JPH055323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動変速機の変速操作装置に関する。

（従来の技術及びその課題） 従来、自動変速機の操作レバーの誤操作に基づ
く自動車の急発進、変速ギヤの破損等を防止する
ため、操作レバーの握持部に設けられたシフトノ
ブを押さなければ、Ｒポジシヨンへの出し入れ、
Ｄポジシヨンから２ポジシヨン又はＬポジシヨン
へのシフト操作ができないようにしたものや、駐
車ブレーキがONの状態で、かつ、操作レバーが
Ｐポジシヨンになければエンジンを起動できない
ようにしたもの或いはブレーキペダルを踏んだ状
態でなければＰポジシヨンからＲポジシヨン又は
Ｄポジシヨンにシフト操作できないようにしたも
の等が提案されているが、未だなお操作レバーの
予測できない誤操作に基づく事故が発生してい
る。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記に鑑み、操作レバーのシフト操作
に際し、シフトノブの押圧や操作レバーの揺動等
の尋常の操作の他に操作レバーの伸縮操作をしな
ければシフト操作ができないようにして、運転者
の無意識的な慣用操作に基づく誤操作を防止しよ
うとするものであつて、その要旨とするところ
は、軸まわりに揺動する操作レバーに設けられた
シフトノブを押すことによつて移動する第１のデ
イテントピンが係合する第１のガイド穴をデイテ
ントプレートに設けた自動変速機の変速操作装置
において、上記操作レバーを伸縮自在とし、この
操作レバーの伸縮に応じて移動する第２のデイテ
ントピンが係合する第２のガイド穴を上記デイテ
ントプレートに設けたことを特徴とする自動変速
機の変速操作装置にある。

（作用） 本考案においては、上記構成を具えているた
め、操作レバーを伸縮して第２のデイテントピン
を移動し、この第２のデイテントピンと第２のガ
イド穴との係合を解離することによつて操作レバ
ーの揺動が許容される。

（実施例） 本考案の１実施例が第１図及び第２図に示され
ている。

第１図及び第２図において、１は操作レバー
で、有底円筒状の上部部材１１ａと有底円筒状の
下部部材１ｂからなり、上部部材１ａの下端は下
部部材１ｂ内にその上端開口から挿入されて望遠
鏡式に相対移動できるようになつている。そし
て、上部部材１ａの下部に突設されたピン２は下
部部材１ｂに穿設されて上下に伸びるスリフト１
ｃを貫通して放射方向に伸び、このピン２と下部
部材１ｂの上部に突設されて放射方向に伸びるピ
ン３との間に下部部材１ｂを巻回するコイルスプ
リング４が介装され、このコイルスプリング４に
よつて上部部材１ａと下部部材１ｂは互いに引き
寄せられて操作レバー１は短縮するように付勢さ
れている。

下部部材１ｂの下端はスリーブ１１に溶接さ
れ、このスリーブ１１はブラケツト１２に螺合さ
れたボルト１３の外周に相対回動自在に嵌合され
ている。

上部部材１ａの上端には握り５が固着され、こ
の握り５内に摺動自在に嵌挿されたシフトノブ６
はその内端に配設されたコイルスプリング７によ
つて押推されることによりその外端が握り５の一
端より突出している。そして、このシフトノブ６
の下面に穿設された切り欠き６ａにカム８の上端
が嵌合し、カム８の上端に形成された傾斜面８ａ
は切り欠き６ａの外端側に形成された傾斜面６ｂ
と対向している。

カム８は上部部材１ａ内上部に上下摺動自在に
嵌合され、その下端はロツド９を介して上部部材
１ａ内中央部に上下動摺動自在に嵌合されたスラ
イダー１０の上端に連結されている。

そして、このスライダー１０はその下面と上部
部材１ａの底面との間に介装されたコイルスプリ
ング１６によつて上方に押推されている。

また、スライダー１０には第１のデイテントピ
ン１４の基端が固定され、この第１のデイテント
ピン１４は上部部材１ａに穿設されて上下に伸び
るスリツト１ｄを貫通し、その先端はデイテント
プレート１５に穿設された第１のガイド穴１５ａ
内に嵌挿されている。

このデイテントプレート１５はブラケツト１２
に固定されて操作レバー１の揺動面と若干の間隔
を隔ててこれと平行に伸びている。そして、この
デイテントプレート１５には第１のガイド穴１５
ａの下方に第２のガイド穴１５ｂが穿設され、こ
の第２のガイド穴１５ｂ内には上部部材１ａの下
部に突設されスリツト１ｃを貫通して放射方向に
伸びる第２のデイテントピン１７が嵌合してい
る。なお、１８はスリーブ１１に基端が固着され
たアームである。

しかして、操作レバー１はボルト１３の軸芯の
まわりに揺動して、Ｐポジシヨン、Ｒポジシヨ
ン、Ｎポジシヨン、Ｄポジシヨン、２ポジシヨン
及びＬポジシヨンに位置せしめられる。そして、
操作レバー１をＤポジシヨンから２ポジシヨン及
び２ポジシヨンからＬポジシヨンにシフトすると
きは、事前にシフトノブ６をスプリング７の弾発
力に抗して押し込む。すると、傾斜面６ｂがカム
８の傾斜面８ａに当接してカム８を下方に押し下
げ、カム８はロツド９を介してスライダー１０を
スプリング１６の弾発力に抗して下方に移動させ
る。

かくして、スライダー１０に固着された第１の
デイテントピン１４がスリツト１ｄに案内されて
操作レバー１の長手方向に沿つて移動し、これと
同時にデイテントプレート１５の第１のガイド穴
１５ｂ内を下方に移動して、段部イ又はロを乗り
越えるので、操作レバー１の揺動が可能となる。

操作レバー１をＮポジシヨンからＲポジシヨン
へ，ＲポジシヨンからＰポジシヨンへ及びＰポジ
シヨンからＲポジシヨンへシフトするときは、事
前に握り５を持つて上部部材１ａをスプリング４
に抗して上方に引き上げることによつて操作レバ
ー１を伸長させる。すると、第２のデイテントピ
ン１７がスリツト１ｃに案内されて上方に移動
し、これと同時に第２のデイテントピン１７は第
２のガイド穴１５ｂ内を上方に移動して、段部
ハ，ニ、又はホを乗り越えるので、操作レバー１
の揺動が可能となる。

また、操作レバー１をＲポジシヨンからＤポジ
シヨンに急激に移動しようとすると、第２のデイ
テントピン１７が段部へに当たつて一旦Ｎポジシ
ヨンにシフトされるので、変速機の破損を防止で
きる。

第３図及び第４図には本考案の第２の実施例が
示されている。

この第２の実施例においては、上部部材１ａは
その下端面と下部部材１ｂの底面との間に介装さ
れたコイルスプリング１９によつて上方に押圧さ
れ、操作レバー１は常時伸長するように付勢され
ている。そして、操作レバー１をこのコイルスプ
リング１９の弾発力に抗して押下げることにより
短縮させない限り、ＮポジシヨンからＲポジシヨ
ンへ、ＲポジシヨンからＰポジシヨンへ及びＰポ
ジシヨンからＲポジシヨンへシフトできないよう
に第２のガイド穴１５ｃの形状が形成されてい
る。他の構成、作用は第１の実施例と同様であ
り、対応する部材には同じ符号が付されている。

（考案の効果） 本考案においては、操作レバーを伸縮自在と
し、この操作レバーの伸縮に応じて移動する第２
のデイテントピンが係合する第２のガイド穴をデ
イテントプレートに設けたため、操作レバーを伸
縮して第２のデイテントピンを移動し、この第２
のデイテントピンと第２のガイド穴との係合を解
離することによつて始めて操作レバーの揺動が許
容される。

かくして、操作レバーのシフト操作に際し、シ
フトノブの押圧や操作レバーの揺動という尋常な
操作の他に操作レバーの伸縮操作を強制すること
によつて運転者の注意を喚起して運転者の無意識
的な慣用操作に基づく誤操作を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の１実施例を示し、
第１図は正面図、第２図は断面図である。第３図
及び第４図は本考案の第２の実施例を示し、第３
図は正面図、第４図は断面図である。 操作レバー……１、デイテントプレート……１
５、シフトノブ……６、第１のデイテントピン…
…１４、第１のガイド穴……１５ａ、第２のデイ
テントピン……１７、第２のガイド穴……１５
ｂ，１５ｃ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸まわりに揺動する操作レバーに設けられたシ
   フトノブを押すことによつて移動する第１のデイ
   テントピンが係合する第１のガイド穴をデイテン
   トプレートに設けた自動変速機の変速操作装置に
   おいて、上記操作レバーを伸縮自在とし、この操
   作レバーの伸縮に応じて移動する第２のデイテン
   トピンが係合する第２のガイド穴を上記デイテン
   トプレートに設けたことを特徴とする自動変速機
   の変速操作装置。