JPH0537187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は断熱箱体の開口を観音開式の扉によつ
て開閉すると共に扉裏面にはそれぞれシール用の
ガスケツトを備えた冷蔵庫等の扉装置に関する。

(ロ) 従来の技術 従来此種観音開式の扉を有する冷蔵庫は両扉の
裏面に設けたガスケツトによつて庫内を気密に保
つため扉の非枢支側に位置するガスケツトが当接
する面を形成しなければならず、そのため断熱箱
体の開口部を区画する閉塞材を取り付けていた。
前記ガスケツトはこの閉塞材の前面に当接して庫
内の気密を保持するものであるが、この閉塞材が
庫内容積を縮小すると共に開口からの物品の納出
にも邪魔になる欠点が有る。

その為従来では例えば実開昭55−52082号公報
の如く、両扉の非枢支側に位置するガスケツトに
外側方へ突出する単層或いは複数層の舌片を形成
し、これらの舌片を相互に接触せしめて両扉間の
シールを施し、それによつて前述の閉塞材を削除
していたが、経年劣化による気密性能の低下が著
しいので、出願人は例えば実開昭59−180188号で
示す如く、前述の閉塞材の代わりに回動自在の仕
切体を扉側に取り付けた。また実開昭62−63692
号公報に示す如く、第１及び第２扉の非枢支側に
位置する開口縁部に後部に案内溝を有する突部を
設け、第１扉の非枢支側に回動自在に支持された
仕切体の端部に突部の案内溝に進入及び退出する
係合部を設けた。尚、この係合部は、その前面が
突部の半円形の曲面に合致する湾曲面とされてい
る。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記公報に示した扉装置は、第１扉を開いた時
にこの第１扉と共に仕切体が開口縁から遠ざかる
ように回動するため、冷蔵庫内への食品の出し入
れの邪魔にならず、両扉を閉めた時の気密性能も
十分発揮される。しかしながら、仕切体とガイド
部材又は突部は通常合成樹脂等で形成されること
から、仕切体の端部とガイド部材（又は突部）と
の当接及び摺動によつて仕切体は回動するものの
両者の接触面積が大きいことから、各部の成形誤
差や両者の摩擦抵抗等により仕切体の円滑な回動
動作が行われず、第１扉の開閉操作の際に少し余
計な力を加える必要がある等扉の開閉操作が少々
煩わしくなる問題があつた。また、第１扉を閉め
たときに仕切体の前面が開口縁部と略面一となる
ようにするために、仕切体の上下端部は、ガイド
部材又は突部の溝の後方に確実に嵌まり、且つ、
仕切体の前面と面一になるような形状とされてい
ることから、前述の接触面積が大きくなることは
もとより、溝を行き止まり形状にすることができ
ないため、第１扉を閉めたときに仕切体が回りす
ぎて仕切体が開口縁部と面一にならなかつたり両
扉のガスケツトが確実に当接せず密閉性能が低下
する等の不具合があつた。

そこで本考案は、仕切体の端部と開口縁のガイ
ド部材との接触面積を点接触として従来よりも小
さくし、且つ、案内部の溝を行き止まり形状とす
ることにより、仕切体の回動を円滑に行えるよう
にするとともに仕切体の回り過ぎを抑制できるよ
うにした冷蔵庫等の扉装置を提供することを目的
とする。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、断熱箱体５の開口５Ａの両側に回動
自在に枢支される観音開式の第１扉７Ａ及び第２
扉７Ｂと、前記第１扉７Ａの非枢支側部分の裏面
にこの扉と略同じ長さで上下方向に延び且つ回動
自在に取り付けられる仕切体２０と、前記第１扉
７Ａの非枢支側に位置する前記開口５Ａの縁部に
設けられ第１扉７Ａの開閉動作に伴い前記仕切体
２０を回動させるガイド部材３０とを備え、前記
第１扉７Ａを閉じたときに前記仕切体２０の前面
が前記開口５Ａの縁と略面一となるようにした冷
蔵庫等の扉装置において、前記仕切体２０の上下
端部の少なくとも何れか一方には円柱状の突部２
３を設け、前記ガイド部材３０にはこの突部２３
の進入を案内する曲面１０Ａと、この曲面１０Ａ
と向かい合い突部２３の退出を案内する曲面９Ａ
とを有した行き止まりの案内溝１１を設けた冷蔵
庫等の扉装置を提供するものである。

(ホ) 作用 本考案によれば、仕切体の端部に設けた突部を
円柱状にしたことにより、この仕切体の突部と開
口縁部のガイド部材の案内溝とが点接触する状態
で第１扉及び仕切体を円滑に回動させることがで
き、また、案内溝を行き止まりとしたことで、仕
切体の回り過ぎを抑制し第１扉を閉めたときに仕
切体の前面を開口縁と略面一な状態で確実に停止
させることができる。

(ヘ) 実施例 第１図乃至第７図で本願の実施例を説明する。
１は冷蔵庫であり、鋼板製の外箱２と合成樹脂を
成形して成る内箱３と両箱２，３間に充填される
図示しない発泡断熱材とから前方に開口した断熱
箱体５を構成し、この断熱箱体５の開口部５Ａの
左右縁部に上下ヒンジ６Ａ，６Ｂにより回動自在
に枢支された二枚の観音開式扉７Ａ，７Ｂによつ
て開口５Ａを開閉自在に構成している。第２図に
は断熱箱体５の正面図が示されている。内箱３の
両側壁内面には水平略同位置で前後に延在する複
数の網棚レール８が一体に成形されている。扉７
Ａ，７Ｂのそれぞれの非枢支側に位置する部分の
断熱箱体５の開口５Ａ縁部の上下にはガイド部材
３０がそれぞれ相対向して設けられている。ガイ
ド部材３０は前部に突部９を、又、後部に連続し
て突堤１０を有し、突部９は前面を平面状として
開口５Ａと略面一としており、背面は例えば半円
形の曲面９Ａとしている。突堤１０は突部９後方
に離間して、その前面を扉７Ｂの枢支側の曲率半
径が非枢支側より大となるような曲面１０Ａとし
ており、相対向する曲面９Ａと１０Ａ間に案内溝
１１を形成し、且つ、この案内溝１１は、後述の
突部２３の進入を案内する曲面１０Ａと、この曲
面１０Ａと向かい合い突部２３の退出を案内する
曲面９Ａとを有した行き止まりの形状とされてい
る。

ここでガイド部材３０は内箱３と一体に成形し
ても、或いは別体の部材でも良い。

第１図には扉７Ａの裏面斜視図が示されてい
る。扉７Ａは外板３１と内板３２間に断熱材を発
泡充填して成り（ここまでは扉７Ｂも同様）、内
板３２の両側には一対の突壁３４Ａ，３４Ｂが形
成されており、内板３２の周縁部にはマグネツト
を挿入したガスケツト１２が取り付けられてい
る。第４図は冷蔵庫１開口部の平断面図である。
ガスケツト１２は扉７Ｂにも取り付けられ、ガス
ケツト１２は扉７Ａ，７Ｂの閉塞時に断熱箱体５
の開口５Ａの外箱２前縁に着磁して庫内１３をシ
ールする。突壁３４Ａ，３４Ｂの相対向する内面
間には物品載置用のポケツト３６が複数それぞれ
支持される。

扉７Ａの裏面の非枢支側に位置するガスケツト
１２Ａより内側の突提３４Ｂの外側にはガスケツ
ト１２Ａ方向及び上下に開放した断面略コ字状の
収納部材１４が取り付けられる。収納部材１４は
上下のガイド部材３０，３０の間隔よりも少許短
い寸法で上下に延在している。収納部材１４の扉
７Ａ側の開放端にはヒンジ部材１９が取付けら
れ、このヒンジ部材１９に断面略矩形状の仕切体
２０が取付けられる。仕切体２０は略開口５Ａ縁
を上下に渡る長さであつて上下のガイド部材３
０，３０の案内溝１１，１１の間隔よりも少許短
い寸法で上下に延在しており、前面は平面として
第１図の如く鋼板２１が取り付けられ、後部の隅
部は曲面形状とされている。仕切体２０はヒンジ
部材１９によつて収納部材１４に対して回動自在
とされており、第４図に示す如く、収納部材１４
内に納出自在に収納されるが、その寸法上、仕切
体２０の上下端は収納部材１４より突出して、こ
の部分のヒンジ部材１９から最も遠い位置に仕切
体２０の回動軸即ち上下方向を回転軸とする円柱
状の突部としてのローラ２３が取付けられる。一
方、案内溝１１，１１の曲面１０Ａ，１０Ａから
は案内溝１１，１１方向に左右に傾斜を有して突
出する弾性を具備した突出片１７が突出形成され
ている。

次に第５図乃至第７図を用いて動作を説明す
る。今、扉７Ａを開いた状態では（扉７Ｂは開い
ていても閉じていても良い。）、仕切体２０は第１
図の如く収納部材１４内に収納しておく。この時
厳密には上下端部以外の仕切体２０が収納されて
おり、この状態で例えば使用者の手が誤つて収納
部材１４若しくは仕切体２０に当つても仕切体２
０は収納部材１４に保持されているから回動され
る危険性は無い。又、仕切体２０及び収納部材１
４はポケツト３６側方の空間を利用して位置せら
れているから、庫内１３の空間を極度に狭めず、
又、物品の納出の際にも然程邪魔にならない。

次に扉７Ａを閉じて行くと、やがて仕切体２０
のローラ２３が案内溝１１内に侵入して突堤１０
の曲面１０Ａに当接する。この状態を第５図の仕
切体２０Ａで示す。更に扉７Ａを閉じて行くとロ
ーラ２３は曲面１０Ａを滑動し、それに伴い仕切
体２０はヒンジ部材１９を中心に第５図中反時計
回りに回動される。この状態を第５図中の仕切体
２０Ｂで示す。更に扉７Ａを閉じて行くとやがて
ローラ２３は突出片１７に当接し、突出片１７が
傾斜と弾性を有しているために扉７Ａの閉塞と同
時に突出片１７を乗り越える。この状態を第５図
中の仕切体２０Ｃ及び第６図、第７図に示す。こ
の時仕切体２０前面の鋼板２１は開口５Ａと略面
一となり、扉７Ａ，７Ｂのガスケツト１２Ａ，１
２Ａの着磁面を構成し、これによつて開口５Ａは
密閉されることになる。

逆に扉７Ａを開ける場合はローラ２３が突出片
１７を乗り越え突部９の曲面９Ａに沿つて滑動
し、第５図中時計回りに回動せられ、やがて収納
部材１４内に収納される。

以上の動作中ローラ２３は曲面１０Ａ若しくは
９Ａに沿つて滑動するので仕切体２０の回動は円
滑に行われるため、扉７Ａの開閉がきわめて容易
に行える。又、扉７Ａの閉塞時、ローラ２３は突
出片１７に保持されているので扉７Ｂの当接等に
よつて仕切体２０が容易に回動せしめられること
もない。

(ト) 考案の効果 本考案によれば、仕切体の端部に設けた突部を
円柱状にしたことにより、この仕切体の突部と開
口縁部のガイド部材の案内溝とが点接触する状態
で第１扉及び仕切体を円滑に回動させることがで
き、また、ガイド部材の案内溝を行き止まりとし
たことにより、第１扉を閉めたときの仕切体の回
り過ぎを抑制して仕切体の前面を開口縁と略面一
な状態で確実に停止させることができ、且つ、第
２扉を閉めたときに仕切体が退出方向に回動する
ことを防止でき、仕切体の前面と第１及び第２扉
の非枢支側に位置するガスケツトとの密閉性能を
向上できる。

【図面の簡単な説明】

各図は本考案の実施例を示すもので、第１図は
扉の斜視図、第２図は断熱箱体の正面図、第３図
は冷蔵庫の斜視図、第４図は仕切体部分の拡大平
断面図、第５図は仕切体の動作を示すガイド部材
の平面図、第６図は扉の閉塞時のガイド部材の平
面図、第７図は扉の閉塞時のガイド部材の斜視図
である。 ７Ａ，７Ｂ……扉、９Ａ，１０Ａ……曲面、１
１……案内溝、１２……ガスケツト、１７……突
出片、２０……仕切体、２３……ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断熱箱体５の開口５Ａの両側に回動自在に枢支
   される観音開式の第１扉７Ａ及び第２扉７Ｂと、
   前記第１扉７Ａの非枢支側部分の裏面にこの扉と
   略同じ長さで上下方向に延び且つ回動自在に取り
   付けられる仕切体２０と、前記第１扉７Ａの非枢
   支側に位置する前記開口５Ａの縁部に設けられ第
   １扉７Ａの開閉動作に伴い前記仕切体２０を回動
   させるガイド部材３０とを備え、前記第１扉７Ａ
   を閉じたときに前記仕切体２０の前面が前記開口
   ５Ａの縁と略面一となるようにした冷蔵庫等の扉
   装置において、前記仕切体２０の上下端部の少な
   くとも何れか一方には円柱状の突部２３を設け、
   前記ガイド部材３０にはこの突部２３の進入を案
   内する曲面１０Ａと、この曲面１０Ａと向かい合
   い突部２３の退出を案内する曲面９Ａとを有した
   行き止まりの案内溝１１を設けたことを特徴とす
   る冷蔵庫等の扉装置。