JPH0746956A - パン生地改良剤およびパン生地の製造方法 - Google Patents

パン生地改良剤およびパン生地の製造方法

Info

Publication number
JPH0746956A
JPH0746956A JP19624993A JP19624993A JPH0746956A JP H0746956 A JPH0746956 A JP H0746956A JP 19624993 A JP19624993 A JP 19624993A JP 19624993 A JP19624993 A JP 19624993A JP H0746956 A JPH0746956 A JP H0746956A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bread
bread dough
dough
improver
frozen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19624993A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Miura
靖 三浦
Akifumi Yuki
明文 結城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP19624993A priority Critical patent/JPH0746956A/ja
Publication of JPH0746956A publication Critical patent/JPH0746956A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 直鎖状及び/または環状イヌロオリゴ糖から
なるフラクタンを有効成分とする、製パン、製菓、皮麺
類の製造に用いるパン生地の改良剤及びこれを用いたパ
ン生地の製造方法。 【効果】 本発明のパン生地改良剤を添加して製造され
たパン生地を焼成して製造するパン類はパン体積、クラ
ムの柔らかさが向上し、しかも該パン生地は従来のもの
に比べて長期間の冷凍保存が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パン生地改良剤および
パン生地の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、良質のパンを製造するために
多くの研究がなされ、様々なパン生地改良剤が使用され
ている。このような改良剤は例えば、パン内相(クラ
ム)の柔らかさの向上、クラムの経時的な硬化の防止
(老化防止)、パン体積の増大、大豆タンパク質な
どの異種タンパク質を強化したパンにおけるパン体積の
増大、ダイエタリーファイバーを強化したパンにおけ
るパン体積の増大、などのパンの品質向上を目的とした
り、或いは連続製パンにおけるパン生地の機械耐性向
上、パン生地の伸展性の改良、パン生地の吸水量の
増大などのパン生地改良の目的で使用されている。改良
剤としては、モノグリセリドやポリグリセリン脂肪酸エ
ステルなどのグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステル、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸
モノグリセリドなどの有機酸モノグリセリド、ステアロ
イル乳酸カルシウムやステアロイル乳酸ナトリウム、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ
ート、レシチンまたは酵素修飾レシチンなどの乳化剤、
あるいは臭素酸カリウム、L−アスコルビン酸などの酸
化剤、L−システインなどの還元剤、プロテアーゼ、ア
ミラーゼ、リパーゼ、ホスフォリパーゼ、グルタチオン
分解酵素などの酵素および活性グルテンなどが用いられ
ている(Y.Pomeranz:“Modern Ce
real Science and Technolo
gy”,VHC Publishers,New Yo
yk,NY,1987,p.22 5)。具体的な改良
剤添加の例としては、L−アスコルビン酸、乳化剤、ア
ミノ酸還元性物質、酵素などからなる混合物の添加(特
開昭54−163842号公報など)、多糖類と多価ア
ルコールの添加(特開昭58−9641号公報)、ガム
類と乳化剤との混合物の添加(特開昭63−71133
号公報など)、酵母や卵白の分解物、乳化剤、L−アス
コルビン酸および植物タンパク質からなる混合物の添加
(特開昭59−42834号公報)、カロチノイドの添
加(特開昭63−59831号公報など)、水中油型エ
マルジョンの添加(特開昭55−162931号公報な
ど)、油中水型エマルジョンの添加(特開昭64−25
23号公報など)などが試みられている。
【0003】一方、パン生地を冷凍保存しておき、パン
販売店内で解凍後に焼成して焼きたてのパンを消費者に
提供する、いわゆるベークオフ・ベーカリーが最近、普
及してきている。その背景には、製パンの合理化(大量
集中生産、工場設備の集約化、コストダウン、販売・配
送範囲の拡大など)や労働条件改善(深夜・早朝・休日
労働の解消、労働時間短縮など)などがある。その冷凍
パン生地による製パンには、以下の方法が例示される。
【0004】1)生地冷凍法:パン生地をそのまま冷凍
し、解凍後に分割、成型、ホイロ(最終発酵)、焼成を
行なう 2)分割生地冷凍法:パン生地を分割した後、冷凍し、
解凍後に成型、ホイロ、焼成を行なう 3)成型生地冷凍法:パン生地を分割、成型した後、冷
凍し、解凍後にホイロ、焼成を行なう 4)ホイロ後冷凍法:パン生地を分割、成型、ホイロ工
程の後、冷凍し、解凍後に焼成する しかしながら冷凍パン生地を長期間貯蔵すると、生地
のホイロ時間の著しい延長、クラムのすだちの劣化、
パン外相(クラスト)の肌荒れ、パン体積の低下、硬
化やボソツキなどのテクスチャーの劣化、パン形状の
歪化などの問題が生じる。その原因として、冷凍貯蔵下
での氷結晶成長に起因する酵母の凍結障害、穀類タンパ
ク質の冷凍変性およびグルテンネットワーク構造の破
壊、凍結障害酵母から漏洩してくる還元型グルタチオン
によるグルテンのジスルフィド結合の還元に起因するパ
ン生地の軟化などが考えられている(田中康夫:食品と
低温,10(1),2(1984))。これに対して
は、パン生地への水の配合の減量、酵母の増量、冷凍耐
性酵母の使用、シュクロースなどの糖類や油脂含量を高
める方法が以前より知られているが(神田芳文:食品と
科学、1982秋季増刊,27(1982))、味やテ
クスチャーの面から対象となるパンの種類が限定されて
しまう。一方、急速凍結することにより、均一かつ微細
な氷結晶を形成させて氷結晶成長を抑制する方法(特開
昭59−11134号公報など)、あるいは臭素酸カリ
ウムやL−アスコルビン酸(パン生地中ではデヒドロア
スコルビン酸として機能する)などの酸化剤を添加する
ことにより還元型グルタチオンの影響を回避する方法
(E.Varriano−Marston et a
l.:Baker’s Digest,54(1),3
2(1980)、特開昭63−254940号公報)な
どが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知の上記の改良剤は、その製パン改良効果、すなわちパ
ン生地改良効果およびパン品質改良効果が不十分である
とともに、改良剤の添加によってパンの香りおよび味の
低下を招くことがあり、十分に満足し得るものではなか
った。また、冷凍パン生地の場合には、前述した方法で
は十分な品質を保ちつつ長期間貯蔵することが可能な冷
凍パン生地が得られていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、十
分な効果を有するパン生地改良剤を提供すべく種々検討
した結果、フラクタンを使用すると未冷凍パン生地の改
良、および冷凍パン生地の劣化抑制に顕著な効果がある
ことを見い出し、本発明に到達した。すなわち本発明の
要旨は、フラクタンを有効成分とするパン生地改良剤、
および該改良剤を用いるパン生地の製造方法に存するも
のであり、パン生地の長期冷凍保存を可能にし又、未冷
凍パン生地あるいは冷凍パン生地を焼成した製品の体
積、形状、クラスト、クラム、テクスチャーなどを改良
するものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられるフラクタンとは、フラクトースのみより構成
されるポリマー、特に構成糖の重合度が10以下の直鎖
状オリゴ糖あるいは環状オリゴ糖であり、β−2,1′
−フラクトオリゴ糖(通称イヌロオリゴ糖)やβ−2,
6′−フラクトオリゴ糖(通称レバンオリゴ糖)などの
直鎖状フラクトオリゴ糖、環状フラクトオリゴ糖(通称
サイクロフラクタン)をいう。本発明においては、中で
もイヌロオリゴ糖とサイクロフラクタンが好ましい。こ
こで、本発明でいうフラクトオリゴ糖とは、業界で商品
名「フラクトオリゴ糖」と称されているシュクロースに
フラクトースがβ−1,1−グリコシド結合したものと
は別個の物質である。
【0008】本発明で用いられるイヌロオリゴ糖として
は、イヌロビオース、イヌロトリオース、イヌロテトラ
オース、イヌロペンタオース、サイクロイヌロビオー
ス、サイクロイヌロトリオース、サイクロイヌロテトラ
オース、サイクロイヌロペンタオースなどが挙げられ、
これらを単独、あるいはこれらの中の2種以上のものを
任意の量比で混合したものを用いてもよい。好ましくは
構成単糖の重合度が4以下である糖の糖組成が40重量
%以上であるイヌロオリゴ糖混合物であり、より好まし
くは、構成単糖の重合度が4以下である糖が60%以上
であるイヌロオリゴ糖が特に好ましい。40%未満で
は、最終成品のパン体積が減少し、又、パンが硬くなっ
てしまう。
【0009】本発明において用いられるサイクロフラク
タンとは、D−フラクトース分子が6〜8個、β−2,
1グリコシド結合により環状に結合したオリゴ糖であ
る。一方、D−グルコース分子がα−1,4グリコシド
結合で6〜8個環状に結合したサイクロ−α−1,4′
−グルコオリゴ糖(通称サイクロデキストリン)が既に
工業化され、主に食品分野で包接剤として利用されてい
るが、本発明において用いられるサイクロフラクタン
は、これら従来より公知のサイクロデキストリンとは全
く別個の物質である。サイクロフラクタンは、キクイ
モ、チコリ、ダリヤ等の根茎の炭水化物の主成分である
イヌリン、すなわちフラクトースがβ−2,1−グリコ
シド結合した直鎖上のフラクタンを原料にして、Bac
illus circulans MCI−2554
(生命研菌寄第11940号)などの菌を用いた発酵法
で生産される。本発明で使用されるサイクロフラクタン
としては、サイクロイヌロヘキサオース、サイクロイヌ
ロヘプタオース、サイクロイヌロオクタオースなどが挙
げられ、これらを単独、あるいはこれらの中の2種以上
のものを任意の量比で混合したものを用いてもよい。好
ましいサイクロフラクタンとしてサイクロイヌロヘキサ
オースが60〜80重量%、サイクロイヌロヘプタオー
スが18〜30重量%、サイクロイヌロオクタオースが
2〜10重量%であるサイクロフラクタンの混合物が挙
げられる。
【0010】本発明のパン生地改良剤が適用されるパン
生地の原料穀類粉としては、小麦粉、大麦粉、ライ麦
粉、トウモロコシ粉などが挙げられるが、これらの混合
物にも使用することが可能である。本発明においてパン
生地の製造に用いる水とは、純粋な水に限られず、甘味
料その他の添加物を含有する水溶液や、牛乳等の含水液
であっても良く、パン生地の使用目的やパンの種類によ
って、これらのなかから任意に選択して、あるいは組み
合わせて用いることが出来る。
【0011】本発明においては、上述したフラクタン、
すなわちイヌロオリゴ糖やサイクロフラクタンは単独で
使用しても、あるいは両者を任意の割合で併用してもよ
い。本発明におけるパン生地とは、穀類粉、水および酵
母を必須の成分とし、必要に応じて甘味料、塩類、膨張
剤、その他の成分を配合した、製パン、皮麺類等に用い
る生地をいう。
【0012】本発明においてパン生地改良剤の使用量
は、パン生地の配合、穀類粉の種類、産地、収穫時期、
冷凍貯蔵の温度および期間などによって若干異なるが、
風味に対する影響を考慮して一般的には穀類粉に対して
0.5〜20重量%、好ましくは2〜15重量%の範囲
から適宜選択される。0.5重量%未満では、改良剤の
効果が現れず、又、20重量%以上だと改良剤としての
効果は充分であるが最終製品が甘味を呈してしまい、甘
味を呈しない食品の製造に使用するには不向きとなる。
【0013】また、本発明のパン生地改良剤は、従来の
パン生地改良剤と同様に、甘味料、油脂(ショートニン
グ、ラード、マーガリン、バター、液状油など)、乳化
剤、酸化剤、還元剤、有機酸もしくはその塩、無機塩、
酵素、イーストフードなどを適宜配合して用いることも
可能であり、かかる場合、各添加剤の作用効果は損なわ
れることなく十分発揮される。
【0014】また、本発明のパン生地改良剤は、食パン
や欧風硬焼パンなどのようなリーンな配合のパン生地で
特に効果が顕著であるが、ロール類(テーブルロール、
バンズ、バターロールなど)、特殊パン(マフィン、ラ
スクなど)、蒸しパン(肉まん、餡まんなど)や菓子パ
ン、クロワッサン、デニッシュペストリーなどのリッチ
な配合のパン生地およびクッキーやビスケットなどの菓
子生地、ピッザクラスト、餃子や焼売などの皮、麺類、
パスタなどにも適用可能である。
【0015】なお、本発明のパン生地改良剤は、直捏
法、中種法などのいずれの製パン方法にも適用可能であ
り、混捏工程で、主原料である穀類粉と水、および副材
料である酵母、糖類、塩化ナトリウム、油脂、乳製品な
どと同時または順次加えて混捏される。一方、パン生地
の冷凍は生地冷凍法、分割生地冷凍法、成型生地冷凍
法、ホイロ後冷凍法のいずれも採用可能であり、冷凍方
法も液体窒素トンネルフリーザーやコンタクトフリーザ
ー、エアーブラストフリーザーによる冷凍、あるいは冷
凍庫内静置による冷凍などいずれの冷凍方法も適用可能
であるが急速冷凍が望ましい。冷凍貯蔵された冷凍パン
生地は、所望の時に解凍して、必要に応じて寝かし、発
酵、ホイロ工程を経て焼成等を行って製品にすることが
できる。
【0016】本発明のパン生地改良剤は、パン生地の混
捏工程で穀類タンパク質の水和状態をコントロールし、
さらに、冷凍パン生地において冷凍貯蔵工程で氷点降
下、ならびに分散相の水分子配列の規則性を向上させる
ことによる穀類タンパク質の安定性の向上、氷結晶成長
の阻害を担っていると考えられる。
【0017】
【発明の効果】本発明のパン生地改良剤を添加して製造
されたパン生地は、グルテンネットワーク構造が緻密に
なるので、パン体積やクラムの柔らかさなどが向上す
る。一方、冷凍パン生地に本発明のパン生地改良剤を用
いた場合、従来法で製造したものに比べて冷凍貯蔵下で
の氷結晶成長に起因する酵母の冷凍障害、小麦タンパク
質の冷凍変性およびグルテンネットワーク構造の破壊が
起き難いので長期間冷凍貯蔵が可能である。つまり、解
凍後の生地のホイロ時間の著しい延長、クラムのすだち
の劣化、クラストの肌荒れ、パン体積の低下、テクスチ
ャーの劣化、パン形状の歪化、などの問題が生じ難いの
で製パン業界にとって画期的な有益性をもたらす。
【0018】さらに、本発明のパン生地改良剤は、製品
の風味に悪影響を及ぼさずにパン生地改良効果およびパ
ン品質改良効果を発揮し、特に冷凍パン生地から製造さ
れたパンでは、製造直後のパン生地から製造された製品
と同様な風味、味、品質を示し、遜色がない。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。実施例1〜2、比較例
1〜3
【表1】 <基本配合> 強力小麦粉(商品名「カメリヤ」、日清製粉(株)製) 100.0重量部 塩化ナトリウム(特級、キシダ化学) 2.0重量部 グラニュー糖(三井製糖(株)製) 5.0重量部 ショートニング(商品名「Atlanta S」、 5.0重量部 日本リーバ(株)製) 脱脂粉乳(北海道乳業(株)製) 2.0重量部 圧搾酵母(商品名「オリエンタルイースト」、 4.0重量部 オリエンタル酵母工業(株)製) イーストフード(商品名「Cオリエンタルフード」、 0.1重量部 オリエンタル酵母工業(株)製) L−アスコルビン酸(食品添加物、純正化学(株)) 0.0094重量部 パン生地用改良剤 4.0重量部 水 67.0重量部
【0020】
【表2】 <ストレート法製パンの基本工程> 混捏時間:低速2分間、中速2分間、高速2分間 続いてショートニング添加 低速2分間、中速2分間、高速1分間 続いて酵母添加 低速1分間、高速2分間 捏上温度:19〜20℃ フロアタイム:90分間(60分間後にパンチ)、27
℃、RH(相対湿度)75% 生地分割:350g ベンチタンム:15分間、27℃、RH75% 成 型 :モルダーを使用 ホイロ :35℃、RH85% 生地上部がパン型(1,520ml容量)縁上1.5c
mに達するまで 焼 成 :210℃、20分間
【0021】上記の基本配合物に対して第1表に示した
ように、サイクロフラクタン(フラクトース6分子から
なる成分含量が73重量%、フラクトース7分子からな
る成分含量が22重量%、フラクトース8分子からなる
成分含量が5重量%)、イヌロオリゴ糖(商品名「Ra
ftilose P95」、RaffinerieTi
rlemontoise S.A.社製、構成単糖の重
合度が4以下である糖の糖組成が63%)、サイクロデ
キストリン(α−サイクロデキストリンである商品名
「セルデックスα−CD、Aグレード」とβ−サイクロ
デキストリンである商品名「セルデックスβ−CD、N
グレード」とγ−サイクロデキストリンである商品名
「セルデックスγ−CD、Aグレード」を重量比で7
3:22:5で混合した物、日本食品化工(株)製)、
シュクロース(特級、キシダ化学(株)製)を小麦粉重
量の4.0重量%になるように各々添加し、上記のスト
レート法製パンの基本工程でワンローフ型の食パンを得
た。
【0022】製品の評価は、下記の通りに行った。すな
わち、25℃で30分間冷却した後にローフ体積(m
l)を菜種置換法により測定し、ローフ外観(ローフ形
状の均整、クラストの焼き色と滑らかさ)、クラムの
「すだち」を目視で評価した。さらに、25℃で一日貯
蔵した後にクラムおよびクラストのテクスチャーと風味
を官能評価した。クラムの硬さ(gf)は、レオナーR
E−3305((株)山電)を用い、直径30mm円板
状プランジャーを装着させて、厚さ20mmにスライス
した製品(25℃で1日および3日間貯蔵後)の内相中
央部を圧縮速度1mm/secで25%ひずみを与えた
時の荷重として測定した。結果を表−1に示す。本発明
のパン生地用改良剤を添加して調製したパンは、外観が
良好であり、ローフ体積が大きく、クラムが柔らかく、
しかも老化(経時的な効果)が抑制される、テクスチャ
ーおよび風味が良好であるなど、優れた品質であった。
【0023】実施例3〜4、比較例4〜6
【表3】 <ストレート法による成型冷凍生地製パンの基本工程> 混捏時間:低速2分間、中速2分間、高速2分間 続いてショートニング添加 低速2分間、中速2分間、高速1分間 続いて酵母添加 低速1分間、高速2分間 捏上温度:19〜20℃ フロアタイム:15分間、27℃、RH75% 生地分割:350g 成 型 :モルダーを使用 冷 凍 :−40℃で生地中心温度が−9℃に達するま
で(55〜84分間) 貯 蔵 :−22℃で5週間 解 凍 :−2℃で13〜14時間 再発酵 :90分間、27℃、RH75% ホイロ :35℃、RH85% 生地上部がパン型(1,520ml容量)縁上1.5c
mに達するまで 焼 成 :210℃、20分間
【0024】実施例1〜2および比較例1〜3と同様の
生地配合で上記の方法で冷凍生地製パンを実施した。得
られたパンの品質評価も実施例1〜2および比較例1〜
3と同様にして行った。結果を表−2に示す。本発明の
パン生地用改良剤は、パン生地の冷凍貯蔵による体積低
下やクラムの硬化を抑制した。また、クラムのすだちの
劣化、クラストの肌荒れ、パン形状の歪化なども有効に
抑制された。さらに、本発明のパン生地改良剤を添加し
て調製した冷凍パン生地を用いて製造したパンは、製造
直後のパン生地から製造された製品と同様な風味、テク
スチャーなどを示し、遜色がなかった。
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明で用いられるイヌロオリゴ糖として
は、イヌロビオース、イヌロトリオース、イヌロテトラ
オース、イヌロペンタオー どが挙げられ、これら
を単独、あるいはこれらの中の2種以上のものを任意の
量比で混合したものを用いてもよい。好ましくは構成単
糖の重合度が4以下である糖の糖組成が40重量%以上
であるイヌロオリゴ糖混合物であり、より好ましくは、
構成単糖の重合度が4以下である糖が60%以上である
イヌロオリゴ糖が特に好ましい。40%未満では、最終
製品のパン体積が減少し、又、パンが硬くなってしま
う。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラクタンを有効成分とするパン生地改
    良剤。
  2. 【請求項2】 パン生地の製造方法において、フラクタ
    ンを穀類粉、水、および酵母と共に混捏することを特徴
    とするパン生地の製造方法。
  3. 【請求項3】 フラクタンが直鎖状イヌロオリゴ糖およ
    び/又は環状イヌロオリゴ糖である請求項1記載のパン
    生地改良剤。
  4. 【請求項4】 フランタンが直鎖状イヌロオリゴ糖およ
    び/又は環状イヌロオリゴ糖である請求項2記載のパン
    生地の製造方法。
JP19624993A 1993-08-06 1993-08-06 パン生地改良剤およびパン生地の製造方法 Pending JPH0746956A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19624993A JPH0746956A (ja) 1993-08-06 1993-08-06 パン生地改良剤およびパン生地の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19624993A JPH0746956A (ja) 1993-08-06 1993-08-06 パン生地改良剤およびパン生地の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0746956A true JPH0746956A (ja) 1995-02-21

Family

ID=16354669

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19624993A Pending JPH0746956A (ja) 1993-08-06 1993-08-06 パン生地改良剤およびパン生地の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0746956A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069095A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Mitsui Norin Co Ltd 血中脂質改善剤
JP2008069094A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Mitsui Norin Co Ltd 抗肥満剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069095A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Mitsui Norin Co Ltd 血中脂質改善剤
JP2008069094A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Mitsui Norin Co Ltd 抗肥満剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Selomulyo et al. Frozen bread dough: Effects of freezing storage and dough improvers
CA2718543C (en) Novel method for preparing ready-to-bake frozen doughs
US20070166446A1 (en) Method for producing a gluten-based baked product
JP5739199B2 (ja) ホイロ発酵済みパン類用冷凍生地の製造方法
US20120308683A1 (en) Dough compositions and related methods involving high-gluten content
JP4482505B2 (ja) パン品質改良方法、冷凍パン生地の製造方法、並びに糖質とその使用
CA2726473A1 (en) Dough compositions and methods including starch having a low, high-temperature viscosity
JP2022085207A (ja) 冷凍パン生地及びその製造方法
JPH0746956A (ja) パン生地改良剤およびパン生地の製造方法
JP3052362B2 (ja) 冷凍パン生地の製造方法
JPH089872A (ja) 冷凍パン生地用改良剤及び冷凍パン生地の製造方法
CA2651422A1 (en) Retarder-to-oven laminated dough
JP2018042532A (ja) 冷凍パン生地用品質改良剤
JP3021849B2 (ja) 冷凍パン生地用改良剤および冷凍パン生地の製造方法
JP3410210B2 (ja) 冷凍パン生地類改良剤及び冷凍パン生地類の製造方法
JP6203018B2 (ja) パン
JP3486199B2 (ja) 冷凍パン生地類及びその製造方法
US20060083841A1 (en) High expansion dough compositions and methods
JPH10117671A (ja) 冷凍パン生地用改良剤及び冷凍パン生地の製造方法
JPH0965822A (ja) 冷蔵または冷凍パン生地の製造方法
RU2322808C1 (ru) Способ производства хлеба
JP7507656B2 (ja) 焼成冷凍パン類用品質改良剤、焼成冷凍パン類の品質改良方法、および焼成冷凍パン類の製造方法
JP2015080452A (ja) 糖液種及び該糖液種を用いて製造されたパン、並びに糖液種の製造方法及びパンの製造方法
KR102414306B1 (ko) 제빵용 조성물 및 냉동 유통용 빵의 냉해동 안정성 유지 방법
JP2003079307A (ja) 穀物乳酸菌類醗酵生成物添加冷凍パン類生地及び穀物乳酸菌類醗酵生成物添加冷凍パン類生地を用いるパン類の製造方法