JPH0536907Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、主に建物の建築施工に際して仮設
される作業用足場の組立てに使用される足場材に
係り、さらにいえば、単管の足場板を架けるブラ
ケツトを一体化して成るブラケツトユニツト足場
材に関するものである。

従来の技術 従来、建築の躯体工事及び仕上げ工事の安全作
業を確保するために、必ず作業用足場が仮設され
ている。吊り足場とか外部の枠組足場がそれであ
る。

ところで、例えば第５図に示したように建物躯
体ａの外面にでつぱり部分a′による凹凸がある建
物の場合には、外部の枠組足場ｂを組立てた上
で、さらにその内側に建物ａとの隙間をなくする
補助足場ｃを組み、墜落防止と安全性確保が図ら
れている。

従来、このような補助足場ｃを組立てる手段と
しては、第８図に示したように単管ｄにブラケツ
トｆを取付け、この単管ｄを使用して第７図のよ
うに外部足場を組立て、各々のブラケツトｆ，ｆ
の上に足場板ｇを架けるやり方で行なわれてい
る。

本考案が解決しようとする問題点 第７図のように、外部足場に、ブラケツトを取
付けた単管ｄを付加する従来のやり方では、個々
のブラケツトの取付けに手間がかかることは勿
論、前記単管ｄを取付け固定するためには単管
d₂，d₃、d₄を併用することが必要で、さらにこれ
らとの取合いにクランプが必要となるなど部品点
数が多くなるほか、足場板を架けた状態が雑然と
して見栄えが悪い。のみならず、作業員にとつて
足場位置の予断ができにくいため安全性確保に難
点があつた。

また、スパンによつては現状のブラケツトを使
用できない場所があるという問題点もあつた。

問題点を解決するための手段 上記従来技術の問題点を解決するための手段と
して、この考案に係るブラケツトユニツト足場材
は、図面に第１図〜第６図に好適な実施例を示し
たとおり、 垂直方向に配設される単管１の上部に直角水平
の向きに、さや管２ａ及びこのさや管２ａ内にテ
レスコーピツク状に収納可能な芯管２ｂとから成
る伸縮自在構造のブラケツト２の当該さや管２ａ
を突設した。そして、前記単管１の上端及び下端
の各位置に、水平方向に配設される単管７，７′
と連結可能な公知の単管クランプ３，３′をそれ
ぞれ取付けて構成した。

作 用 このブラケツトユニツト足場材は、その単管１
を通常の単管と上下方向に接続して使用される。
また、水平方向の単管とは単管クランプ３，３′
により連結することができ、もつて外部足場、又
は一側足場を組立てる資材の一種に供せしめられ
る。

しかも、単管１には工場製作によるものとして
ブラケツト２が一体的構造で突設されているの
で、同ブラケツト２と建地とが一体化するから構
造的信頼性が高い。また、同ブラケツト２は外部
足場と建物ａとの隙間の大きさに適応するように
伸縮調整して使用できるので、あとは足場板１３
を架けるだけのことにより補助足場ｃを簡単、迅
速に構築できる。

つまり、このブラケツトユニツト足場材を使用
する場合は、他に一切の付随部品類を必要とせ
ず、また、ブラケツト２の高さ位置は工場製作の
段階で統一されているので、足場板１３を架けた
状態は極めて整然としており、作業者の予断を入
れて使用できるから安全性確保に効果大である。

実施例 次の、図面に示したこの考案の実施例を説明す
る。

第１図と第２図に示したブラケツトユニツト足
場材は、一例として長さ1700mm、直径が43ぐら
いの単管１の上部（例えば上端から90mmぐらい下
方の位置）に、太さが43ぐらいのさや管２ａと
芯管２ｂとをテレスコーピツクの伸縮自在構造に
組合せて成るブラケツト２が、直角水平の向きに
突設されている。即ち、さや管２ａの基端部が単
管１の該当位置へ溶接等で固着され、煩杖４を組
入れて補剛されている。さや管２ａの長さは320
mm位で、芯管２ｂは最大200mm位まで伸長させる
ことができ、ブラケツト２の最大長さは520mm位
にはなる構成とされている。伸縮調整をした芯管
２ｂは、さや管２ａの先端側に設けた固定ねじ６
で締付け固定されるようになつている（第１図）。
芯管２ｂの先端部に先端カプラー５（第１図）を
取り外し可能に設けてあり、必要に応じてブラケ
ツト２の先端部に防護棚用の支柱などを取付け可
能とされている。

次に、単管１の上端から下方へ約200mmぐらい
下つた位置、及び逆に同単管１の下端から上方へ
150mmぐらい上つた位置に、それぞれ単管クラン
プ３，３′が１個ずつ合計２個取付けられている。
この単管クランプ３，３′により、第２図のよう
に水平方向に配設した単管７，７′と連結し足場
の組立てができるようになつている。

また、単管１の下端には他の垂直単管８の入れ
子８ａを差し込んで接続することができ、かつ同
下端部に設けた固定ねじ９で締め付け固定できる
ものとされている。他方、単管１の上端部には他
の垂直単管８の下端へ差込み接続するための入れ
子１０を突設してあり、同上位の垂直単管８の下
端に設けてある固定ねじ８ｂで締付け固定できる
ものとされている。つまり、このブラケツトユニ
ツト足場材の単管１は、他の一般足場資材たる単
管７，８と共通仕様で足場の組立てに使用できる
のである。

さらに、単管１における上下の単管クランプ
３，３′よりも幾分中央寄りの位置にピン１１，
１１が突設されており、これらのピン１１，１１
には隣接する２本のブラケツトユニツト足場材の
間でブレース１２，１２をたすき掛状に組入れ可
能とされている（第２図参照）。

したがつて、このブラケツトユニツト足場材
は、一例として第３図と第４図に示したように建
物ａの外部に仮設される一側足場の支柱材として
使用し、ブラケツト２，２間に足場板１３…を架
けることにより外部足場架けと同時に組立ができ
る。この場合、建物とブラケツト２とが一体に構
成されているので、足場の安全性が確保される。
この足場は建物ａにつなぎ材１４で反力をとつて
構築されている。

また、このブラケツトユニツト足場材は、第５
図と第６図に示した如く外面に凹凸がある建物ａ
の外部に枠組足場ｂを組立てた上で、さらにその
内側へ建物ａとの隙間をなくする補助足場ｃを組
立てることにも便利に使用できる。即ち、このブ
ラケツトユニツト足場材は、垂直方向に長く接続
すると共に単管クランプ３，３′で枠組足場ｂの
骨組管材に連結して支持せしめ、ブラケツト２，
２上に足場板１３を架けて補助足場ｃが組立てら
れているのである。

この場合、他に単管等の資材やクランプ類は一
切無用であり、足場板１３を架けた状態が整然と
しているので、作業員の足元に対する予断が容易
に可能であり、それだけ安全性が確保される。し
かも、ブラケツト２が伸縮自在な構造なので、枠
組足場ｂと建物ａの外面との間隙に多少のバラつ
きがあつても、その隙間を必要十分に埋める補助
足場ｃを組めるので、使用上の融通性、自在性に
優れ墜落防止と安全性の向上を確保できるのであ
る。

本考案が奏する効果 以上に実施例と併せて詳述したとおりであつ
て、この考案に係るブラケツトユニツト足場材
は、単管１とブラケツト２とを工場製作品として
一体化構造とされているので、それだけ足場資材
としての信頼性が高く安全性向上が確保される。

また、ブラケツト２は、単管１に対して一定の
高さ位置へ一定の精度で設けられているので、こ
のブラケツト２へ架けた足場板１３のレベルが整
然となり、見栄えが良い上に作業員にとつては足
場としての使用上の安心感が高く、やはり安全性
に優れるのである。

しかも、建物ａの外部の枠組足場ｂの内側へ補
助足場ｃを設けることにも適用性があり、特にブ
ラケツト２が伸縮自在なので、建物ａと枠組足場
ｂとの間の隙間を必要十分に補助足場ｃで埋める
ことができ、墜落防止に大きく寄与する。

その他、一側足場の組立てや通常のブラケツト
足場の組立てにも一般の単管と同様の足場資材と
して代替使用できるので経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るブラケツトユニツト足
場材を示した立面図、第２図は同使用状態を示し
た斜視図、第３図と第４図は一側足場としての使
用状態を示した側面図と正面図、第５図と第６図
は外部枠組足場の内側に補助足場を組立てた使用
状態を示した平面図と立面図、第７図は従来の足
場構造を示した斜視図、第８図は従来のブラケツ
ト取付け構造を示した正面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直方向に配設される単管１の上部に直角水平
   の向きにさや管２ａ及びこのさや管２ａ内にテレ
   スコーピツク状に収納可能な芯管２ｂとから成る
   伸縮自在構造のブラケツト２の当該さや管２ａが
   突設されてあり、前記単管１の上端及び下端の各
   位置に水平方向に配設される単管７，７′と連結
   可能な単管クランプ３，３′がそれぞれ取付けら
   れていることを特徴とするブラケツトユニツト足
   場材。