳化剤、あるいは臭素酸カリウム、L−アスコ
ルビン酸などの酸化剤、L−システインなどの還元剤、
プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、フォスフォリパ
ーゼ、グルタチオン分解酵素などの酵素および活性グル
テンなどが用いられている(Y.Pomeranz:
“Modern Cereal Science an
d Technology”,VHC Publish
ers,New Yoyk,NY,1987,p.22
5)。
【0003】具体的な改良剤添加の例としては、L−ア
スコルビン酸、乳化剤、アミノ酸還元性物質、酵素など
からなる混合物の添加(特開昭54−163842号公
報など)、多糖類と多価アルコールの添加(特開昭58
−9641号公報)、ガム類と乳化剤との混合物の添加
(特開昭63−71133号公報など)、酵母や卵白の
分解物、乳化剤、L−アスコルビン酸および植物タンパ
ク質からなる混合物の添加(特開昭59−42834号
公報)、カロチノイドの添加(特開昭63−59831
号公報など)、水中油型エマルションの添加(特開昭5
5−162931号公報など)、油中水型エマルシヨン
の添加(特開昭64−2523号公報など)などが試み
られている。ここでパン生地とは、小麦粉、水および酵
母を必須の成分とし、必要に応じて甘味剤、塩類、膨張
剤、その他の成分を配合した、製パンまたは製菓用生地
をいう。
【0004】一方、パン生地を冷凍保存しておき、パン
販売店内で解凍後に焼成して焼き立てのパンを消費者に
提供する、いわゆるベークオフ・ベーカリーが最近、普
及してきている。その背景には、製パンの合理化(大量
集中生産、工場設備の集約化、コストダウン、販売・配
送範囲の拡大など)や労働条件改善(深夜・早朝・休日
労働の解消、労働時間短縮など)などがある。ここで冷
凍パン生地とは、小麦粉、水および酵母を必須の成分と
し、必要に応じて甘味剤、塩類、膨張剤、その他の成分
を配合した、製パンまたは製菓用生地を冷凍したものを
いう。
【0005】その冷凍パン生地による製パンは、以下の
方法が例示される。 1)生地冷凍法 : パン生地をそのまま冷凍し、
解凍後に分割、成型、ほいろ(最終発酵)、焼成を行な
う 2)分割生地冷凍法 : パン生地を分割した後、冷凍
し、解凍後に成型、ほいろ、焼成を行なう 3)成型生地冷凍法 : パン生地を分割、成型した
後、冷凍し、解凍後にほいろ、焼成を行なう 4)ほいろ後冷凍法 : パン生地を分割、成型、ほい
ろ工程の後、冷凍し、解凍後に焼成する
【0006】しかしながら冷凍パン生地を長期間貯蔵す
ると、生地のほいろ時間の著しい延長、パン内相の
すだちの劣化、パン外相の肌荒れ、パン体積の低下、
硬化やボソツキなどのテクスチャーの劣化、パン形状
の歪化、などの問題が生じる。その原因として、冷凍貯
蔵下での氷結晶成長に起因する酵母の冷凍障害、小麦タ
ンパク質の冷凍変成およびグルテンネットワーク構造の
破壊、凍結障害酵母から漏洩してくる還元型グルタチオ
ンによるグルテンのジスルフィド結合の還元に起因する
パン生地の軟化などが考えられている(田中康夫:食品
と低温、10(1)、2(1984))。
【0007】これに対しては、パン生地への水の配合の
減量、酵母の増量、冷凍耐性酵母の使用、シュクロース
などの糖類や油脂含量を高める方法が以前より知られて
いるが(神田芳文:食品と化学、1982秋季増刊、2
7(1982))、味やテクスチャーの面から対象とな
るパンの種類が限定されてしまう。一方、急速凍結する
ことにより、均一かつ微細な氷結晶を形成させて氷結晶
成長を抑制する方法(特開昭59−11134号公報な
ど、)あるいは臭素酸カリウムやL−アスコルビン酸
(パン生地中ではデヒドロアスコルビン酸として機能す
る)などの酸化剤を添加することにより還元型グルタチ
オンの影響を回避する方法(E.Varriano−M
arston et al.:Baker’s Dig
est,54(1)、32(1980)、特開昭63−
254940号公報)などが行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知の上記の改良剤は、その製パン改良効果、すなわちパ
ン生地改良効果およびパン品質効果が不十分であるとと
もに、改良剤の添加によってパンの香りおよび味の低下
を招くことがあり、十分に満足し得るものではなかっ
た。
【0009】また、冷凍パン生地の場合には、前述した
方法では十分な品質を有し、長期間貯蔵が可能な冷凍パ
ン生地が得られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】そこで、本発明らは、十分な効果を有する
パン生地用改良剤を提供すべく種々検討した結果、親水
性乳化剤とシュクロース以外の糖および/または糖アル
コールを併用すると未冷凍パン生地改良、および冷凍パ
ン生地の劣化抑制に顕著な効果があることを見い出し、
本発明に到達した。ここにパン生地用改良剤とは、未冷
凍パン生地あるいは冷凍パン生地を焼成した製品の体
積、形状、外相、内相、テクスチャーなどを改良する特
定の性質を備えたものをいう。
【0011】すなわち、本発明の要旨は、親水性乳化剤
と、シュクロースを除く糖および/または糖アルコール
を有効成分とするパン生地用改良剤、およびパン生地の
製造方法において、親水性乳化剤と、シュクロースを除
く糖および/または糖アルコールを小麦粉、水および酵
母等のパン生地原料と共に混捏する工程を含むことを特
徴とするパン生地の製造方法に存する。以下、本発明を
詳細に説明する。
【0012】本発明で用いられる親水性乳化剤とは、水
分散性あるいは水溶性が良好な乳化剤をいう。親水性/
親油性の度合いを表すHLB値に置き換えれば約7以上
のものが好ましく、HLB値9以上のものが一層好まし
い。好ましい乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、
グリセリン有機酸脂肪酸エステルやグリセリンジアセチ
ル酒石酸脂肪酸エステルなどのグリセリン脂肪酸エステ
ル誘導体、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベ
ート(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル)、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸
ナトリウムなどが挙げられる。
【0013】本発明においては、中でも、ショ糖脂肪酸
エステルまたはグリセリン脂肪酸エステル誘導体または
ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。本発明で用
いられるショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖ラウリ
ン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パ
ルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、シ
ョ糖オレイン酸エステルなどが挙げられ、ショ糖パルミ
チン酸エステルおよびショ糖ステアリン酸エステルが特
に好ましい。
【0014】本発明で用いられるグリセリン脂肪酸エス
テル誘導体としては、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪
酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステルやグリセリ
ンコハク酸脂肪酸エステルなどのグリセリン有機酸脂肪
酸エステルなどが挙げられ、グリセリンジアセチル酒石
酸脂肪酸エステルが特に好ましい。また、構成脂肪酸と
しては、パルミチン酸および/またはステアリン酸が好
ましい。
【0015】本発明で用いられるポリグリセリン脂肪酸
エステルとしては、ポリグリセリンの構成単位であるグ
リセリンの重合度や構成脂肪酸の種類およびエステル化
度により多くの品種があるが、グリセリンの重合度が3
以上で、構成脂肪酸がパルミチン酸および/またはステ
アリン酸、ならびにエステル化度が4以下であるものが
好ましい。エステル化度3以下のものが一層好ましい。
【0016】本発明においては、上述した親水性乳化剤
と、シュクロースを除く糖および/または糖アルコール
とを併用する。本発明において、糖および/または糖ア
ルコールとは、シュクロースを除く、単糖類、オリゴ糖
類および多糖類の非還元および/または水素添加還元し
たものであり、分岐の有無、構成単糖の種類等に制限は
なく、混合物であっても構わない。
【0017】本発明において、好ましい糖としては分岐
オリゴ糖類または直鎖オリゴ糖類が挙げられる。これら
の糖類は市販の一般的なものであればよく、種々の組成
のものがあるが、ごく一般的な組成物として、構成単糖
の重合度が4以下である糖の糖組成が70重量%以上で
ある分岐オリゴ糖類混合物、すなわちイソマルトデキス
トリン類混合物、または構成単糖の重合度が4以下であ
る糖の糖組成が60重量%以上である直鎖オリゴ糖類混
合物、すなわちマルトデキストリン類混合物が特に好ま
しい。
【0018】中でも、イソマルト500(日研化学
(株)製)、ISO(日本資糧工業(株)製)、バイオ
トース#50(日本食品化工(株)製)などの商品名で
市販されている構成単糖の重合度が4以下である糖の糖
組成が75重量%以上である分岐オリゴ糖、またはオリ
ゴトース(三菱化成食品(株)製)、フジオリゴ#35
0(日本食品化工(株)製)、テトラップ(林原(株)
製)などの商品名で市販されている構成単糖の重合度が
4以下である糖の糖組成が65重量%以上である直鎖オ
リゴ糖が特に好ましい。
【0019】また、本発明において、好ましい糖アルコ
ールとしては還元分岐オリゴ糖類および還元直鎖オリゴ
糖類が挙げられる。同様にごく一般的な組成物として、
構成単糖の重合度が4以下である糖の糖組成が70重量
%以上である還元分岐オリゴ糖類、すなわち還元イソマ
ルトデキストリン類混合物、または構成単糖の重合度が
4以下である糖の糖組成が70重量%以上である還元直
鎖オリゴ糖、すなわち、還元マルトデキストリン類混合
物が好ましい。
【0020】中でも、エスイー500(日研化学(株)
製)、ピーオー500(東和化成工業(株)製)などの
商品名で市販されている構成単糖の重合度が4以下であ
る糖の糖組成が80重量%以上である還元分岐オリゴ
糖、またはオリゴトースH−70(三菱化成食品(株)
製)、エスイー20、エスイー600(以上、日研化学
(株)製)などの商品名で市販されている構成単糖の重
合度が4以下である糖の糖組成が75重量%以上である
還元直鎖オリゴ糖が特に好ましい。
【0021】本発明において親水性乳化剤の使用量は、
パン生地の配合、穀類粉の種類、産地、収穫時期、冷凍
貯蔵の温度および期間などによって若干異なるが、風味
に対する影響を考慮して一般的には穀類粉に対して0.
05〜2重量%、好ましくは0.1〜0.7重量%の範
囲から適宜選択される。また、親水性乳化剤と併用され
る糖および/または糖アルコールの使用量もパン生地の
配合、穀類粉の種類、産地、収穫時期、冷凍貯蔵の温度
および期間などによって若干異なるが、甘味に対する影
響を考慮して一般的には穀類粉に対して1〜20重量
%,好ましくは甘味に対する影響を考慮して2〜15重
量%の範囲から適宜選択される。さらに、パン生地改良
剤中における親水性乳化剤と糖および/または糖アルコ
ールとの重量比は、通常、親水性乳化剤1重量部に対し
て糖および/または糖アルコールは0.5〜400重量
部、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは10
〜50重量部の範囲から適宜選択される。
【0022】また、本発明のパン生地用改良剤は、従来
のパン生地改良剤と同様に、非糖質系甘味剤、油脂(シ
ョートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油な
ど)、乳化剤、酸化剤、還元剤、有機酸もしくはその
塩、無機塩、酵素、イーストフードなどを適宜配合して
用いることも可能であり、かかる場合、各添加剤の作用
効果は損なわれることなく十分発揮される。
【0023】本発明のパン生地用改良剤が適用される原
料穀類粉としては、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、トウモ
ロコシ粉などが挙げられるが、これらの混合物にも使用
することが可能である。また、本発明のパン生地用改良
剤は、食パンや欧風硬焼パンなどのようなリーンな配合
のパン生地で特に効果が顕著であるが、ロール類(テー
ブルロール、バンズ、バターロールなど)、特殊パン
(マフィン、ラスクなど)、蒸しパン(肉まん、餡まん
など)や菓子パン、クロワッサン、デニッシュペストリ
ーなどのリッチな配合のパン生地およびクッキーやビス
ケットなどの菓子生地、ピッザクラスト、餃子や焼売な
どの皮、麺類などにも適用可能である。
【0024】なお、本発明のパン生地用改良剤は、直捏
法、中種法などのいずれの製パン方法にも適用可能であ
り、混捏工程で主原料である小麦粉などの穀類粉と水、
および副材料である酵母、糖類、塩化ナトリウム、油
脂、乳製品などと同時または順次加えて混捏される。
【0025】一方、パン生地の冷凍は生地冷凍法、分割
生地冷凍法、成型生地冷凍法、ほいろ後冷凍法のいずれ
も採用可能であり、冷凍方法も液体窒素トンネルフリー
ザーやコンタクトフリーザー、エアーブラストフリーザ
ーによる冷凍、あるいは冷凍庫内静置による冷凍などい
ずれの冷凍方法も適用可能であるが急速冷凍が望まし
い。冷凍貯蔵された冷凍パン生地は、所望の時に解凍し
て、必要に応じて寝かし、発酵、ほいろ工程を経て焼成
等を行って製品にすることができる。
【0026】本発明のパン生地用改良剤は、糖および/
または糖アルコールがパン生地の混捏工程で小麦タンパ
ク質の水和状態をコントロールし、乳化剤がタンパク質
−脂質−デンプン粒複合体が形成するグルテンマトリッ
クス構造形成を良好にし、さらに、冷凍パン生地におい
ては、冷凍貯蔵工程で糖および/または糖アルコールが
氷点降下、ならびに分散相の水分子配列の規則性を向上
させることによる小麦タンパク質の安定性の向上、氷結
晶成長の阻害を担っていると考えられる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1〜3、比較例1〜4 後記表1に示す基本配合物に対して、後記表3に示した
ように、パン生地用改良剤と糖類または糖アルコール類
(パン生地用改良剤)(*1〜4:後記表2参照)を、
その親水性乳化剤が小麦粉重量の0.5重量%になるよ
うに、糖または糖アルコールが固形分換算で小麦粉重量
の6重量%になるように各々添加し、家庭用オートベー
カリー(FAB−72、船井電気(株))で18分間混
捏してパン生地を調製した。なお、糖または糖アルコー
ルが液状である場合には、予め基本配合の水量から糖ま
たは糖アルコールに随伴する水量を減じた。
【0028】次に、家庭用オートベーカリー(FAB−
72)を用いて、第1次発酵、第2次混捏第2次発酵、
丸め、成型発酵、焼成、あら熱取りの各工程を経て、製
品を得た。製品の評価は、25℃で一夜貯蔵した後に行
い、体積(m1)および内相の硬さ(gwf)を測定し
た。なお、体積は菜種置換法により、硬さはレオナーR
E−3305((株)山電)を用い、直径30mm円板
状プランジャーを装着させて、40×40×25mmの
直方体状の内相を圧縮速度1mm/secで25%ひず
みを与えた時の荷重として測定した。
【0029】結果を表3に示す。本発明のパン生地用改
良剤を添加して調製したパン生地を用いて製造したパン
は、パン体積やパン内相の柔らかさを向上させるなど、
優れたパン品質改良効果を示した。さらに、本発明のパ
ン生地用改良剤は、製品の風味に影響を及ぼさなかっ
た。
【0030】実施例4〜16、比較例5〜12 パン生地用改良剤として後記表4に示したものを用いて
(*1〜13:表2参照)、実施例1〜3と同様にパン
生地を製造した後、得られたパン生地をポリエチレン製
袋に充填して−80℃のフリーザー内で凍結して冷凍パ
ン生地を製造し、−26℃のフリーザー内に7日間貯蔵
した。貯蔵終了後、25℃で2時間解凍し、実施例1〜
3と同様にパンを調製して品質を評価した。その結果を
表4に示す。
【0031】本発明のパン生地用改良剤を添加して調製
した冷凍パン生地を用いて製造したパンは、パン生地の
冷凍貯蔵による体積低下やパン内相の硬化を抑制した。
また、パン内相のすだちの劣化、パン外相の肌荒れ、パ
ン形状の歪化なども有効に抑制された。さらに、本発明
のパン生地用改良剤は、製造直後のパン生地から製造さ
れた製品と同様な風味、味、品質を示し、遜色がなかっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明のパン生地用改良剤を添加して製
造されたパン生地は、グルテンネットワーク構造が緻密
になるので、パン体積やパン内相の柔らかさなどが向上
する。一方、冷凍パン生地に本発明のパン生地用改良剤
を用いた場合、従来法で製造したものに比べて冷凍貯蔵
下での氷結晶成長に起因する酵母の凍結障害、小麦タン
パク質の冷凍変性およびグルテンネットワーク構造の破
壊が起き難いので長期間冷凍貯蔵が可能である。つま
り、解凍後の生地のほいろ時間の著しい延長、パン内相
のすだちの劣化、パン外相の肌荒れ、パン体積の低下、
テクスチャーの劣化、パン形状の歪化、などの問題が生
じ難いので製パン業界にとって画期的な有益性をもたら
す。
【0033】さらに、本発明のパン生地用改良剤は、製
品の風味に悪影響を及ぼさずにパン生地改良効果および
パン品質改良効果を発揮し、特に冷凍パン生地から製造
されたパンでは、製造直後のパン生地から製造された製
品と同様な風味、味、品質を示し、遜色がない。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性乳化剤と、シュクロースを除く
    糖および/または糖アルコールを有効成分とするパン生
    地用改良剤。
  2. 【請求項2】 パン生地の製造方法において、親水性
    乳化剤と、シュクロースを除く糖および/または糖アル
    コールを、小麦粉、水、および酵母等のパン生地原料と
    共に混捏する工程を含むことを特徴とするパン生地の製
    造方法。
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