JPH0541515A - 絶縁ゲート型サイリスタ - Google Patents

絶縁ゲート型サイリスタ

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JPH0541515A
JPH0541515A JP3213226A JP21322691A JPH0541515A JP H0541515 A JPH0541515 A JP H0541515A JP 3213226 A JP3213226 A JP 3213226A JP 21322691 A JP21322691 A JP 21322691A JP H0541515 A JPH0541515 A JP H0541515A
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孝 四戸
Kazuya Nakayama
和也 中山
Minami Takeuchi
南 竹内
Shoichi Yamaguchi
正一 山口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れたオン特性を維持しながら、ターンオフ能
力の向上を図った絶縁ゲート型サイリスタを提供するこ
とを目的とする。 【構成】n- 型ベース層1の一方の面に少なくとも一対
の溝4が形成され、この溝4内に絶縁ゲート電極5が埋
込まれ、溝4に挟まれた領域の表面部にn+ 型カソード
層7が形成され、n- 型ベース層1の他方の面にはn型
バッファ層2を介してp+ 型アノード層3が形成され
て、絶縁ゲート型サイリスタが構成されている。絶縁ゲ
ート電極5の端部側面に接して、p+ 型ソース層8,n
型チャネル層9およびp+ 型ドレイン層10がn- 型ベ
ース層1に連続して形成されて、ターンオフ時にホール
を排出するための縦型MOSトランジスタが構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小さいゲート電力で大
きい主電流を制御することができる絶縁ゲート型サイリ
スタに関する。
【0002】
【従来の技術】ゲート電力低減のために絶縁ゲート構造
を採用した各種サイリスタが提案されている。
【0003】図139は、その様な絶縁ゲート型サイリ
スタの一種である。このサイリスタは、p型アノード
層,n型ベース層、p型ベース層およびn型エミッタ層
のpnpn4層構造を持つ。p型ベース層内にはn型エ
ミッタ層に隣接してn型ソース層が形成され、これをエ
ミッタとする寄生サイリスタがラッチアップするのを防
止するためにこれとオーバーラップして高濃度p型層が
形成されている。n型エミッタ層とn型ソース層の間の
p型ベース層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極が形
成されている。カソード電極は、n型エミッタ層ではな
く、n型ソース層と高濃度p型層に同時にコンタクトし
て配設されている。p型エミッタ層にはアノード電極が
形成されている。
【0004】この絶縁ゲート型サイリスタは、ゲート電
極に印加する電圧によってn型ソース層とn型エミッタ
層の間のチャネルをオン,オフすることにより、ターン
オン,ターンオフ制御がなされる。
【0005】この絶縁ゲート型サイリスタでは、p型ベ
ース層が高濃度p型層を介してカソード電極と常にコン
タクトしているため、所謂カソードショートとなり、電
子の注入効率が低く、サイリスタのオン電圧が高いとい
う問題があった。
【0006】また、この絶縁ゲート型サイリスタでは、
p型エミッタ層,n型ベース層,p型ベース層およびn
型ソース層からなるpnpn構造が寄生サイリスタとな
り、またn型エミッタ層,p型ベース層およびn型ソー
ス層からなるnpn構造が寄生バイポーラトランジスタ
となる。これらの寄生素子が動作するとゲートによる制
御が不能になるため、ターンオフ能力が著しく低いとい
う問題があった。
【0007】図140および図141は、埋込み絶縁ゲ
ート構造を用いた絶縁ゲートサイリスタの例である
(H.R.Chang,IEDM,1989)。これらは、いゆ
わる静電誘導サイリスタ(SIサイリスタ)の一種であ
る。
【0008】図140(a) のものは、高抵抗のn型ベー
ス層の一方の面にn型バッファ層を介してp型アノード
層(ドレイン層)が形成されている。n型ベース層の他
方の面には所定間隔をもって一対の溝が形成されて、こ
こに絶縁ゲートが埋込み形成されている。溝の間がチャ
ネル領域であって、その表面部にn型カソード層(ソー
ス層)が形成されている。溝の外側には、ホール排出の
ための高濃度p型層が形成されている。カソード電極は
n型エミッタ層および溝の外側の高濃度p型層に同時に
コンタクトして設けられている。p型アノード層にはア
ノード電極が設けられている。
【0009】この素子は、ゲート電極にバイアスを印加
しなければオンしているノーマリオン型である。ターン
オフするには、ゲート電極にカソード電極に対して負の
電圧を印加する。これにより、溝の間のn型ベース層領
域が空乏化し、n型カソード層からの電子注入が止ま
る。n型ベース層内に蓄積しているホールは、p型ウェ
ルを介してカソード電極に排出される。このホール排出
部分は、pnpトランジスタになっている。
【0010】図140(b) は、図140(a) と各部の導
電型を逆にしただけである。
【0011】図141の素子は、図140(b) の素子を
3次元的に展開した構造である。すなわち、オン状態で
電流通路となるダイオード領域は、ストライプ状のアノ
ード領域とゲート領域が交互に配列された状態として、
これらダイオード領域のストライプ端部にキャリア(図
の場合電子)排出用のトランジスタ領域が形成されてい
る。
【0012】これらの埋込み絶縁ゲートを持つSIサイ
リスタでは、ターンオフ時のキャリア排出用バイポーラ
トランジスタ領域がダイオード領域に並列に寄生トラン
ジスタとして設けられている。SIサイリスタがオン状
態ではこのバイポーラトランジスタもオンであって、そ
のベースにはキャリア蓄積が生じる。このため、ターン
オフ時のキャリア排出に時間がかかる。また、ターンオ
フ時に絶縁ゲートにより制御されるのは、電子,ホール
のうち一方の注入のみであり、これもキャリア排出に時
間がかかる原因となっている。したがって、ターンオフ
能力が低い。
【0013】また上述した従来のSIサイリスタは、ノ
ーマリオン型であるため、何等かの原因でゲートバイア
スが印加できなくなると、ターンオフできずにオン状態
のままになるため、フェールセーフの観点からも問題で
あった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の絶
縁ゲート型サイリスタは、一般にターンオフ能力が低
く、特に優れたオン特性を維持しながら高速のターンオ
フを行なわせることが難しい、という問題があった。
【0015】本発明は、第1に、優れたオン特性を維持
しながら、高速のターンオフを行うことのできる絶縁ゲ
ート型サイリスタを提供することを目的とする。
【0016】本発明は、第2に、寄生バイポーラトラン
ジスタや寄生サイリスタ動作を抑制して、ターンオフ能
力の向上を図った絶縁ゲート型サイリスタを提供するこ
とを目的とする。
【0017】本発明は、第3に、ゲートバイアスが零で
はオフ状態に保たれるノーマリオフ型とした絶縁ゲート
型サイリスタを提供することを目的とする。
【0018】本発明は、第4に、素子の有効導通面積を
確保しながら、ターンオフ能力の向上を図った絶縁ゲー
ト型サイリスタを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る絶縁ゲート
型サイリスタは、ターンオフ時のキャリア排出部に絶縁
ゲート型トランジスタ構造を導入したことを特徴とす
る。
【0020】
【作用】本発明によれば、キャリア排出部に絶縁ゲート
型トランジスタ構造を導入することによって、優れたオ
ン特性を維持しながら、高速でターンオフできる絶縁ゲ
ート型サイリスタが得られる。また、寄生バイポーラト
ランジスタや寄生サイリスタ動作を抑制し、高いターン
オフ能力を実現することができる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。なお以下の各実施例では原則として、通常種
々の繰り返しパターンで一つの基板上にレイアウトされ
るサイリスタの単位セル部分のみ構造を示す。
【0022】図1は、本発明の一実施例に係る絶縁ゲー
ト型サイリスタである。高抵抗のn- 型ベース層1の一
方の面に所定間隔をもってストライプ状に一対の溝4が
形成されている。溝4には、内壁にゲート絶縁膜が形成
されてゲート電極材料が平坦に埋め込まれた絶縁ゲート
電極5が設けられている。溝4に挟まれた領域のn-
ベース層1の表面には、n+ 型カソード層(ソース層)
7が形成されている。n- 型ベース層1の他方の面に
は、n型バッファ層2を介してp+ 型アノード層(ドレ
イン層)3が形成されている。これにより、カソード層
7下の溝4で挟まれた領域がチャネル領域6となるSI
サイリスタが構成されている。
【0023】絶縁ゲート電極5とカソード層7が形成さ
れた領域がダイオード領域であって、その端部,すなわ
ちストライプ状のゲート電極5の端部に接する領域が、
ターンオフ時にn- 型ベース層1内のホールをカソード
側に排出するホールバイパス領域である。絶縁ゲート電
極5の側面部に接する状態で縦方向に、p+ 型ソース層
8,n型チャネル層9およびp+型ドレイン層10が形
成されて、絶縁ゲート電極5をSIサイリスタ部と共有
するホール排出用の縦型のpチャネルMOSトランジス
タが構成されている。
【0024】素子裏面のp+ 型アノード層3にはアノー
ド電極11が形成され、素子表面には、仮想的に破線で
示したが、n+ 型カソード層7およびp+ 型ドレイン層
10に同時にコンタクトするカソード電極12が形成さ
れる。
【0025】この絶縁ゲート型サイリスタの動作を説明
する。絶縁ゲート電極5にカソードに対して正の電圧を
印加すると、チャネル領域6には空乏層が形成されない
ので、n+ 型カソード層7から電子が注入されてターン
オンする。
【0026】絶縁ゲート電極5にカソードに対して負の
電圧を印加すると、チャネル領域6に空乏層が拡がり、
+ 型カソード層7からの電子注入が抑制される。この
とき同時に、ゲート電極5の端部に形成された縦型pチ
ャネルMOSトランジスタがオンとなり、n- 型ベース
層1内に蓄積しているホールがこのMOSトランジスタ
を通してカソード電極に排出される。これにより、サイ
リスタはターンオフする。
【0027】この実施例によれば、従来のようなサイリ
スタと同時にオンする寄生バイポーラトランジスタがな
い。すなわちホール排出領域にはホールの蓄積は少な
く、ターンオフ時のn- 型ベース層1のホール排出が縦
型MOSトランジスタによって速やかに行われる。これ
によりターンオフ時間の短縮が図られる。
【0028】図2は、図1の実施例の各部の導電型を逆
にした実施例である。高抵抗のp- 型ベース層21の一
方の面にストライプ状に一対の溝24が形成され、溝2
4には絶縁ゲート電極25が埋込み形成されている。溝
24に挟まれた領域のp- 型ベース層21の表面に、p
+ 型アノード層27が形成されている。p- 型ベース層
21の他方の面にはp型バッファ層22を介してn+
カソード層23が形成されている。アノード層27下の
溝24で挟まれた領域がチャネル領域26となる。
【0029】絶縁ゲート電極25とアノード層27が形
成された領域がダイオード領域であって、その端部に接
する領域が、ターンオフ時にp- 型ベース層21内の電
子をアノード側に排出する電子バイパス領域である。す
なわち絶縁ゲート電極25の側面部に接する状態で縦方
向に、n+ 型ソース層28,p型チャネル層29および
+ 型ドレイン層30が形成されて、絶縁ゲート電極2
5をSIサイリスタ部と共有する、電子排出用の縦型の
nチャネルMOSトランジスタが構成されている。
【0030】素子裏面のn+ 型カソード層23にはカソ
ード電極12が形成されている。素子表面には、p+
アノード層27およびn+ 型ドレイン層30に同時にコ
ンタクトするアノード電極11が形成される。
【0031】この実施例によっても、先の実施例と同様
に短いターンオフ時間が得られる。
【0032】図3は、カソード側とアノード側に共に埋
込み絶縁ゲート電極を設けた実施例の絶縁ゲートサイリ
スタである。n- 型ベース層1のカソード側には、図1
の実施例と同様の構造で第1の埋込み絶縁ゲート電極5
およびn+ 型カソード層7が形成される。n- 型ベース
層1の他方の面にはp- 型チャネル層32を介してp+
型アノード層3が形成されている。そしてこのアノード
側にも、n- 型ベース層1に達する溝35がカソード側
と同様にストライプ状をなして形成され、この溝35に
第2の絶縁ゲート電極36が埋込み形成されている。
【0033】この様に構成されたダイオード領域の端部
には、n- 型ベース層1のカソード側にp+ 型層33、
アノード側にn+ 型層34が形成されて、逆並列ダイオ
ードが構成されている。
【0034】サイリスタのp+ 型アノード層3および逆
並列ダイオードのカソード層であるn+ 型層34に同時
にコンタクトするアノード電極11が形成され、サイリ
スタのn+ 型カソード層7および逆並列ダイオードのア
ノード層であるp+ 型層33に同時にコンタクトするカ
ソード電極(図示せず)が形成されている。
【0035】この素子をターンオンするには、第1のゲ
ート電極5にカソード電極に対して正の電圧を印加す
る。第2のゲート電極36は零バイアスのままでよい。
これにより、n+ 型カソード層7から電子注入がなされ
て、ターンオンする。
【0036】ターンオフ時は、第1のゲート電極5にカ
ソードに対して負の電圧を印加し、同時に第2のゲート
電極36にアノードに対して正の電圧を印加する。これ
により、n+ 型カソード層7からの電子注入が抑制され
ると同時に、アノード側ではp- 型チャネル層33の電
位が上昇して空乏化し、p+ 型アノード層3からのホー
ル注入が抑制される。また、n- 型ベース層1内の蓄積
キャリアは、ホールがp+ 型層33を介してカソード電
極へ、電子がn+ 型層34を介してアノード電極11へ
それぞれ排出される。
【0037】こうしてこの実施例によれば、ターンオフ
時には、カソード側,アノード側で共にキャリア注入が
抑えられ、さらに逆並列ダイオードによって蓄積キャリ
アの排出がなされるため、高速のターンオフができる。
【0038】図4は、図3の実施例のキャリア排出を行
う逆並列ダイオードの部分を、縦型MOSトランジスタ
構造とした実施例である。カソード側には、図1の実施
例と同様に、第1の絶縁ゲート電極5の端部に接してp
+ 型ソース層8,n型チャネル層9およびp+ 型ドレイ
ン層10が形成されて縦型のpチャネルMOSトランジ
スタが構成されている。アノード側には、第2の絶縁ゲ
ート電極36の端部にに接してn+ 型ソース層37,p
型チャネル層38およびn+ 型ドレイン層39が形成さ
れて、縦型のnチャネルMOSトランジスタが構成され
ている。
【0039】この実施例の素子は、ターンオフ時、第1
の絶縁ゲート電極5に負の電圧を印加することによって
カソード側のpチャネルMOSトランジスタがオンし、
第2の絶縁ゲート電極36に正の電圧を印加することに
よってアノード側のnチャネルMOSトランジスタがオ
ンする。これらの縦型MOSトランジスタによって、n
- 型ベース層のキャリア排出が行われる。サイリスタが
オン状態では、これらの縦型MOSトランジスタはオフ
に保たれる。
【0040】したがってこの実施例によれば、優れたオ
ン特性を維持しながら、高速のターンオフが可能にな
る。
【0041】図5は、カソード側からの溝4をp+ 型ア
ノード層3に達するまで深く形成した実施例である。キ
ャリア排出領域は、n- 型ベース層1の表面にp+ 型層
10が形成されて、pnpトランジスタが構成されてい
る。このキャリア排出領域の構造は、従来の図141の
それと同様である。
【0042】この実施例の素子は、ターンオン時、絶縁
ゲート電極5に正の電圧を印加すると、溝4の側壁にn
+ 型カソード層7からn型バッファ層2にまで達する電
子蓄積層が形成され、n+ 型カソード層7がこの蓄積層
を介してn型バッファ層2につながるため、速やかに定
常オン状態にまで素子電圧が降下する。ターンオフ時
は、絶縁ゲート電極5に負の電圧を印加すると、溝4の
側壁にp型チャネルが形成される。n- 型ベース層1内
のホールはこのp型チャネル層を介し、p+ 型層10を
介してカソード電極に排出される。
【0043】従ってこの実施例の素子は、ターンオン,
ターンオフともに高速になる。
【0044】図6は、図5の実施例の素子の各部の導電
型を逆にした実施例である。詳細な説明は省略するが、
この実施例の素子でも高速のターンオン,ターンオフが
可能である。
【0045】図7は、図5の実施例の素子を変形した実
施例である。この実施例では、溝4がウェハのカソード
側表面からアノード側表面にまで貫通する状態で形成さ
れて、この中に絶縁ゲート電極5が埋込み形成されてい
る。
【0046】この実施例の素子は、製造する際に溝4が
基板を貫通して設けられるので、ゲート絶縁膜の形成
時、溝4内に酸素が十分に供給されて、均一な膜厚のゲ
ート絶縁膜が得られる。埋込みゲート電極5をCVD法
による多結晶シリコンで形成する場合にも同様に、原料
ガスが溝4内に十分に供給されるので、均一に電極埋込
みが行われる。
【0047】以上の図1から図7の実施例において、溝
間のチャネル領域となる部分が低いバイアス状態で完全
空乏化する素子を得るためには、その幅と不純物濃度を
最適設計する必要がある。具体的に例えば、チャネル領
域の不純物濃度を5×1013/cm3 とする。このとき、
ゲート電極側から伸びる空乏層の飽和値は5μm 以上と
なるから、溝を反応性イオンエッチングによって間隔5
μm 以下の狭い状態で加工すれば、しきい値の浅い素子
が容易に得られる。
【0048】図8は、溝間隔を更に微小値に設定した実
施例の素子である。図8(a) に示すように、半導体基板
中央部に高抵抗のn- 型ベース層1が設けられている。
基板の一方の面にはn- 型ベース層1に達する深さの第
1の溝4が、例えば1μm 以下の微小間隔をもって形成
されて、この中に第1の絶縁ゲート電極5が埋込み形成
されている。基板の他方の面にも同様に微少間隔の第2
の溝35がn- 型ベース層1に達する深さに形成され
て、ここに第2の絶縁ゲート電極36が埋込み形成され
ている。
【0049】第1の溝4の間にはn- 型ベース層1に接
するn型チャネル層42が形成され、その表面部にn+
型カソード層7が形成されている。第2の溝35の間に
も、n- 型ベース層1に接するn型チャネル層43が形
成され、その表面部にp+ 型アノード層3が形成されて
いる。アノード層3にはアノード電極11が形成され、
カソード層7にはカソード電極12が形成されている。
【0050】この素子をオン電圧の小さい十分なオン状
態にするには、図8(b) に示すように、第1の絶縁ゲー
ト電極5にカソードに対して正の電圧を印加し、第2の
ゲート電極36にアノードに対して負の電圧を印加す
る。このとき、第1の絶縁ゲート電極5に挟まれた領域
のn型チャネル層42は高濃度の電子蓄積層42aとな
り、ここまで実質的なカソード層となる。第2の絶縁ゲ
ート電極36に挟まれた領域のn型チャネル層43は逆
にp型反転層43aとなり、低濃度のアノード層3は高
濃度のホール蓄積層となって、これら全体が実質的なア
ノード層となる。この結果、カソード・アノード間距離
が実質的に小さいものとなり、順バイアス時のカソード
からの電子注入,アノードからホール注入の効率が大き
く向上し、低いオン電圧が得られる。
【0051】この素子をオフにするには、図8(c) に示
すように、第1の絶縁ゲート電極5にカソードに対して
負の電圧を印加し、第2のゲート電極36にアノードに
対して正の電圧を印加する。このとき、第1の絶縁ゲー
ト電極5に挟まれた領域のn型チャネル層42はp型反
転層42bとなり、第2の絶縁ゲート電極36に挟まれ
た領域のn型チャネル層43は逆に高濃度の電子蓄積層
43bとなる。これにより、カソード・アノード間はp
npn構造となって、カソードからの電子注入、アノー
ドからのホール注入が止り、素子はターンオフする。
【0052】この実施例によれば、ターンオン時のキャ
リア注入効率の向上およびターンオフ時のキャリア注入
の抑制が効果的に行われる。なおこの実施例において、
ターンオフ時のn- 型ベース層1内のキャリア排出のた
めの構造として、先の各実施例で用いたものを利用する
ことができる。
【0053】図9は、図8の実施例を変形した実施例で
ある。この実施例では、図8のアノード側のn型チャネ
ル層43に代ってp型チャネル層44を用いている。
【0054】この素子をオン状態にするには、図8の実
施例と同様、図9(b) に示すように、第1の絶縁ゲート
電極5にカソードに対して正の電圧を印加し、第2のゲ
ート電極36にアノードに対して負の電圧を印加する。
このとき、第1の絶縁ゲート電極5に挟まれた領域のn
型チャネル層42は高濃度の電子蓄積層42aとなり、
第2の絶縁ゲート電極36に挟まれた領域のp型チャネ
ル層44は高濃度のホール蓄積層44aとなる。従って
先の実施例と同様に、順バイアス時のカソードからの電
子注入,アノードからホール注入の効率が大きく向上
し、低いオン電圧が得られる。
【0055】この素子をオフにするには、図9(c) に示
すように、第1の絶縁ゲート電極5にカソードに対して
負の電圧を印加し、第2のゲート電極36にアノードに
対して正の電圧を印加する。このとき、第1の絶縁ゲー
ト電極5に挟まれた領域のn型チャネル層42はp型反
転層42bとなり、第2の絶縁ゲート電極36に挟まれ
た領域のp型チャネル層44はn型反転層44bとな
る。これにより、カソード・アノード間はpnpn構造
となって、カソードからの電子注入、アノードからのホ
ール注入が止り、素子はターンオフする。
【0056】なお以上において、図1の実施例に対して
図2の実施例を示したように、他の実施例についても各
部の導電型を逆にして構成することができる。またオン
時のエミッタ注入効率を高くするために、エミッタ接合
部にヘテロ接合を用いることも有用である。
【0057】次に、埋込み絶縁ゲート構造であって、溝
間隔が大きいものであってもノーマリオフ型となる絶縁
ゲート型のSIサイリスタの実施例を説明する。
【0058】図10は、その様な実施例のSIサイリス
タの断面図である。高抵抗のn- 型ベース層1の一方の
面にp型ベース層45が形成され、このp型ベース層4
5の表面にn+ 型カソード層(ソース層)7が形成され
ている。n- 型ベース層1の裏面にはp+ 型アノード層
(ドレイン層)3が形成されている。カソード側には、
- 型ベース層1に達する深さの溝4が少なくとも一対
形成され、この溝4に絶縁ゲート電極5が埋込み形成さ
れている。
【0059】n+ 型カソード層7にはカソード電極12
が形成され、p+ 型アノード層3にはアノード電極11
が形成されている。またp型ベース層45には直接接続
されたゲート電極46が設けられている。
【0060】この実施例の素子は、pnpn構造を有す
るから、ゲートバイアス零のときはオフであり、ノーマ
リオフ型となる。絶縁ゲート電極5にカソードに対して
正の電圧を印加すると、p型ベース層45の溝4側壁部
にn型チャネルが形成されて、n+ 型カソード層7から
の電子がn- 型ベース層1に注入される。注入された電
子がp+ 型アノード層に達すると、p+ 型アノード層3
からはホールが注入され、サイリスタはターンオンす
る。
【0061】絶縁ゲート電極5をカソードに対して負ま
たは零とすることにより、カソード層7からの電子注入
が止まり、素子はターンオフする。このとき、n- 型ベ
ース層1内に蓄積されたホールはこのn- 型ベース層1
に直接接続されたゲート電極46を介して外部に排出さ
れ、高速のターンオフができる。
【0062】なお、ゲート電極46は独立に端子として
取り出してもよいし、カソード電極と短絡してもよい
が、ツェナーダイオードかまたは、ターンオフ時に導通
するように制御されるMOSトランジスタを設けておく
ことが好ましい。
【0063】この実施例によれば、ノーマリオフ型であ
って、高速のターンオン,ターンオフができるSIサイ
リスタが得られる。またオフ時には、n-型ベース層1
とp型ベース層45のpn接合部でn- 型ベース層側に
空乏層が伸びることによって、高耐圧特性が保証され
る。
【0064】p+ 型アノード層3の部分を、図に示すよ
うにn+ 型層とすれば、サイリスタではなく、絶縁ゲー
ト型のSIトランジスタとなる。このことは、図11以
下の実施例でも同様である。
【0065】図11は、図10の実施例を変形して、溝
4をアノード層3に達する深さに形成した実施例であ
る。この実施例では、ターンオン時、n- 型ベース層1
の溝4の側壁部に沿って電子蓄積層が形成されるため、
速やかにカソード・アノード間が導通する。したがって
より高速のターンオンができる。
【0066】また、ターンオフ時、絶縁ゲート電極5に
カソードに対して負の電圧を印加すれば、n- ベース層
1の溝4側壁部にはp型反転層が形成される。そしてn
- 型ベース層1内の蓄積ホールはこのp型反転層を介
し、p型ベース層45を介して外部に速やかに排出され
る。従って、ターンオフ動作も高速に行われる。
【0067】図12〜図15はやはり図10の実施例を
変形した実施例であり、p型ベース層45とn+ 型カソ
ード層7の間に低濃度のn-型チャネル層47が設けら
れている。溝4は、図12ではn- 型チャネル層47の
途中まで、図13ではp型ベース層45の途中まで、図
14ではn- 型ベース層1の途中まで、図15ではアノ
ード層3に達する深さまで形成されている。これら図1
2〜図15の実施例でも、絶縁ゲート電極5にカソード
に対して負の電圧を印加して、n- 型チャネル層47の
電位を下げてカソード層7からの電子注入を抑制するこ
とにより、ターンオフすることができる。
【0068】なお図12の実施例では、絶縁ゲート電極
5によってp型ベース層45の電位は制御されないか
ら、ターンオン時にはp型ベース層45に接続されたゲ
ート電極46にカソードに対して正の電圧を印加する。
【0069】図14の実施例では、ターンオン時、絶縁
ゲート電極5に印加する正電圧によってp型ベース層4
5の溝4側壁にn型チャネルが形成されて、高速ターン
オンができる。
【0070】図15の実施例では、図11の実施例と同
様に、溝4の側壁に形成される蓄積層または反転層によ
って、高速のターンオン,ターンオフが可能である。
【0071】図16(a) は、図10の実施例について、
p型ベース層45からのゲート電極46の取り出し方の
具体的構造を示している。図に示すように、ストライプ
状にパターン形成されるカソード層7の長手方向端部に
p型ベース層45が露出しており、ここにゲート電極4
6が形成されている。
【0072】図16(b) は、この実施例の素子構造を等
価回路で示したものである。ただしこの等価回路は、基
本素子がpnpn構造を持つSIサイリスタではなく、
npn構造のSIトランジスタの場合である。トランジ
スタTのドレイン・ソース間にEタイプMOSトランジ
スタQ1 が接続され、ドレインに直列にDタイプMOS
トランジスタQ2 が接続された形になる。EタイプMO
SトランジスタQ1 は、p型ベース層45をチャネル領
域とするトランジスタであり、DタイプMOSトランジ
スタQ2 は、絶縁ゲート電極5がn- 型ベース層1中に
埋め込まれた部分のn- 型ベース層1をチャネル領域と
するトランジスタである。
【0073】図17(a) は、図14の実施例について、
p型ベース層45からのゲート電極46の取り出し方の
具体的構造を示している。図16と同様に、ストライプ
状にパターン形成されるカソード層7およびn- 型チャ
ネル層47の長手方向端部にp型ベース層45が露出し
ており、ここにゲート電極46が形成されている。
【0074】図17(b) は、この実施例の素子構造を、
基本素子がSIトランジスタの場合について等価回路で
示したものである。トランジスタTのドレイン・ソース
間にEタイプMOSトランジスタQ1 が接続され、ドレ
インおよびソースにそれぞれ直列にDタイプMOSトラ
ンジスタQ2 およびQ3 が接続された形になる。Eタイ
プMOSトランジスタQ1 は、p型ベース層45をチャ
ネル領域とするトランジスタであり、ドレイン側のDタ
イプMOSトランジスタQ2 は、絶縁ゲート電極5がn
- 型ベース層1中に埋め込まれた部分のn- 型ベース層
1をチャネル領域とするトランジスタであり、ソース側
のDタイプMOSトランジスタQ3 は、n- 型チャネル
層47をチャネル領域とするトランジスタである。
【0075】図18(a) (b) は、図10および図16の
実施例を変形して、ターンオフ時のホール排出用の縦型
MOSトランジスタを導入した実施例である。図18
(a) に示すように、ストライプ状の絶縁ゲート電極5の
端部に、図1の実施例と同様にして、p型ソース層8、
n型チャネル層9およびp型ドレイン層10が形成され
て、ゲート電極5を共有する縦型のpチャネルMOSト
ランジスタが構成されている。
【0076】縦型MOSトランジスタのドレイン電極4
1は、実際にはカソード電極12と一体に連続的に形成
される。カソード層7の端部には、図16或いは図17
の実施例と同様にp型ベース層45が露出していて、こ
こにもゲート電極46が形成されている。ただし、この
ゲート電極46は必ずしも必要ではない。このゲート電
極46を設けなければ、カソード側はドレイン電極41
を兼ねてカソード電極12を全面に形成してた単層電極
構造とすることができる。
【0077】この様な単層電極構造は、大電力用素子と
して、圧接電極構造を採用する場合に有利である。
【0078】図18(b) は、基本素子がやはりSIトラ
ンジスタである場合についての等価回路を示している。
トランジスタTに並列に接続されるMOSトランジスタ
Q1、ドレインに直列接続されるMOSトランジスタQ2
は、先の実施例と同様である。この実施例で導入された
ホール排出用の縦型MOSトランジスタは、Q4 とし
て、p型ベース層とソース間に挿入された形になる。
【0079】図19(a) (b) は、図14および図17の
実施例を変形して、図18と同様に、ターンオフ時のホ
ール排出用の縦型MOSトランジスタを導入した実施例
である。等価回路は、図17(b) に対して、MOSトラ
ンジスタQ4 が付加された形になっている。
【0080】図20は、図18の実施例を変形した実施
例である。この実施例では、素子のメイン・チャネルと
p型ベース層45の露出部、およびターンオフ時のホー
ル排出用縦型MOSトランジスタのチャネル領域を一列
に並べて、埋込み絶縁ゲート電極5を、メイン・チャネ
ルを制御するゲート電極(G1 )51 とホール排出用縦
型MOSトランジスタのチャネルを制御するゲート電極
(G2 )52 とに分離して別々に形成した実施例であ
る。
【0081】この実施例の素子でのターンオフ時の二つ
のゲートG1 ,G2 の駆動例を図20(b) に示した。図
に示すように先ず、ゲートG1 に負の電圧を印加してホ
ール排出用MOSトランジスタを導通状態とし、これに
遅れてゲートG2 に負の電圧を印加してメイン・チャネ
ルでの電子注入を止める。
【0082】この実施例のようなゲート駆動によって、
ターンオフ時のメイン・チャネルでの電子注入の抑制が
効率的になり、高いターンオフ能力が得られる。
【0083】図21は、図19の実施例の素子について
同様に、埋込み絶縁ゲート電極5を、メイン・チャネル
を制御するゲート電極51 とホール排出用縦型MOSト
ランジスタのチャネルを制御するゲート電極52 とに分
離して別々に形成した実施例である。図21(b) は、図
20(b) と同様のゲート駆動法を示している。
【0084】この実施例によっても、高いターンオフ能
力が得られる。
【0085】図22は、図13の実施例の素子におい
て、溝4の間隔を十分に小さく、例えば1μm 以下に設
定した実施例である。図22(a) に示すように、n+
カソード層7とp型ベース層45の間にはn型ウェル層
51(図13のn- 型チャネル層47に相当する)が設
けられている。
【0086】この実施例の素子をターンオンするには、
図22(b) に示すように、絶縁ゲート電極5にカソード
に対して正の電圧を印加する。このとき、n型ウェル層
51は全体が高濃度n+ の電子蓄積層51aとなり、実
質的にカソード層がp型ベース層45に接する状態とな
る。この結果カソードの電子注入効率が向上する。
【0087】この実施例の素子をターンオフするには、
図22(c) に示すように、絶縁ゲート電極5にカソード
に対して負の電圧を印加する。この時、n型ウェル層5
1は全体が高濃度p+ の反転層51cとなる。これによ
り、カソードからの電子注入が効果的に抑制される。
【0088】図23は、図22の実施例の溝4をn-
ベース層1に達する深さまで掘り下げた実施例である。
図22の実施例と同様に、ターンオン時は図23(b) に
示すようにゲート電極に正の電圧を与え、ターンオフ時
は図23(c) に示すようにゲート電極5に負の電圧を与
える。この実施例では、ターンオン時、p型ベース層4
5の側壁にn型チャネルが形成されるために、より高速
のターンオン動作が可能になる。
【0089】なお図23の実施例に於いて、溝4の深さ
は、n- 型ベース層1内に食い込まないように、p型ベ
ース層45とn- 型ベース層1の接合部ぎりぎりの位置
までとすることが特性上好ましい。それ以上深くする
と、溝4に挟まれた領域でn- 型ベース層1の電位が制
御されて、サイリスタ特性が悪化する可能性があるから
である。
【0090】図24は、図22の実施例のn型ウェル5
1の部分をp型ウェル52に置き換えた実施例である。
この場合、ターンオン時にはゲート電極5に負の電圧を
印加して、図24(b) に示すようにp型ウェル52をn
型反転層52aとする。ターンオフ時はゲート電極5に
正の電圧を印加して、図24(c) に示すようにp型ウェ
ル52の部分をp型の電子蓄積層52cとする。
【0091】図25は、図23の実施例のn型ウェル5
1の部分をp型ウェル52に置き換えた実施例である。
この場合、ターンオン時にはゲート電極5に負の電圧を
印加して、図25(b) に示すようにp型ウェル52をn
型反転層52aとする。ターンオフ時はゲート電極5に
正の電圧を印加して、図25(c) に示すようにp型ウェ
ル52の部分をp型の電子蓄積層52cとする。
【0092】なおこれら図22〜図25の実施例におい
ても、先の実施例と同様に、n- 型ベース層1内のホー
ル排出用の縦型MOSトランジスタを組み込むことは有
効である。
【0093】図26(a) (b) は、図14の実施例のサイ
リスタ構造の場合の断面図と等価回路図を示している。
図26(b) に示すように、サイリスタTh のnpnトラ
ンジスタ部分に対して並列にEタイプMOSトランジス
タQ1 が入り、カソード側に直列にDタイプMOSトラ
ンジスタQ3 が入る。トランジスタQ1 は、p型ベース
層45をチャネルとするnチャネルMOSトランジスタ
であり、Q3 はn- 型チャネル層47をチャネルとする
nチャネルMOSトランジスタである。
【0094】図27(a) (b) は、図26(a) (b) の実施
例に対して、n- 型ベース層1内のホール排出のための
高濃度p+ 型層33を設けた実施例の断面構造と等価回
路である。ストライプ状にパターン形成されるn+ 型カ
ソード層7の端部に、p型ベース層45に繋がる深さの
+ 型層33が形成されている。図ではカソード電極を
省略しているが、カソード電極はn+ 型カソード層7と
同時にp+ 型層33にもコンタクトするように全面に配
設される。
【0095】p型ベース層45の横方向抵抗Rが、図2
7(b) に示すように、サイリスタのp型ベース層をカソ
ードに短絡する抵抗Rとなる。
【0096】図28(a) 〜(c) は、アノード側に埋込み
絶縁ゲート電極36を有する絶縁ゲートサイリスタにお
いて、p+ 型エミッタ層3とn- 型ベース層1の間に低
濃度のp- 型チャネル層54が設けられた実施例であ
る。図28(a) では、絶縁ゲート電極36の埋込み溝3
5がp+ 型エミッタ層3からp- 型チャネル層54の途
中まで達する深さに形成されている。図28(b) では、
埋込み溝35がn- 型ベース層1に達する深さに形成さ
れ、図28(c) では埋込み溝35がp型ベース層45に
達する深さに形成されている。
【0097】これらの実施例によっても、ゲートバイア
スは逆になるが、先の図12〜図14の実施例で説明し
たと同様の原理で高速のターンオン,ターンオフが可能
である。
【0098】図29(a) (b) は、図28(b) の実施例に
ついて、具体的にp型ベース層からのゲート電極46の
取出しの構造と等価回路を示している。ゲート電極46
の取り出し構造は、先の図16,図17等の実施例と同
様である。等価回路は、図29(b) に示すように、サイ
リスタTh のアノード側に直列にDタイプのpチャネル
MOSトランジスタQ5 が接続された形になる。
【0099】図30は、カソード側に埋込み絶縁ゲート
電極5を設けると共に、アノード側にも同様に埋込み絶
縁ゲート電極36を設けた別の実施例の絶縁ゲートサイ
リスタである。p型ベース層45には直接ゲート電極4
6が接続されている。p+ 型エミッタ層3とn- 型ベー
ス層1の間にはp- 型チャネル層54が設けられてい
る。
【0100】図31は、図30の構造を僅かに変形した
実施例で、n+ 型エミッタ層7とp型ベース層45の間
にn- 型チャネル層47が形成されている。
【0101】これら図30,図31の実施例において
も、ターンオフ時、カソード側からの電子注入とアノー
ド側からのホール注入が抑制でき、高速のターンオフ動
作が可能である。
【0102】図32(a) (b) は、図31の素子構造のp
型ベース層45からのゲート電極取り出し構造と等価回
路を示す。ストライプ状に形成されるn+ 型エミッタ層
7の端部に、n- 型ベース層1に達する深さにp+ 型層
33が形成され、ここに図示しないゲート電極が接続さ
れる。図では、アノード側にも、n- 型ベース層1をア
ノード電極11に短絡するn+ 型層34が、やはりスト
ライプ状に形成されるp+ 型エミッタ層3の端部に形成
されている。
【0103】図33は、図26の実施例の素子構造を基
本として、カソード側にエミッタ短絡用のpチャネルM
OSトランジスタを組み込んだ実施例である。p型ベー
ス層45上に、n- 型チャネル層47が形成され、さら
にn型ウェル層56(n型エミッタ層)が形成されてい
る。このn型ウェル層56表面からn- 型ベース層1に
達する深さに溝4が形成されて、ここに絶縁ゲート電極
5が埋込み形成されている。n型ウェル層56の溝4の
側壁部にp+ 型ドレイン層57が形成され、カソード電
極12はn型ウェル層56と同時にこのp+ 型ドレイン
層57に接続されている。
【0104】この実施例の素子では、ターンオフ時、絶
縁ゲート電極5にカソード電極に対して負の電圧を印加
すると、溝4の側壁からn- 型チャネル層47にのびる
空乏層によってn型ウェル層45からの電子注入が抑制
される。同時に、n型ウェル層56およびn- 型チャネ
ル層47の側壁に形成されるp型チャネルを介してn-
型ベース層1内のホールがカソード電極12に排出され
る。これにより、高速のターンオフ動作ができる。
【0105】図34は、図33の実施例に加えて、カソ
ード側にもエミッタ短絡用のnチャネルMOSトランジ
スタを同様の構造をもって組み込んだ実施例である。す
なわちn- 型ベース層1のアノード側に、所定厚みのp
型ウェル層58(p型エミッタ層)が形成され、これを
貫通する形で溝35とこれに埋め込まれた絶縁ゲート電
極36が形成される。そしてp型ウェルの溝35の側壁
部にn+ 型ドレイン層59が形成される。アノード電極
14は、p型ウェル層58と同時にこのn+ 型ドレイン
層59に接続される。
【0106】この実施例の素子のターンオフ駆動は、好
ましくは次のように行う。まずアノード側のゲート電極
36にアノード電極14に対して正の電圧を印加する。
これにより、p型ウェル層58の溝35側壁に形成され
るn型チャネルを介してn-型ベース層1がアノード電
極14に短絡されたアノード短絡状態となり、アノード
側からのホール注入が抑制される。その後カソード側の
ゲート電極5にカソード電極12に対して負の電圧を印
加する。これにより、カソード側の電子注入を抑制する
と同時に、ホールをカソード電極13に排出する。
【0107】この様なゲート駆動を行うことによって、
効率的なターンオフができる。
【0108】図35は、図33の実施例の構造を3次元
的に展開した実施例の絶縁ゲートサイリスタである。ス
トライプ状に埋込み形成される絶縁ゲート電極5に沿っ
て、p型ドレイン層57が複数個に分割されて配置され
る。図33の素子断面では、絶縁ゲート電極5に挟まれ
た領域内にn型ウェル層56とp+型ドレイン層57が
同時に形成されているのにたいして、この実施例では、
図33と同じ素子断面について見ると、在る箇所ではp
型ドレイン層57のみ、他の箇所ではn型ウェル層56
のみが見える状態になっている。
【0109】図36は、同様に図34の実施例の素子を
3次元的に展開した実施例の絶縁ゲートサイリスタであ
る。カソード側のp+ 型ドレイン層57と同様に、アノ
ード側のn+ 型ドレイン層59が、ストライプ状の埋込
み絶縁ゲート電極36に沿って複数個に分割配置されて
いる。
【0110】これら図35および図36の実施例では、
埋込みゲート電極の間の領域の幅いっぱいをMOSトラ
ンジスタのドレイン領域として利用することができる。
したがって、図33および図34の実施例と比較する
と、溝4および35の間隔を狭くすることが容易であ
る。溝4および35の間隔を狭くすれば、それだけター
ンオフ時の絶縁ゲート電極側からの空乏化によるキャリ
ア注入の抑制効果が大きくなり、ターンオフ能力の向上
が可能になる。
【0111】図37(a) (b) は、図27の実施例の素子
構造に更に、カソード側に縦型のnチャネルMOSトラ
ンジスタを組み込んだ実施例の素子構造と等価回路であ
る。p型ベース層45上にn- 型チャネル層47,n型
ウェル層56が形成され、更にこの上にp型ウェル層6
1,n+型ソース層62が形成されている。n+ 型ソー
ス層62の表面からn- 型ベース層1に達する深さに溝
4が形成されて、絶縁ゲート電極5が埋込み形成されて
いる。これにより、p型ウェル61の溝側壁をチャネル
領域とするnチャネルMOSトランジスタQ6 が、図3
7(b) に示すように、サイリスタのカソードに直列に入
った状態になる。またストライプ状のカソード領域の端
部には、n- 型ベース層1に達する深いp+ 型層10が
拡散形成されている。
【0112】この実施例の素子をターンオンするには、
絶縁ゲート電極5にカソード電極に対して正の電圧を印
加する。この時、p型ウェル層61とp型ベース層45
の溝側壁にn型チャネルが形成され、n+ 型ソース層6
2から電子がn- 型ベース層1に注入される。この電子
注入に対応してp+ 型エミッタ層3からホール注入がな
されて、高速にターンオンする。
【0113】ターンオフの際には絶縁ゲート電極5にカ
ソード電極に対して負の電圧を印加する。これによりn
型チャネルは消滅してn+ 型ソース層62からの電子注
入は止まり、同時にn- 型チャネル層47に広がる空乏
層によって電子注入が抑制される。n- 型ベース層1に
蓄積していたホールは、p+ 型層10を介してカソード
電極に排出される。以上により、素子はターンオフす
る。
【0114】この実施例によれば、カソード側の電子注
入がカソード側に直列に入ったMOSトランジスタの導
通状態と、その下のn- 型チャネル層への空乏層の広が
りによって効果的に制御されるので、高いターンオフ能
力が得られる。
【0115】図38(a) (b) は、図37の素子を変形し
た実施例の素子断面構造と等価回路である。この実施例
では、ストライプ状の埋込みゲート電極5に沿って、n
+ 型ソース層62が複数個に分割されて配置されてい
る。したがってカソード側にはp型ウェル層61も露出
しており、カソード電極(図では省略している)がn+
型ソース層62と同時にp型ウェル層61にもコンタク
トしている。図37の実施例で設けられているホール排
出用のp+ 型層10はこの実施例では設けられていな
い。
【0116】したがってこの実施例の素子は、図38
(b) に示すように、カソード側に直列にnチャネルMO
SトランジスタQ6 が入ると同時に、p型ベース層とカ
ソードの間に、p型ウェル層61の抵抗を介してn型ウ
ェル層56およびn- 型チャネル層46をチャネルとす
るpチャネルMOSトランジスタQ4 が入った形になっ
ている。
【0117】この実施例の素子では、pチャネルMOS
トランジスタQ4 がターンオフ時のn- 型ベース層1の
ホール排出用として機能する。この実施例によると、先
の実施例と異なり、n- 型ベース層1のホールが直接カ
ソードに抜ける経路がないので、サイリスタのオン特性
を損なうことなく、高いターンオフ能力を実現すること
ができる。
【0118】図39(a) (b) は、さらに図37或いは図
38の実施例の素子を変形した実施例の素子構造と等価
回路である。この実施例では、埋込み絶縁ゲート電極5
を長手方向に複数個に分割して配置し、その長手方向端
部に挟まれた領域に、図1の実施例と同様の構造でpチ
ャネルMOSトランジスタを形成している。
【0119】この実施例によっても、オン特性を損なう
ことなく、優れたターンオフ能力を持つ絶縁ゲート型サ
イリスタが得られる。またホール排出用のpチャネルM
OSトランジスタは、サイリスタ本体の拡散層とは別個
の拡散層を利用して形成しているので、その拡散層の不
純物濃度をサイリスタ本体とは独立に設定することがで
き、所望のしきい値等特性の最適化が容易である。
【0120】図40(a) (b) は、図37の素子構造を基
本として、これと図32の構造とを組み合わせた実施例
の素子構造と等価回路である。アノード側にもp- 型チ
ャネル層54が形成され、埋込み絶縁ゲート電極36が
形成されている。ストライプ状ゲート電極36の端部に
は、アノード側,カソード側にそれぞれ、エミッタ短絡
用のp+ 型層33,n+ 型層34が形成されている。
【0121】この実施例の素子も、ターンオフ時、カソ
ード側の電子注入とアノード側のホール注入がそれぞ
れ、縦型のMOSトランジスタQ6 ,Q5により抑制さ
れ、高いターンオフ能力が得られる。
【0122】図41(a) (b) は、カソード側の構造を図
38と同様とし、アノード側の構造を図40と同様とし
た実施例の素子構造と等価回路である。
【0123】この実施例によっても、ターンオフ時、カ
ソード側の電子注入とアノード側のホール注入がMOS
トランジスタQ6 ,Q5 により抑制されて高いターンオ
フ能力が得られる。しかも、n- 型ベース層のホールが
直接カソード電極に抜ける経路はないので、サイリスタ
のオン特性を損なうことはない。
【0124】図42(a) (b) は、図39と図40の構造
を組み合わせた実施例の素子構造と等価回路である。
【0125】この実施例によっても、ターンオフ時、カ
ソード側の電子注入とアノード側のホール注入がMOS
トランジスタQ6 ,Q5 により抑制されて高いターンオ
フ能力が得られる。n- 型ベース層のホールが直接カソ
ード電極に抜ける経路はないので、サイリスタのオン特
性を損なうことはない。ホール排出用のpチャネルMO
Sトランジスタは、サイリスタ本体の拡散層とは別個の
拡散層を利用しているので、その拡散層の不純物濃度の
最適化が容易である。
【0126】以上の図1から図42までの実施例におい
て、絶縁ゲート電極が埋め込まれる溝の間隔とその領域
の不純物濃度は、溝側壁からの空乏層の伸び方を考慮し
て最適設定される。絶縁ゲート電極により形成される空
乏層幅は、絶縁ゲート電極に印加するバイアスが小さい
間は反転層の少数キャリアが無視できるのでバイアスに
比例して大きくなる。バイアスが大きくなって反転層の
キャリアが多くなると、空乏層幅は飽和して一定値にな
る。この空乏層幅の飽和値は、チャネル層の不純物濃度
が低いほど大きいが、例えば、不純物濃度が5×1013
/cm3 以下では5μm 以上伸びる。従って反応性イオン
エッチングを利用して微細間隔のゲート埋込み用溝を形
成すれば、溝間を比較的低いゲートバイアスで完全空乏
化して、カソード或いはアノードからのキャリア注入を
止めるという制御を容易に行うことができる。
【0127】次に、カソード・エミッタに直列にMOS
トランジスタを挿入した構造のEST(Emitter Swi
tched Thyristor)と呼ばれる絶縁ゲート型サイリス
タの実施例を説明する。
【0128】図43は、その基本実施例の素子構造であ
り、従来の図139で示す構造を改良したものである。
高抵抗のn型ベース層1の一方にn型バッファ層2を介
してp型エミッタ層3が形成されている。n型ベース層
1の他方の面にはp型ベース層45が形成され、このp
型ベース層45の表面にn型エミッタ層7が形成されて
いる。ストライプ状のn型エミッタ層7の一辺に対向し
てホール排出用の高濃度p+ 型層71がストライプ状に
形成され、このp+ 型層71のn型エミッタ層7側の辺
に重なるようにn型ソース層72が形成されている。n
型エミッタ層7とn型ソース層72により挟まれた領域
のp型ベース層45上にゲート絶縁膜73を介してゲー
ト電極74が形成されている。カソード電極12はn型
ソース層72とp+ 型層71に同時にコンタクトして形
成され、p型エミッタ層3にはアノード電極11が形成
されている。
【0129】ここで、n型ソース層72は、図に示すよ
うに、ストライプ状のp+ 型層71に対してその長手方
向に複数個に分割されて短冊状をなして、p+ 型層71
の端部に配列形成されている。この点で従来の構造と異
なる。
【0130】なお図では省略されているが、ゲート電極
74と別に素子のターンオン用のゲート電極が必要であ
る。そのためには例えば、p型ベース層45のp型ウェ
ル層71に対向する端部とは反対側(図の左側)のn型
エミッタ層7とn型ベース層1で挟まれた領域にゲート
絶縁膜を介してゲート電極が設けられる。このことは、
以下に示す実施例でも同様である。
【0131】この実施例の絶縁ゲート型サイリスタのタ
ーンオン時は、図示しないターンオン用ゲート電極を用
いてn型カソード層7からn型ベース層1に電子を注入
する。このときゲート電極74には、カソード電極に対
して正の電圧を印加する。これによりn型エミッタ層7
はn型反転チャネルを介し、n型ソース層72とを介し
てカソード電極12に接続される。
【0132】ターンオフ時は、ゲート電極74に零また
は負の電圧を印加する。これにより、n型チャネル層が
消失して、n型エミッタ層7はn型ソース層72と切り
離されてフローティングとなり、カソードからの電子注
入が止まり、素子は高速にターンオフする。
【0133】ターンオフ時、n型ソース層72,p型ベ
ース層45,n型ベース層1およびp型エミッタ層3か
らなる寄生サイリスタは、n型ベース層1のホールをカ
ソード電極に排出する際の障害になる。n型ソース層7
2が、もし、p型ウェル層71の辺に沿って連続的に形
成されていると、n型エミッタ層7がn型ソース層72
から切り離された後にもn型ソース層72からの電子注
入が止まらず、ターンオフ能力は著しく小さいものとな
る。これに対してこの実施例では、n型ソース層72が
複数個に分割されて配置されているから、n型ソース層
72からの電子注入量は抑えられ、寄生サイリスタ効果
が低減されて高いターンオフ能力が得られる。
【0134】図44〜図47は、図43の実施例の素子
構造を基本として、より効果的に寄生バイポーラトラン
ジスタ効果の影響低減を図った実施例である。
【0135】図44(a) では、p型ウェル層71の底部
により高濃度のp+ 型層75が設けられている。これに
より、p型ベース層45の横方向抵抗が低減されて、寄
生サイリスタ効果が抑制される。図44(b) では、n型
ベース層1のp型ベース層45との接合部近傍に低キャ
リアライフタイム層76が設けられている。これによ
り、n型ベース層1内の過剰ホールの寿命が短くなり、
寄生サイリスタ効果が抑制されてターンオフ能力が向上
する。
【0136】図45(a) では、アノード側に、n型ベー
ス層1の一部を表面に露出させてアノード電極11に短
絡するエミッタ短絡部77が設けられている。これによ
り、ターンオフ時、アノード側からのホール注入が抑制
されるから、やはりターンオフ能力が改善される。
【0137】図45(b) では更に、p型エミッタ層3が
選択的に拡散形成されてこの中にn型ソース層78が形
成され、p型エミッタ層3のn型ベース層1とn型ソー
ス層78に挟まれた領域にはゲート絶縁膜79を介して
ゲート電極80が形成されている。この実施例では、タ
ーンオフ時、ゲート電極80にアノードに対して正の電
圧を印加することによって、アノード側のエミッタ短絡
構造が形成され、高速にターンオフができる。オン状態
ではゲート電極80を零バイアスまたは負バイアスとす
ることにより、エミッタ短絡構造が形成されないから、
サイリスタのオン特性を損なうことがない。
【0138】図46(a) は、図45(a) と図44(a) の
構造を組み合わせた実施例である。図46(b) は、図4
5(a) と図44(b) の構造を組み合わせた実施例であ
る。図47(a) は、図45(b) と図44(b) の構造を組
み合わせた実施例である。図47(b) は、図45(a) と
図44(a) および(b) の構造を組み合わせた実施例であ
る。
【0139】図48は、図47(a) の実施例の素子構造
において、カソード側のゲート電極74(G1 )とアノ
ード側のゲート電極80(G2)の駆動信号波形例を示
している。オン状態では、カソード側のゲート電極74
に正電圧VG1を与えて、n型エミッタ層をチャネルを介
し、n型ソース層72を介してカソード電極12に接続
した状態とし、アノード側のゲート電極80は零バイア
スとしてp型エミッタ層3からの十分なホール注入を維
持する。
【0140】ターンオフ時は、まずアノード側のゲート
電極80に正電圧VG2を印加してエミッタ短絡状態とし
てp型エミッタ層3からのホール注入を抑制しておく。
その後、カソード側のゲート電極74のバイアス電圧V
G1を零に落とすことにより、n型エミッタ層7をカソー
ド電極12から切り離し、n型ベース層1のホールをカ
ソード電極12に排出させる。
【0141】以上のようなタイミングで二つのゲート駆
動を行うことによって、高いターンオフ能力が得られ
る。
【0142】図49は、別の実施例の絶縁ゲート型サイ
リスタである。この実施例では、p型ベース層45とp
型ウェル層71の対向する辺の間に、n型ベース層1が
露出した状態としている。更に、p型ベース層45とp
型ウェル層71の相対向する辺にそれぞれ、浅い低濃度
のp型ウェル層81,82が形成されている。n型エミ
ッタ層7のp型ウェル81側端部には高濃度のn+ 型層
83が形成されている。そして、n型エミッタ層7とn
型ソース層72により挟まれた領域のp型ウェル層8
1,82およびこれらp型ウェル層81,82に挟まれ
た領域に露出しているn型ベース層1を覆うようにゲー
ト絶縁膜73を介してゲート電極74が形成されてい
る。n型ソース層72はこの実施例では、図43の実施
例と異なり、ストライプ状のp型ウェル71内では分割
されずストライプ状をなして形成されている。
【0143】この実施例の素子でも、オン状態ではゲー
ト電極74にカソードに対して正の電圧が印加される。
このとき、p型ウェル層81,82の表面のn型反転チ
ャネルとn型ベース層1を介して、n型エミッタ層7と
n型ソース層72が短絡された状態となる。ターンオフ
時はゲート電極74に零または負電圧が印加される。こ
れにより、n型エミッタ層7はn型ソース層72から切
り離される。
【0144】この実施例の素子では、ターンオン時にn
型チャネルが形成されるp型ウェル層81,82がp型
ベース層45およびp型ウェル層71とは別に形成され
て、所望のしきい値に設定される。従ってp型ウェル層
71のn型ソース層72下の部分を十分高濃度として横
方向抵抗を小さくし、寄生サイリスタ効果を抑制して、
ターンオフ時のホール排出を高速に行うことができる。
【0145】図50は、図49の実施例において、n型
ソース層72を図43の実施例と同様に複数個に分割し
て配置した実施例の部分図である。この実施例によれ
ば、より高いターンオフ能力が得られる。
【0146】図51〜図59は、図49或いは図50の
実施例の素子構造に対して、さらにターンオフ能力の改
善手段を講じた実施例である。図51の実施例では、図
44(a) と同様に、p型ウェル71の底部に高濃度のp
+型層75が設けられている。図52の実施例では、図
44(b) と同様にn型ベース層1のp型ベース層45と
の接合部近傍に低キャリアライフタイム層76が形成さ
れている。図53の実施例では、アノード側に図45
(a)と同様のエミッタ短絡部77が設けられている。図
54の実施例では、図45(b) 同様にアノード側にMO
Sトランジスタによるエミッタ短絡構造が設けられてい
る。図55の実施例は、図52と図53の実施例の構造
を組み合わせたもの、図56の実施例は、図51と図5
4の実施例の構造を組み合わせたもの、図57の実施例
は、図51と図53の実施例の構造を組み合わせたも
の、図58の実施例は、図51,図52および図54の
実施例の構造を組み合わせたものである。図59は、図
54の構造に対して、p型ベース層45とn型ベース層
1の接合部に低キャリアライフタイム層76を設けたも
のである。
【0147】これらの実施例の絶縁ゲート型サイリスタ
においても、優れたターンオフ能力が得られる。
【0148】図60は、別の実施例の絶縁ゲート型サイ
リスタである。この実施例では、p型ベース層45とこ
れに隣接するp型ウェル層71の間に、これらより浅く
低濃度のp型チャネル層84が形成されている。p型ベ
ース層45内のn型エミッタ層7のチャネル領域側端部
には高濃度のn+ 型層83が形成されている。p型ウェ
ル層71内のn型ソース層72は、チャネル側端部が一
部p型チャネル層84の領域に入り込んだ状態で、複数
個に分割されることなくストライプ状をなして形成され
ている。
【0149】この実施例においても、p型チャネル層8
4をp型ベース層45およびp型ウェル層71とは別に
形成することで、n型エミッタ層7の短絡用MOSトラ
ンジスタのしきい値を最適設計することができる。そし
てp型ベース層45およびp型ウェル層71を十分高濃
度とすることよって、高いターンオフ能力を得ることが
できる。
【0150】図61は、図60の構造を変形した実施例
の部分構造図であり、n型ソース層72が複数個に分割
されて配列形成されている。図62は同様に図60の構
造を変形した実施例の部分構造図であり、p型チャネル
層84の一部をn型ベース層1を露出させている。これ
らの実施例によっても、図60の実施例と同様の効果が
得られる。
【0151】図63は、図60の構造を基本として図4
4(a) と同様に高濃度p+ 型層75を設けた実施例、図
64は図60の構造を基本として図44(b) と同様に低
キャリアライフタイム層76を設けた実施例、図65は
図60の構造を基本として図45(a) と同様にアノード
側のエミッタ短絡部77を設けた実施例、図66は図6
0の構造を基本としてアノード側にも絶縁ゲートを設け
た実施例である。更に図67は、図60の構造を基本と
してこれに図44(a) および図45(a) の構造を組み合
わせた実施例、図68は図60の構造を基本としてこれ
に図44(b) および図45(b) の構造を組み合わせた実
施例である。
【0152】これらの実施例によって、更にターンオフ
能力の向上を図った絶縁ゲート型サイリスタが得られ
る。
【0153】図69は、更に別の実施例の絶縁ゲート型
サイリスタである。ここまでの実施例では、n型エミッ
タ層4のn型ソース層72とは反対側のp型ベース層4
5の端部にターンオン用絶縁ゲート(図では省略してい
る)が設けられるものとした。この実施例においては、
n型ソース層72を挟んでn型エミッタ層と反対側にタ
ーンオン用およびホールバイパス用のMOSトランジス
タが構成されている。
【0154】すなわちp型ベース層45の端部に浅いp
型ウェル層91が形成され、このp型ウェル層91内に
p型ベース層45内のn型ソース層72と連続するn型
ウェル層92が形成されている。このn型ウェル層92
の表面にはp型ソース層93が形成されている。カソー
ド電極12はn型ソース層72と同時にp型ソース層9
3にコンタクトして形成されている。またp型ソース層
93とn型ベース層1の間のp型ウェル層91およびn
型ウェル層92の表面を覆うようにゲート絶縁膜94を
介してゲート電極95が形成されている。
【0155】なおゲート絶縁膜94およびゲート電極9
5は、n型ソース層72とn型エミッタ層7間をオン,
オフするためのゲート絶縁膜73およびゲート電極74
と一体的に形成されていても良い。
【0156】この実施例の素子は、ターンオン時、ゲー
ト電極74および95にカソードに対して正電圧を印加
する。これにより、ゲート電極95下のp型ウェル層9
1の表面反転層を介してn型ウェル層92からn型ベー
ス層1に電子が注入される。同時にゲート電極74下の
p型ベース層45表面の反転層を介してn型ソース層7
2とn型エミッタ層7が短絡され、n型エミッタ層7が
カソード電極12に接続される。
【0157】ターンオフ時は、ゲート電極74および9
5に負電圧を印加する。これにより、n型エミッタ層7
とn型ソース層72間が切り離される。また、p型ソー
ス層93とp型ウェル層91間がn型ウェル層92の表
面反転層を介して短絡される。このpチャネルMOSト
ランジスタの動作により、p型ベース層45はp型ウェ
ル層91を介し、p型ソース層93を介してカソード電
極12に接続され、ホール排出がなされる。
【0158】この実施例では、オン状態ではホール排出
のバイパスがなく、従って優れたオン特性を維持するこ
とができる。またn型ソース層72の下は厚いp型ベー
ス層45となっているので、寄生サイリスタ効果の影響
は少ない。
【0159】図70は、図69の構造を変形した実施例
である。この実施例では、p型ベース層45につながる
p型ウェル層91が幅広く形成され、n型ソース層7
2,n型ウェル層92およびp型ソース層93はすべて
このp型ウェル層91の領域内にが形成されている。幅
広く形成されるp型ウェル層75の横方向抵抗を小さく
するために、その底部に高濃度p+ 型層75が形成され
ている。それ以外は、図60の実施例と同様である。
【0160】この実施例の素子動作は図69のそれと同
じである。n型ソース層72の下が浅いp型ウェル層9
1になっているが、その底部にp+ 型層75が設けられ
ているため、寄生サイリスタ効果は抑制される。
【0161】図71は、図70の構造を僅かに変形した
実施例である。この実施例では、n型ソース層72の一
部にp型ウェル層91を露出させて、カソード電極12
を直接p型ウェル層91にコンタクトさせたカソード短
絡構造としている。
【0162】この実施例によれば、ターンオフ時のカソ
ード電極へのホール排出がより効果的に行われ、高速の
ターンオフ動作が可能になる。
【0163】図72は、図70の実施例の構造に対し
て、アノード側にエミッタ短絡部77を形成した実施
例、更に図73は、図70の実施例に対してアノード側
に選択的にエミッタ短絡構造を得るためのMOSトラン
ジスタを形成した実施例である。これらの実施例によっ
ても、高速のターンオフ動作が可能になる。
【0164】図74は、図69の実施例の構造を3次元
的に展開した実施例である。図75は同様に図70の実
施例の構造を3次元的に展開した実施例である。図76
は同様に図71の実施例の構造を3次元的に展開した実
施例である。図77は同様に図70の実施例の構造を3
次元的に展開した実施例である。図78は同様に図73
の実施例の構造を3次元的に展開した実施例である。図
79は図78の構造を基本として、p型エミッタ層3を
取り囲むように絶縁ゲートトランジスタ構造を設けた実
施例である。
【0165】次にカソード側の構造を従来の図139と
同じとして、アノード側にカソード側と同様のMOSト
ランジスタを導入した実施例を、図80〜図87に示
す。
【0166】図80の実施例では、アノード側にはp型
エミッタ層3が選択的に形成され、これから所定距離離
れてn+ 型層100が形成されている。n+ 型層100
のp型エミッタ層3側の端部にはp型ソース層101が
形成されている。p型ソース層101とp型エミッタ層
3の間のn型バッファ層2表面にはゲート絶縁膜102
を介してゲート電極103が形成されている。すなわち
pチャネルMOSトランジスタが構成されている。アノ
ード電極11は、n+ 型層100とp型ソース層101
に同時にコンタクトして形成され、p型エミッタ層3に
は直接コンタクトしていない。
【0167】この実施例の素子では、ターンオン時、カ
ソード側のゲート電極74にカソードに対して正の電圧
が印加され、アノード側のゲート電極103にアノード
に対して負の電圧が印加される。これにより、それぞれ
ゲート電極下に形成されるチャネルを介して、n型エミ
ッタ層7はn型ソース層72に、またp型エミッタ層3
はp型ソース層101に短絡される。図示しないターン
オン用ゲートによりp型ベース層にベース電流が供給さ
れると、素子はターンオンする。
【0168】ターンオフ時は、カソード側のゲート電極
74にカソードに対して零または負の電圧が印加され、
アノード側のゲート電極103にアノードに対して零ま
たは正の電圧が印加される。これにより、n型エミッタ
層7はn型ソース層72から切離され、n型エミッタ層
7からの電子注入は止まる。また、p型エミッタ層3は
p型ソース層101から切離され、p型エミッタ層3か
らのホール注入は止まる。
【0169】以上のようにしてこの実施例によれば、カ
ソード側,アノード側共にMOSゲートでキャリア注入
を制御することによって、高速のターンオフができる。
なおこの実施例の素子はターンオフに際して、先に図4
8で説明したようにアノード側のMOSトランジスタを
オフにし、その後カソード側のMOSトランジスタをオ
フにする、というゲート制御を行うこともできる。これ
により、より高いターンオフ能力が得られる。
【0170】図81は、アノード側のMOSトランジス
タをnチャネルとした実施例である。p型エミッタ層3
に連続するp型ウェル層104が形成され、p型エミッ
タ層とp型ウェル層104に跨がるようにn型ソース層
106が形成され、これから所定距離離れてp型ウェル
層104にn型ドレイン層105が形成されている。こ
れらn型ソース層106とn型ドレイン層105の間の
p型ウェル層104上にゲート絶縁膜102を介してゲ
ート電極103が形成されて、nチャネルMOSトラン
ジスタが構成されている。n型ソース層106とp型エ
ミッタ層3の間は不純物を高濃度にドープした多結晶シ
リコン膜或いは金属膜による短絡電極107で短絡され
ている。
【0171】この実施例では、ターンオン時、カソード
側のゲート電極74にカソードに対して正の電圧が印加
され、アノード側のゲート電極103にはアノードに対
して正の電圧が印加される。これにより、カソード側で
はn型エミッタ層7はn型ソース層72と接続されて、
電子注入が行われる。アノード側ではn型ドレイン層1
05とn型ソース層106がつながり、短絡電極107
によってp型エミッタ層3はアノード電極11と短絡さ
れて、p型エミッタ層3からのホール注入がなされる。
【0172】ターンオフ時は、カソード側のゲート電極
74にカソードに対して零または負の電圧が印加され、
アノード側のゲート電極103にアノードに対して零ま
たは負の電圧が印加される。これにより、n型エミッタ
層7はn型ソース層72から切離され、n型エミッタ層
7からの電子注入は止まる。また、p型エミッタ層3は
n型ドレイン層105およびアノード電極11から切離
され、p型エミッタ層3からのホール注入は止まる。
【0173】この実施例によっても、高いターンオフ能
力が得られる。図80の実施例では、ターンオフ時、ア
ノード側ではp型エミッタ層3からのホール注入が止ま
った後にもp型ソース層101からのホール注入が暫く
続くが、この実施例ではゲート制御によってホール注入
が完全に止まる。したがって優れたターンオフ能力が得
られる。
【0174】図82は、図80の実施例に対して、図4
4(a) と同様にp型ウェル層71の底部に高濃度p+
層75を設けた実施例である。図83は、図80の実施
例に対して、アノード側のn型ウェル層100の底部に
高濃度n+ 型層108を設けた実施例である。図84
は、図82と図83を組み合わせた実施例である。
【0175】図85は、図80の実施例に対して、図4
4(b) と同様にn型ベース層1のp型ベース層45との
接合部近傍に低キャリアライフタイム層76を設けた実
施例である。図86は、図80の実施例に対して、n型
ベース層1のn型バッファ層2寄りのn+ 型層100下
に低キャリアライフタイム層109を設けた実施例であ
る。図87は、図80の実施例に対して、サイリスタの
主電流経路のn型ベース層1中央部に低キャリアライフ
タイム層109を設けた実施例である。
【0176】これら図82〜図87の実施例によって、
さらに高いターンオフ能力が得られる。
【0177】次に、再度埋込みゲート構造の絶縁ゲート
型サイリスタの実施例を、幾つか説明する。
【0178】図88はその様な実施例の絶縁ゲート型サ
イリスタである。これは、先に説明した図37の構造と
基本的に同じであり、埋込み絶縁ゲート電極5の間のn
型エミッタ層7上にp型ウェル層61およびn+ 型ソー
ス層62が形成されている。またn型ベース層1のp型
エミッタ層3側にはn型バッファ層2が設けられてい
る。上面全面に形成されるカソード電極は省略されてい
る。
【0179】この実施例の素子は、ターンオン時、ゲー
ト電極5にカソードに対して正の電圧が印加される。こ
れにより、p型ウェル層61およびp型ベース層45の
溝4側壁に形成されるn型チャネルを介してn+ 型ソー
ス層62はn型エミッタ層7と短絡され、n型エミッタ
層7はn型ベース層1と短絡される。これにより、n型
ベース層1に電子注入が成される。ターンオフ時は、ゲ
ート電極5にカソードに対して零または負の電圧が印加
される。これにより、n型エミッタ層7はn+ 型ソース
層62およびn型ベース層1から切り離され、電子注入
が止まる。またn型ベース層1中のホールは、ゲート電
極端部に設けられたp+ 型層10を介してカソード電極
に排出される。
【0180】図89は、図88の構造を改良して、アノ
ード側にエミッタ短絡部77を設けた実施例である。図
90は、同様に図88の構造を改良して、ダブルゲート
構造とした実施例である。すなわちアノード側のp型エ
ミッタ層3は選択的に形成され、このp型エミッタ層3
内にn+ 型ソース層78が形成され、n+ 型ソース層7
8とn型バッファ層2により挟まれた領域にゲート絶縁
膜79を介してゲート電極80が形成されている。図9
1は、図88の構造に対して、図1と同様にストライプ
状ゲート電極の端部に、p型層8,n型層9,p+ 型層
10が縦方向に形成されてn型層9をチャネルとするホ
ールバイパス用の縦型pチャネルMOSトランジスタを
構成した実施例である。図92は、図91の構造に対し
て、図89と同様にアノード側にエミッタ短絡部77を
設けた実施例である。図93は、図91の構造に対し
て、図90と同様にアノード側にMOSトランジスタを
構成した実施例である。
【0181】これらの図88〜図93の実施例によって
も、高いターンオフ能力を持つ絶縁ゲート型サイリスタ
が得られる。
【0182】図94は、図91と同様の構造を埋込みゲ
ートではなく平面的に実現した実施例である。p型ベー
ス層45の表面にn+ 型エミッタ層7が形成され、また
p型ベース層45の端部にn+ 型エミッタ層7と隣接し
てn+ 型ソース層72が形成されている。n+ 型ソース
層72下のp型ベース層45は十分に厚い。さらにp型
ベース層45の外にp型ベース層45に隣接してp+
ドレイン層10が形成されている。n型エミッタ層7と
n型ソース層72の間にp型ベース層45表面および、
+ 型ソース層71とp+ 型ドレイン層10に挟まれた
領域のp型ベース層45およびn型ベース層1の表面に
は、ゲート絶縁膜73を介してゲート電極74が形成さ
れている。カソード電極12はn+ 型エミッタ層72に
コンタクトすると同時に、p+ 型ドレイン層10にもコ
ンタクトするようにパターン形成されている。
【0183】この実施例の素子は、ターンオン時、ゲー
ト電極74にカソードに対して正の電圧が印加される。
これにより、n+ 型ソース層72とn+ 型エミッタ層7
の間がn型チャネルにより短絡される。また、p型ベー
ス層45の端部にn型チャネルが形成されて、n+ 型ソ
ース層72からn型ベース層1に電子が注入される。タ
ーンオフ時は、ゲート電極74にカソードに対して負の
電圧が印加される。これにより、n+ 型エミッタ層7は
+ 型ソース層72から切り離される。また、p型ベー
ス層とp+ 型ドレイン層10の間がn型ベース層1の表
面に形成される反転チャネルを介して接続されて、カソ
ード電極12にホール排出がなされる。
【0184】この実施例によれば、pチャネルMOSト
ランジスタ部分は素子がオン状態ではオフしているか
ら、ホールバイパスはなく、したがってオン特性が損な
われることはない。また、n+ 型ソース層72下のp型
ベース層45は十分厚いから、寄生トランジスタ効果の
影響は少なく、ターンオフ時はp型ベース層45の小さ
い横方向抵抗を介し、p型反転チャネルを介してホール
排出がなされるので高いターンオフ能力が得られる。
【0185】図95、図94の構造におけるn+ 型ソー
ス層72下の部分を浅いp型ウェル層91とした実施例
である。p型ウェル層91の底部には高濃度p+ 型層7
5が形成されている。
【0186】この実施例においては、p型ウェル層91
をp型ベース層45とは別に形成することによって、M
OSトランジスタのしきい値を最適設定することがで
き、しかも、高濃度p+ 型層75を設けることによって
寄生サイリスタ効果を抑制して高いターンオフ能力を確
保することができる。
【0187】図96は、図95の構造に対してアノード
側にエミッタ短絡部77を形成した実施例である。図9
7は同様に図95の構造に対して、アノード側にもエミ
ッタ短絡構造を選択的に形成するためのMOSトランジ
スタを構成した実施例である。図98は更に、図95の
構造に対して、カソード側にエミッタ短絡部96を設け
た実施例である。
【0188】これら図96〜図98の実施例によって
も、高いターンオフ能力の絶縁ゲート型サイリスタが得
られる。
【0189】図99は、図88の構造を埋込みゲート構
造ではなく、平面ゲート構造によって実現した実施例で
ある。n型ベース層1に選択的にp型ベース層45が形
成され、このp型ベース層45内に選択的にn型エミッ
タ層7が形成され、更にこのn型エミッタ層7内に選択
的にp型ウェル層61が形成され、このp型ウェル層6
1内に選択的にn+ 型ソース層62が形成されている。
+ 型ソース層62とp型ウェル層61に同時にコンタ
クトするようにカソード電極12が形成されている。n
+ 型ソース層62とn型ベース層1により挟まれた領域
のp型ウェル層61,n型エミッタ層7およびp型ベー
ス層45の表面に連続してゲート絶縁膜73を介してゲ
ート電極74が形成されている。
【0190】この実施例の素子は、ターンオン時、ゲー
ト電極74にカソードに対して正の電圧が印加される。
これにより、n+ 型ソース層62とn型エミッタ層7の
間がn型チャネルにより短絡され、またn型エミッタ層
7とn型ベース層1の間がn型チャネルにより短絡され
る。これにより、n+型ソース層62からn型ベース層
1に電子が注入される。ターンオフ時は、ゲート電極7
4にカソードに対して負の電圧が印加される。これによ
り、n型エミッタ層62はn+ 型ソース層62およびn
型ベース層1から切り離され、電子注入が止まる。ま
た、p型ベース層とp型ウェル層61の間がn型エミッ
タ層7の表面に形成されるp型チャネルを介して短絡さ
れて、n型ベース層1のホールはp型ベース層45から
p型チャネルを介し、p型ウェル層61を介してカソー
ド電極12に排出される。
【0191】この実施例によっても、オン状態でのホー
ルバイパスはなく、またターンオフ時はカソード・エミ
ッタからの電子注入が抑制されると同時にホールバイパ
スがなされる。したがってオン特性を損なうことなく、
高速のターンオフができる。
【0192】図100は、図99の構造を改良した実施
例である。この実施例では、n型ベース層1にp型ベー
ス層45およびn型エミッタ層7を拡散形成した後、そ
の表面にn- 型エピタキシャル層111を形成してい
る。そしてこのエピタキシャル層111にp型ウェル層
61、およびp型ベース層45と繋がるp型ウェル層1
13を同時に形成し、またこれらp型ウェル層61と1
13の間にn型ウェル層112ウェル層を形成してい
る。
【0193】図99の実施例では、n型ベース草1にp
型ベース層45,n型エミッタ層7,p型ウェル層61
およびn+ 型ソース層62と順次不純物拡散によって形
成すると、不純物濃度が順次高くなるために、各部のM
OSトランジスタのしきい値の最適化が難しい。この実
施例で、n型エミッタ層7まで形成した後にエピタキシ
ャル成長を行って、p型ウェル層61,113およびn
型ウェル層112を形成するため、各MOSトランジス
タのしきい値の最適設計が容易である。
【0194】図101は、図99の構造を基本として、
アノード側にエミッタ短絡部77を形成した実施例であ
る。図102は同様に図99の構造を基本として、アノ
ード側に選択的にエミッタ短絡構造を形成するためのM
OSトランジスタを導入した実施例である。これらの実
施例によっても、同様の効果が得られる。
【0195】図103は、図43の実施例を改良した実
施例の絶縁ゲート型サイリスタである。図43の実施例
では、n+ 型ソース層72が複数個に完全に分離されて
配置されたのに対して、この実施例では複数個のn+
ソース層72が完全には分離されず、n型エミッタ層7
側で連続するようにパターン形成している。
【0196】図43の実施例では、n+ 型ソース層72
を分割配置することによって前述のように寄生サイリス
タ効果が低減されるが、反面、n+ 型ソース層72とn
型エミッタ層7間に形成されるMOSトランジスタの実
効ゲート幅(すなわちn+ 型ソース層72のn型エミッ
タ層7に対向する辺のトータルの長さ)が小さくなるた
めに、オン電圧の上昇をきたす。この実施例によれば、
+ 型ソース層72がn型エミッタ層7に対向する辺で
はつながっているから、実効ゲート幅を小さくすること
なく、しかもカソード短絡率を十分大きく確保して寄生
サイリスタ効果を低減することができる。
【0197】図104は本発明の別の実施例の素子構造
を示す平面図であり、図105は図104のA−A′断
面図である。p型エミッタ層3に接してn型ベース層1
が形成され、このn型ベース層1内にp型ベース層45
およびn型エミッタ層7が順次拡散形成されて、pnp
nサイリスタ構造が構成されている。n型エミッタ層7
に隣接してn型ソース層72が形成され、n型エミッタ
層7とn型ソース層72に挟まれるp型ベース層45の
表面部分にゲート絶縁膜73を介して第1のゲート電極
74(G1 )が形成されて、CH1 をチャネル領域とす
るnチャネルMOSFETが構成されている。
【0198】この構造では、図139に示した従来構造
ではあった高濃度p型層71は形成されていない。これ
に代って、この実施例の構造では、n型ソース層72の
n型エミッタ層7と反対側の端部にp型ソース層93が
形成されている。このp型ソース層93とp型ベース層
45により挟まれた領域表面にゲート絶縁膜を介して第
2のゲート電極95(G2 )が形成されている。
【0199】従って、ゲートG1 ,G2 共に正の電圧を
印加すると、チャネル領域CH1 が導通し、チャネル領
域CH2 が非導通となって、エミッタ短絡部はなくな
る。これにより、電子はn型エミッタ層7から高い注入
効率でサイリスタ構造に注入される。一方、ゲートG1
,G2 共に負電圧とすると、チャネル領域CH2 が導
通,チャネル領域CH1 が非導通となり、n型エミッタ
層7からの電子注入は止まり、正孔はチャネル領域CH
2 を通ってカソード電極13へ排出されるので、素子は
ターンオフする。
【0200】以上のようにこの実施例では、サイリスタ
がオンしている間はカソード短絡とならないので高い注
入効率で電子がサイリスタ構造へ注入される。
【0201】図106は、図104の実施例の改良型の
素子構造を示す平面図であり、図107は図106のA
−A′断面図である。この実施例では、ゲート電極74
の端部直下に高濃度n型ソース層72が形成されてい
る。したがって、ソース層抵抗を低減できると共に、チ
ャネル長を高精度で制御することができる。また、p型
ベース層45、n型エミッタ層7の端部にp型ウェル9
1、n型ソース層72および第3のゲート電極80が設
けられている。この様にn型エミッタ層72の端部にタ
ーンオン用MOSFETを形成すると、この部分からタ
ーンオンが開始するため、n型ウェル層92をn型エミ
ッタとする寄生サイリスタがラッチアップしにくくなる
という利点が得られる。
【0202】図108は同じく図104の実施例の改良
型の素子構造を示す平面図であり、図109はそのA−
A′断面図である。この実施例では、n型ソース層72
とp型ソース層93が周期的に入り組んで形成されてい
る。この実施例によれば、コンタクトホール105が小
さいものであって、これらの層との十分低抵抗のコンタ
クトが可能となる。したがって素子領域のデッドスペー
スを低減することができる。
【0203】図111は、他の実施例の素子構造を示す
平面図であり、図112は図111のA−A′断面図で
ある。この実施例では、n型ソース層72のn型エミッ
タ層7と隣接した側の端部にp型ソース層93が形成さ
れている。この実施例によれば、ターンオフ時、サイリ
スタ領域に近い部分から効率的に正孔を排出することが
できるので、高いターンオフ能力が得られる。
【0204】図113は、図111の実施例の改良型の
素子構造を示す平面図であり、図114はそのA−A′
断面図である。この実施例では、図111の実施例にタ
ーンオン用の絶縁ゲートが付加されている。したがって
高速のターンオンが可能である。
【0205】図115は、同じく図111の実施例の改
良型の素子構造を示す平面図であり、図116,図11
7はそれぞれ、図115のA−A′,B−B′断面図で
ある。この実施例では、n型ソース層72とp型ソース
層93が周期的に入り組んで形成されている。この実施
例によれば、ソース層抵抗が低減され、したがって小さ
いオン電圧を得ることができる。
【0206】図118は、本発明の他の実施例の素子構
造を示す平面図であり、図119はそのA−A′断面図
である。この実施例では、n型エミッタ層7の端部にp
型ソース層93が形成されている。したがって、ゲート
Gに正電圧を印加すると、チャネル領域CH1 が導通
し、チャネル領域CH2 が非導通となって、エミッタ短
絡部はなくなる。これにより、電子はn型エミッタ層7
から高い注入効率でサイリスタ部へ注入される。一方、
ゲートGに負の電圧を印加すると、チャネル領域CH2
が導通,チャネル領域CH1 が非導通となって、n型エ
ミッタ層7の電子注入は止まり、正孔がチャネル領域C
H2 を通ってカソード電極12へ排出されるので、素子
はターンオフする。
【0207】この実施例の素子構造であれば、サイリス
タがオンしている間はカソード短絡にならないので、高
い注入効率で電子がサイリスタ構造に注入される。p型
層71は、n型ソース層72をエミッタとする寄生サイ
リスタのラッチアップ防止のために設けられている。
【0208】図120は、図118の実施例の改良型の
素子構造を示す平面図であり、図121はそのA−A′
断面図である。この実施例は、図118の実施例にター
ンオン用の絶縁ゲートを付加したもので、これにより高
速ターンオンが可能になる。
【0209】図122は同じく図118の実施例の改良
型の素子構造を示す平面図であり、図123はそのA−
A′断面図、図124は同じくB−B′断面図である。
この実施例では高濃度n型ソース層72が形成されてい
る。これにより、ソース層抵抗が低減され、小さいオン
電圧を得ることができる。
【0210】図125は、同じく図118の実施例の改
良型の素子構造を示す平面図であり、図126はそのA
−A′断面図である。この実施例では、高濃度p型ソー
ス層93がn型エミッタ層7の全面にわたって形成され
ている。この実施例によれば、主に電流が流れるサイリ
スタ領域上を熱伝導率の高い金属電極が覆うことにな
る。これにより、素子内部で発生した熱が素子外部に効
率よく排出されるので、結果的に素子の動作周波数を高
めることができる。
【0211】図127は、本発明の他の実施例の素子構
造を示す平面図であり、図128は図127のA−A′
断面図、図129は同じくB−B′断面図、図130は
同じくC−C′断面図である。この実施例は、ゲート電
極95,80を互いに直交させて一体化し、n型エミッ
タ層7およびn型ソース層72を矩形状に形成してい
る。図128のA−A′断面図を見ると、従来例と同じ
素子構造になっているが、p型ベース層45がカソード
電極12と接触していないので高い電子注入効率が得ら
れる。またターンオンの際にはn型エミッタ層7からチ
ャネル領域CH3を通ってn型ベース層1に電子が注入
されるので、高速でターンオンができる。一方、図12
9,図130のB−B′断面,C−C′断面を見ると、
n型エミッタ層7或いはn型ソース層72の端部にp型
ソース層93が形成されている。したがって、ゲートG
2 をバイアスすると、チャネル領域CH2 を通って素子
に蓄積されていた正孔がカソード電極12に排出される
から、素子は速やかにターンオフする。
【0212】この実施例では、p型ソース層93がn型
ソース層72と離れて形成されるので、隣接して形成さ
れた場合よりもソース層抵抗を小さくすることができ、
素子のオン電圧を小さくすることができる。またn型エ
ミッタ層の幅と長さを変えることにより、チャネル領域
CH1 ,CH2 の長さを独立に設定することができるの
で、オン電圧やターンオフ能力を、必要に応じて最適設
計することが容易である。
【0213】この実施例では、3種類のゲート電極を一
体化したが、駆動方法やプロセス上の利点を考慮してそ
れぞれを分離した構造としてもよい。またp型ソース層
93をn型エミッタ層とn型ソース層72の両方の端部
に形成したが、いずれか一方のみとしてもよい。
【0214】また以上の実施例において、p型ソース層
93をゲート電極95から離れた位置に形成すれば、こ
のp型ソース層93は絶縁ゲート型トランジスタのソー
ス層としてではなく、ツェナーダイオードのアノードと
して働く。この場合でも、カソード短絡部分は生じない
ので、高い注入効率で電子を注入することができる。
【0215】図131は、本発明の他の実施例の素子構
造を示す平面図であり、図132は図131のA−A′
断面図、図133は同じくB−B′断面図、図134は
同じくC−C′断面図である。p型エミッタ層3に接し
てn型ベース層1が形成され、このn型ベース層1内に
p型ベース層45およびn型エミッタ層7が順次拡散形
成されて、pnpnサイリスタ構造が構成されている。
p型エミッタ層3にはアノード電極1が形成され、n型
エミッタ層7にはカソード電極11が形成されている。
n型エミッタ層7は複数個の矩形状領域に分割配置され
ており、カソード電極12はこれらの各n型エミッタ層
7に低抵抗接触している。
【0216】図132,図133に示すように、矩形状
に形成された各n型エミッタ層7の長辺および一方の短
辺に沿って、第3のゲート電極80が櫛歯状に形成され
ている。この第3のゲート電極80の端部に自己整合的
にn型ウェル92およびp型ソース層93が形成され
て、ターンオフ用MOSFETのチャネル領域CH2 が
形成されている。図131に示すように、p型ソース層
93は梯子状にパターン形成されている。図133はn
型エミッタ層7がカソード電極12とコンタクトしてい
る部分の断面に対応し、図134はp型ソース層93が
カソード電極12とコンタクトしている部分の断面に対
応している。なお説明を簡単にするため、図132では
梯子状パターンのp型ソース層93の一部を省略して示
している。
【0217】この様な形状のp型ソース層93を用いれ
ば、n型エミッタ層7のコンタクトホールをぎりぎりま
で縮めても、確実にカソード電極12をp型ソース層9
3にコンタクトさせることができるため、素子寸法を小
さくすることができる。その結果、キャリア排出経路の
抵抗が低減されるので、高いピークターンオフ電流を得
ることができる。
【0218】矩形状に形成された各n型エミッタ層7の
他方の短辺に沿っては、図131,図132に示すよう
に、ストライプ状の第1のゲート電極74および第2の
ゲート電極95が形成されている。すなわち、n型ソー
ス層72とn型ベース層1に挟まれた領域のp型ベース
層45表面をチャネル領域CH1 として、この上にゲー
ト絶縁膜73を介して第1のゲート電極74が形成され
て、ターンオン用MOSFETが構成されている。また
p型ソース層93とn型ソース層72に挟まれた領域の
n型ウェル層92およびp型ベース層45の表面をそれ
ぞれチャネル領域CH2 ,CH3 として、この上にゲー
ト絶縁膜74を介して第2のゲート電極95が形成さ
れ、ターンオフ用MOSFETと本発明に特有の接続用
MOSFETが構成されている。この実施例では、n型
ソース層72はn型ウェル層92と同時に拡散形成され
る。これにより、プロセスの簡単化が図られている。
【0219】この実施例の素子の動作は次の通りであ
る。ターンオン動作は、第1のゲート電極74および第
2のゲート電極95に、正の電圧を印加することにより
行われる。このとき、チャネル領域CH1 およびCH3
が導通して、n型ウェル層92からチャネル領域CH3
,n型ソース層72,チャネル領域CH1 を通ってn
型ベース層1に電子が注入され、それに見合った正孔が
p型エミッタ層3から注入されて、素子はターンオンす
る。
【0220】ターンオフ動作は、第2のゲート電極96
および第3のゲート電極80に負の電圧を印加すること
により行われる。これにより、チャネル領域CH2 が導
通して、正孔がp型ベース層45からチャネル領域CH
2 およびp型ソース層93を通ってカソード電極12へ
と排出される。このときn型エミッタ層7の電位がp型
ベース層45と同電位になるため、n型エミッタ層7か
らの電子注入は止まり、このサイリスタはターンオフす
る。
【0221】この実施例の素子構造では、ターンオン用
MOSFETのチャネル領域CH1とターンオフ用MO
SFETのチャネル領域CH2 が分離されるのでターン
オフの際のキャリア排出経路の拡散層抵抗が低くなる。
したがって反対側のチャネル領域CH2 と同等のターン
オフ能力が得られる。またターンオン用MOSFETの
n型ソース層72は、ターンオフ時にはチャネル領域C
H3 が非導通となって他の層から分離されるので、n型
ソース層72をエミッタとする寄生サイリスタがラッチ
アップしてターンオフ特性の劣化を引き起こすこともな
い。ターンオフの際のゲート駆動法として、まず第3の
ゲート電極80に負の電圧を印加し、これから一定時間
遅れて第1のゲート電極74および第2のゲート電極9
5に負の電圧を印加するという方法を採用することもで
きる。この方法によれば、n型ベース層1内の過剰キャ
リアを排出した後にターンオフ動作を行うことになるの
で、ターンオフ損失を低減することができる。またこの
実施例のように全てのゲート電極が分離されていると、
それぞれのチャネル領域のしきい値電圧の大小関係がど
のようになっていても、確実に動作させることができ
る。
【0222】図135は、図131の実施例の改良型の
素子構造を示す平面図である。図のA−A′,B−
B′,C−C′断面構造はそれぞれ、図132,図13
3,図134と同じである。この実施例では、図131
の実施例の第1のゲート電極74と第2のゲート電極9
5が一体形成されている。第1のゲート電極と第2のゲ
ート電極とは、第3のゲート電極80の枝部分に対向す
る部分で接続されている。
【0223】この実施例によれば、矩形状のn型エミッ
タ層7の一方の短辺に形成されたトリガ部分のオン・オ
フ動作を一つのゲート電極で制御することができる、と
いう利点が得られる。またこの実施例の構成では、チャ
ネル領域CH1のしきい値電圧はチャネル領域CH2 の
それより低くなるので、ターンオンの際にはチャネル領
域CH1 ,CH2 の順に導通し、ターンオフの際はCH
2 ,CH1 の順に非導通となる。
【0224】図136は、同じく図131の実施例の改
良型の素子構造を示す平面図である。図のA−A′,B
−B′,C−C′断面構造はそれぞれ、図132,図1
33,図134と同じである。この実施例では、図13
1の実施例の第2のゲート電極95と第3のゲート電極
80が一体形成されている。
【0225】この実施例によれば、矩形状のn型エミッ
タ層7の周囲に形成されたターンオフ用MOSFETを
一つのゲート電極で制御できるという利点が得られる。
この実施例の構成では、ターンオフの際はゲート電極に
正の電圧を印加して、電子をチャネル領域CH3 および
CH1 を通してn型ベース層1に注入することが必要で
ある。またゲート電極に負の電圧を印加するだけでn型
ソース層13がn型ウェル層5から切り離され、正孔が
チャネル領域CH2を通って排出されるので、ターンオ
フ動作に入ることができる。
【0226】図137は、同じく図131の実施例の改
良型の素子構造を示す平面図である。図のA−A′,B
−B′,C−C′断面構造はそれぞれ、図132,図1
33,図134と同じである。この実施例では、図13
1の実施例のゲート電極74,95,80を一体化して
一つのゲート電極として形成している。
【0227】この実施例では、一つのゲート電極のみで
ターンオン,ターンオフ制御ができるという利点が得ら
れる。この実施例の構成では、各チャネル領域のしきい
値電圧の大きさが、CH3 >CH2 >CH1 となる。し
たがって、ゲート電極にチャネル領域CH3 のしきい値
電圧以上の電圧を印加することにより、素子はターンオ
ンし、チャネル領域CH2 のしきい値電圧以下の電圧を
印加することにより、素子はターンオフすることにな
る。ターンオンの際はまず、ターンオフ用MOSFET
のチャネル領域CH2 が非導通となり、次いでターンオ
ン用MOSFETのチャネル領域CH1 、接続用MOS
FETのチャネル領域CH3 の順に導通する。ターンオ
フの際は、最初に接続用MOSFETのチャネル領域C
H3 が非導通となり、次いでターンオン用MOSFET
のチャネル領域CH1 が非導通となり、その後ターンオ
フ用MOSFETのチャネル領域CH2 が導通状態にな
る。
【0228】図138は、同じく図131の実施例の改
良型の素子構造を示す断面図である。の断面図は、図1
31,図135,図136,図137で示した平面図の
A−A′断面に対応しており、図132で示した断面構
造とすることもできる。この実施例では、ターンオン用
MOSFETのウェル層としてp型ベース層45とは別
にp型ウェル層91が形成されている。
【0229】この実施例によれば、p型ウェル層91の
濃度がp型ベース層45の濃度とは別に最適設定される
から、所望のしきい値電圧を得ることができる。この実
施例において、p型ベース層45の端の位置をどこに選
ぶかは、素子特性を決定する重要な要因になる。p型ベ
ース層45の端は、少なくともn型エミッタ層7よりは
n型ソース層72側に設定しなければ、p型ベース層4
5の端にアノード電流が集中することになる。またp型
ベース層45の端を第2のゲート電極95よりn型ソー
ス層72側に設定すれば、正孔の排出経路の拡散層抵抗
が低くなり、高いターンオフ能力を得ることができる。
【0230】本発明は、上記実施例に限られるものでは
なく、その趣旨を逸脱しない範囲でさらに種々変形して
実施することができる。
【0231】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、優
れたオン特性を維持しながら、ターンオフ能力の向上を
図った絶縁ゲート型サイリスタを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】埋込みゲート構造を用いた実施例に係る絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図2】図1の各部の導電型を逆にした実施例の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図3】両面に埋込みゲート構造を設けた実施例に係る
絶縁ゲート型サイリスタを示す図。
【図4】図3を変形した実施例の絶縁ゲート型サイリス
タを示す図。
【図5】図1の構造を変形して埋込み溝を深くした実施
例の絶縁ゲート型サイリスタを示す図。
【図6】埋込み溝をさらに深くした実施例の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図7】埋込み溝が基板を貫通する状態とした実施例の
絶縁ゲート型サイリスタを示す図。
【図8】微細チャネルの埋込みゲート型ダイオードの実
施例を示す図。
【図9】同じく微細チャネルの埋込みゲート型ダイオー
ドの実施例を示す図。
【図10】別の実施例の埋込みゲート構造の絶縁ゲート
型サイリスタおよびトランジスタを示す図。
【図11】図10を変形した実施例の絶縁ゲート型サイ
リスタおよびトランジスタを示す図。
【図12】図10を変形した実施例の絶縁ゲート型サイ
リスタおよびトランジスタを示す図。
【図13】図12を変形した実施例の絶縁ゲート型サイ
リスタおよびトランジスタを示す図。
【図14】図13の埋込み溝をより深くした実施例の絶
縁ゲート型サイリスタおよびトランジスタを示す図。
【図15】埋込み溝をさらに深くした実施例の絶縁ゲー
ト型サイリスタおよびトランジスタを示す図。
【図16】図10の構造を3次元的に展開した実施例の
絶縁ゲート型サイリスタおよびトランジスタと、トラン
ジスタの場合の等価回路を示す図。
【図17】図12の構造を3次元的に展開した実施例の
絶縁ゲート型サイリスタおよびトランジスタと、トラン
ジスタの場合の等価回路を示す図。
【図18】図16の実施例のホールバイパス部を縦型M
OSトランジスタにした実施例の絶縁ゲート型サイリス
タおよびトランジスタと、トランジスタの場合の等価回
路を示す図。
【図19】図17の実施例のホールバイパス部を縦型M
OSトランジスタにした実施例の絶縁ゲート型サイリス
タおよびトランジスタと、トランジスタの場合の等価回
路を示す図。
【図20】図18の構造のpチャネルMOSトランジス
タを溝間に組込んで3次元的に展開した実施例の絶縁ゲ
ート型サイリスタおよびトランジスタと、ゲート駆動波
形を示す図。
【図21】図19の構造のpチャネルMOSトランジス
タを溝間に組込んで3次元的に展開した実施例の絶縁ゲ
ート型サイリスタおよびトランジスタと、ゲート駆動波
形を示す図。
【図22】微細チャネルとした実施例の絶縁ゲート型サ
イリスタおよびトランジスタを示す図。
【図23】図22の溝深さを変更した実施例の絶縁ゲー
ト型サイリスタおよびトランジスタを示す図。
【図24】図22の一部導電型を変更した実施例の絶縁
ゲート型サイリスタおよびトランジスタを示す図。
【図25】図24の溝深さを変更した実施例の絶縁ゲー
ト型サイリスタおよびトランジスタを示す図。
【図26】図17の実施例のサイリスタの場合の断面構
造と等価回路図。
【図27】同じく図17の実施例のサイリスタの場合の
3次元構造と等価回路図。
【図28】アノード側に埋込みゲート構造を用いた実施
例の絶縁ゲート型サイリスタを示す図。
【図29】図28(b) の実施例の3次元的構造と等価回
路図。
【図30】図10の構造にアノード側にも埋込みゲート
構造を導入した実施例の絶縁ゲート型サイリスタを示す
図。
【図31】図30を変形した実施例の絶縁ゲート型サイ
リスタを示す図。
【図32】図31の実施例のサイリスタの3次元構造と
等価回路を示す図。
【図33】溝の間にカソード・エミッタと共にホールバ
イパス用のpチャネルMOSトランジスタを形成した実
施例の絶縁ゲート型サイリスタを示す図。
【図34】図33の構造をアノード側にも適用した実施
例の絶縁ゲート型サイリスタを示す図。
【図35】図33の実施例を変形した実施例の絶縁ゲー
ト型サイリスタを示す図。
【図36】図34の実施例を変形した実施例の絶縁ゲー
ト型サイリスタを示す図。
【図37】縦型のpチャネルMOSトランジスタとnチ
ャネルMOSトランジスタを溝間に形成した実施例の絶
縁ゲート型サイリスタの構造と等価回路図。
【図38】図37を変形した実施例の絶縁ゲート型サイ
リスタの構造と等価回路図。
【図39】図32の構造に縦型のpチャネルMOSトラ
ンジスタを導入した実施例の絶縁ゲート型サイリスタと
等価回路図。
【図40】図37を変形したアノード側にも埋込み絶縁
ゲートを導入した実施例の絶縁ゲート型サイリスタと等
価回路図。
【図41】図40の実施例を変形した実施例の絶縁ゲー
ト型サイリスタと等価回路図。
【図42】図41の実施例のカソード側に縦型のpチャ
ネルMOSトランジスタを導入した実施例の絶縁ゲート
型サイリスタと等価回路図。
【図43】平面ゲート構造を用いた実施例の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図44】図43の実施例の改良型の絶縁ゲート型サイ
リスタを示す図。
【図45】同じく図43の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図46】同じく図43の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図47】同じく図43の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図48】図47(a) の実施例のゲート駆動波形の例を
示す図。
【図49】図43の実施例を変形した実施例の絶縁ゲー
ト型サイリスタを示す図。
【図50】図49の実施例を変形した実施例の絶縁ゲー
ト型サイリスタを示す図。
【図51】図49および図50の改良型の絶縁ゲート型
サイリスタを示す図。
【図52】同じく図49および図50の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図53】同じく図49および図50の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図54】同じく図49および図50の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図55】同じく図49および図50の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図56】同じく図49および図50の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図57】同じく図49および図50の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図58】同じく図49および図50の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図59】同じく図49および図50の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図60】図43の実施例を変形した実施例の絶縁ゲー
ト型サイリスタを示す図。
【図61】図60の実施例を変形した実施例の絶縁ゲー
ト型サイリスタを示す図。
【図62】同じく図60の実施例を変形した実施例の絶
縁ゲート型サイリスタを示す図。
【図63】図60および図61の改良型の絶縁ゲート型
サイリスタを示す図。
【図64】同じく図60および図61の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図65】同じく図60および図61の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図66】同じく図60および図61の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図67】同じく図60および図61の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図68】同じく図60および図61の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図69】別の実施例の絶縁ゲート型サイリスタを示す
図。
【図70】図69の実施例の改良型の絶縁ゲート型サイ
リスタを示す図。
【図71】同じく図69の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図72】同じく図69の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図73】同じく図69の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図74】図69の実施例を変形した実施例の絶縁ゲー
ト型サイリスタを示す図。
【図75】図74の実施例の改良型の絶縁ゲート型サイ
リスタを示す図。
【図76】同じく図74の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図77】同じく図74の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図78】同じく図74の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図79】同じく図74の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図80】アノード側にカソード側と同様のスイッチン
グ用MOSトランジスタを平面構造で導入した実施例の
絶縁ゲート型サイリスタを示す図。
【図81】図80の実施例の改良型の絶縁ゲート型サイ
リスタを示す図。
【図82】同じく図80の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図83】同じく図80の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図84】同じく図80の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図85】同じく図80の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図86】同じく図80の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図87】同じく図80の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図88】埋込み絶縁ゲート構造の実施例の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図89】図88の実施例の改良型の絶縁ゲート型サイ
リスタを示す図。
【図90】同じく図88の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図91】同じく図88の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図92】同じく図88の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図93】同じく図88の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図94】平面構造のMOSトランジスタを用いた他の
実施例の絶縁ゲート型サイリスタを示す図。
【図95】図94の実施例の改良型の絶縁ゲート型サイ
リスタを示す図。
【図96】同じく図94の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図97】同じく図94の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図98】同じく図94の実施例の改良型の絶縁ゲート
型サイリスタを示す図。
【図99】平面構造のMOSトランジスタを用いた他の
実施例の絶縁ゲート型サイリスタを示す図。
【図100】図99の実施例の改良型の絶縁ゲート型サ
イリスタを示す図。
【図101】同じく図99の実施例の改良型の絶縁ゲー
ト型サイリスタを示す図。
【図102】同じく図99の実施例の改良型の絶縁ゲー
ト型サイリスタを示す図。
【図103】図43の実施例を変形した実施例の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図104】本発明の他の実施例の絶縁ゲート型サイリ
スタを示す平面図。
【図105】図104のA−A′断面図。
【図106】図104の実施例の改良型の絶縁ゲート型
サイリスタを示す図。
【図107】図106のA−A′断面図。
【図108】図104の実施例の改良型の絶縁ゲート型
サイリスタを示す図。
【図109】図108のA−A′断面図。
【図110】図108のB−B′断面図。
【図111】本発明の他の実施例の絶縁ゲート型サイリ
スタを示す平面図。
【図112】図111のA−A′断面図。
【図113】図111の実施例の改良型の絶縁ゲート型
サイリスタを示す図。
【図114】図113のA−A′断面図。
【図115】図111の実施例の改良型の絶縁ゲート型
サイリスタを示す図。
【図116】図115のA−A′断面図。
【図117】図115のB−B′断面図。
【図118】本発明の他の実施例の絶縁ゲート型サイリ
スタを示す平面図。
【図119】図118のA−A′断面図。
【図120】図118の実施例の改良型の絶縁ゲート型
サイリスタを示す図。
【図121】図120のA−A′断面図。
【図122】図118の実施例の改良型の絶縁ゲート型
サイリスタを示す図。
【図123】図122のA−A′断面図。
【図124】図122のB−B′断面図。
【図125】図118の実施例の改良型の絶縁ゲート型
サイリスタを示す図。
【図126】図125のA−A′断面図。
【図127】本発明の他の実施例の絶縁ゲート型サイリ
スタを示す平面図。
【図128】図127のA−A′断面図。
【図129】図127のB−B′断面図。
【図130】図127のC−C′断面図。
【図131】本発明の他の実施例の絶縁ゲート型サイリ
スタを示す平面図。
【図132】図131のA−A′断面図。
【図133】図131のB−B′断面図。
【図134】図131のC−C′断面図。
【図135】図131の実施例の改良型の絶縁ゲート型
サイリスタを示す図。
【図136】同じく図131の実施例の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図137】同じく図131の実施例の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタを示す図。
【図138】同じく図131の実施例の改良型の絶縁ゲ
ート型サイリスタのA−A′断面図。
【図139】従来の絶縁ゲート型サイリスタを示す図。
【図140】従来の他の絶縁ゲートサイリスタを示す
図。
【図141】従来の他の絶縁ゲート型サイリスタを示す
図。
【符号の説明】
1…n型ベース層、 2…n型バッファ層、 3…p型エミッタ層、 4…溝、 5…絶縁ゲート電極、 6…チャネル領域、 7…n型エミッタ層、 8…p型ソース層、 9…n型チャネル層、 10…n型ドレイン層、 11…アノード電極、 12…カソード電極、 35…溝、 36…絶縁ゲート電極、 41…カソード電極、 41b…ドレイン電極、 45…p型ベース層、 46…ゲート電極、 47…n型チャネル層、 54…n型チャネル層、 56…n型ウェル層(エミッタ層)、 57…p型ウェル層、 58…p型ウェル層(エミッタ層) 59…n型ウェル層、 61…p型ウェル層、 62…n型ソース層、 71…p+ 型層、 72…n型ソース層、 73…ゲート絶縁膜、 74…ゲート電極、 78…n型ソース層、 79…ゲート絶縁膜、 80…ゲート電極、 81,82…p型ウェル層、 83…n+ 型層、 84…p型ウェル層、 91…p型ウェル層、 92…n型ウェル層、 93…p型ソース層、 94…ゲート絶縁膜、 95…ゲート電極、 100…n+ 型層、 101…p型ソース層、 102…ゲート絶縁膜、 103…ゲート電極、 104…層間絶縁膜、 105…コンタクトホール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/784 9168−4M H01L 29/78 321 J 9168−4M 321 V (72)発明者 山口 正一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の一方の面に形成された第1導
    電型の第1の主電極領域と、 前記第1導電型ベース層の他方の面に形成された第2導
    電型の第2の主電極領域と、 前記第1の主電極領域から第1導電型ベース層の途中ま
    で達する深さをもって形成された、所定間隔で対向する
    少なくとも一対の溝と、 前記溝の内部に埋込み形成された絶縁ゲート電極と、 前記第1導電型ベース層内の第2導電型キャリアを外部
    に排出するためのターンオフ用絶縁ゲート型トランジス
    タ構造と、 を備えたことを特徴とする絶縁ゲート型サイリスタ。
  2. 【請求項2】前記溝の間の前記第1導電型ベース層底部
    に第2導電型チャネル層が埋込み形成されてターンオン
    用絶縁ゲート型トランジスタが構成され、前記溝の間の
    前記第1の主電極領域表面に複数の第2導電型領域が分
    散配置され、これら第2導電型領域下の第1の主電極領
    域を第2導電型チャネル層として、ターンオフ用絶縁ゲ
    ート型トランジスタが構成されていることを特徴とする
    請求項1記載の絶縁ゲート型サイリスタ。
  3. 【請求項3】第1導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の一方の面に形成された第2導
    電型ベース層と、 前記第2導電型ベース層表面に形成された第1導電型の
    第1の主電極領域と、 前記第1導電型ベース層の他方の面に形成された第2導
    電型の第2の主電極領域と、 前記第1の主電極領域から第1導電型ベース層に達する
    深さで所定間隔をもって対向するように形成された少な
    くとも一対の溝と、 前記溝の内部に埋込み形成された絶縁ゲート電極と、 前記第1導電型ベース層内の第2導電型キャリアを外部
    に排出するためのターンオフ用絶縁ゲート型トランジス
    タ構造と、 を備えたことを特徴とする絶縁ゲート型サイリスタ。
  4. 【請求項4】第1導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の一方の面に選択的に形成され
    た第2導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の他方の面に形成された第2導
    電型エミッタ層と、 前記第2導電型ベース層の表面に形成された第1導電型
    エミッタ層と、 前記第1導電型ベース層の前記一方の面に前記第2導電
    型ベース層に隣接して形成された第2導電型ウェル層
    と、 前記第2導電型ウェル層の表面に形成された第1導電型
    ソース層と、 前記第1導電型エミッタ層と第1導電型ソース層に挟ま
    れた領域の前記第2導電型ベース層,第2導電型ウェル
    層および第1導電型ベース層表面に形成された絶縁ゲー
    ト電極と、 前記第1導電型ソース層および第2導電型ウェル層に同
    時にコンタクトして形成された第1の主電極と、 前記第2導電型エミッタ層に形成された第2の主電極
    と、 を備えたことを特徴とする絶縁ゲート型サイリスタ。
  5. 【請求項5】第1導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の一方の面に選択的に形成され
    た第2導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の他方の面に形成された第2導
    電型エミッタ層と、 前記第2導電型ベース層の表面に形成された第1導電型
    エミッタ層と、 前記第1導電型ベース層の前記一方の面に前記第2導電
    型ベース層に隣接して形成された第2導電型ウェル層
    と、 前記第1導電型ベース層の前記第2導電型ベース層と第
    2導電型ウェル層の間に形成された高抵抗の第2導電型
    チャネル層と、 前記第2導電型ウェル層の表面に形成された第1導電型
    ソース層と、 前記第2導電型チャネル層表面に形成された絶縁ゲート
    電極と、 前記第1導電型ソース層および第2導電型ウェル層に同
    時にコンタクトして形成された第1の主電極と、 前記第2導電型エミッタ層に形成された第2の主電極
    と、 を備えたことを特徴とする絶縁ゲート型サイリスタ。
  6. 【請求項6】第1導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の一方の面に選択的に形成され
    た第2導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の他方の面に形成された第2導
    電型エミッタ層と、 前記第2導電型ベース層の表面に所定間隔をおいて形成
    された第1導電型エミッタ層および第1導電型ソース層
    と、 前記第2導電型ベース層の表面に前記第1導電型ソース
    層と連続して形成された第1導電型ウェル層と、 前記第1導電型ウェル層の表面に形成された第2導電型
    ソース層と、 前記第1導電型エミッタ層と第1導電型ソース層に挟ま
    れた領域の第2導電型ベース層上に形成された第1の絶
    縁ゲート電極と、 前記第2導電型ソース層と第2導電型ベース層に挟まれ
    た領域の前記第1導電型ウェル層上に形成された第2の
    絶縁ゲート電極と、 前記第1導電型ソース層および第2導電型ソース層に同
    時にコンタクトして形成された第1の主電極と、 前記第2導電型エミッタ層に形成された第2の主電極
    と、 を備えたことを特徴とする絶縁ゲート型サイリスタ。
  7. 【請求項7】第1導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の一方の面に選択的に形成され
    た第2導電型ベース層ース層と、 前記第1導電型ベース層の他方の面に形成された第2導
    電型エミッタ層と、 前記第2導電型ベース層の表面に所定間隔をおいて形成
    された第1導電型エミッタ層および第1導電型ソース層
    と、 前記第2導電型ベース層の表面に前記第1導電型エミッ
    タ層と連続して形成された第1導電型ウェル層と、 前記第1導電型ウェル層の表面に形成された第2導電型
    ソース層と、 前記第1導電型エミッタ層と第1導電型ソース層に挟ま
    れた領域の第2導電型ベース層上に形成された第1の絶
    縁ゲート電極と、 前記第2導電型ソース層と第2導電型ベース層に挟まれ
    た領域の前記第1導電型ウェル層上に形成された第2の
    絶縁ゲート電極と、 前記第1導電型ソース層にコンタクトして形成された第
    1の主電極と、 前記第2導電型エミッタ層に形成された第2の主電極
    と、 を備えたことを特徴とする絶縁ゲート型サイリスタ。
  8. 【請求項8】前記第2の絶縁ゲート電極を設けないこと
    を特徴とする請求項6または7記載の絶縁ゲート型サイ
    リスタ。
  9. 【請求項9】第1導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の一方の面に形成された第1導
    電型の第1の主電極領域と、 前記第1の主電極領域を貫通して前記第1導電型ベース
    層内に達する深さに形成された、所定間隔をもって対向
    する少なくとも一対の第1の溝と、 前記第1の溝内に埋込み形成された第1の絶縁ゲート電
    極と、 前記第1導電型ベース層の他方の面に第2導電型チャネ
    ル層を介して形成された第2導電型の第2の主電極領域
    と、 前記第2の主電極領域および第2導電型チャネル層を貫
    通して前記第1導電型ベース層内に達する深さに形成さ
    れた、所定間隔をもって対向する少なくとも一対の第2
    の溝と、 前記第2の溝内に埋込み形成された第2の絶縁ゲート電
    極と、 を備えたことを特徴とする絶縁ゲート型サイリスタ。
  10. 【請求項10】半導体基板内部に形成された第1導電型
    ベース層と、 前記基板の一方の面に前記第1導電型ベース層に達する
    深さに形成された、微小間隔をもって対向する少なくと
    も一対の第1の溝と、 前記第1の溝に埋込み形成された第1の絶縁ゲート電極
    と、 前記基板の他方の面に前記第1導電型ベース層に達する
    深さに形成された、微小間隔をもって対向する少なくと
    も一対の第2の溝と、 前記第2の溝内に埋込み形成された第2の絶縁ゲート電
    極と、 前記基板の前記第1の溝に挟まれた領域に前記第1導電
    型ベース層に接して形成された第1導電型または第2導
    電型の第1のチャネル層と、 前記第1のチャネル層表面に形成された第1導電型の第
    1の主電極領域と、 前記基板の前記第2の溝に挟まれた領域に前記第1導電
    型ベース層に接して形成された第1導電型または第2導
    電型の第2のチャネル層と、 前記第2のチャネル層表面に形成された第2導電型の第
    2の主電極領域と、 を備えたことを特徴とする絶縁ゲート型サイリスタ。
  11. 【請求項11】第1導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の一方の面に形成された第2導
    電型ベース層と、 前記第2導電型ベース層の表面に形成された第1導電型
    チャネル層と、 前記第1導電型チャネル層表面に形成された第1導電型
    の第1の主電極領域と、前記第1導電型ベース層の他方
    の面に形成された第2導電型の第2の主電極領域と、 前記第1の主電極領域から第1導電型ベース層に達する
    深さをもって形成された所定間隔をおいて対向する少な
    くとも一対の溝と、 前記溝に埋込み形成された絶縁ゲート電極と、 を備えたことを特徴とする絶縁ゲート型サイリスタ。
  12. 【請求項12】第1導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の一方の面に形成された第2導
    電型ベース層と、 前記第2導電型ベース層表面に形成された第1導電型の
    第1の主電極領域と、 前記第1導電型ベース層の他方の面に形成された第2導
    電型チャネル層と、 前記第2導電型チャネル層表面に形成された第2導電型
    の第2の主電極領域と、前記第2の主電極領域から少な
    くとも前記第2導電チャネル層の途中にまで達する深さ
    に形成された所定間隔をおいて対向する少なくとも一対
    の溝と、 前記溝に埋込み形成された絶縁ゲート電極と、 を備えたことを特徴とする絶縁ゲート型サイリスタ。
  13. 【請求項13】第1導電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層の一方の面に形成された第2導
    電型ベース層と、 前記第2導電型ベース層上に形成された第1導電型チャ
    ネル層と、 前記第1導電型チャネル層上に形成された第2導電型チ
    ャネル層と、 前記第2導電型チャネル層上に形成された第1導電型の
    第1の主電極領域と、 前記第1導電型ベース層の他方の面に形成された第2導
    電型の第2の主電極領域と、 前記第1の主電極領域から前記第1導電型ベース層に達
    する深さに形成された所定間隔をもって対向する少なく
    とも一対の溝と、 前記溝に埋込み形成された絶縁ゲート電極と、 を備えたことを特徴とする絶縁ゲート型サイリスタ。
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