JPH0537876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、モールデイングの組付け構造に係
わり、更に詳しくはボデイフランジ部にモールア
ツセンブリを効率良く組付けることが出来るモー
ルデイングの組付け構造に関するものである。

〔従来技術〕

従来、車両のボデイ側面にモールデイングを組
付ける構造としては、例えば第１図〜第３図に示
すように、ボデイ１を構成するアウタパネル１ａ
とインナパネル１ｂとの接合フランジ部２に沿つ
て、モールデイング３内に組み込んだ樹脂製のク
リツプ４を装着していた。

モールデイング３は、予め断面略Ｕ字状に形成
されたモールデイング本体５の係合溝６にクリツ
プ４のー端に形成された頭部４ａをー体的埋設し
て構成しておく。そしてこのように構成されたモ
ールデイング３を、ボデイ１に組付けるには、第
２図に示す様に先ずモールデイング本体５の下端
部に形成されたリツプ部８を前記フランジ部２の
先端をかわす迄矢印の様に下方へ変形させ、その
状態を保ちつつクリツプ４の他端側に形成された
山形状の挿入部４ｂを、前記フランジ部２の側面
に所定の間隔で設けられた係合孔７に矢印方向か
ら圧入して嵌着させる。

同時に前記リツプ部８は、素材の弾性力により
フランジ部２の端末部を包み込む方向に戻り、第
３図の様な状態で取付け完了となる。

なお、リツプ部８はクリツプ４の挿入部４ｂの
先端と干渉する部分は切欠してある。

然し乍ら、このような従来のモールデイングの
組付け構造にあつては、第２図で矢印で示す様な
クリツプ４の挿入部４ｂの圧入方向に対し、フラ
ンジ部２の先端から指先Ｆを保護する目的の為フ
ランジ部２を包み込む形状をしたリツプ部８は、
挿入部４ｂの圧入を妨げる方向に位置している。
従つて、挿入部４ｂを圧入する為には、第２図に
破線及び矢印で示す様に圧入を防げなくなる位置
迄、即ち、フランジ部２の先端をかわす位置迄リ
ツプ部８の下方に指先Ｆ等で変形させ、その状態
を保ちつつ挿入部４ｂを圧入しなければならな
い。しかも、係合孔７はフランジ部２の長手方向
に沿つて数個所設定されている為、その各々の孔
について上記作業を繰り返さねばならず、従つ
て、取付け作業性が極めて悪いと言う問題があつ
た。

また、上記のようなモールデイング３を、第１
図に示すようにハツチバツク車のリアドア開口部
１０に取付けた場合には、ハツチドア１１の開閉
時に指先Ｆが当つて怪我をする等の問題があつ
た。

更に、クリツプ４の挿入部４ｂの先端は、モー
ルデイング３の組付け後に、モールデイング本体
５の切欠部から外方向に突出している為、外観の
見栄えが悪いと言う問題があつた。

〔考案の目的〕

この考案は、係る従来の問題点に着目して案出
されたもので、その目的とするところはモールア
ツセンブリの組付け作業性を向上させると共に、
クリツプが指先等に当接することなく、しかも外
観の見栄えを良好にしたモールデイングの組付け
構造を提供するものである。

〔考案の構成〕

この考案は上記目的を達成するため、ボデイよ
り延出したフランジ部に複数のクリツプを介して
モールデイングを組付けてなるモールデイングの
組付け構造であつて、前記フランジ部は、その長
手方向に沿つてクリツプが係合する複数の係合孔
を有し、前記モールデイングは、クリツプが嵌合
する嵌合溝とリツプ部とが相対向する断面Ｕ字状
の樹脂製モールデイング本体を備え、前記クリツ
プは、樹脂クリツプとスプリングクリツプとから
構成され、前記樹脂クリツプは、傾斜した弾発自
在な二股状の脚部を有し、前記モールデイングの
嵌合溝に嵌合するプレートと、このプレートの側
面に突出するロツドの先端に設けられた前記フラ
ンジ部の係合孔と係合する頭部とを有し、前記ス
プリングクリツプは、断面Ｕ字状の弾性金属体よ
り構成され、前記樹脂クリツプの頭部を前記フラ
ンジ部の係合孔に係合させるように前記フランジ
部を挟持してなることを要旨とするものである。

〔考案の実施例〕

以下添付図面の第４図〜第７図に基いて、この
考案の実施例を説明する。

なお以下の説明で、上記第１図〜第３図におい
て説明した従来例と同一構成要素は同一符号を付
して説明は省略する。

第４図はモールアツセンブリ３０と、ボデイ１
を構成するアウタパネル１ａとインナパネル１ｂ
とで構成した接合フランジ部２との分解斜視図を
示し、前記モールアツセンブリ３０は、クリツプ
４と合成樹脂製のモールデイング本体５とから構
成されている。

前記クリツプ４は、バネ鋼等の弾性金属体で成
形したスプリング１４と、樹脂製の樹脂クリツプ
１５とから成り、スプリングクリツプ１４は断面
Ｕ字状に成形されると共に、その長手方向の中央
部に樹脂クリツプ１５を嵌め込む切欠部１６が形
成されている。また、樹脂クリツプ１５は、下部
に傾斜した弾発自在な二股状の脚部１７ａ，１７
ｂを備えたプレート１８の側面に、係合用の頭部
１９（係止部）を先端に備えたロツド２０がー体
的に形成され、このロツド２０が前記スプリング
クリツプ１４の切欠部１６に係合するようになつ
ている。

またモールデイング本体５は、断面略Ｃ字状に
形成された嵌合溝２５と、ひれ状のリツプ部２６
とが相対向するように構成され、嵌合溝２５内に
は断面Ｃ字状に形成された金属製の芯材２７が嵌
着されている。

そして前記モールアツセンブリ３０を構成する
場合には、第４図の矢印方向に示すように、先ず
スプリングクリツプ１４の切欠部１６を樹脂クリ
ツプ１５のロツド２０に上方から嵌め込み、そし
てこのように構成したクリツプ４のプレート１８
をモールデイング本体５の嵌合溝２５に側部から
挿入して所定位置に配設する。この時、樹脂クリ
ツプ１５の弾発自在な二股状の脚部１７ａ，１７
ｂが弾性的に作用し、モールデイング本体５の係
合溝２５内にプレート１８がダカ付くことなく強
固に嵌合する。また、樹脂クリツプ１５とスプリ
ングクリツプ１４とは、共にモールデイング本体
５の内側に設けられた状態となる。

また、前記ボデイ１のフランジ部２の側壁には
所定の間隔を隔てて長孔状の係合孔７（係合部）
が形成されている。

次に、第５図ａ〜第５図ｄを参照しつつ、この
考案に係るモールデイングの組付け方法を説明す
る。

先ず、第４図に示すように構成したモールアツ
センブリ３０を、フランジ部２に形成された係合
孔７の下部に持つて行き、そして第５図ａに示す
ように、フランジ部２の端末部２ａに、モールア
ツセンブリ３０を構成するスプリングクリツプ１
４の上端部１４ａと樹脂クリツプ１５に設けられ
た係合用の頭部１９とで挾み込むようにして当接
させる。

次に第５図ｂに示すように、モールアツセンブ
リ３０を指先等で上方に押し上げると、スプリン
グクリツプ１４の上端部１４ａ及びモールデイン
グ５のひれ状のリツプ部２６は外方向に押し広げ
られ、そして更にモールアツセンブリ３０を上方
に押し上げると樹脂クリツプ１５に設けられた頭
部１９がフランジ部２に形成された係合孔７に係
合する（第５図ｃ）。

係合孔７に樹脂クリツプ１５に設けられた頭部
１９が嵌合してモールアツセンブリ３０が位置決
めされると、これと同時にスプリングクリツプ１
４の上端部１４ａ及びモールデイング５のひれ状
のリツプ部２６は、素材の弾性力によりフランジ
部２を挾持する方向に移動し、フランジ部２を強
固に挾持固定するものである（第５図ｄ参照）。

このような操作を、ボデイ１のフランジ部２に
対して行うことにより、モールアツセンブリ３０
を簡単にしかも外観を損なうことなく行なうこと
が出来る。

なお、スプリングクリツプ１４の素材は、バネ
鋼等で成形する為、防錆処理を施すことも可能で
ある。

またモールデイング本体５のリツプ部２６は指
等が接触しないものであれば、リツプ部２６を特
に付けなくても良い。

また第６図は、この考案の第２実施例を示すも
ので、この実施例はスプリングクリツプ１４の開
口側のー片に、フランジ部２に形成された係合孔
７と係止する戻り用の爪１４ｂを形成して、モー
ルアツセンブリ３０がフランジ部２から脱落する
のを有効に防止するようにしたものである。

また第７図は、この考案の第３実施例を示すも
ので、この実施例はモールデイング本体５のリツ
プ部２６内に、金属製の芯材２５のー端２７を延
長させて埋設し、前記スプリングクリツプ１４を
代用させたものである。

〔考案の効果〕

この考案は上述したように、従来のようにリツ
プ部を変形させる手間がないので、モールデイン
グが装着されたクリツプの組付け作業性を向上す
ることか出来る。また、クリツプの先端がモール
デイング本体から突出していないので、例えばハ
ツチドアの開閉時にクリツプが指先等に直接接触
することがなくて使用感が良好であり、更に、モ
ールデイング本体にクリツプの先端を逃がすため
の切欠部がないため、見栄えも良好にすることが
出来る。

そして、一方を樹脂クリツプから構成し、弾発
自在な二股状の脚部を該樹脂クリツプのプレート
に設けて、このプレートをモールデイングの嵌合
溝に嵌合させるため、樹脂クリツプに対するモー
ルデイング本体のガタ付きの発生を有効に防止し
て、樹脂クリツプにモールデイングを強固に取付
けることが出来る。

また、他方を弾性金属体よりなるスプリングク
リツプで構成し、樹脂クリツプの頭部をフランジ
部の係合孔に係合させるようにしてフランジ部を
挟持するため、樹脂クリツプを弾力的に強固にフ
ランジ部に固定することが出来る。

その上、脚部及び頭部を有する形状の複雑な方
のクリツプを樹脂から成形し、弾性力を付与する
形状の簡単なスプリングクリツプを金属から形成
するため、クリツプの加工が極めて容易で安価に
製造することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のモールデイング本体の車両ボデ
イに実施した場合の斜視図、第２図はモールアツ
センブリをフランジ部に組付けている状態を示す
第１図の−矢視断面図、第３図は第２図にお
いてモールアツセンブリをフランジ部に固定して
いる状態を示す断面図、第４図はこの考案に係る
モールアツセンブリとフランジ部との分解斜視
図、第５図ａ〜第５図ｄはモールアツセンブリの
組付け操作を示す説明図、第６図はこの考案の第
２実施例を示す断面図、第７図はこの考案の第３
実施例を示す断面図である。 １……ボデイ、２……フランジ部、３……モー
ルデイング、４……クリツプ、５……モールデイ
ング本体、７……係合孔、１４……スプリングク
リツプ、１５……樹脂クリツプ、１７ａ，１７ｂ
……脚部、１８……プレート、１９……頭部、２
０……ロツド、２５……係合溝、２６……リツプ
部、３０……モールアツセンブリ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ボデイより延出したフランジ部に複数のクリツ
   プを介してモールデイングを組付けてなるモール
   デイングの組付け構造であつて、 前記フランジ部は、その長手方向に沿つてクリ
   ツプが係合する複数の係合孔を有し、 前記モールデイングは、クリツプが嵌合する嵌
   合溝とリツプ部とが相対向する断面Ｕ字状の樹脂
   製モールデイング本体を備え、 前記クリツプは、樹脂クリツプとスプリングク
   リツプとから構成され、 前記樹脂クリツプは、傾斜した弾発自在な二股
   状の脚部を有し、前記モールデイングの嵌合溝に
   嵌合するプレートと、このプレートの側面に突出
   するロツドの先端に設けられた前記フランジ部の
   係合孔と係合する頭部とを有し、 前記スプリングクリツプは、断面Ｕ字状の弾性
   金属体より構成され、前記樹脂クリツプの頭部を
   前記フランジ部の係合孔に係合させるように前記
   フランジ部を挟持してなる ことを特徴とするモールデイングの組付け構造。