JPH0537585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は、ビデオテープレコーダに関する。

〈従来技術〉 ビデオテープレコーダでは、反転現象の防止と
SN比の改善のために、ダブルリミツタ回路を備
えたものがある。このダブルリミツタ回路では、
再生FM信号を高周波成分と低周波成分とに分離
し、高周波成分を増幅して振幅を第１リミツタで
揃えて復調回路でのゼロクロス点の検知を容易に
し、位相を補正して前記低周波成分と混合して第
２リミツタを通すことによつて、搬送波成分の欠
如をなくして反転現象を防止するものである。

ところが、従来のダブルリミツタ回路では、高
周波成分と低周波成分とが混合される際のレベル
は、固定されているために、黒から白に画像が変
化したときに、白に変わるべき所に黒いすじが生
じる、いわゆる、黒ヤブケには効果があるけれど
も、逆に黒く変わるべき所に白いすじが生じる白
ヤブケには効果がないという難点がある。

〈考案の目的〉 本考案は、黒ヤブケおよび白ヤブケ等のモアレ
を有効に防止できるようにすることを目的とす
る。

〈考案の構成〉 一般に、再生出力のレベルが低く、しかも、再
生FM信号の搬送波成分に対して下側帯波成分が
大きいと黒ヤブケを生じ、再生FM信号の搬送波
成分に対して上側帯波成分が大きいと白ヤブケを
生じることが知られている。

したがつて、黒ヤブケのときには、再生FM信
号の上側帯波成分を強化すればよく、白ヤブケの
ときには、再生FM信号の下側帯波成分を強化す
ればよい。

本考案では、かかる点に着目して以下の構成と
している。すなわち、再生FM信号を高周波成分
と低周波成分とに分離し、高周波成分の振幅を第
１リミツタで揃え、位相を補正して前記低周波成
分と混合して第２リミツタを通すダブルリミツタ
回路を備えるビデオテープレコーダにおいて、再
生ヘツドからの再生FM信号の出力レベルが所定
のレベル以下のときに対応する検出信号を出力す
るレベル検出回路と、再生FM信号から搬送波成
分、上側帯波成分および下側帯波成分をそれぞれ
分離するバンドパスフイルタと、各バンドパスフ
イルタの出力レベルを比較して上側帯波成分のレ
ベルが搬送波成分のレベルよりも大きいときに第
１補正信号を出力し、下側帯波成分のレベルが搬
送波成分のレベルよりも大きいときに第２補正信
号を出力する比較回路と、前記検出信号および第
１補正信号が与えられたときに、前記ダブルリミ
ツタ回路で混合される低周波成分のレベルを高周
波成分に対して相対的に高くし、前記検出信号お
よび第２補正信号が与えられたときに、前記ダブ
ルリミツタ回路で混合される高周波成分のレベル
を低周波成分に対して相対的に高くするレベル可
変回路とを備えている。

上記構成によれば、再生出力のレベルが低く、
かつ、上側帯波成分のレベルが搬送波成分のレベ
ルよりも大きいとき、すなわち、白ヤブケのとき
には、ダブルリミツタ回路で混合される低周波成
分のレベルが高くされて下側帯波成分が強化さ
れ、逆に、再生出力のレベルが低い、かつ、下側
帯波成分のレベルが搬送波成分のレベルよりも大
きいとき、すなわち、黒ヤブケのときには、ダブ
ルリミツタ回路で混合される高周波成分のレベル
が高くされて上側帯波成分が強化される。

〈実施例〉 以下、図面によつて本考案の実施例について詳
細に説明する。図面は、本考案の一実施例の要部
のブロツク図である。同図において、１は再生ヘ
ツドであり、この再生ヘツド１からの再生出力の
内、図示しない信号分離回路で分離された再生
FM信号は、プリアンプ２で増幅され、さらに、
AGC回路３を経てダブルリミツタ回路４に与え
られる。このダブルリミツタ回路４に与えられた
再生FM信号は、ハイパスフイルタ５およびロー
パスフイルタ６によつて高周波成分と低周波成分
とに分離される。ハイパスフイルタ５で分離され
た高周波成分は、アンプ７で増幅され、さらに、
第１リミツタ８で振幅が揃えられ、加算回路１０
で、アンプ９からの低周波成分と混合されて第２
リミツタ１１に与えられ、この第２リミツタ１１
の出力は、図示しない復調回路に与えられる。

かかるダブルリミツタ回路４の構成は、従来と
基本的に同様であるが、この実施例のビデオテー
プレコーダでは、再生FM信号の出力レベルが低
いときには、ヤブケを有効に防止するために、ダ
ブルリミツタ回路４における高周波成分と低周波
成分の混合レベルを可変するように構成してい
る。

すなわち、再生ヘツド１からの再生FM信号の
出力レベルが所定のレベル以下のときに対応する
検出信号を出力するレベル検出回路１２と、プリ
アンプ２からの再生FM信号から搬送波成分、上
側帯波成分および下側帯波成分をそれぞれ分離す
る第１〜第３バンドパスフイルタ１３〜１５と、
各バンドパスフイルタ１３〜１５の出力レベルを
比較して対応する補正信号を出力する比較回路１
６と、レベル検出回路１２および比較回路１６の
出力に基づいて、ダブルリミツタ回路４で混合さ
れる高周波成分および低周波成分のレベルを可変
するレベル可変回路１７とを備えている。

レベル検出回路１２は、プリアンプ２の出力と
AGC回路３の出力とを比較し、両者の出力の差
が、予め定められている出力差以上になつたと
き、すなわち、再生出力のレベルが所定のレベル
以下になつたときに、ハイレベルの検出信号を出
力する。

この実施例では、再生FM信号から搬送波成分
を分離する第１バンドパスフイルタ１３の通過帯
域は、3.9MHz±500KHzであり、再生FM信号か
ら上側帯波成分を分離する第２バンドパスフイル
タ１４の通過帯域は4.5MHz±500KHzであり、再
生FM信号から下側帯波成分を分離する第３バン
ドパスフイルタ１５の通過帯域は、3MHz±500K
Hzである。

比較回路１６は、各バンドパスフイルタ１３〜
１５の出力レベルを比較して上側帯波成分のレベ
ルが搬送波成分のレベルよりも大きいときにハイ
レベルの第１補正信号を出力して、下側帯波成分
のレベルが搬送波成分のレベルよりも大きいとき
にローレベルの第２補正信号を出力する。

レベル可変回路１７は、検出信号および第１補
正信号が与えられたときに、ダブルリミツタ回路
４で混合される低周波成分のレベルを高周波成分
に対して相対的に高くし、検出信号および第２補
正信号が与えられたときに、ダブルリミツタ回路
４で混合される高周波成分のレベルを低周波成分
に対して相対的に高くするものである。

この実施例のレベル可変回路１７は、基本的に
は、レベル検出回路１２の出力がベースに与えら
れる第１トランジスタＱ１と、この第１トランジ
スタＱ１のエミツタ出力および比較回路１６の出
力がそれぞれ与えられる第２、第３トランジスタ
Ｑ２，Ｑ３と、第２トランジスタＱ２のエミツタ
出力がそのベースに与えられる第４トランジスタ
Ｑ４と、第３トランジスタＱ３のコレクタ出力が
そのベースに与えられる第５トランジスタＱ５と
を備えている。

このレベル可変回路１７では、レベル検出回路
１２からハイレベルの検出信号が与えられると、
第１トランジスタＱ１がオンし、さらに、比較回
路１６からハイレベルの第１補正信号が与えられ
ると、第２トランジスタＱ２がオンし、これによ
つて、第４トランジスタＱ４がオンしてダブルリ
ミツタ回路４の高周波成分のレベルを下げる。ま
た、レベル検出回路１２からハイレベルの検出信
号が与えられ、さらに、比較回路１６からローレ
ベルの第２補正信号が与えられると、第１、第３
トランジスタＱ１，Ｑ３がオンし、これによつ
て、第５トランジスタＱ５がオンしてダブルリミ
ツタ回路４の低周波成分のレベルを下げる。

このように再生出力レベルが低く、しかも、搬
送波成分に対して上側帯波成分あるいは下側帯波
成分のレベルが大きいときには、ダブルリミツタ
回路４の高周波成分と低周波成分との混合レベル
をそれに対応させて可変するようにしているの
で、黒ヤブケ、白ヤブケ等のモアレを有効に防止
することが可能となる。

なお、レベル検出回路１２からハイレベルの検
出信号が出力されていないときには、レベル可変
回路１７によるダブルリミツタ回路４の高周波成
分および低周波成分のレベルの可変動作は行なわ
れず、従来例のダブルリミツタ回路と同様に動作
するものである。

上述の実施例では、レベル可変回路１７におい
て、第１補正信号が与えられたときには、高周波
成分のレベルを低くし、第２補正信号が与えられ
たときには、低周波成分のレベルを低くするよう
に構成したけれども、本考案の他の実施例とし
て、第１補正信号が与えられたときに、低周波成
分のレベルを高くし、第２補正信号が与えられた
ときに、高周波成分のレベルを高くするように構
成してもよいのは勿論である。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によれば、再生出力レベル
が所定のレベル以下のときに対応する検出信号を
出力するレベル検出回路と、再生FM信号から搬
送波成分、上側帯波成分および下側帯波成分をそ
れぞれ分離するバンドパスフイルタと、各バンド
パスフイルタの出力レベルを比較して対応する補
正信号を出力する比較回路と、レベル検出回路お
よび比較回路の出力に基づいて、ダブルリミツタ
回路で混合される高周波成分および低周波成分の
レベルを可変するレベル可変回路を備えているの
で、黒ヤブケ、白ヤブケ等のモアレを有効に防止
することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例の要部のブロツク図で
ある。 ４……ダブルリミツタ回路、１２……レベル検
出回路、１３〜１５……第１〜第３バンドパスフ
イルタ、１６……比較回路、１７……レベル可変
回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 再生FM信号を高周波成分と低周波成分とに、
   分離し、高周波成分の振幅を第１リミツタで揃
   え、位相を補正して前記低周波成分と混合して第
   ２リミツタを通すダブルリミツタ回路を備えるビ
   デオテープレコーダにおいて、 再生ヘツドからの再生FM信号の出力レベルが
   所定のレベル以下のときに対応する検出信号を出
   力するレベル検出回路と、 再生FM信号から搬送波成分、上側帯波成分お
   よび下側帯波成分をそれぞれ分離するバンドパス
   フイルタと、 各バンドパスフイルタの出力レベルを比較して
   上側帯波成分のレベルが搬送波成分のレベルより
   も大きいときに第１補正信号を出力し、下側帯波
   成分のレベルが搬送波成分のレベルよりも大きい
   ときに第２補正信号を出力する比較回路と、 前記検出信号および第１補正信号が与えられた
   ときに、前記ダブルリミツタ回路で混合される低
   周波成分のレベルを高周波成分に対して相対的に
   高くし、前記検出信号および第２補正信号が与え
   られたときに、前記ダブルリミツタ回路で混合さ
   れる高周波成分のレベルを低周波成分に対して相
   対的に高くするレベル可変回路とを備えることを
   特徴とするビデオテープレコーダ。