JPH0536729Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、たとえばセレクトレバーによりレン
ジの選択を行なうオートマチツク車に取付けら
れ、また、セレクトレバーの誤操作により生じる
車両の急発進を防止するためのシフトロツク機構
を設けた車両のセレクトレバー装置に関する。

（従来の技術） 一般に、オートマチツク車は第３図に示すよう
なセレクトレバー１を操作することでパーキング
２、リバース３、ドライブ４などの各種のレンジ
の選択を行なうようになつている。そして、この
セレクトレバー１は指操作でプツシユボタン５を
突没させることにより各レンジにおける位置決め
および移動が行なえるようになつている。ここ
で、第３図に示すのはニユートラルレンジを選択
している状態である。このようなセレクトレバー
１の操作はマニユアルシフト車の場合のようにク
ラツチペダルを踏みながら行なう必要がないため
容易であるが、運転者が不馴れな場合等には上記
プツシユボタンを押したままパーキングレンジ２
から直接ドライブレンジ４にシフトしてしまうな
どの誤操作が生じることが考えられる。そして、
このような誤操作が実際に行なわれた場合には運
転者の意に反して車両が急発進してしまう恐れが
あるため、安全対策として発進の際にはブレーキ
ペダルを踏みながらパーキングレンジからドライ
ブレンジ２、またはリバースレンジ３にシフトす
るというのが望ましい。

しかし、このようなシフト・チエンジ方法が習
慣となつていない運転者もあり、そのためオート
マチツク車の急発進を確実に防止する技術が望ま
れていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上述のように従来はオートマチツク車の急発進
を確実に防止する技術が望まれていた。

また、極一部の車両には急発進を防止するため
の装置をオプシヨンパーツ的に取付けられるよう
にしたものもあるが、装置が大型となつて多くの
取付けスペースを有するとともに、重量の増加が
著しいという問題があつた。

本発明の目的とするところは、シフトロツク機
構の作動不良の発生を防止することが可能で、信
頼性の高いセレクトレバー装置を提供することに
ある。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段及び作用） 上記目的を達成するために本考案は、セレクト
レバー装置に、第１の切欠部と第２の切欠部とを
有し、上記第１の切欠部にはセレクトレバーがパ
ーキング・レンジに位置しているときにデイテン
トピンに係止し上記デイテントピンが上下動する
ことにより回動するロツクカムと、ブレーキペダ
ルに連結され、ブレーキペダルが踏まれていない
ときには上記ロツクカムの第２の切欠部に係合し
て上記ロツクカムの回動を阻止し、また上記ブレ
ーキペダルを踏んだときには上記第２の切欠部か
ら離脱するシフトロツクケーブルとからなるシフ
トロツク機構を設け、さらに上記シフトロツクケ
ーブルの上記ロツクカム側の端部をリターンスプ
リングに付勢される進退ピンで形成したことにあ
る。そして、ブレーキペダルを踏みながらでなけ
ればパーキングレンジからシフトチエンジができ
ないようにするとともに、上記シフトロツク機構
が円滑に作動するようにしたことにある。

こうすることによつて本考案は、シフトロツク
機構の作動不良の発生を防止し、セレクトレバー
装置の信頼性を向上できるようにしたことにあ
る。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す
もので、１１は下端に回動機構部１２を有する金
属製棒体のセレクトレバー、１３は複数の段差形
状のパターン１４が設けられた金属製のデイテン
トプレートである。そして、上記セレクトレバー
１１は、車体に取付けられその中央部に透孔１５
を有する設置板１６の上記透孔１５に挿通されて
おり、また、上記デイテントプレート１３は上記
設置板１６から上方に立設されている。更に、上
記セレクトレバー１１には図示しないプツシユボ
タンを指操作することにより軸方向に一定範囲で
上下動するデイテントピン１７が突出している。
そして、このデイテントピン１７は上記デイテン
トプレート１３の一端部のパターン１４ａに係止
している。ここで、このパターン１４ａは上記デ
イテントピン１７を係止させることによりセレク
トレバー１１をパーキングレンジに位置決めする
ものである。つまり、第１図に示すのはパーキン
グレンジを選択した状態である。

さらに、図中１８は一端側に第１の切欠部１９
を有し、他端側に円弧２０と第２の切欠部として
の切欠溝２１を有する板状のロツクカムである。
このロツクカム１８は上記デイテントプレート１
３を厚み方向に貫通する円柱体の支持ピン１８ａ
に回動自在に固定されている。すなわち、上記ロ
ツクカム１８はその厚み方向とデイテントプレー
ト１３の厚み方向とをほぼ一致させて上記支持ピ
ン１８ａを中心として回動する。更に、上記支持
ピン１８ａは第１の切欠部１９側に偏倚してい
る。また、上記ロツクカム１８の取付けの位置お
よび状態は、セレクトレバー１１がパーキングレ
ンジにあるときに間にデイテントプレート１３を
挟んでデイテントピン１７に上記第１の切欠部１
９が係止するようになつている。

更に、このときロツクカム１８の切欠溝２１に
はブレーキペダル２２の回動に連動して突没する
進退ピン２３の先端部２４が係合している。この
進退ピン２３はシフトロツクケーブル２５の一端
部を形成するものである。そして、このシフトロ
ツクケーブル２５は、設置板１６の側壁部１６ａ
に嵌合固定した六角ナツト２５ａに螺合された筒
状体のアウターキヤツプ２６に挿入されたもの
で、その上記一端部の内部構造は第２図に示すよ
うになつている。すなわち、上記シフトロツクケ
ーブル２５は管状のアウターケーブル２７に、先
端に太径のケーブルエンド２８を有するインナケ
ーブル２９を挿通している。また、上記ケーブル
エンド２８は中空な進退ピン２７の内部に軸方向
に移動自在に収納され、更に係止部３０によつて
上記進退ピン２３から抜出すことがないようにな
つている。また、上記進退ピン２３の内部には一
端は上記ケーブルエンド２８の先端に当接し他端
は先端内壁３１に当接するリターンスプリング３
２を内蔵している。更に、これらアウターケーブ
ル２７、インナーケーブル２９および進退ピン２
３は上記アウターキヤツプ２６に対して摺動可能
である。また、インナーケーブル２９の他端部２
９ａはブレーキペダル２２に接続されており、ブ
レーキペダル２２が踏まれていないときには上記
進退ピン２３を前進させた状態に規制する。これ
によつて上記進退ピン２３の先端部２４がロツク
カムの切欠溝２１に係合する。また、ブレーキペ
ダル２２を踏むことでインナーケーブル２９が進
退ピン２３とともに引張られ、これによつて進退
ピン２３が上記切欠溝２１から離脱する。

このようなロツクピン１８およびシフトロツク
ケーブル２３とでシフトロツク機構３３を形成し
ている。

次に、このようなシフトロツク機構３３を有す
るセレクトレバー装置の動作状態について説明す
る。まず、第１図はセレクトレバー１１がパーキ
ングレンジに位置し、さらにブレーキペダル２２
が踏まれていない状態である。このときには上記
デイテントピン１７はデイテントプレート１３の
パターン１４ａに係止し、同時にデイテントプレ
ート１３を挟んで上記ロツクカム１８の第１の切
欠部１９が係止している。更に、ロツクカム１８
の上記切欠溝２１には上記進退ピン２３の先端部
２４が前進した状態で係合している。このような
状態においてはシフトチエンジを行なうため図示
しないプツシユボタンを押すと、デイテントピン
１７は下動しようとして上記第１の切欠部１９を
下方に押す。これによつてロツクカム１８は上記
支持ピン１８ａを中心として図中の矢印Ａ方向に
回動しようとするが、切欠溝２１に前進した進退
ピン２３の先端部２４が係合しているので回動で
きない。すなわち、第１図に示すのはシフトロツ
クされている状態である。しかし、ここでブレー
キペダル２２を踏むと進退ピン２３の先端部２４
が後退し切欠溝２１から離脱する。これによつて
ロツクカム１８はロツク解除となり上記デイテン
トピン１７の下動が許される。そして、デイテン
トピン１７がデイテントプレート１３のパターン
１４ａから離れることでセレクトレバー１１が回
動機構１２を中心として図中の矢印Ｂ方向へ回動
可能となる。したがつて、パーキングレンジから
他のレンジへの選択ができるようになる。また、
セレクトレバー１１がパーキングレンジ以外のレ
ンジへ移動した後には、上記支持ピン１８ａが第
１の切欠部１９側へ偏倚しているためにロツクカ
ム１８図中の矢印Ｃ方向へ回動する。このとき、
ブレーキペダル２２が踏まれていなければ、進退
ピン２３は突出しているので、進退ピン２３とロ
ツクカム１８とが干渉する。

しかし、リターンスプリング３２が進退ピン２
３とケーブルエンド２８との間に介装されている
ので、進退ピン２３は、ロツクカム１８の円弧２
０と摺動すると、リターンスプリング３２を圧縮
しながら没入する。この結果、進退ピン２３の先
端部２４がロツクカム１８の回動を妨げる力はほ
とんど生じることがない。また、上記円弧２０に
よつて上記先端部２４が没入方向に押されても、
上記ケーブルエンド２８軸方向に移動自在である
からこれによる影響を受けない。したがつて、ブ
レーキペダル２２の戻りが円滑に行なわれる。そ
して、上記ロツクカム１８の回動は切欠溝２１に
上記先端部２４が係合する位置まで行なわれる。
更に、ブレーキペダル２２が踏まれたままのとき
にはロツクカム１８の回動を任意の位置で停止さ
せるストツパ（図示しない）を取付けることで容
易に進退ピン２３の先端部２４を切欠溝２１に係
合させることができる。したがつて、再びパーキ
ングレンジを選択すれば上記デイテントピン１７
が上記第１の切欠部１９に係止し、上述のような
セレクトレバー装置の動作が繰返される。

このようなシフトロツク機構を有するセレクト
レバー装置はブレーキペダル２２を踏みながらで
なければシフトチエンジが行なえないものである
から、運転者に対して急発進を起こすことのない
正確な運転を励行させる。したがつて、急発進を
確実に防止することができる。

また、進退ピン２３がロツクカム１８の円弧２
０の形状に合せて突没するものであるからブレー
キペダル２２の戻り不良、およびセレクトレバー
１１やデイテントピン１７の作動不良が生じるこ
とがない。

また、設置板１６上に必要なほとんどの部品を
集約的に設けることができるからシフトロツク機
構３３取付けのためにスペースを大きくとる必要
がなく小型化される。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、パーキング・レ
ンジを含む複数のレンジを選択する車両のセレク
トレバー装置において、第１の切欠部と第２の切
欠部とを有し、第１の切欠部にはセレクトレバー
がパーキング・レンジに位置しているときにデイ
テントピンが上下動することにより回動するロツ
クカムと、ブレーキペダルが踏まれていないとき
にはロツクカムの第２の切欠部に係合してロツク
カムの回動を阻止し、またブレーキペダルを踏ん
だときには第２の切欠部から離脱するシフトロツ
クケーブルとからなるシフトロツク機構を設け、
さらにこのシフトロツク機構に、シフトロツクケ
ーブルの先端に設けられリターンスプリングによ
り付勢されながらシフトロツクケーブルの軸方向
に自在に突没する進退ピンを備え、ロツクカムが
回動する際に進退ピンを、リターンスプリングに
より付勢しながら没入させるものである。

したがつて、本考案は、シフトロツク機構の作
動不良の発生を防止し、セレクトレバー装置の信
頼性を向上できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の第１の実施例を
示すもので、第１図はセレクトレバー装置の側面
図、第２図はシフトロツクケーブルの進退ピン周
辺の縦断面図、第３図は一般のセレクトレバーの
外観を示す斜視図である。 ２……パーキングレンジ、１１……セレクトレ
バー、１３……デイテントプレート、１４，１４
ａ……パターン、１７……デイテントピン、１８
……ロツクカム、１９……第１の切欠部、２１…
…切欠溝、２２……ブレーキペダル、２３……進
退ピン、２５……シフトロツクケーブル、３２…
…リターンスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. セレクトレバーから突出し上下動するデイテン
   トピンをデイテントプレートに設けられたパター
   ンに対して係脱させ、パーキング、レンジを含む
   複数のレンジを選択する車両のセレクトレバー装
   置において、第１の切欠部と第２の切欠部とを有
   し、上記第１の切欠部にはセレクトレバーがパー
   キン・グレンジに位置しているときに上記デイテ
   ントピンに係止し上記デイテントピンが上下動す
   ることにより回動するロツクカムと、ブレーキペ
   ダルに連結され、ブレーキペダルが踏まれていな
   いときには上記ロツクカムの第２の切欠部に係合
   して上記ロツクカムの回動を阻止し、また上記ブ
   レーキペダルを踏んだときには上記第２の切欠部
   から離脱するシフトロツクケーブルとからなるシ
   フトロツク機構を設け、上記シフトロツクケーブ
   ルの摺動方向と同一方向に摺動可能で上記シフト
   ロツクケーブルの先端よりもロツクカムに突出し
   て設置され上記ロツクカムに選択的に係合する進
   退ピンと、上記シフトロツクケーブルの先端と上
   記進退ピンとの間に互いに引き離す方向に付勢す
   るように介装されたリターンスプリングとを備え
   たことを特徴とする車両のセレクトレバー装置。