JP3410210B2 - 冷凍パン生地類改良剤及び冷凍パン生地類の製造方法 - Google Patents

冷凍パン生地類改良剤及び冷凍パン生地類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍パン生地類改良剤
及びそれを用いた冷凍パン生地類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スーパーマーケットや小売り店
で売られているパン類は、大手メーカーが製パン工場で
集中的に大量生産し、広範囲にわたって配送が行なわれ
ている。しかし、消費者の手元にパンが届くまでに時間
がかかり、保存、配送の過程で品質が低下するという問
題がある。
【0003】近年、消費者のグルメ嗜好が高まるにつれ
て焼き立てのパンを求める声が高まってきた。冷凍パン
類生地は、こうした要望に応えて開発されたもので、工
場で集中的に生産したパン生地類を冷凍して配送し、販
売先で解凍、発酵、焼成することにより、焼き立てのパ
ンを販売できるものである。また、製造側の立場から
は、発酵の工程があるパン作りは、早朝から行わなけれ
ばならないなどの時間的制約を有していたが、冷凍パン
生地類の開発により、こうした時間的制約が低減され、
生産面及び労働面での省力化を図ることも可能になっ
た。
【0004】このように冷凍パン生地類は、長期保存や
腐敗防止などよりも、むしろ発酵の関係で連続的に行う
必要があった製パン工程を途中の段階で中断し、必要に
応じてそれから先の工程を再開できるようにすることを
目的としており、このため、中断の前後で品質が変化し
ないことが要求される。すなわち、解凍後の工程を冷凍
前の工程に引き続いて行うことができ、かつ、焼き上が
りの製品の品質に悪影響を与えないことが必要である。
【0005】しかしながら、実際には、パン生地類を冷
凍保存すると、最終製品の品質に大きな影響を与えると
いう問題がある。すなわち、凍結によって酵母の傷害や
グルテン膜の破壊が起こるため、解凍した生地の発酵力
が弱まり、生地の膨らみが悪く、香りや味に劣るパンが
できてしまう。また、冷凍前の発酵時間に制限が加えら
れる等、製造条件に制約があり、凍結障害以上の問題と
なっている。
【0006】この問題の対応策としては、パン生地へ
の水の配合の減量、酵母やイーストフードの増量、糖質
や油脂の含量を高める(神田 芳文:食品と化学、1982
秋季増刊、27(1982))冷却速度を調節する(特開昭59
-11134号)、重合度3〜5の還元性あるいは非還元性
オリゴ糖を添加する(特開平 4-141041 号)、難消化
性ポリサッカライドを添加する(特開平 5-252858
号)、トレハロースを添加する(特願平5-66097 号)
などの手段が報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酵母や
イーストを増量するとイースト臭により品質が劣化して
しまう。また、糖類や油脂を増量する方法は、デニッシ
ュ・ペストリーやクロワッサンなど、元来糖質や油脂を
多量に含むリッチなパンには適用できるが、食パンやフ
ランスパンなどのように、糖質や油脂をあまり含まない
パンに適用することは難しかった。更に、重合度3〜5
の還元性あるいは非還元性オリゴ糖を添加する方法もパ
ン表面の梨肌の出現を防止するには十分ではなく、難消
化性ポリサッカライドを添加する方法も食感が低下する
などの問題点があった。また、トレハロースを添加する
方法は、現在のところ価格が高いことから、実用化には
至っていない。
【0008】したがって、本発明の目的は、冷凍・解凍
による品質の低下を防止することができる冷凍パン生地
類改良剤及びそれを用いた冷凍パン生地類製造方法を安
価に提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、デキスト
リンを冷凍パン生地類に添加混合することにより、冷凍
パン生地類の醗酵の低下、パン体積の減少、生地のだ
れ、パン表面の梨肌の出現、内相の劣化等の冷凍障害を
防止できることを見出した。また、更に、デキストリン
と重合度3以上のオリゴ糖とを併用添加することによ
り、冷凍パン生地類の風味、保湿性が更に増すことを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の冷凍パン生地類改良剤
は、重合度11以上であって糖液中で溶解可能なデキス
トリン及び/又はその還元物を有効成分として含有する
ことを特徴とする。
【0011】また、本発明の冷凍パン生地類の製造方法
は、穀類粉と、水と、副原料とを同時に又は順次加えて
混捏し、得られたパン生地類を冷凍する冷凍パン生地類
の製造方法において、前記副原料の一部として重合度1
1以上であって糖液中で溶解可能なデキストリン及び/
又はその還元物を有効成分として含有する冷凍パン生地
改良剤を添加混合することを特徴とする。
【0012】以下、本発明を好ましい態様を挙げて詳細
に説明する。
【0013】本発明で用いるデキストリンは、澱粉を、
酸又は酵素で部分分解させて得られるデキストリンのう
ち、重合度が11以上であって糖液中で溶解可能なもの
である。また、重合度11以上であって糖液中で溶解可
能なデキストリンの還元物は、上記デキストリンを、
常法により還元処理したものである。なお、デキストリ
ンの重合度の測定は、例えば、重合度20まで分析可能
な高速液体クロマトグラフィー用カラムである「MCIGEL
CK02AS」 (商品名、三菱化成工業株式会社製)を用いて
分離した後、ピークを示差屈折計で検出する高速液体ク
ロマトグラフィーシステムにより行うことができる。
【0014】本発明においては、重合度11以上のデキ
ストリン又はその還元物を単独で用いてもよく、重合度
11以上のデキストリンどうしの混合物、その還元物ど
うしの混合物、あるいは重合度11以上のデキストリン
とその還元物との混合物を用いてもよい。
【0015】本発明の冷凍パン生地類改良剤は、重合度
11以上のデキストリン及び/又はその還元物を有効成
分として含有させるだけでも冷凍障害を防止することが
できるが、更に重合度3以上の非還元及び/又は還元オ
リゴ糖を含有させることにより、その効果を増大させる
ことができる。なお、デキストリンとともにオリゴ糖を
含有した方が効果が大きいということは、オリゴ糖を含
むデキストリンから、あえてデキストリン部分だけを分
画する必要がないという利点にもなる。
【0016】ここで、重合度3以上の非還元オリゴ糖と
は、構成糖の数が3以上で還元処理を行っていないオリ
ゴ糖を意味する。構成糖は、同種でも異種でもよく、ま
た、構成糖の結合状態、例えば、α−1,4結合、α−
1,6結合、β−1,4結合などの結合形態も特に限定
されない。構成糖が同種のオリゴ糖としては、グルコー
スからなるもの、フラクトースからなるもの、キシロー
スからなるもの、マンノースからなるもの、及びガラク
トースからなるもの等がある。また、構成糖が異種のオ
リゴ糖としては、グルコースとフラクトースとからなる
もの、グルコースとマンノースとからなるもの、ガラク
トースとグルコースとからなるもの等がある。
【0017】また、還元オリゴ糖とは、上記構成糖の数
が3以上のオリゴ糖を常法により還元処理して得られる
糖アルコールを意味する。還元オリゴ糖についても、非
還元オリゴ糖の場合と同様、構成糖の種類や結合状態に
限定されるものではない。
【0018】本発明において、非還元オリゴ糖及び還元
オリゴ糖の構成糖の重合度は3 〜10である。構成糖の重
合度が2以下(すなわち単糖及び二糖)では、甘みが強
すぎて焼き上げ後のパン類の味覚が悪くなるとともに、
浸透圧が高くなって解凍後のパン生地類がパサつく傾向
が見られるので好ましくない。
【0019】本発明においては、上記の非還元オリゴ糖
又は還元オリゴ糖を単独で用いてもよく、非還元オリゴ
糖どうしの混合物、還元オリゴ糖どうしの混合物、ある
いは非還元オリゴ糖と還元オリゴ糖との混合物を用いて
もよい。なお、オリゴ糖の重合度の測定は、前述のデキ
ストリンの重合度の測定に用いる方法と同様の高速液体
クロマトグラフィーシステムにより行うことができる。
【0020】本発明の冷凍パン生地類の製造方法は、穀
類粉と、水と、副原料とを同時に又は順次加えて混捏
し、得られたパン生地類を冷凍する冷凍パン生地類の製
造方法において、前記副原料の一部として本発明の冷凍
パン生地類改良剤、すなわち重合度11以上のデキスト
リン及び/又はその還元物と、必要に応じて重合度3以
上の非還元及び/又は還元オリゴ糖とを含有する冷凍パ
ン生地改良剤を添加混合する。
【0021】冷凍パン生地類の原料となる穀類粉として
は、例えば小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉
等が用いられるが、その種類や混合割合は、製造しよう
とするパンの種類に応じて選択される。また、本発明
は、食パンやフランスパンのようなリーンパンに特に好
ましく適用されるが、その他、ロール類(テーブルロー
ル、バンズ、バターロール等)、特殊パン(マフィン、
ラスク等)、蒸しパン(肉まん、餡まん等)、菓子パ
ン、クロワッサン、デニッシュペストリーなどのリッチ
な配合のパン生地、更にはピザクラフト、餃子や焼売の
皮等にも利用することができる。
【0022】本発明の冷凍パン生地類の製造方法におい
ては、本発明の冷凍パン生地類改良剤を添加混合する
が、重合度11以上のデキストリン及び/又はその還元
物としての配合割合は、穀粉類に対して0.1 〜20重量%
が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。配合割合
が、0.1 重量%未満では冷凍障害の防止効果が期待でき
ず、20重量%を越えると、パンの風味が損なわれるので
好ましくない。
【0023】また、重合度3以上の非還元及び/又は還
元オリゴ糖を併用する際には、その配合割合は、穀粉類
に対して0.1 〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がよ
り好ましい。配合割合が、0.1 重量%未満では本発明の
効果が得られず、20重量%を越えると、パンの風味が悪
くなるので好ましくない。
【0024】本発明の冷凍パン生地類改良剤の他に用い
られる副原料は、従来のパン生地類に用いたものと同様
でよく、例えば、糖類、糖アルコール類、多糖類、非糖
質系甘味剤、油脂、乳化剤、酸化剤、還元剤、有機酸も
しくはその塩、無機塩、酵素、イーストフード等を適宜
配合して用いることができる。
【0025】本発明は、直捏法、中種法などのいずれの
製パン方法にも適用可能であり、また、従来パン生地の
冷凍に用いられている、生地冷凍法、分割生地冷凍法、
成形生地冷凍法、ホイロ冷凍法など、いずれの方法にも
適用できる。冷凍方法についても液体窒素トンネルフリ
ージング、エアブラストフリージング、あるいは冷凍庫
内静置による冷凍など、いずれの方法も適用可能である
が、急速冷凍が好ましい。
【0026】本発明の方法により冷凍貯蔵された冷凍パ
ン生地類は、所望の時に解凍して、必要に応じて寝か
し、発酵、ホイロ工程を経て焼成等を行って製品化する
ことができる。
【0027】
【作用】本発明の冷凍パン生地類改良剤を添加混合した
冷凍パン生地類は、重合度11以上のデキストリン及び
/又はその還元物により、冷凍貯蔵下での氷結晶成長に
起因する酵母の冷凍障害や小麦タンパク質の変性及びグ
ルテンネットワーク構造の破壊によっておこると推定さ
れている、解凍後の醗酵の低下、パン体積の減少、生地
のだれ、パン表面の梨肌の出現、内相の劣化等を防止で
きる。
【0028】また、本発明の好ましい態様において、デ
キストリンと共に重合度3以上の非還元及び/又は還元
オリゴ糖を併用添加することにより、上記効果がより高
められ、更に冷凍パン生地類の風味、保湿性が増す。
【0029】
【実施例】
製造例(澱粉からのデキストリンの調製) (1) デキストリンAの製造 コーンスターチを、常法により、「クライスターゼT−
5」(商品名、大和化成株式会社製)を用いて液化させ
て濃度31重量%、グルコース当量(DE)7 の液化液を
得た。
【0030】この液化液を、pH6.0 に調整した後、澱
粉1 g当たり1.5 単位のシュードモナス・ストゥッツェ
リ(Psedomonas stutzeri) 由来のマルトテトラオース生
成アミラーゼである「オリゴアミラーゼ」(商品名、日
本食品化工株式会社製)と、澱粉に対して0.03重量%の
プルラナーゼである「プルラナーゼアマノ3」(商品
名、天野製薬株式会社製)とを加えて、55℃で、48時間
反応させて糖化させた。糖化終了後、液温80℃、pH4.
0 の条件下に、30分間処理して酵素を失活させ、次い
で、常法により、活性炭、イオン交換樹脂を用いて精製
して糖液Aを得た。
【0031】次に、得られた糖液Aを、ナトリウム型の
カチオン交換樹脂カラムを用いて重合度別に分画し、重
合度11以上のデキストリン画分を集めてデキストリンA
とした。
【0032】(2) デキストリンBの製造 上記と同様にして得たグルコース当量(DE)7 の液化
液をpH6.0 に調整した後、澱粉に対して0.02重量%の
クライスターゼL−1(商品名、大和化成株式会社製)
を加え、55℃で48時間酵素反応を行った後、上記と
同様に処理して糖液Bを得た。
【0033】次に、得られた糖液Bの濃度を30重量%に
調製した後、等容のエタノールを加え、−20℃で、1時
間放置してデキストリン区分を沈殿させ、これらを遠心
分離によって回収してデキストリンBとした。
【0034】(3) 還元デキストリンAの製造 デキストリンAを、更に触媒としてラネーニッケルを用
いて水素添加法により還元して、還元デキストリンAを
得た。
【0035】なお、糖液A、デキストリンA、糖液B、
デキストリンBの糖組成は、「MCIGEL CK02AS」 (商品
名、三菱化成株式会社製)カラムを用いた高速液体クロ
マトグラフィーにより分析した。その結果を表1に示
す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1、2、及び比較例1、2 小麦粉として強力粉である「カメリア」(商品名、日清
製粉株式会社製)、イーストとして「FD−1」(商品
名、オリエンタル酵母株式会社製)を用い、また、イー
ストフードはオリエンタル酵母株式会社製、食塩は和光
純薬株式会社製、砂糖は富士製糖株式会社製、油脂とし
てのショートニングは雪印乳業株式会社製、脱脂粉乳は
明治乳業株式会社製のものを用いて、デキストリンA、
デキストリンB、イソマルトオリゴ糖をそれぞれ表2に
示す割合で配合した。なお、イソマルトオリゴ糖として
は「バイオトース#50」(商品名、日本食品化工株式会
社製)を使用した。
【0038】通常のパン原料にデキストリンAを配合し
たものを実施例1、デキストリンBを配合したものを実
施例2、通常のパン原料だけのものを比較例1、イソマ
ルトオリゴ糖を配合したものを比較例2とする。
【0039】
【表2】
【0040】表2に示す割合(重量比)で配合した原料
を、ミキサー(関東混合機株式会社製)を用いて、低速
で6 分間、中速で3 分間、高速で5 分間混捏した後、手
早く冷凍できるように分割し、丸めてパン生地を製造し
た。
【0041】得られたパン生地を、−30℃の冷凍庫に一
晩入れて凍結させた後、−15℃で30日間保存した。
【0042】30日間経過後、ドウコンディショナー(フ
ジサワ工業株式会社製)を用いて、温度5 ℃、湿度50%
の条件下に、60分間解凍した。続いて、温度38℃、湿度
85%のホイロに入れて60分間発酵させた後、焼成してパ
ンを得た。
【0043】これらのパンを一昼夜冷所に保存した後、
比容積(体積/重量)の測定、パン表面の梨肌の防止効
果及び内相のきめ細かさの評価を行った。なお、比容積
測定は、菜種法によるパンの体積と重量の測定値から算
出し、梨肌の防止効果及び内相のきめ細かさの評価は、
6 人の経験豊かなパネラーによる官能試験により行っ
た。
【0044】これらの結果を表3に示す。表3におい
て、◎は非常によい、○はよい、×は悪いを表す。
【0045】
【表3】
【0046】表3の結果から、実施例1、2の通常のパ
ンの原料にデキストリンを配合して製造した冷凍パン
は、比較例1の通常のパンの原料だけで製造した冷凍パ
ン及び比較例2のイソマルトオリゴ糖を配合して製造し
た冷凍パンより、焼成後の比容積が大きく、梨肌の防止
効果、内相のきめ細かさの点で優れていることがわか
る。
【0047】実施例3〜5 実施例1で使用したものと同様の原料を使用して、表4
に示す割合(重量比)で原料を配合し、実施例1と同様
の方法で冷凍パンを製造した。
【0048】通常のパンの原料に還元デキストリンを配
合したものを実施例3、デキストリンAとマルトテトラ
オースとを配合したものを実施例4、デキストリンとイ
ソマルトオリゴ糖とを配合したものを実施例5とする。
なお、マルトテトラオースは日本食品化工株式会社製の
ものを使用した。
【0049】
【表4】
【0050】実施例1及び実施例3〜5、比較例1につ
いて、前述と同様の方法で、比容積の測定、及びパン表
面の梨肌の防止効果、内相のきめ細かさ、食感、風味の
評価を行った。なお、食感、風味の評価は前述と同様の
6 人のパネラーによる官能試験により行った。
【0051】これらの結果を表5に示す。表5におい
て、◎は非常によい、○はよい、×は悪いを表す。
【0052】
【表5】
【0053】表5の結果から、実施例3の還元デキスト
リンを配合して製造した冷凍パンも、実施例1のデキス
トリンを配合して製造した冷凍パンと同様に、焼成後の
比容積が大きく、梨肌の防止効果及び内相のきめ細かさ
が優れていることがわかる。
【0054】また、実施例4及び実施例5と実施例1と
を比較すると、デキストリンだけを配合したものより、
デキストリンに、更にマルトテトラオース又はイソマル
トオリゴ糖を配合したものの方が更にしっとりした食感
で風味豊かな冷凍パンになることがわかる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の重合度11
以上のデキストリン及び/又はその還元物を有効成分と
して含有する冷凍パン生地類改良剤を配合して冷凍パン
を製造すると、冷凍障害が防止されるので、従来の方法
と比較して焼成後のパンの体積も大きくソフト感に優
れ、かつ、パン表面の梨肌の出現が防止され、内相がき
め細かなパンを製造することができる。そのため、原料
の配合や製造条件や品種に制約されることなく、幅広い
パン生地類への利用が可能である。また、デキストリン
は安価であるので、経済的にも有利である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合度11以上であって糖液中で溶解可
    能なデキストリン及び/又はその還元物を有効成分とし
    て含有することを特徴とする冷凍パン生地類改良剤。
  2. 【請求項2】 更に重合度3以上の非還元及び/又は還
    元オリゴ糖を含有する請求項1記載の冷凍パン生地類改
    良剤。
  3. 【請求項3】 穀類粉と、水と、副原料とを同時に又は
    順次加えて混捏し、得られたパン生地類を冷凍する冷凍
    パン生地類の製造方法において、前記副原料の一部とし
    て重合度11以上であって糖液中で溶解可能なデキスト
    リン及び/又はその還元物を有効成分として含有する冷
    凍パン生地改良剤を添加混合することを特徴とする冷凍
    パン生地類の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記副原料の一部として、前記重合度1
    1以上であって糖液中で溶解可能なデキストリン及び/
    又はその還元物と共に、重合度3以上の非還元及び/又
    は還元オリゴ糖を含有する冷凍パン生地改良剤を添加混
    合する請求項3記載の冷凍パン生地類の製造方法。
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