JPH0412273Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はオートマチツク型トランスミツシヨン
を備えた自動車のチエンジレバーに関するもので
ある。

（従来の技術） 一般に、この種の自動車のチエンジレバーは、
ベースに回動自在に枢着したレバーに、ロツク部
材を長手方向に摺動可能に、かつ、上方向に付勢
して設け、押ボタン操作によりロツク部材を下動
して、ベースに設けたガイド溝の複数の係合部に
選択的に係合可能としたものであり、操作性を考
慮して運転席の側方のセンターコンソールパネル
に設けられている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、運転席より助手席のグローブボ
ツクス内の物を取り出したり、助手席のドアを開
けたりする場合等、チエンジレバーが突出してい
るとかえつて邪魔になるという問題があつた。

本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもの
で、チエンジレバーを屈曲して邪魔にならないよ
うにすることができる自動車用チエンジレバーを
提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 前記問題点を解決するため、本考案は、ベース
に回動自在に枢着した管状のチエンジレバーに、
長手方向にスリツトを設けて、該スリツトに嵌入
して外方に突出するロツク部材を長手方向に摺動
可能に、かつ、上方向に付勢して設け、当該ロツ
ク部材を押ボタン操作により下動して、ベースに
設けたガイドプレートの複数の係合部に選択的に
係合可能とした自動車用チエンジレバーにおい
て、前記ガイドプレートの係合部のうちパーキン
グ用溝と対向する位置にレバー屈曲用溝を設ける
一方、チエンジレバーをスリツトより上方で上下
に２分割してヒンジ結合するとともに、上下レバ
ー間をロツク部材と一体的に摺動し、ロツク部材
が係合部と係合する位置では上下各レバーに同時
に嵌合し、ロツク部材がレバー屈曲用溝に係合す
る位置では下レバーのみに嵌合する連結部材を設
けたものである。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を添付図面に従つて説
明する。

第１図、第２図は本考案を適用したチエンジコ
ントロール装置を示し、大略、ベース１、ガイド
プレート２、チエンジレバー３及びリンクレバー
４とからなつている。

ベース１は、自動車のセンターコンソールパネ
ル内で車体に固定されるようになつている。そし
て、後述するチエンジレバー３及びリンクレバー
４の支軸となるボルト５が、リブ６，６間に取り
付けられている。

ガイドプレート２は、ベース１に門形に起立し
て設けられ、前記ボルト５の軸芯を中心とする円
弧状のガイド溝７が形成されている。そして、こ
のガイド溝７の上縁には、後述するチエンジレバ
ー３のロツクピン１４が係合する複数の係合部が
形成されている。すなわち第３図に示すように、
左側よりＲレンジ用段部８ａ、Ｎレンジ用段部８
ｂ、Ｄレンジ用段部８ｃ、レンジ用段部８ｄ及
びレンジ用段部８ｅが形成されるとともに、Ｒ
レンジ用段部８ａに隣接してパーキング用溝９が
形成されている。さらに、ガイド溝７の下縁に
は、前記パーキング用溝９と対向する位置に後述
するロツクピン１４が係合するレバー屈曲用溝１
０が形成されている。

チエンジレバー３は、下レバー３ａと上レバー
３ｂで構成されている。

まず、下レバー３ａは管状であつて、前記ベー
ス１のボルト５にブツシユ１１，１１を介して回
転可能に嵌合されたスリーブ１２に下端を接続さ
れ、当該ボルト５を中心に回動可能に形成されて
いる。また、長手方向に穿設した互いに対向する
スリツト１３，１３間に、略Ｔ字形のロツクピン
１４がその一端を外方に突出して嵌入されるとと
もに、コイルばね１５により上方に付勢されてい
る。このロツクピン１４は前記ガイドプレート２
のガイド溝７に嵌入し、下レバー３ａの回動に応
じて各段部８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄ，８ｅ、又は
パーキング用溝９若しくはレバー屈曲用溝１０の
いずれかに係合するようになつている。下レバー
３ａの外面は、形に屈曲した連結板１６が下レ
バー３ａの回動面と平行になるように取り付けら
れている。そして、この連結板１６には調整ボル
ト１７の頭部が回動可能に取り付けられ、そのね
じ端が後述するリンクレバー４の一端と連結され
るようになつている。

一方、上レバー３ｂは、下レバー３ａと同径の
管状であつて、下端は下レバー３ａの上端に設け
たリブ１８，１８にピン１９，１９を中心に下レ
バー３ａの回動面と同一面内で回動可能に取り付
けられている。この上レバー３ｂの下端と下レバ
ー３ａの上端にまたがつて連結ピン２０が摺動自
在に嵌合され、その下端は下レバー３ａのロツク
ピン１４に当接し、上端は上レバー３ｂ内に挿通
されたプツシユロツド２１の下端と当接するよう
になつている。そして、上レバー３ｂの上端に取
り付けた図示しないノブの押ボタンを押圧し、コ
イルばね１５の付勢力に抗してプツシユロツド２
１を押し下げると、連結ピン２０はロツクピン１
４とともに下方に摺動し、ロツクピン１４がガイ
ド溝７のレバー屈曲用溝１０に当接した時点で上
レバー３ｂが抜脱するように、連結ピン２０の長
さが定められている。

リンクレバー４は、前記下レバー３ａのスリー
ブ１２にブツシユ２２を介して回動可能に嵌合さ
れ、上端は屈曲して前記調整ボルト１７のねじ端
に螺合するナツト２３，２３で挟着され、下端は
図示しない変速装置にリンク機構を介して連結さ
れるようになつている。前記調整ボルト１７はナ
ツト２３，２３によりリンクレバー４とチエンジ
レバー３との取付角度を調整するものである。

以上の構成からなるチエンジコントロール装置
において、図示しないノブの押ボタンを押圧して
プツシユロツド２１をコイルばね１５の付勢力に
抗して押し下げると、連結ピン２０を介してロツ
クピン１４は押し下げられ、押ボタンの押圧を止
めると、ロツクピン１４は連結ピン２０及びプツ
シユロツド２１とともにコイルばね１５の付勢力
により押し上げられる。

ロツクピン１４がガイドプレート２のＲレンジ
用段部８ａからレンジ用段部８ｅの範囲内にあ
る場合、たとえばＮレンジ用段部８ｂに当接して
いる場合には、ノブの押ボタンを押圧すると、第
３図に示すように、ロツクピン１４はＮレンジ用
段部８ｂとの係合が解除され、ガイド溝７の下縁
に当接する。このとき、連結ピン２０は上レバー
３ｂと下レバー３ａの両者に嵌合している状態に
あるため、押ボタンを押圧したまま上レバー３ｂ
を操作すると、上レバー３ｂは下レバー３ａと一
体に回動し、連結板１６、調整ボルト１７を介し
てリンクレバー４を回動させ、隣接するＲレンジ
用段部８ａに切り替えることが可能となる。

また、ロツクピン１４がパーキング用溝９に嵌
入して係合している場合には、ノブの押ボタンを
押圧すると、第３図に示すように、ロツクピン１
４はパーキング用溝９からレバー屈曲用溝１０に
嵌入して係合する。このとき、連結ピン２０は、
第２図中２点鎖線２０′で示すように、上レバー
３ｂから抜脱して下レバー３ａのみに嵌合するた
め、押ボタンを押圧したまま上レバー３ｂを操作
すると、上レバー３ｂは、第１図に示すように、
ピン１９を中心に回動して屈曲する。この状態で
は連結ピン２０はその上端が屈曲した上レバー３
ｂの外面に当接しているため、押ボタンの押圧を
止めてもロツクピン１４はコイルばね１５により
押し上げられることはなく、また、再度押圧して
もプツシユロツド２１は連結ピン２０を押圧しな
いため、ロツクピン１４は屈曲用溝１０に係合維
持される。従つて、上レバー３ｂが屈曲状態にあ
るときは、下レバー３ａは押ボタンを押圧しても
回動せず、安全である。

このように、チエンジレバー３を駆車時等に屈
曲しておけば、センターコンソールより無用に突
出することはなく、邪魔にならず便利である。

なお、前記実施例では、ロツクピン１４と連結
ピン２０を別個にしてロツクピン１４に連結ピン
２０を上方から当接させるようにしたが、両者は
一体に形成してもよい。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、チエンジレバーをパーキング位置においての
み屈曲可能であるため、駆停車時にチエンジレバ
ーを屈曲して格納しておけば、無用に突出するこ
とはなく邪魔にならないという効果を有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るチエンジレバーを備えた
チエンジコントロール装置の側面図、第２図は第
１図の−線断面図、第３図はガイドプレート
の正面図である。 １……ベース、２……ガイドプレート、３……
チエンジレバー、３ａ……下レバー、３ｂ……上
レバー、７……ガイド溝、８ａ〜８ｅ……段部
（係合部）、９……パーキング用溝、１０……レバ
ー屈曲用溝、１３……スリツト、１４……ロツク
ピン（ロツク部材）、２０……連結ピン（連結部
材）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースに回動自在に枢着した管状のチエンジレ
   バーに、長手方向にスリツトを設けて、該スリツ
   トに嵌入して外方に突出するロツク部材を長手方
   向に摺動可能に、かつ、上方向に付勢して設け、
   当該ロツク部材を押ボタン操作により下動して、
   ベースに設けたガイドプレートの複数の係合部に
   選択的に係合可能とした自動車用チエンジレバー
   において、前記ガイドプレートの係合部のうちパ
   ーキング用溝と対向する位置にレバー屈曲用溝を
   設ける一方、チエンジレバーをスリツトより上方
   で上下に２分割してヒンジ結合するとともに、上
   下レバー間をロツク部材と一体的に摺動し、ロツ
   ク部材が係合部と係合する位置では上下各レバー
   に同時に嵌合し、ロツク部材がレバー屈曲用溝に
   係合する位置では下レバーのみに嵌合する連結部
   材を設けたことを特徴とする自動車用チエンジレ
   バー。