JPH0536639B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばエアコンなどの送風機に広く
使用されている間〓を置いて多数枚の薄板が放射
状に並設されているクロクフローフアンを通常の
プラスチツク製品と同様に一体に成形するクロス
フローフアンの一体成形法に関するものである。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕

従来、例えば第１，２図に示すような一定間〓
をおいて円形のリブが設けられ、そのリブとリブ
の間に間〓をおいて放射状に多数枚のはね板状の
薄板が並設されたクロスフローフアンのプラスチ
ツク成形において、通常のプラスチツク製品のよ
うに単に外側へ型を薄板面に沿つて離型しようと
するとどうしても薄板は、傷んだり、折れたり、
型と一緒に抜き取られてしまつたりするため、一
体成形は不可能であつた。

そのため従来は、リブの所で分割した部分成形
とし、間隙形成金型を横方向から引き抜き、この
部分成形品をリブ部において接着してつなぎ合わ
せて、製品を製作していた。

しかし、これでは非常に製作が厄介であり、量
産ができず、それだけコスト高になるという欠点
があつた。

出願人はこの点に着目し、通常のプラスチツク
製品と同様に一体成形ができないものかと研究し
た結果、離型方法の改善によつて解決することを
見出だして実際に試作研究を繰り返し一体成形を
可能にした本発明を完成した。

〔課題を解決するための手段〕 本発明を実施の一例を示す図面と対比し易いよ
うに図面の符号を付して説明すると次の通りであ
る。

円形のリブ７間の全周にリブ並設方向である長
さ方向に長くて、肉薄で強度の弱い薄板１を間〓
２を置いて放射状に多数枚並設して構成されるク
ロスフローフアンａを金型により成形するに際し
て、放射状に多数枚並設した薄板１間の間〓２内
に介在された多数枚の間〓形成金型３を放射外方
向ｐに引き抜くクロスフローフアンａの一体成形
法であつて、薄板１の表側に接している間〓形成
金型３と、これと対向状態に配され薄板１の裏側
に接している間〓形成金型３とを前記離型に際し
て同時に引き抜き可動させず、このうち一方の間
〓成形金型３を固定保持して薄板１の表側面若し
くは裏側面のいずれか片面をこの固定保持した間
〓成形金型３で支承保持し、この片面を支承保持
した状態で薄板１を挟んで対向する他方の間〓成
形金型３を引き抜き始動せしめることを特徴とす
るクロスフローフアンの一体形成法に係るもので
ある。

〔作用〕

クロスフローフアンａの放射状に多数枚並設し
た薄板１間の間〓２内に介在された複数枚の間〓
形成金型３を放射外方向ｐに離型しクロスフロー
フアンａの中心の型（コア）８を軸方向Ｑに離型
してクロスフローフアンａを一体成形する。

〔実施例〕

第１，２図に示すようなリブ７とリブ７との間
に放射状に多数枚のはね板状の薄板１が並設され
ているクロスフローフアンの成形法について詳述
する。

まず、最も好適な第１実施例について詳述す
る。

薄板１間の間〓２内に介在された複数枚の間〓
形成金型３を放射外方向ｐに引き抜くとき、全部
の間〓形成金型３を一緒に引き抜かず、一枚の薄
板１に対する表側に接している間〓形成金型３ａ
群をカム盤４の回転によりピン５とガイド溝６の
関係で同時に引き抜くように設け、裏側に接して
いる間〓形成金型３ｂ群も同じくカム盤４の回転
によりピン５とガイド溝６の関係で同時に引き抜
くように設け、前記間〓成形金型３ｂ群のガイド
溝６の形状を間〓形成金型３ａ群が引き抜かれて
から間〓形成金型３ｂ群が引き抜かれるように途
中までを同心円弧６′に形成し、間〓形成金型３
ａ群と間〓形成金型３ｂ群とを時間差を置いて引
き抜くものである。

従つて、特に本実施例にあつては、時間差を置
いて引き抜くから、薄板１の表側に接している間
〓形成金型３ａ群をまず引き抜く場合は他方の裏
側に接している間〓形成金型３ｂ群により薄板１
は支持されているからスムーズに引き抜け、それ
から間〓形成金型３ｂ群を引き抜くときは、薄板
１の片側がすでにフリーとなつているため、スム
ーズに引き抜けることができ、薄板１が一緒に抜
け取れたり傷んだりすることなく、極めてスムー
ズに放射外方向ｐに離型することができ、クロス
フローフアンａの一体成形が可能となる。

又、薄板１の表側に接している間〓形成金型３
ａ群と裏側に接している間〓形成金型３ｂ群に
夫々設けたピン５とカム盤４のガイド溝６との関
係により間〓形成金型３ａ群は同時に引き抜か
れ、間〓形成金型３ｂ群も同時に引き抜かれ、且
つ間〓形成金型３ａ群が同時に引き抜かれてから
間〓形成金型３ｂ群が同時に引き抜かれるから、
作業能率が極めて向上し、それだけ量産性が向上
した一体成型が可能となる成形法である。

間〓形成金型３は第５図に示すように先端部に
薄板２間の間〓１内に介在する爪部１０が設けら
れ、この爪部１０にリブ７を形成し得るリブ溝１
１が形成されている。

この間〓形成金型３の夫々の左右にピン５を付
設し、このピン５を左右に配置したカム盤４のガ
イド溝６に案内板１２の案内溝１２′を介して嵌
合した場合を図示している。

第３，４図は中央に位置するクロスフローフア
ンａのはね板状の薄板２、間〓形成金型３、その
ピン５、カム盤４、カム盤４に形成されたガイド
溝６及び案内板１２の案内溝１２′の関係を示し
たものである。

薄板２の裏側に接している間〓形成金型３ａ群
のピン５が嵌合するガイド溝６は間〓形成金型３
ａ群がカム盤４の廻動により徐々に薄板２から離
型するようにカム盤４の中心から徐々に遠ざかる
長楕円形状に設け、間〓形成金型３ａ群ととなり
合う薄板２の裏側に接している間〓形成金型３ｂ
群のピン５が嵌合するガイド溝６は途中までカム
盤４の中心からの距離が等しい同心円弧６′を有
し、その後カム盤４の中心から徐々に遠ざかるよ
うな折曲し長楕円形状に設け、間〓形成金型３と
カム盤４の間に介在する案内板１２の案内溝１
２′はガイド溝７による間〓形成金型３の移動を
ガイドするように夫々放射状の楕円形状に設けた
場合を図示している。

従つて、第７図に示すように射出シリンダーノ
ズル１５よりクロスフローフアンａの中心の型
（コア）８内のホツトランナー１６を介して流出
部９より樹脂を間〓形成金型３間に流し込み、成
形した後にカム盤４を例えばモータなどによつて
廻動すると少し廻動した状態では第３図に示すよ
うに、間〓形成金型３ａ群はガイド溝６の中心か
らの距離の差の分だけ同時に薄板２間から離型
し、間〓形成金型３ｂ群は夫々のピン５がまだガ
イド溝６の同心円弧６′の部分をスライドしてい
るため、離型しない。

更にカム盤４を廻動すると、間〓形成金型３ａ
群は引き続き徐々に離型するが、間〓形成金型３
ｂ群は同心円弧６′の部分を越えて、カム盤４の
中心から遠ざかる楕円形状の部分をスライドし始
めるから、間〓形成金型３ａ群より遅れて離型す
る。

夫々間〓形成金型３ａ群、間〓形成金型３ｂ群
のガイド溝６はカム盤４の中心から遠ざかる距離
及び泡動角を等しく設計し、第４図のように廻動
を終了する状態では、薄板２よりの離型状態が等
しい場合を図示している。

間〓形成金型３ａ群のガイド溝６の形状を間〓
形成金型３ｂ群のガイド溝６の形状と対称に、廻
動終了時の方に同心円弧６′部を設けて、完全に
交互に離型するように設計しても良い。

また、プラスチツク製品ａを取り出した後カム
盤４を逆に廻動すれば、間〓形成金型３ａ群、間
隙形成金型３ａ群はともにもとの状態に戻り、次
の製品の成形の準備が完了し、この廻動の正逆を
繰り返して次々とクロスフローフアンを成形する
ことができる。

尚、薄板２の表側、裏側のその区別は交互に離
型することを説明するための便宜上の表現にすぎ
ず間〓形成金型３ａ群、間〓形成金型３ｂ群自体
の違いはないものである。

尚、図中符号１３は流出部９に形成される円形
ゲート、１４は取付部である。

〔発明の効果〕

本発明は、クロスフローフアンを容易に一体成
形することができる。

一体成形できるために、量産が可能となりそれ
だけ安価なクロスフローフアンを提供できる。

特に本発明は、薄板の表側に接している間〓形
成金型と、これと対向状態に配され薄板の裏側に
接している間〓成形金型とを前記離型に際して同
時に引き抜き可動させず、このうちの一方の間〓
成形金型を固定保持して薄板の表側面若しくは裏
側面のいずれか片面をこの固定保持した間〓成形
金型で支承保持し、この片面を支承保持した状態
で薄板を挟んで対向する他方の間〓成形金型を引
き抜き始動せしめるため、離型に際して薄板を挟
んで対向する一方の間〓成形金型が引き抜き始動
するときは、必ず他方の間〓成形金型が固定され
ていて薄板の片面を支承保持することとなり、薄
板が離型に際して壊れることが防止され、クロス
フローフアンの一体成形が実現される。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は製品の一部を切欠けた斜視図、第２図は製品の
拡大断面図、第３，４図は形成金型を引き抜く状
態を示す側断面図、第５図は形成金型一部の斜面
図、第６図は形成金型が一枚おきに引かれた状態
を示す一部の拡大図、第７図はプラスチツク製品
を金型により成形する状態を示す正断面図であ
る。 ａ……クロスフローフアン、１……間〓、２…
…薄板、３……間〓形成金型。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 円形のリブ間の全周にリブ並設方向である長
   さ方向に長くて、肉薄で強度の弱い薄板を間〓を
   置いて放射状に多数枚並設して構成されるクロス
   フローフアンを金型により成形するに際して、放
   射状に多数枚並設した薄板間の間〓内に介在され
   た多数枚の間〓形成金型を放射外方向に引き抜く
   クロスフローフアンの一体成形法であつて、薄板
   の表側に接している間〓形成金型と、これと対向
   状態に配され薄板の裏側に接している間〓形成金
   型とを前記離型に際して同時に引き抜き可動させ
   ず、このうちの一方の間〓成形金型を固定保持し
   て薄板の表側面若しくは裏側面のいずれか片面を
   この固定保持した間〓成形金型で支承保持し、こ
   の片面を支承保持した状態で薄板を挟んで対向す
   る他方の間〓成形金型を引き抜き始動せしめるこ
   とを特徴とするクロスフローフアンの一体形成
   法。