JPH053720A - 脱穀機における選別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本件発明は、脱穀選別処理作用を高精度で能
率的に行わんとするものである。 【構成】 一側に穀稈供給口を、他側に排藁口をそれぞ
れ設けるとともに下方には選別網を張設した扱室を構成
し、該扱室には扱胴を内装軸架して設け、前記選別網の
下方にはグレンシ−ブ、ストロ−ラック、案内棚等から
なる揺動選別装置を吊持した選別室を形成し、該選別室
の低部には選別方向上手側から第一唐箕、一番移送螺
旋、二番移送螺旋の順に配置して設け、前記第一唐箕の
更に上手側には第二唐箕を配置してその吹出口をグレン
シ−ブの方向に向けて設け、該第二唐箕と前記第一唐箕
の風力の調節幅を第二唐箕の方が大となる構成とした脱
穀機における選別装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、脱穀機における選別装
置に関し、自脱型コンバインに利用するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の脱穀機にあっては、第一唐箕の
近傍に第二唐箕を配置した構成のものや、一番移送螺旋
と二番移送螺旋との間に第二唐箕を配置したものがあっ
た。しかし、いずれの構成にあっても、それぞれの選別
風量の調節は、関連性が無く、無関係に調節する構成に
なっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述した
従来型のもつ欠陥を解消せんとするものであって、脱穀
選別処理作用を高精度で能率的に行わんとするものであ
る。すなわち、上述した従来型の構成によると、脱穀物
は、全てのものが扱室から下方の選別室に流下するため
に脱粒処理が不十分のまま選別され、二番物が多くなる
傾向がでてくる。そして、この二番物は、再度扱室或い
は揺動棚上に還元されて処理されるため能率低下の原因
となる。

【０００４】また、選別精度上も不十分のまま分離排出
されていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するため次の如き技術手段を講ずるものである。す
なわち、一側には穀稈を供給する穀稈供給口１を設け、
他側に脱穀後の藁を機外に排出する排藁口２をそれぞれ
設けるとともに下方には選別網３を張設した扱室４を構
成し、該扱室４には扱胴５を内装軸架して設けている。
そして、前記選別網３の下方にはグレンシ−ブ６、スト
ロ−ラック７、案内棚８等からなる揺動選別装置９を吊
持した選別室１０を形成している。そして、この選別室
１０の低部には選別方向上手側から第一唐箕１１、一番
移送螺旋１２、二番移送螺旋１３の順に配置して構成し
ている。前記第一唐箕１１の更に上手側には第二唐箕１
４を配置してその吹出口１５をグレンシ−ブ６の方向に
向けて設けており、第二唐箕１４と前記第一唐箕１１の
風力の調節幅を第二唐箕１４の方が大となる構成とした
脱穀機における選別装置である。

【０００６】

【実施例】まず、その構成について説明する。扱室４
は、一側に穀稈供給口１を設け他側に排藁口２を設け、
扱胴５を内装軸架して構成している。３は選別網を示
し、１６は挾やく搬送装置である。そして、処理室１７
は、処理胴１８を内装軸架し扱室４の排塵口１９に始端
の供給口２０を連通して処理工程を長くするように構成
している。なお、この処理室１７は、終端部を選別室１
０の後部に臨ませて開口させている。

【０００７】そして、螺旋式処理胴２１，２１’，２
１”は、図面に示すように、移送螺旋２２と処理爪２３
とを設け、前記扱室４の穀稈供給側に近い始端部分の下
方の選別室１０に複数個を横方向に配列して設け、扱室
４の選別網３を漏下してきた未処理物を後方に搬送しな
がら処理するように構成している。２４は吸引排塵機で
ある。

【０００８】揺動選別装置９は、始端側にグレンシ−ブ
６、終端側にストロ−ラック７を、中間部分に案内棚８
をそれぞれ設け、揺動可能に支架している。そして、選
別室１０の低部には、上手側から第一唐箕１１、一番移
送螺旋１２二番移送螺旋１３の順に配置している。第二
唐箕１４は、シロッコファンを用い前記第一唐箕１１よ
り更に上手側で上方に配置し、これに選別風の吹出口１
５を前記グレンシ−ブ６に臨ませて設けている。

【０００９】そして、第一唐箕１１は、その回転軸２５
の入力側に変速プ−リ−２６を軸着しており出力側に伝
動プ−リ−２７を軸着している。また、第二唐箕１４
は、その回転軸に変速プ−リ−２８を軸着している。そ
して、両唐箕１１、１４は、変速レバ−２９からそれぞ
れロットによって各変速プ−リ−２６、２８が変速可能
に連結され、変速できる構成にしている。

【００１０】３０は二番還元装置であって、二番物を螺
旋式処理胴２１、２１’、２１”に還元できる構成にし
ている。次にその作用について説明する。まず、機体の
回転各部を駆動しながら穀稈を挾やく搬送装置１６の始
端部分に供給する。

【００１１】すると、穀稈は、搬送されながら供給口１
から扱室４に供給されて回転している扱胴５によって脱
穀処理作用を受ける。そして、穀稈は、脱穀された後、
なおも搬送されて排藁口２から機外に排出される。この
ようにして、脱穀作用が続くと、脱穀処理物は、選別網
３から選別室１０の螺旋式処理胴２１，２１’，２１”
の上に落下し、処理爪２３によって更に処理されながら
移送螺旋２２によって後方に移送される。

【００１２】以上のように、扱室２から漏下した被選別
物は、螺旋式処理胴２１，２１’，２１”の作用を受け
てその端部から揺動選別装置９のグレンシ−ブ６上に達
して第２唐箕１４の吹出口１５からの選別風によって選
別される。このようにして、選別室１０に達した処理物
は、揺動しているグレンシ−ブ６によって揺動選別され
て穀粒が下方に流下れる第一唐箕１１の風選作用を受け
ることになる。

【００１３】そして、処理物は、一番移送螺旋１２、二
番移送螺旋１３にそれぞれ整粒と二番物とが選別分離さ
れて供給され、更に、三番物は、ストロ−ラック７の棚
先から機外に排出されるものである。さて、つぎに、藁
屑の多い処理物を選別する場合は、変速レバ−２９を増
速側に操作する。すると、変速プ−リ−２６、２８とが
増速側に作動してそれぞれ第一唐箕１１と第二唐箕１４
とを増速することが出来る。

【００１４】この場合、第二唐箕１４は、二つの変速プ
−リ−２６、２８による作用が加重されるために第一唐
箕より増速幅を広くとることができるものである。した
がって、第二唐箕１４は、グレンシ−ブ６から上方に吹
き抜けて比較的大きな藁屑を取り除くことが出来、第一
唐箕１１の負担を軽くすることができるものである。

【００１５】

【発明の作用効果】以上説明したように本発明は、選別
室の上層を吹く第二唐箕の選別風を、その下層を吹く第
一唐箕よりも調節幅を大きくしたものであるから、稲の
成育度や出来具合に応じて適確な風選作用を行うことが
出来る特徴を有するものである。特に、選別処理する処
理物に藁屑が多い場合には、第二唐箕の風力を強くして
処理物が第一唐箕の選別範囲に入る前に風選することが
出来、全体の選別精度を高めることが出来る特徴を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す切断正面図である。

【図２】本発明の一実施例を示す切断側面図である。

【図３】本発明の一実施例の作用を表示したグラフであ
る。

【図４】本発明の一実施例を示す切断平面図図である。

【符号の説明】

１ 穀稈供給口 ２ 排藁口 ３ 選別
網 ４ 扱室 ５ 扱胴 ６ グレ
ンシ−ブ ７ ストロ−ラック８ 案内棚 ９ 揺動
選別装置 １０ 選別室 １１ 第一唐箕 １２ 一番
移送螺旋 １３ 二番移送螺旋 １４ 第二唐箕 １５ 吹出
口 １６ 挾やく搬送装置１７ 処理室 １８ 処理
胴 １９ 排塵口 ２０ 供給口 ２１、２１’、２１”螺旋式処理胴 ２２ 移送
螺旋 ２３ 処理爪 ２４ 吸引排塵機 ２５ 回転
軸 ２６ 変速プ−リ− ２７ 伝動プ−リ− ２８ 変速
プ−リ− ２９ 変速レバ− ３０ 二番還元装置

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 一側に穀稈供給口を、他側に排藁口をそ
   れぞれ設けるとともに下方には選別網を張設した扱室を
   構成し、該扱室には扱胴を内装軸架して設け、前記選別
   網の下方にはグレンシ−ブ、ストロ−ラック、案内棚等
   からなる揺動選別装置を吊持した選別室を形成し、該選
   別室の低部には選別方向上手側から第一唐箕、一番移送
   螺旋、二番移送螺旋の順に配置して設け、前記第一唐箕
   の更に上手側には第二唐箕を配置してその吹出口をグレ
   ンシ−ブの方向に向けて設け、該第二唐箕と前記第一唐
   箕の風力の調節幅を第二唐箕の方が大となる構成とした
   脱穀機における選別装置