JPH0536374Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、鮎釣竿や渓流釣竿等の先端に取り
付ける回転式の穂先トツプの改良に関するもので
ある。

（従来技術） 鮎釣や渓流釣やヘラ釣等に際して使用する釣竿
にあつては、釣竿の穂先の先端部にリリアン糸が
取り付けたられた構成となつており、釣竿の先端
部に釣糸を結び付けるに際しては、そのリリアン
糸に対して行うような構成となつているのであ
る。

しかし、釣竿の穂先の先端にリリアン糸を直接
取り付けた構成とした場合、釣糸が釣竿にたえず
絡み付き、オトリ鮎の正確な動きや魚のアタリを
とらえにくく、釣竿の性能を有効に発揮させ得な
いという問題点があるのである。

このような欠点を除去するため、最近では、例
えば、実開昭61−30367号、実公昭53−31272号、
実開昭59−44262号、実開昭61−100979号等の公
報に記載されているように、竿の穂先先端の釣糸
連結部に回動部を形成し、これによつて釣竿への
釣糸の絡まりを防止するよう構成したものが存在
しているのである。

（考案が解決しようとする課題） しかし、実公昭53−31272号公報、実開昭59−
44262号公報、並びに実開昭61−100979号公報に
記載されたように、釣糸をリングに結付けるよう
に構成したものにあつては、釣糸の結び付け、並
びにその取り外し作業が面倒で、その着脱に際し
て、一々釣糸を切断しなければならないという欠
点があるし、また、実公昭53−31272号公報に記
載されたようなものにあつては、リリアン糸が常
時一定の位置で屈曲した状態となり、リリアン糸
に悪癖をつけ、リリアン糸の寿命を極端に短くす
ることになつてしまうのである。

この考案は、従来の構成のみられたこのような
欠点を除去しようとするものである。

〔構成〕

（課題を解決するための手段、作用） この考案は、釣り竿の穂先への取り付け筒体に
対して、リリアン糸を回転自在の状態として取り
付けるとともに、リリアン糸の接合部分に、その
先端口が、回転軸の先端よりも突出した形の弾力
性筒体を接着固定し、該弾力性筒体によつてリリ
アン糸の基部を支持させた構成とすることによつ
て、リリアン糸の回転をスムーズにさせるととも
に、リリアン糸に悪癖が付いたり、或いは、回転
軸の先端によつてリリアン糸の内部が損傷される
といつた事態を防止しようとするものである。

（実施例） 図面にもとづいて、この考案に係る穂先トツプ
の構成を説明すると、穂先トツプ本体１は、第１
図乃至第３図に示すとおり、釣り竿の穂先への取
り付け部２、該取り付け部２に対して回動自在の
状態として取り付けられる回転軸５、該回転軸５
に取り付けられるリリアン糸３、並びに、回転軸
５とリリアン糸３との接着固定部分に被せられる
弾力性筒体４をもつて形成せられた構成となつて
いるのである。

すなわち、穂先への取り付け部２は、第２図並
びに第３図に示すとおり、穂先先端部を差し入れ
る孔７を有する基部材６と、回転軸５を回転自在
の状態として挿通させるための先部材８をもつて
形成せられており、基部材６の先端細径部９を先
部材８に形成した孔内に圧入固着させることによ
つて形成せられているのである。

回転軸５は、第２図並びに第３図に示すとお
り、穂先への取り付け部２を構成する先部材８の
先端部に形成した孔１０に差し入れ得る太さの軸
をもつて構成せられるとともに、その基部には、
抜け止めの頭部１１を有する構成となつているの
である。従つて、穂先への取り付け部２を構成す
る先部材８内に組み込んだ場合、回転軸５は、そ
の先端が突出し、かつ、回転自在の状態となるの
である。

また、弾力性筒体４は、第２図並びに第３図に
示す通り、弾力性のある合成樹脂をもつて筒状に
形成せられており、その基部には回転軸５を挿通
させ得る孔を有するとともに、その前方部には、
リリアン糸３を差し入れ得る太さの内径を有する
孔１２が形成せらており、また、リリアン糸３の
基部に被せた場合、弾力性筒体４の先端口部Ａ
（孔１２の縁部）が回転軸５の先端部Ｂより突出
した状態となるように形成せられているのであ
る。

この考案に係る穂先回転トツプ本体１の各構成
部材は、上記のような構成であるが、その組立に
際しては、第２図並びに第３図に示すとおり、穂
先への取り付け部２内に回転軸５を組み入れる一
方、弾力性筒体４に形成せられた孔１２内にリリ
アン糸３の基部を差し入れた状態とした後、その
内部に接着剤を注入して回転軸５に差し入れる固
定させるという要領によつて行われるのである。

〔効果〕

（考案の効果） この考案に係る穂先トツプは、上記のような構
成であつて、リリアン糸の先端に結び付けた釣糸
が釣竿に巻き付くのを完全に防止し得るととも
に、リリアン糸３の外側部が回転軸５の先端部よ
りも長く延びた形の弾力性筒体４によつて補強支
持せられた状態となつているので、悪癖の付くの
を防止し得る他、リリアン糸の寿命を向上させ得
るという利点があるのである。

すなわち、単に回転体の先端にリリアン糸を接
着固定した状態とした場合にあつては、第４図に
示すとおり、常時、回転軸の先端部でリリアン糸
１４が角状に屈曲した状態となるとともに、内部
からは、回転体の先端角によつて突き上げられた
形となり、リリアン糸１４を内部から次第に傷付
けていくことになるのであるが、この考案に係る
回転トツプにあつては、リリアン糸３の外側部が
弾力性筒体４によつて支持せられた状態となつて
いるとともに、回転軸５の先端部が、弾力性筒体
４の先端部より入り込んだ位置となるように構成
せられいてる結果、リリアン糸３の先端部に力が
加わつた場合にあつても、第５図に示すように、
極端な屈曲状態とはならず、回転軸５の先端部に
よつてリリアン糸３の内部が傷付けられるといつ
た事態を防止し得るのである。

【図面の簡単な説明】

添付図面は、この考案の一実施例並びに従来例
を示すものであつて、第１図は穂先トツプの全体
を示す斜視図、第２図は各構成部材の組立要領を
示す分解斜視図、第３図は組立状態を示す縦断面
図、第４図は回転式の穂先トツプの従来例を示す
斜視図、第５図はこの考案に係る穂先トツプの使
用状態を示す斜視図である。 １……穂先トツプ本体、２……穂先への取り付
け部、３……リリアン糸、４……弾力性筒体、５
……回転軸、Ａ……弾力性筒体の先端口部、Ｂ…
…回転軸の先端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 釣り竿の穂先への取り付け部２に対して、回転
   軸５を回動自在の状態として取り付けるととも
   に、該回転軸５にリリアン糸３を接着固定し、か
   つ、リリアン糸と回転体５との接着接合部分に、
   その先端口部Ａが回転軸５の先端部Ｂより前方に
   位置する形の弾力性筒体４を被せたことを特徴と
   する穂先トツプ。