JPH0539240U - 茎稈挾持搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 茎稈挾持搬送装置に簡単な改良を加えること
によって、構造を大掛かりにすることなく茎稈詰まりが
生じても、容易かつ迅速に茎稈を除去できるようにす
る。 【構成】 突起付き搬送チェーン８に対向する挾持レー
ル９を、レール台１３に慣通支持された複数本の支持ロ
ッド１０へ取り付けると共に、前記各支持ロッド１０を
挾持用バネ１１で前記突起付き搬送チェーン８側へ弾性
付勢してある茎稈挾持搬送装置において、前記レール台
１３より、前記挾持用バネ１１の後端を受けるバネ受け
部１４ａを別部品に構成して、前記バネ受け部１４ａの
位置を正規バネ受け姿勢位置と、それより後退した退避
位置とに位置切り換え可能に構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、突起付き搬送チェーンに対向する挾持レールを、レール台に慣通支 持された複数本の支持ロッドへ取り付けると共に、前記各支持ロッドを挾持用バ ネで前記突起付き搬送チェーン側へ弾性付勢してある茎稈挾持搬送装置に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、挾持レールを取り付けた複数本の支持ロッドを慣通支持するレール台と 各支持ロッドを突起付き搬送チェーン側に弾性付勢する挾持用バネの後端を受け るバネ受け部は、例えば実開昭６１−１４２５３８号公報、あるいは実開平２− ５２５４１号公報中に開示されているように箱形一体構造とされてあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来構造によると、突起付き搬送チェーンと挾持レールとの間に 茎稈詰まりが生じた場合、レール台とバネ受け部が箱型一体構造であるため、詰 まり茎稈の除去作業を圧縮された挾持用バネの強い弾性付勢力がかかった状態の ままで行わなければならず、手間のかかる困難な作業となっていた。 又、後者公報で開示されているように、レール台を支持するガイドフレームを 腰折れ可能な構造として挾持レールをレール台ごと突起付き搬送チェーン対向位 置から退避させるものもあるが、構造が大掛かりとなって製作、及びコスト等の 面において改善の余地があった。

【０００４】 本考案は、このような実情に着目してなされたものであって、茎稈挾持搬送装 置に簡単で小規模な改良を加えることによって、構造を大掛かりにすることなく 茎稈詰まりが生じても、容易かつ迅速に茎稈を除去できるようにすることを目的 としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴構成は、突起付き搬送チェーンに対向する挾持レールを、レール 台に慣通支持された複数本の支持ロッドへ取り付けると共に、前記各支持ロッド を挾持バネで突起付き搬送チェーン側に弾性付勢してある茎稈挾持搬送装置にお いて、前記レール台より、前記挾持用バネの後端を受けるバネ受け部を別部品に 構成して、前記バネ受け部の位置を正規バネ受け姿勢位置と、それより後退した 退避位置とに位置切り換え可能な構成としてある点にある。

【０００６】

【作用】

上記構成によると、突起付き搬送チェーンと挾持レールとの間に茎稈詰まりが 生じ、その詰まり部に圧縮された挾持用バネの強い弾性付勢力がかかった状態で あったとしても、レール台と挾持用バネの後端を受けるバネ受け部とが別部品で 構成されてあるため、バネ受け部の位置を茎稈詰まりの生じた正規バネ受け姿勢 位置からそれよりも後退させた退避位置へ位置切り換えすることにより、挾持用 バネの強い弾性付勢力を弱めることができる。

【０００７】

【考案の効果】

従って、本考案によれば簡単な改良を加えることによって構造を大掛かりにす ることなく、詰まり茎稈を容易かつ迅速に除去できるようになった。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図６にコンバインの前部側面が、また、図３にその概略平面が夫々示されてお り、１は植立穀稈を分草する分草具、２は分草された植立穀稈を引き起こす引起 装置、３は引き起こされた植立穀稈を後方へ掻き込む搬送ベルト、４は引き起こ された植立穀稈の株元を切断する刈取装置、５は切断された刈取穀稈を後方へ掻 き込むパッカー、６は掻き込まれた刈取穀稈を機体左側後部に位置する脱穀装置 ７のフィードチェーン７ａへ搬送する搬送装置である。 前記搬送装置６は図３にも示すように、左右の株元挾持搬送装置６ａ，６ｂ、 それらの各上部に位置する左右の穂先係止搬送装置６ｃ，６ｄ、それらの搬送経 路後方に配置された扱深さ調節用の後部株元挾持搬送装置６ｅ、及びフィードチ ェーン７ａ手前に配置された補助搬送装置６ｆ等からなり、各株元挾持搬送装置 ６ａ，６ｂ，６ｅ、及び補助搬送装置６ｆの突起付き搬送チェーン８との搬送経 路対向位置には、挾持レール９が夫々配備されている。

【０００９】 図１、及び図２に示すように、前記挾持レール９には二本の支持ロッド１０が 固着されてあり、これら二本の支持ロッド１０は、挾持レール９が挾持用バネ１ １によって突起付き搬送チェーン８側へ弾性付勢されるようにガイドフレーム１ ２へ取り付けられたレール台１３に慣通支持されている。 そして、レール台１３には、挾持レール９を突起付き搬送チェーン８側へ弾性 付勢している挾持用バネ１１の後端を受けるバネ受け部１４ａを備えたバネ受け 部材１４が段付きボルト１５によって取り付けられ、又、前記バネ受け部材１４ のバネ受け部１４ａは、挾持レール９を突起付き搬送チェーン８側へ挾持用バネ １１の弾性付勢力を付加させる正規バネ受け姿勢位置と、それより後退した挾持 用バネ１１の弾性付勢力をほとんど付加させない退避位置とに位置切り換え可能 な構成とされている。 詳述すると、レール台１３の左右両側面には段付きボルト１５が螺着されるナ ット１３ａが、又、バネ受け部材１４の左右両側面には段付きボルト１５が挿通 される長孔１４ｂが夫々設けられてあり、刈り取り作業を行う場合には段付きボ ルト１５がバネ受け部材１４の長孔１４ｂに挿通されると共に、レール台１３の ナット１３ａに螺合された状態で、バネ受け部１４ａを挾持用バネ１１の付勢力 に抗して正規バネ受け姿勢位置へスライド移動させた後、段付きボルト１５をレ ール台１３のナット１３ａへ緊合することによりバネ受け部１４ａを正規バネ受 け姿勢位置に固定できるようになっている。 又、突起付き搬送チェーン８と挾持レール９との間に茎稈詰まりが生じた場合 には、段付きボルト１５を緩めて挾持用バネ１１の付勢力をバネ受け部１４ａへ 作用させることによりバネ受け部１４ａを退避位置へ位置切り換えさせて、挾持 用バネ１１の付勢力を弱めることができるようになっている。 尚、前記バネ受け部材１４における段付きボルト１５が挿通される長孔１４ｂ の正規バネ受け姿勢位置に適する箇所は、段付きボルト１５の拡径部１５ａの大 きさに相当する大径孔部１４ｃとされてあり、バネ受け部１４ａが段付きボルト １５の不測の緩みにより容易に退避位置側へ切り換わることがないように形成さ れている。

【００１０】 次に、刈取穀稈を掻き込む前記パッカー５の駆動について追記する。 図４、及び図５に示すように、パッカー５には右搬送経路で対向しているパッ カー５ａ，５ｂと左搬送経路で対向しているパッカー５ｃ，５ｄとがあり、右搬 送経路で対向しているパッカー５ａ，５ｂのうち左に位置するパッカー５ｂは、 図外の伝動系から動力が伝えられる入力軸１６と一体回転するように取り付けら れることにより、又、右に位置するパッカー５ａは左のパッカー５ｂとの噛み合 いにより駆動されるようになっている。 そして、左搬送経路で対向しているパッカー５ｃ，５ｄのうち右に位置するパ ッカー５ｃは、前記入力軸１６と一体回転するように取り付けられた駆動プーリ １７からの動力が、押さえプーリ１８による伝動ベルト１９との圧接で伝えられ る従動プーリ２０と一体回転するように取り付けられることにより、又、左に位 置するパッカー５ｄは右のパッカー５ｃとの噛み合いにより駆動されるようにな っている。

【００１１】 〔別実施例〕 本考案は、上記実施例おいて取り上げた構成に限定されるものではなく、例え ば、レール台１３とバネ受け部材１４との取り付けを、図７に示すような大径孔 部１４ｃを有する長孔１４ｂと段付きピン２１、及び保持用バネ２２等により、 又は、図８に示すような支持ロッド１０と平行に設けられた螺軸２３等により位 置切り換え可能な構成としてもよい。

【００１２】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】搬送装置の要部を示す横断面図

【図２】搬送装置要部の分解斜視図

【図３】コンバインの刈取搬送機構を示す平面図

【図４】パッカー駆動部を示す一部切り欠き平面図

【図５】パッカー駆動部を示す正面図

【図６】コンバインの前部側面図

【図７】別実施例における搬送装置要部の横断面図

【図８】別実施例における搬送装置要部の横断面図

【符号の説明】

８ 突起付き搬送チェーン ９ 挾持レール １０ 支持ロッド １１ 挾持用バネ １３ レール台 １４ａ バネ受け部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 突起付き搬送チェーン（８）に対向する
   挾持レール（９）を、レール台（１３）に慣通支持され
   た複数本の支持ロッド（１０）へ取り付けると共に、前
   記各支持ロッド（１０）を挾持用バネ（１１）で前記突
   起付き搬送チェーン（８）側へ弾性付勢してある茎稈挾
   持搬送装置において、前記レール台（１３）より、前記
   挾持用バネ（１１）の後端を受けるバネ受け部（１４
   ａ）を別部品に構成して、前記バネ受け部（１４ａ）の
   位置を正規バネ受け姿勢位置と、それより後退した退避
   位置とに位置切り換え可能に構成してある茎稈挾持搬送
   装置。