JPH0541112U - トロイダルコイル用ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 トロイダルコイルの巻線のばらつきがあって
も同一条件で平面状態で基板に実装でき、巻線の絶縁加
工も簡単にできるトロイダルコイル用ケースを供する。 【構成】 ２個の絶縁樹脂製蓋付円筒７，９を向かい合
わせて成り、その中に巻線されたトロイダルコア１を収
納して、トロイダルコイルを形成するトロイダルコイル
用ケースにおいて、ケース片Ａ７、ケース片Ｂ９の蓋部
１７、１９の中央にトロイダルコイル２を基板等に固定
するに要する大きさのねじが通る大きさの固定ねじ用貫
通孔１２が設けられたトロイダルコイル用ケース。 【効果】 トロイダルコイルの基板等への実装が確実
に、かつ簡単にでき、又、トロイダルコイルと外部の部
品配線との絶縁も簡単で確実に行える経済的なトロイダ
ルコイル用ケースが供給できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電子部品用ケースの構造に係わり、特にトロイダルコイル用ケースに 関係する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のトロイダルコイルは、図３に示すように、トロイダルコア１を 絶縁塗装するか絶縁ケースで保護したものに、巻線２を施し、巻線２の先端をリ ード線４として半田仕上げし、トロイダルコア１と巻線２を絶縁樹脂等で被覆し ている。この巻線上がりのトロイダルコア３を基板５等に実装する場合、リード 線４を基板５のスルーホールに挿通し、その後中央に貫通孔を有する円板状の絶 縁性の押え板１５で上方から押え、中央の貫通孔にねじ１６を通し固定していた 。この場合トロイダルコイルの巻線のばらつきにより、大きさが方向により異な り、図３に示す様に、基板に固定したとき傾きを発生し、リード線が斜めになり 未半田部２１が基板下に露れ、半田仕上げが完全に行えない等の問題がある。又 トロイダルコイルを他の配線と絶縁するための含浸作業は汚れ易く、作業が繁雑 であるという問題がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、前述の問題を解消し、トロイダルコイルの製作に当たり、巻 線のばらつきがあっても同一条件で平面状態で基板に実装でき、巻線の絶縁加工 も簡単にできるトロイダルコイル用ケースを供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前述の課題を解決するため、２個の絶縁樹脂製蓋付円筒を向かい合 わせて成り、その中に巻線上がりのトロイダルコアを収納して、トロイダルコイ ルを形成するトロイダルコイル用ケースにおいて、各ケース材の蓋部中央にトロ イダルコイルを基板等に固定するに要する大きさのねじが通る大きさの貫通孔が 設けられたことを特徴とするトロイダルコイル用ケースを供する。

【０００５】

【作用】

２個の蓋付円筒状のケース片の内側に、巻線上がりのトロイダルコアを収納し 、巻線の終端をケース片の蓋部に設けたリード線引き出し穴から引き出し、所定 の長さに半田仕上げすることにより、トロイダルコイルが完成する。ケースはコ イルの外部との絶縁と、巻線の形状を整形し、基板等への取り付け時の押え板の 役目を持ち、実装作業を簡単で確実にする。更にトロイダルコイルの巻線と固定 用ねじとの絶縁距離が不十分な場合でも、前記ケース片の蓋部の内側に固定ねじ 用貫通孔と同じ内径の円筒を設けることにより十分な絶縁が得られる構造である 。又、ケース片の内筒部には互いに係合し、２個のケース片が巻線上がりのトロ イダルコアを収納したとき簡単に固定できる様、係止用突部と係止用凹部を各々 に設けることにより、取り扱いを容易くできる構造である。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を用いて説明する。図１は本考案の実施例 のトロイダルコイル用ケースの外観斜視図である。図２は図１に示す本考案の実 施例のケースを用いたトロイダルコイルの組立を説明する分解外観斜視図である 。

【０００７】 図２に示すように、絶縁性の樹脂により成る蓋部１７、１９、円筒部１８、２ ０を各々一体に成形されたケース片Ａ７、ケース片Ｂ９の２個のケース片を組み 合わせて用いる。ケース片の内側はトロイダルコア１に巻線２を施した巻線上が りのトロイダルコア３を収納したとき、巻線を押え込む様コアの大きさに巻線の 寸法を加えた寸法より若干大きい寸法に設定してある。ケース片の１個には巻線 上がりのトロイダルコア３のリード線４を引き出すため、リード線引き出し穴６ が加工されている（本例ではケース片Ｂ９に２個）。又、ケース片には取り扱い を容易くするため、本例ではケース片Ａ７の円筒部１８の先端をケース片Ｂ９と 嵌合いとなる様段加工され、側面に係止用突部８が加工されている。対応するケ ース片Ｂ９の円筒部２０の内側には係止用凹部１０が設けてあり、巻線上がりの トロイダルコア３を収納してケースを組み立てたとき巻線上がりのトロイダルコ ア３を保持した状態で固定できる様な構造にしてある。ケース片の蓋部１７、１ ９には各々中央部に基板等に固定するとき用いるねじのねじ部の大きさよりわず かに大きい固定ねじ用貫通孔１２が設けてある。ケース片の蓋部１７、１９の内 側の固定ねじ用貫通孔１２の周りにはコイルねじ間の絶縁距離が確保できない場 合、必要により図１のケース片Ｂ９の内側に鎖線で記すように、内側円筒１１を 設けることにより絶縁が確保される様配慮されている。以上の構造のトロイダル コイル用ケースを用いて、図１に示すコイルが作製できる。このトロイダルコイ ルを基板上に装着しケース片Ａ７の上から固定ねじ用貫通孔１２にねじを通して 固定した所、絶縁被覆処理や押え板を使用せず、十分な絶縁と安定した装置がで き作業工数を削減できた。本考案は、従来用いられているトロイダルコイルのコ アと巻線の間を絶縁するための有底２重円筒を組み合わせた絶縁ケースとはその 目的機能が異なり、実装時の作業性を改善し、トロイダルコイルの巻線と他の部 品との絶縁性を得ることを目的とするものである。

【０００８】

【考案の効果】

以上、説明したように、本考案は、トロイダルコイルの基板等への実装が確実 に、かつ簡単にできる、又、トロイダルコイルと外部の部品配線との絶縁も簡単 で確実に行える経済的なトロイダルコイル用ケースが供給できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例のトロイダルコイル用ケースの
外観斜視図。

【図２】図１に示す本考案の実施例のケースを用いたト
ロイダルコイルの組立を説明する分解外観斜視図。

【図３】従来のトロイダルコイルを基板に取り付けた状
態を示す正面断面図。

【符号の説明】

１ トロイダルコア ２ 巻線 ３ 巻線上がりのトロイダルコア ４ リード線 ５ 基板 ６ リード線引き出し穴 ７ ケース片Ａ ８ 係止用突部 ９ ケース片Ｂ １０ 係止用凹部 １１ 内側円筒 １２ 固定ねじ用貫通孔 １３ モールド樹脂 １４ 半田仕上げ部 １５ 押え板 １６ ねじ １７ 蓋部 １８ 円筒部 １９ 蓋部 ２０ 円筒部 ２１ 未半田部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２個の絶縁樹脂製蓋付円筒を向かい合わ
   せて成り、その中に巻線上がりのトロイダルコアを収納
   して、トロイダルコイルを形成するトロイダルコイル用
   ケースにおいて、各ケース片の蓋部中央にトロイダルコ
   イルを基板等に固定するに要する大きさのねじが通る大
   きさの貫通孔が設けられたことを特徴とするトロイダル
   コイル用ケース。