JPH0539869U - ドライバ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ねじをドライバ軸の先端に機械的に把持して
ねじの落下を防止し、かつ、種々の大きさのねじに適用
できる。 【構成】 ドライバ軸２の先端部の外側に拡開自在かつ
ドライバ軸２の軸方向に移動自在に設けられた抱持体７
と、抱持体７の先端部の内側に形成されドライバ軸２の
先端に当接したねじ１２の頭部１３を抱持する抱持部１
１と、抱持部１１をドライバ軸２の先端側へ付勢するば
ね６と、ドライバ軸２に沿い位置調整自在に設けられ抱
持部１１をねじ１２を抱持する位置に位置決めするスト
ッパ６と、抱持体７の外側にドライバ軸２の軸方向に調
整自在に設けられた調整体１７と、調整体１７の先端部
に形成され抱持体７の外面に当接して抱持部１１の開度
を調整する調整部１９とを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ねじの取り付け，取り外しを容易にするドライバに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、十字穴付きねじ，すりわり付きねじ等のねじの取り付けに際しては、ね じ穴に当てがったねじを左手で支え、右手でドライバの把手を把持するとともに ドライバ軸の先端をねじの頭部に当てがい、把手を回転して取り付けるとともに 締め付けている。また、ねじの取り外しに際しても、浮き上ってきたねじを左手 で支え、取り外されたねじを左手で把持している。 また、鉄製のねじの場合、ドライバ軸を磁化し、その磁力でねじを吸着するよ うにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の左手でねじを支える場合、ねじが小形になる程ねじを支え難く、特に配 線や器具などが込み入った狭い場所では、手が入り難く手を添えることも困難で あり、締め付け前のねじ及び取り外し後のねじを把持し難く、ねじを落下させて 終うという問題点がある。

【０００４】 また、ドライバ軸を磁化した場合、取り付け時、右手のみでねじをねじ穴に当 てがって締め付け難く、ねじがドライバ軸から外れ、さらに、取り付け前，取り 外し後、ドライバ軸の先端に磁力により吸着しているねじが、周囲の配線その他 の部品に接触すると落下して終う。また、黄銅，燐青銅等の非磁性体のねじには 適用できないという問題点がある。 本考案は、前記の点に留意し、ねじをドライバ軸の先端に機械的に把持してね じの落下を防止し、かつ種々の大きさのねじに適用できるドライバを提供するこ とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、本考案のドライバは、ドライバ軸を装着した把手 と、ドライバ軸の先端部の外側に拡開自在かつドライバ軸の軸方向に移動自在に 設けられた抱持体と、抱持体の先端部の内側に形成されドライバ軸の先端に当接 したねじの頭部を抱持する抱持部と、抱持部をドライバ軸の先端側へ付勢するば ねと、ドライバ軸に沿い位置調整自在に設けられ抱持部をねじを抱持する位置に 位置決めするストッパと、抱持体の外側にドライバ軸の軸方向に調整自在に設け られた調整体と、調整体の先端部に形成され抱持体の外面に当接して抱持部の開 度を調整する調整部とを備えたものである。

【０００６】

【作用】

前記のように構成された本考案のドライバは、ねじの取り付け時、ドライバ軸 の先端部の外側に設けられた抱持体が拡開自在であるため拡開し、内側の抱持部 でドライバ軸の先端に当接したねじの頭部を強固に抱持し、ばねによりその抱持 状態を維持でき、ドライバ軸の回転によるねじのねじ穴へのねじ込みにより、抱 持体の先端が取付面に当接しつつばねを圧縮して抱持体が後退し、ねじを片手で 取り付けることができる。

【０００７】 また、ねじの取り外し時は、抱持体の先端を取付面に押し付け、ばねを圧縮し て抱持体を後退させ、ドライバ軸の先端をねじの頭部に当てがって逆回転するこ とにより、ねじの浮き上りにつれて抱持体の抱持部がねじを抱持する状態になり 、ねじを抱持して取り外すことができる。

【０００８】 さらに、ねじの大きさに応じ、ストッパの位置を調整してドライバ軸の先端に 対する抱持体の抱持部の位置を調整し、調整体の位置を調整して調整部により抱 持部の開度を調整し、種々の大きさのねじに適用できる。 かつ、非磁性体のねじにも適用できる。

【０００９】

【実施例】 １実施例について図１ないし図３を参照して説明する。１はドライバの把手、 ２は把手１に固着されたドライバ軸、３は軸２の基部に嵌入して固着された円筒 形のベース、４は基部がベース３に固着された円筒形のガイドであり、内径が軸 ２の径より大であり、軸２の外面との間に空隙５が形成されている。６は空隙５ に挿入された圧縮ばねであり、一端がベース３に固着されている。

【００１０】 ７は抱持体、８は抱持体７の基部の円形の環体であり、軸２に遊挿され、軸２ の軸方向に移動自在に設けられ、ばね６の他端が固着されている。９は基部が環 体８に連結された２個の抱持片であり、軸２とガイド４の間を通り軸２の先端部 の先まで導出され、軸２の先端部の外側に拡開自在である。１０は抱持片９の先 端に外広がりに形成された先端ガイド、１１は抱持片９の先端部の内側に内広が りに形成された抱持部であり、図１に示すように、軸２の先端にねじ１２の頭部 １３が当接した状態でねじ１２が抱持体７により機械的に安定に抱持される。１ ４はねじ１２の座金である。

【００１１】 １５は軸２に沿い位置調整自在に設けられたストッパであり、絶縁物からなる 柔軟なパイプ状であり、軸２に嵌入され、抱持体７の内側に位置し、ストッパ１ ５の基部に環体８がばね６により当接して抱持体７が位置決めされる。

【００１２】 １６はガイド４の外面に形成されたおねじ、１７は円筒状の調整体であり、内 面のめねじ１８がおねじ１６に螺合し、抱持体７の外側に位置し、軸２の軸方向 に位置が調整自在である。１９は調整体１７の先端部に形成された調整部であり 、抱持片９の外面に当接し、抱持部１１の開度を調整する。２０は取付体２１に 形成されたねじ穴である。

【００１３】 つぎに、ねじ１２の取り付けに際しては、両先端ガイド１０間からねじ１２の 頭部１３を押し入れ、頭部１３を軸２の先端に当接し、抱持部１１により頭部１ ３を抱持する。

【００１４】 このとき、ねじ１２の大きさに応じ、ねじ１２が抱持部１１に強固に安定に抱 持されるよう、軸２の先端に対し抱持部１１を適切な位置に位置させるべく、ス トッパ１５の位置を調整し、かつ、抱持部１１にねじ１２が円滑に出入りするよ う、調整体１７即ち調整部１９の位置を調整し、抱持部１１の開度を調整する。

【００１５】 そして、ねじ１２をねじ穴２０に当てがい、把手１を回転しねじ１２をねじ込 んで行くと、抱持片９の先端が取付体２１の取付面に当接し、図３に示すように 抱持体７が把手１側に後退し、ねじ終ったときは、図２に示すように、ねじ１２ の頭部１３が抱持体７から脱出し、ねじ込みが完了する。

【００１６】 つぎに、ねじ１２の取り外しに際しては、図２に示すように両抱持片９の先端 をねじ１２の頭部１３の周縁を経て取付体２１の取付面に当てがい、ドライバ軸 ２を押し込んでばね６を縮め、軸２の先端をねじ１２の頭部１３に当がい、把手 １を逆回転し、ねじ１２の浮き上りとばね６の復元力により図３に示す状態を経 て図１に示す状態になり、ねじ１２が抱持部１１により抱持され、ねじ１２の取 り外しを行う。

【００１７】 なお、抱持片９の断面を弧状にすることにより、ねじ１２の抱持が安定し、抱 持片９の個数は多い方が安定に抱持できる。 また、抱持体７の形成は板体から環体８と各抱持片９を一体に打抜き、各抱持 片９を折り起すのが望ましい。

【００１８】 また、ベース３はガイド４と一体に形成するほか、ベース３を省き、ガイド４ 及びばね６を直接把手１に装着してもよい。 その上、ドライバ軸２の先端部を磁化しておけば、ねじ１２及び座金１４の支 持がより円滑に行われる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているため、つぎに記載する効果を奏 する。 ねじ１２の取り付け時、ドライバ軸２の先端部の外側に設けられた抱持体７が 拡開自在であるため拡開し、内側の抱持部１１でドライバ軸２の先端に当接した ねじ１２の頭部１３を強固に抱持し、その抱持状態を維持でき、ドライバ軸２の 回転によるねじ１２のねじ穴２０へのねじ込みにより、抱持体７の先端が取付面 に当接しつつばね６を圧縮して抱持体７が後退し、ねじ１２を片手で取り付ける ことができ、狭い場所でねじ１２に手を添えることができない場合でも、容易に 取り付けることができる。

【００２０】 また、ねじ１２の取り外し時も、抱持体７の先端を取付面に押し付けて抱持体 ７を後退させ、ドライバ軸２の先端をねじ１２の頭部１３に当てがって逆回転す ることにより、ねじ１２の浮き上りにつれて抱持体７の抱持部１１がねじ１２を 抱持する状態になり、ねじ１２を抱持して容易に取り外すことができる。

【００２１】 さらに、ねじ１２の大きさに応じ、ストッパ１５の位置を調整してドライバ軸 ２の先端に対する抱持体７の抱持部１１の位置を調整し、調整体１７の位置を調 整して調整部１９により抱持部１１の開度を調整することができ、種々の大きさ のねじ１２に適用することができる。 かつ、非磁性体のねじにも適用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例の切断正面図である。

【図２】図１の他の状態を示す図である。

【図３】図１のさらに他の状態を示す一部の図である。

【符号の説明】

１ 把手 ２ ドライバ軸 ６ ばね ７ 抱持体 １１ 抱持部 １２ ねじ １３ 頭部 １５ ストッパ １７ 調整体 １９ 調整部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドライバ軸を装着した把手と、前記ドラ
   イバ軸の先端部の外側に拡開自在かつ前記ドライバ軸の
   軸方向に移動自在に設けられた抱持体と、該抱持体の先
   端部の内側に形成され前記ドライバ軸の先端に当接した
   ねじの頭部を抱持する抱持部と、該抱持部を前記ドライ
   バ軸の先端側へ付勢するばねと、前記ドライバ軸に沿い
   位置調整自在に設けられ前記抱持部をねじを抱持する位
   置に位置決めするストッパと、前記抱持体の外側に前記
   ドライバ軸の軸方向に調整自在に設けられた調整体と、
   該調整体の先端部に形成され前記抱持体の外面に当接し
   て前記抱持部の開度を調整する調整部とを備えたドライ
   バ。