JPH0539027Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案はバツテリーの取付構造に関し、特にエ
ンジンルーム内においてステアリングギヤボツク
スの上部にバツテリーを取付けるのに用いて好適
な取付構造に関するものである。

ｂ 従来の技術 従来、エンジンルーム内にバツテリーを取付け
る場合には、車体フレームに取付けたブラケツト
或いはクランプ部材等の保持部材にてバツテリー
を支持するようにしていた。

ｃ 考案が解決しようとする課題 しかしながら、上述の如き従来のバツテリーの
取付構造では、ブラケツト或いはクランプ部材等
の保持部材を部品取付のために別個に用いる必要
があり、しかも保持部材の取付箇所は車体フレー
ムに限定されてしまうことから、この保持部材に
取付けられるバツテリーの配置箇所も制約されて
しまうのが実状である。このため、エンジンルー
ム内の空間を有効に利用することができず、自由
なレイアウトを行なうことができないといつた問
題点があつた。

本考案はこのような問題点を解決するためにな
されたものであつて、その目的は、ブラケツト等
の保持部材を別個に用いる必要がなく、しかもエ
ンジンルーム内の空間を有効利用し得るようなバ
ツテリーの取付構造を提供することにある。

ｄ 課題を解決するための手段 上述の問題点を解決するために、本考案におい
ては、バツテリーが取付けられる板状の支持板
と、この支持板の下面に取付けられた補強材と、
この補強材に対して交差状態で貫通せしめられて
前記支持板の下面に一体的に取付けられかつ両側
部がそれぞれ下方に向けて湾曲されたパイプ材
と、このパイプ材の一端に取付けられた取付板
と、前記パイプ材の他端に屈曲成形された屈曲部
とから成る支持部材にて、前記バツテリーを支持
し、ステアリングギヤボツクスの上面に設けられ
たねじ穴に前記取付板をねじ止めすると共に、前
記パイプ材の屈曲部を車体フレームに取付けるよ
うにしている。

以下、本考案の一実施例に付き図面を参照して
説明する。

第１図は車両の前部に形成されたエンジンルー
ムＡを示すものである。第１図において、１はフ
ロントパネル、２はフエンダーパネル、３はステ
アリングシヤフト、４はステアリングギヤボツク
スであつて、ステアリングシヤフト３の一端に取
付けられた図外のステアリングホイールを旋回操
作すると、その際の旋回トルク及び回転変位がス
テアリングシヤフト３を介してステアリングギヤ
ボツクス４内のステアリングギヤ（図示せず）に
伝達されて適度なギヤ比で変換され、図外のリン
ク機構等を介して前輪に伝えられ、これによつて
前輪が操舵されるようになつている。また、同図
において、５はバツテリー、６はラジエータ、７
はラジエータホース、８はフアンシユラウド、９
はエアクリーナー、１０はヘツドランプである。

上述のバツテリー５は、第１図及び第２図に示
す。支持部材１２によつて支持されている。すな
わち、この支持部材１２は、第２図〜第４図に示
すように、取付作業用開口１３が形成されかつそ
の周縁１４が上方に向けて垂直状に屈曲された板
状の支持板１５と、この支持板１５の下面にスポ
ツト溶接等にて取付られた補強材１６ａ，１６ｂ
と、その補強材１６ａ，１６ｂに対して交差状態
で貫通せしめられて前記支持板１５の下面に一体
的に取付けられたパイプ材１７とをそれぞれ具備
している。そして、パイプ材１７の両側部１７
ａ，１７ｂは下方に向けて湾曲され、一対の長孔
１８ａ，１８ｂを有する取付板１９がパイプ材１
７の一端に固着されている。なお、パイプ材１７
の他端はほぼ直角状に屈曲され、その屈曲部２０
にボルト挿通用長孔２１が形成されている。

一方、第２図及び第５図に示すように、ステア
リングギヤボツクス４の上面４ａには、前記取付
板１９の一対の長孔１８ａ，１８ｂに対応する一
対のねじ穴２２ａ，２２ｂ（ボス部を設けてこれ
にねじを切つたもの）が形成されており、両端に
ねじ部を有する取付用ボルト２３ａ，２３ｂが第
５図において仮想線で示すようにこれらのねじ穴
２２ａ，２２ｂにねじ込まれるようになつてい
る。

しかして、パイプ材１７の屈曲部２０の長孔２
１を利用して図外のボルトとナツトとにより前記
屈曲部２０を図外の車体フレーム或いはこの車体
フレームに固設されたブラケツト等に取付けると
共に、第２図に示すように取付板１９の一対の長
孔１８ａ，１８ｂ内に一対の取付用ボルト２３
ａ，２３ｂを貫通配置して図外のナツトをねじ込
んで締付け固定することによつて、既述の支持部
材１２が３点にて支持され、エンジンルームＡ内
の所定箇所に取付けられる。そして、この支持部
材１２の支持板１５上にバツテリー５が載置固定
されるようになつている。

このような構成の本実施例によれば、ステアリ
ングギヤボツクス４の上面４ａに設けたねじ穴２
２ａ，２２ｂを利用してバツテリー５の支持部材
１２の取付けを行なうことができるので、特別な
取付用ブラケツトやクランプ類を削減でき、しか
も取付作業も容易に行なうことができる。その
上、ねじ穴２２ａ，２２ｂひいては取付用ボルト
２３ａ，２３ｂをステアリングギヤボツクス４の
上面４ａに配設したので、このステアリングギヤ
ボツクス４の上面４ａ上の空間を有効に利用する
ことができる。

以上、本考案の一実施例に付き述べたが、本考
案は既述の実施例に限定されることなく、本考案
の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可
能である。

ｅ 考案の効果 以上の如く、本考案は、ステアリングギヤボツ
クスの上面に設けたねじ穴を利用してバツテリー
の取付けを行なうようにしたものであるから、特
別な取付用ブラケツト等の削減が可能であり、し
かも、極めて簡単な構成であるにも拘わらずステ
アリングギヤボツクスの周辺の空間を有効に利用
することが可能となる。

さらに、本考案は、支持板の下面に取付けた補
強材にパイプ材を交差状態で貫通せしめてこのパ
イプ材を支持板に一体に取付けて成る特殊な補強
構造を採用したので、特に重量があるバツテリー
を車体フレームへ直接的に取付けることがレイア
ウト上困難な場合に本考案に係るバツテリーの取
付構造を用いれば有利である。

また、車体製造に際して車体の塗装後にバツテ
リーを車体へ取付けた方がよい場合には、塗装完
了後の適当な工程において前記ねじ穴を利用して
容易に取付可能であるといつた実用的な利点を有
する。

さらに、本考案によれば、バツテリーの支持部
材は、バツテリーを載せているだけではなく、パ
イプ材及び補強材により、ステアリングギヤボツ
クスの車体フレームへの固定及び補強も兼ねるこ
ととなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はエンジンルームの一部を示す概略平面
図、第２図はバツテリーの支持部材の平面図、第
３図は前記支持部材の側面図、第４図は第２図に
おける−線要部拡大断面図、第５図はステア
リングギヤボツクスの要部の一部破断側面図であ
る。 Ａ……エンジンルーム、３……ステアリングシ
ヤフト、４……ステアリングギヤボツクス、４ａ
……上面、５……バツテリー、１２……支持部
材、１７……パイプ材、１５……支持材、１６
ａ，１６ｂ……補強材、１８ａ，１８ｂ，２１…
…長孔、１９……取付板、２２ａ，２２ｂ……ネ
ジ穴、２３ａ，２３ｂ……取付用ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツテリーが取付けられる板状の支持板と、こ
   の支持板の下面に取付けられた補強材と、この補
   強材に対して交差状態で貫通せしめられて前記支
   持板の下面に一体的に取付けられかつ両側部がそ
   れぞれ下方に向けて湾曲されたパイプ材と、この
   パイプ材の一端に取付けられた取付板と、前記パ
   イプ材の他端に屈曲成形された屈曲部とから成る
   支持部材にて、前記バツテリーを支持し、ステア
   リングギヤボツクスの上面に設けられたねじ穴に
   前記取付板をねじ止めすると共に、前記パイプ材
   の屈曲部を車体フレームに取付けるようにしたこ
   とを特徴とするバツテリーの取付構造。