JPH0539519Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0539519Y2
JPH0539519Y2 JP1988127255U JP12725588U JPH0539519Y2 JP H0539519 Y2 JPH0539519 Y2 JP H0539519Y2 JP 1988127255 U JP1988127255 U JP 1988127255U JP 12725588 U JP12725588 U JP 12725588U JP H0539519 Y2 JPH0539519 Y2 JP H0539519Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
collimator
ray
rays
groove
multilayer film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1988127255U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0248897U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP1988127255U priority Critical patent/JPH0539519Y2/ja
Publication of JPH0248897U publication Critical patent/JPH0248897U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0539519Y2 publication Critical patent/JPH0539519Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、細長い孔の内面でX線を回折させ
ることによつてX線を導くX線コリメータに関す
る。
[従来の技術] X線回折装置などにおいては、スポツト状のX
線を試料に照射する場合がある。そのためには、
X線をピンホールによつて絞ることが行われてい
る。しかし、ピンホールで絞ると、X線の強度が
非常に弱くなり、不都合な場合がある。
そこで、X線の強度をそれほど減少させること
なくスポツト状のX線を得ることができるような
X線コリメータがいくつか知られている。たとえ
ば、特開昭62−115400号公報には、テープの内面
に多層膜を形成して、このテープをパイプ状に巻
くことによつて、X線コリメータとする技術が開
示されている。これによれば、多層膜による回折
現象によつてX線を効率良く導くことができると
されている。
このようにテープを利用するのは、細長い孔の
内面に直接多層膜を蒸着などで形成するのは困難
だからである。
[考案が解決しようとする課題] 上述した従来のX線コリメータでは、多層膜を
形成したテープをパイプ状に巻いているが、この
巻き作業は比較的面倒であると思われる。また、
孔の内面に段が形成されないようにテープを突き
合わせていくのも大変であるように思われる。
この考案の目的は、細長い孔の内面に多層膜を
有していて、かつ、製作が容易なX線コリメータ
を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、この考案に係るX線
コリメータは、複数のコリメータ部品のそれぞれ
に、長手方向に延びる溝が形成され、この溝の内
面に、少なくとも2種類の非晶質薄膜層が交互に
重ね合わされて多層膜が形成され、各コリメータ
部品の溝が互いに向き合つて一つの円形断面の貫
通孔を構成するようにこれらコリメータ部品が互
いに組み合わされている。
コリメータ部品の数は、好ましくは2個とされ
る。この場合、溝の断面形状は半円形とされる。
もちろん、3個以上のコリメータ部品を結合する
ことによつてもこの考案のX線コリメータを作る
ことができる。
多層膜は、回折現象が十分認められる程度まで
非晶質薄膜層を重ねる必要がある。すなわち、所
定の繰返し単位を、少なくとも20単位程度重ねる
必要がある。
非晶質薄膜層は、少なくとも2種類が必要であ
る。1種類の非晶質薄膜層だけでは回折現象が生
じない。種類の異なる非晶質薄膜層の境界で回折
が生じるからである。なお、各薄膜層が結晶質で
あると、この結晶自体でX線が回折を生じてしま
うので、これを避けるために、各薄膜層は非晶質
にされている。
非晶質薄膜層の材質としては、境界で回折が生
じるかぎり任意の材質の組み合わせを利用でき
る。たとえば、タングステンとシリコンの組み合
わせ、タングステンとカーボンの組み合わせなど
が考えられる。
[作用] このX線コリメータは次のように作られる。ま
ず、それぞれのコリメータ部品に、円弧形状の断
面を有する溝を形成する。この溝に、少なくとも
2種類の非晶質薄膜層を交互に形成する。その
後、コリメータ部品を互いに結合して、一つの円
形断面を構成し、細長い孔を形成する。
このX線コリメータの細長い孔の中にX線が入
ると、孔の内面の多層膜でX線が回折して、X線
コリメータの他端まで導かれる。
[実施例] 次に、図面を参照してこの考案の実施例を説明
する。
第1図は本考案の一実施例の、一部を切り取つ
た斜視図である。このX線コリメータは、同一形
状の二つのコリメータ部品10と20から構成さ
れている。したがつて、以下の説明では、片方の
コリメータ部品10についてだけ説明する。
コリメータ部品10は、断面が略長方形の、細
長い形状をしている。長手方向に延びる端面14
の中央には、長手方向に溝12が形成され、この
溝12の断面は半円形にされている。そして、コ
リメータ10と20を、互いの端面14で重ね合
わせると、二つの溝12によつて円形断面の細長
い孔が形成される。またX線コリメータの外形は
正方形断面となる。
この実施例では、X線コリメータの長さLは、
120mmであり、正方形の一辺の長さAは10mmであ
る。半円形の溝12の半径は0.5mmである。すな
わち、X線コリメータの細長い孔の直径は1mmで
ある。
第2図は、溝12の内面の拡大断面図である。
なお、この図では、理解を容易にするために、各
層の厚さ方向の尺度は、適当に拡大または縮小し
てある。
第2図において、コリメータ部品は石英ガラス
50で作られていて、溝12の内面には、厚さが
1500〜2000オングストロームのニツケル層40が
コーテイングされている。ニツケル層40の上に
は多層膜30が形成されている。この多層膜30
は、厚さ12オングストロームのタングステン層3
2と、厚さ17オングストロームのカーボン層34
とを交互に重ね合わせて形成されている。第2図
では、理解を容易にするために、多層膜のうち、
数個の層だけを描いてあるが、実際は、タングス
テン層32とカーボン層34がそれぞれ200層ず
つ、合計400層が形成されている。
すなわち、この実施例では、一つのタングステ
ン層32と一つのカーボン層34とでできた、厚
さ29オングストロームの繰返し単位が、200単位
だけ重ね合わされている。その結果、多層膜30
の厚さは5800オングストロームとなる。
細長い孔の内面に直接多層膜を形成する場合と
違つて、半円形断面の溝の内面に多層膜を形成す
るのは容易であり、したがつて、この実施例のコ
リメータは製作が簡単である。なお、この実施例
の多層膜は、蒸着で形成されている。
第1図に戻つて、コリメータ部品10の、重ね
合わせのための端面14も、溝12の内面と同様
にニツケルコーテイングされている。また、コリ
メータ部品10を形作る石英ガラスは、端面14
と溝12の内面では、10オングストローム程度の
表面粗さに仕上げられている。コリメータ部品の
材質は、上述の石英ガラスのほかに、シリコン単
結晶とすることもできる。
以上のようにして作られた二つのコリメータ部
品は、正方形の孔の開いた治具の中に組み込んで
固定される。
次に、この実施例の働きを説明する。X線コリ
メータの一方の端において、X線は、二つの溝1
2でできた円形断面の孔に入射する。そして、第
3図に示すように、孔の内面の多層膜で回折し、
X線コリメータの他方の端から出ていく。
次に、X線としてCuKα線(波長1.54オングス
トローム)を使つた場合を例にとつて説明する。
この実施例の多層膜では、結晶の格子面間隔に相
当する値は、繰返し単位の厚さ29オングストロー
ムである。以上の波長と厚さをブラツグの公式に
代入して、ブラツグ角θBを求めると、1.52°とな
る。内径1mmの孔の中をX線が1.52°の角度で進
むとすると、約38mm(第3図のBで示す距離)進
む毎に、X線は孔の内面にぶつかつてそこで回折
することになる。したがつて、X線は、120mmの
長さのX線コリメータを通過する間に、3回程度
回折することになる。
ところで、X線が非常に小さい入射角で孔の内
面に入射した場合は、全反射を起こす。多層膜の
表面がタングステン層であるとすると、これに対
するX線の全反射の臨界角θCは、約0.5°である。
孔の中心線上にあるX線源を考えると、X線の入
射角が上述の臨界角となるためには、内径1mm
(半径0.5mm)の孔では、X線コリメータの長さ
(120mm)の半分程度を過ぎてから初めて孔の内面
に当たる必要がある。すなわち、第5図のCの領
域に入つて初めて孔の内面に当たれば、X線の入
射角は臨界角以下となり、全反射が起こる。
第4図は、入射角θでX線が溝の内面に入射し
たときの、反射X線強度を示すグラフである。入
射角が全反射の臨界角θC以下では、X線は全反射
する。それ以上の角度になると、反射X線強度は
減少するが、ブラツグ角θBの付近では、回折現象
のために、再び反射X線強度が大きくなる。
結局、X線コリメータから出てくるX線には、
第5図に示すように、次の3種類のX線が含まれ
る。すなわち、コリメータ部品の溝12の内面に
触れずに、点焦点のX線源60から直接出てくる
X線62(実線で示す)と、溝12の内面で回折
するX線64(破線で示す)と、溝12の内面で
全反射するX線66(二点鎖線で示す)とが含ま
れる。
従来のピンホール形のX線コリメータでは、第
5図のX線62だけしか利用できなかつたものが
このX線コリメータを使うと、回折X線と全反射
X線までも利用することができ、十分なX線強度
を得ることができる。
[考案の効果] 以上説明したようにこの考案は、複数のコリメ
ータ部品に、断面が円弧形状の溝を設けて、この
溝の内面に多層膜を形成し、これらのコリメータ
部品を結合することによつて、円形断面の孔を有
するコリメータを構成するようにしている。した
がつて、溝の内面に多層膜を形成するのが容易に
なり、コリメータの製作が簡単になる。このよう
なコリメータは、回折と全反射の効果により、ピ
ンホール形のコリメータと比較して大きなX線強
度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例の斜視図、第2図
は溝の内面の拡大断面図、第3図は回折によるX
線の進行を示す溝の断面図、第4図はX線の入射
角と反射強度の関係を示すグラフ、第5図は各種
の作用によるX線の進行を示す溝の断面図であ
る。 10,20……コリメータ部品、12……溝、
30……多層膜、32……タングステン層、34
……カーボン層。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 複数のコリメータ部品のそれぞれに、長手方向
    に延びる溝が形成され、この溝の内面に、少なく
    とも2種類の非晶質薄膜層が交互に重ね合わされ
    て多層膜が形成され、各コリメータ部品の溝が互
    いに向き合つて一つの円形断面の貫通孔を構成す
    るようにこれらコリメータ部品が互いに組み合わ
    されていることを特徴とするX線コリメータ。
JP1988127255U 1988-09-30 1988-09-30 Expired - Lifetime JPH0539519Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1988127255U JPH0539519Y2 (ja) 1988-09-30 1988-09-30

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1988127255U JPH0539519Y2 (ja) 1988-09-30 1988-09-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0248897U JPH0248897U (ja) 1990-04-04
JPH0539519Y2 true JPH0539519Y2 (ja) 1993-10-06

Family

ID=31379519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1988127255U Expired - Lifetime JPH0539519Y2 (ja) 1988-09-30 1988-09-30

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0539519Y2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59227275A (ja) * 1983-06-08 1984-12-20 Kentaro Konoike 肉饅頭の製法
JPS6117100A (ja) * 1984-03-02 1986-01-25 キヤノン株式会社 X線コリメ−タ
JPS6215400A (ja) * 1985-04-23 1987-01-23 アメリカン・サイアナミド・カンパニ− 不織活性化炭素布

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59227275A (ja) * 1983-06-08 1984-12-20 Kentaro Konoike 肉饅頭の製法
JPS6117100A (ja) * 1984-03-02 1986-01-25 キヤノン株式会社 X線コリメ−タ
JPS6215400A (ja) * 1985-04-23 1987-01-23 アメリカン・サイアナミド・カンパニ− 不織活性化炭素布

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0248897U (ja) 1990-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7412131B2 (en) Multilayer optic device and system and method for making same
US4824191A (en) Optical pickup
JPS6098399A (ja) ポイントソースx線集束装置
JPH0438500A (ja) X線を用いた観察装置
JPH0539519Y2 (ja)
US9082522B2 (en) Zone compensated multilayer laue lens and apparatus and method of fabricating the same
JPH0534500A (ja) X線多層膜反射鏡
JPS62226047A (ja) 多層膜反射鏡
JPH06174897A (ja) 多層膜x線ミラーおよび多層膜x線光学系
JPH01292297A (ja) X線ミラー及びその製造方法
JP3250346B2 (ja) 光導波装置
JP2021089218A (ja) 多層膜回折格子
JP2634661B2 (ja) X線用多層膜反射鏡
JP2530029B2 (ja) 多層膜分光器
JP2569447B2 (ja) 多層膜反射鏡の製造方法
JPH0772298A (ja) X線分光器およびx線分光素子
JP3533817B2 (ja) 光ファイバアレイ積層体の製造方法
JPS62115400A (ja) X線ガイドチユ−ブ
JP7259379B2 (ja) 多層膜回折格子
EP0534535A1 (fr) Dispositif incluant un miroir fonctionnant dans le domaine des rayons X ou des neutrons
WO2007119852A1 (ja) 多層膜型回折格子
FR2834377A1 (fr) Grille anti-diffusante et procede de fabrication d'une telle grille
JPH04198900A (ja) X線分光器
JPH05346496A (ja) 多層膜反射鏡
JPH08262198A (ja) X線多層膜反射鏡