JPH0536032A - 磁気抵抗効果型ヘツド及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘツド及びその製造方法

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JPH0536032A
JPH0536032A JP3192418A JP19241891A JPH0536032A JP H0536032 A JPH0536032 A JP H0536032A JP 3192418 A JP3192418 A JP 3192418A JP 19241891 A JP19241891 A JP 19241891A JP H0536032 A JPH0536032 A JP H0536032A
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film
conductor
bias
electrode
magnetoresistive
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Koichi Nishioka
浩一 西岡
Shigeru Tadokoro
茂 田所
Shinji Narushige
真治 成重
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロロカーボン系のガスを用いた電極加工時
におけるMR膜やバイアス膜などの損傷を防止して性能
を向上させた磁気抵抗効果型ヘッド及びその製造方法を
提供する。 【構成】 MR膜6及びソフトバイアス膜4,シャント
バイアス膜5の積層構造の上に耐ドライエッチング性の
ある導電性の保護膜3を形成する。この保護膜3の上
に、ドライエッチング加工によって電極2となる電極膜
2aを成膜し、その上にホトレジストパターン1を形成
し、このホトレジストパターン1をマスクとするドライ
エッチングにより電極2を加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気抵抗効果型ヘッドお
よびその製造方法に関し、特に、磁気ディスク装置など
の磁気ヘッドに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果型ヘッドは磁気抵抗効果膜
(以下、単にMR膜と呼ぶ。)の電気抵抗が磁化の方向
によって変化する現象を利用した再生専用のヘッドであ
る。
【0003】図7に従来の磁気抵抗効果型ヘッドの一例
を示す。磁気抵抗効果型ヘッドは、磁性体からなる下部
磁気シールドと上部磁気シールド及び上下磁気シールド
膜の間にあるMR素子からなる。MR素子は、MR膜、
MR膜に横バイアスを印加するためのバイアス膜及びM
R膜に信号検出電流を流すための一対の電極導体からな
る。MR素子には、MR膜を単磁区化するための磁区制
御層が設置されることもある。電極導体を通してMR膜
に電流を流し、電極間の電圧を検出する。媒体からMR
膜に加わる漏洩磁界が変化すると、MR膜の磁化の方向
が変化することによってMR膜の抵抗が変化し、電極間
に信号が生じる。このようにして媒体からの情報を再生
する。
【0004】従来のMR素子の電極とMR膜作製プロセ
スは(1) 電極上にMR膜を形成するものと(2) MR膜上
に電極を形成するものとがある。
【0005】(1) のプロセスでは、電極を形成した上に
MR膜を形成するためにMR膜に段差が生じ、段差部に
磁壁が発生するために、再生時にバルクハウゼンノイズ
を生じやすいという問題がある。
【0006】(2) のプロセスでは、(1) のようにMR膜
に段差を生じるという問題はないが、電極をMR膜上に
形成するために、加工する際にMR膜に損傷を与えると
いうことが問題となる。即ち、例えば、MR膜上に電極
膜を成膜し、電極を高精度に加工するためにイオンミリ
ングによって加工する場合、オーバーミリング時にMR
膜がイオンにさらされ損傷をうける。
【0007】そこで、MR膜の受ける損傷を小さくする
電極加工法としてドライエッチングを用いたプロセスが
考案された。このプロセスは、たとえば本件出願人の出
願になる特願平2−102954号に示されるように、
所定の形状にパタニングされたMR膜またはバイアス膜
上に、電極となる Nb,Ta,Ti 等のフロロカーボン系のガ
スでドライエッチングできる膜または、Au,Pt,Crなど塩
素系ガスでドライエッチングできる膜を形成し、この膜
をドライエッチングによって電極の形状に加工するとい
うものである。この従来技術では、フロロカーボン系の
ガスを用いた電極加工のオーバードライエッチング時に
ドライエッチングにさらされるMR膜またはバイアス膜
の損傷は小さいとして問題にしていない。
【0008】また、塩素系のガスを用いた場合は、塩素
プラズマが非常に活性なために、MR膜が損傷をうける
ことを考慮して、塩素系ガスのドライエッチングに対し
て耐性のあるSiO2やAl2O3 を保護膜として用いるのが望
ましいとしている。この場合、保護膜が絶縁性の膜であ
るため、MR膜と電極の間に保護膜があると電流をMR
膜に流せなくなるために電極とMR膜の接触する部分の
保護膜を除去しなければならない。この場合、電極とM
R膜の接触する部分の保護膜を除去するプロセスにおい
て、MR膜がオーバーエッチングにさらされるために損
傷を受ける。したがって、塩素系のガスを用いたドライ
エッチングは実用的でない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術ではフロ
ロカーボン系のガスを用いた場合MR膜の損傷はないと
しているが、後に(実施例8)に示すように、フロロカ
ーボン系のガスを用いて電極加工を行っても、電極加工
のオーバードライエッチングによってMR膜が損傷を受
けることが明らかとなった。
【0010】そこで、本発明の目的は、フロロカーボン
系のガスを用いた電極加工時におけるMR膜やバイアス
膜などの損傷を防止して、性能を向上させた磁気抵抗効
果型ヘッド及びその製造方法を提供することにある。
【0011】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0013】すなわち、本発明の磁気抵抗効果型ヘッド
は、MR膜及び各種バイアス膜を成膜した後に、その上
にフロロカーボン系のガスによるドライエッチングにた
いして耐性のある第1の導体膜を形成し、その上に電極
導体となる第2の導体膜を形成してなる構造としたもの
である。
【0014】第1の導体膜としては、Cr,V,Fe,Co,Ni,A
g,Au,Cu,Pt,Pdのうち少なくとも一種、またはこれらの
合金膜を用いることができる。この第1の導体膜は、第
2の導体膜のフロロカーボン系のガスによるドライエッ
チングによる電極導体の形成時に、MR膜に対するオー
バーエッチングに対して耐性を発揮し、MR膜の損傷を
防ぐ保護膜となる。
【0015】また、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドの製
造方法は、MR膜または各種バイアス膜の上に、フロロ
カーボン系ガスによるドライエッチングに対して耐性の
ある第1の導体膜を形成し、その直上にフロロカーボン
系ガスでドライエッチングされる第2の導体膜を電極導
体の少なくとも一部として密着形成し、ドライエッチン
グによって第2の導体膜を加工するものである。
【0016】第1の導体膜は、たとえばCr,V,Fe,Co,Ni,
Ag,Au,Cu,Pt,Pdのうち少なくとも一種、またはこれらの
合金膜からなり、第2の導体膜は、たとえばNb,Ta,W,Mo
などからなる。
【0017】
【作用】MR膜上に形成するフロロカーボン系のガスに
よるドライエッチングに対して耐性のある第1の導体膜
は、第2の導体膜からの電極導体の形成に際してのオー
バードライエッチング時に、MR膜またはバイアス磁界
を印加するバイアス膜がドライエッチングに曝されて損
傷を受けるのを防ぐ働きをする保護膜となる。
【0018】このため、MR膜やバイアス膜がドライエ
ッチングによる電極加工時に確実に保護されるので、た
とえばMR膜やバイアス膜などの膜厚が所定の設定値か
ら不定に変化して、MR素子の特性を変動させるなどの
懸念がなくなり、磁気抵抗効果型ヘッドの性能が確実に
向上する。
【0019】なお、第1の導体膜が導体でなければなら
ないのは、電極導体から当該第1の導体膜を通ってMR
膜に電流を流す必要が有るからである。
【0020】
【実施例1】以下、図面を参照しながら、本発明の一実
施例である磁気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法に
ついて詳細に説明する。
【0021】図1(a)〜(c)は、本実施例の磁気抵
抗効果型ヘッドの製造方法の一例を工程順に例示した略
断面図であり、図2(a)〜(c)は、従来の磁気抵抗
効果型ヘッドの製造方法の一例を示す略断面図である。
【0022】まず、本発明者らは、従来の構造の磁気抵
抗効果型ヘッドの問題点を、図2(a)〜(c)の製造
プロセスによって確認した。
【0023】すなわち、セラミックスなどからなる基板
11の上には、厚さ1μmの下部磁気シールド7が形成
され、この上に下部磁気ギャップ8(Al2O3(200nm))が
形成されている。
【0024】その上に、厚さ20nmのパーマロイのMR膜
6、厚さ15nmのNbからなるシャントバイアス膜5及び厚
さ20nmのCo系非晶質のソフトバイアス膜4を所定の形状
に加工して積層し、さらに、その上に電極2となる、Nb
(220nm) からなる電極膜2aを形成し、マスクとなるホ
トレジストパターン1を形成する(図2(a))。
【0025】ホトレジストパターン1をマスクにして、
CF4+5%O2ガスを用いたドライエッチングによって電極膜
2aからの電極2の加工を行ないMR素子を作製する
(図2(b))。
【0026】次に、上部磁気ギャップ9のAl2O3(160nm)
を形成し、その上に上部磁気シールド10を形成し(図
2(c))、磁気抵抗効果型ヘッドとする。
【0027】なお、この図2は図示しない磁気ディスク
に対する浮上面から見た磁気抵抗効果型ヘッドの断面図
である。以下に示す図面も浮上面からみた断面図であ
る。ここで電極2としてはTa,W やMoを用いることもで
きる。
【0028】同じ基板11内には、上下磁気シールドを
持たないMR素子を作製しており、このMR素子の電圧
−磁界曲線を測定した結果、ほとんどバイアス磁界が印
加されなかった。また、ヘッドの再生波形はセンス電流
を変えても対称性が悪い。これはMR膜6に適正バイア
スが印加されない為である。このようにMR膜6にバイ
アス磁界が印加されないのは、電極膜2aのドライエッ
チングに際してのオーバエッチング時にMR膜6上のソ
フトバイアス膜4及びシャントバイアス膜5がドライエ
ッチングにさらされ損傷を受けたためと考えらる。
【0029】そこで、図1(a)〜(c)に例示したよ
うに、本実施例1の磁気抵抗効果型ヘッドおよびその製
造方法ではソフトバイアス膜4上に厚さ5nmのCrからな
る保護膜3(第1の導体膜)を形成し、その上に、Nb(2
20nm) の電極膜2a(第2の導体膜)を形成し、CF4+5%
O2ガスを用いた電極膜2aのドライエッチングによって
電極2の加工を行なった。
【0030】ここで、保護膜3としてはCF4+5%O2ガスに
よるドライエッチングに対して耐性のある導体膜であれ
ば良く、前述のCrなどに限らず、たとえば、V,Fe,Co,N
i,Cu,Pd,Ag,Pt,Au などであってもよい。
【0031】こうして作製した本実施例の磁気抵抗効果
型ヘッドの電圧−磁界曲線を測定した結果、センス電流
とともにバイアス磁界は増加し、適正なバイアス磁界が
印加されることを確認した。また、このプロセスで作製
した当該ヘッドはセンス電流を最適化することで、対称
性の良い再生波形を示した。
【0032】別の実験で、保護膜3を構成するCrの膜厚
を3nm 及び20nmとしてヘッドを作製したが、3nm では、
オーバードライエッチング時に保護膜3が消失し、良好
なバイアス特性を示さなかった。また、保護膜3のCrの
厚さが20nmの場合は、保護膜3に流れる電流が大きくな
るため、Nbからなるシャントバイアス膜5からソフトバ
イアス膜4に与える磁界と逆方向の磁界をソフトバイア
ス膜4に与えるために、良好なバイアス特性を示さなか
った。従って、保護膜の厚さは5 〜10nmが適当と考えら
れる。
【0033】すなわち、導体であっても、自由電子の平
均自由行程程度に薄い薄膜の状態では、電気抵抗値が大
きくなるので、保護膜3の厚さを5 〜10nm程度に薄くし
て、当該保護膜3に流れる電流を減らし、前述のような
問題を回避する。なお、厚さ方向での保護膜3の導電性
は大きく、電極2から保護膜3を介してのMR膜6に対
する通電に支障が生じることはない。
【0034】
【実施例2】前記実施例1で行ったNb(220nm) 単層から
なる電極2では電気抵抗が大きくなるためにヘッドのノ
イズが大きくなる。そこで、本実施例2の磁気抵抗効果
型ヘッドおよびその製造方法では、電極20として、比
抵抗の小さなAuを含むNb(20nm)/Au(140nm)/Nb(60nm) の
3層膜とした。この製造プロセスを図3(a)〜(c)
に示す。
【0035】すなわち、保護膜3の上に電極20となる
Nb(20nm)/Au(140nm)/Nb(60nm) の3層からなる電極膜2
0aを形成し、その上にホトレジストパターン1を被着
形成する(図3(a))。
【0036】そして、ホトレジストパターン1をマスク
としてイオンミリングにより上2層のNb(20nm)/Au(140n
m)を加工する。この際、電極膜20aの最下部のNb(60n
m)はイオンミリングのストッパの役目を果たす。次に、
CF4+5%O2ガスを用いてドライエッチングによって残った
下部のNbを除去する(図3(b))。
【0037】次に、実施例1と同様に上部磁気ギャップ
9のAl2O3(160nm)を形成し、その上に上部磁気シールド
10を形成し(図3(c))、磁気抵抗効果型ヘッドと
する。同じ基板11内に作製した上下磁気シールドを持
たないMR素子の電圧−磁界曲線を測定した結果、セン
ス電流とともにバイアス磁界は増加し、適正なバイアス
磁界が印加されることを確認した。また、このプロセス
で作製したヘッドはセンス電流を最適化することで、対
称性の良い再生波形を示した。さらに実施例1に比べ
て、ヘッドノイズも減少した。
【0038】
【実施例3】特に図示しないが、本実施例3では、実施
例1または実施例2に例示される構造において、ソフト
バイアス膜4とMR膜6を入れ替えた。この実施例3の
構造でも良好なバイアス特性のヘッドが得られた。ま
た、この場合も電極20としてNb(20nm)/Au(140nm)/Nb
(60nm) の3層からなる電極膜20aを用いた方がヘッ
ドノイズは小さく抑えられる。
【0039】
【実施例4】実施例1および実施例2においてシャント
バイアス膜5を省いた本実施例4の構造でも良好なバイ
アス特性のヘッドが得られた。図4(a)〜(c)にそ
のプロセスを示す。
【0040】また、この場合も電極20としてNb(20nm)
/Au(140nm)/Nb(60nm) の3層からなる電極膜20aを用
いた方がヘッドノイズは小さく抑えられる。
【0041】
【実施例5】本実施例5は、特に図示しないが、実施例
4においてソフトバイアス膜4とMR膜6を入れ替えた
ものであり、良好なバイアス特性のヘッドが得られた。
【0042】
【実施例6】本実施例6は、実施例1または実施例2に
おける磁気抵抗効果型ヘッドから、ソフトバイアス膜4
を省略した構造としたものであり、当該実施例6におい
ても良好なバイアス特性のヘッドが得られた。図5
(a)〜(c)にそのプロセスを示す。
【0043】また、この実施例6の場合も電極20とし
てNb(20nm)/Au(140nm)/Nb(60nm) の3層からなる電極膜
20aを用いた方がヘッドノイズは小さく抑えられる。
【0044】
【実施例7】本実施例7は、特に図示しないが、実施例
6の構造においてシャントバイアス膜5とMR膜6を入
れ替えたものであり、当該構造でも良好なバイアス特性
のヘッドが得られた。
【0045】
【実施例8】厚さ20nmのパーマロイからなるMR膜6、
ソフトバイアス膜4として用いることのできるCo−Ni−
Feの3元合金膜、Fe−Ni−Cr3元合金膜、Co−Zr−Mo非
晶質膜、Co−Zr−Cr非晶質膜およびNb,Ta,MoおよびW 膜
を、電極2や電極20の加工時のオーバーエッチングに
相当するCF4 +5%O2 ガスを用いたドライエッチングの環
境に曝し、膜の損傷を調べた。その結果を図6に示す。
【0046】同図に示されるように、パーマロイ膜(Ni
−Fe)、Co−Ni−Fe3元合金膜、Fe−Ni−Cr3元合金
膜、Co−Zr−Mo非晶質膜及びCo−Zr−Cr非晶質膜は、電
極2(20)の加工のオーバーエッチングに相当する4
分間のドライエッチングで4 〜6nm 膜厚が減少してお
り、ドライエッチングによって損傷を受ける。Co系非晶
質膜の他の材料としてCo−Zr−Ta,Co−Zr−Nb及びCo−
Hf−Ta−Nbについても同様の実験を行ったがこれらの材
料もドライエッチングによって損傷を受けることがわか
った。
【0047】また、Ta,Mo 及びW 膜は4分間のドライエ
ッチングで膜が完全に除去される。
【0048】これらの膜を前述のMR膜または各種バイ
アス膜として用いるには、これらの膜のドライエッチン
グ時の損傷を防がなければならない。
【0049】そこで、これらの膜上に厚さ3nm,5nm,8nm,
10nmのCr及びNi−Cr非磁性合金からなる保護膜を形成し
CF4+5%O2ガスを用いたドライエッチングにさらした。そ
の結果、厚さ3nm のCr及びNi−Cr合金の保護膜は4分以
内のドライエッチングで保護膜が除去されるため、その
下のMR膜またはバイアス膜は損傷を受けるが、Cr及び
Ni−Cr合金の保護膜の厚さが5nm 以上の場合、4分間の
ドライエッチングで保護膜は除去されないため、その下
のMR膜またはバイアス膜は損傷を受けない。
【0050】Cr,Ni−Cr以外の保護膜としては、CF4
スに対する耐ドライエッチング性の強いV,Fe,Ni,Cu,Pd,
Ag,Pt,Au膜またはこれらの合金膜が適している。
【0051】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更可能であることはいうまでもない。
【0052】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0053】すなわち、本発明の磁気抵抗効果型ヘッド
によれば、MR膜またはバイアス膜上に耐ドライエッチ
ング性の第1の導体膜を形成し、その上にドライエッチ
ングによる加工によって電極となる第2の導体膜を積層
してなる構造であるため、第2の導体膜からの電極の加
工時における、当該MR膜またはバイアス膜の損傷が確
実に防止され、磁気抵抗効果型ヘッドの性能が向上す
る。
【0054】また、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドの製
造方法によれば、MR膜またはバイアス膜上に、電極と
なる第2の導体膜の形成に先立って、耐ドライエッチン
グ性の第1の導体膜を形成するので、当該第1の導体膜
の上に積層される第2の導体膜に対するドライエッチン
グによって行われる電極の加工に際して、当該MR膜ま
たはバイアス膜の損傷が防止され、磁気抵抗効果型ヘッ
ドの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の実施例1である磁
気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法の一例を工程順
に例示した略断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、従来の一般的な磁気抵抗効
果型ヘッドおよびその製造方法の一例を示す略断面図で
ある。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の実施例2である磁
気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法の一例を工程順
に例示した略断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の実施例4である磁
気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法の一例を工程順
に例示した略断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の実施例6である磁
気抵抗効果型ヘッドおよびその製造方法の一例を工程順
に例示した略断面図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の実施例8である磁
気抵抗効果型ヘッドおよびそ製造方法に用いられる各種
薄膜のドライエッチング耐性の測定結果の一例を示す線
図である。
【図7】従来の磁気抵抗効果型ヘッドの一例を示す略斜
視図である。
【符号の説明】
1 ホトレジストパターン 2 電極 2a 電極膜 3 保護膜 4 ソフトバイアス膜 5 シャントバイアス膜 6 MR膜 7 下部磁気シールド 8 下部磁気ギャップ 9 上部磁気ギャップ 10 上部磁気シールド 11 基板 20 電極 20a 電極膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部磁気シールド膜と、絶縁体よりなる
    下部磁気ギャップ膜と、絶縁体よりなる上部磁気ギャッ
    プ膜と、上部磁気シールド膜と、前記下部磁気ギャップ
    膜と上部磁気ギャップ膜の間に配置された、磁気抵抗効
    果膜および当該磁気抵抗効果膜に横バイアス磁界を印加
    する少なくとも一種類のバイアス膜と、前記磁気抵抗効
    果膜に信号検出電流を流すための一対の電極導体とを含
    む磁気抵抗効果型磁気ヘッドであって、前記磁気抵抗効
    果膜と前記バイアス膜のいずれか一方の上に、フロロカ
    ーボン系ガスによるドライエッチングに対して耐性のあ
    る第1の導体膜が形成され、その直上にフロロカーボン
    系ガスでドライエッチングされる第2の導体膜が前記電
    極導体の少なくとも一部として形成されてなることを特
    徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】 磁気抵抗効果膜とバイアス膜のいずれか
    一方の膜上に、Cr,V,Fe,Co,Ni,Cu,Pd,Ag,Pt,Auのうちの
    少なくとも一種の膜、またはこれらの合金膜からなる前
    記第1の導体膜が形成され、その直上にNb,Ta,W,Mo,Ti
    のうち少なくとも一種を用いた前記第2の導体膜が前記
    電極導体の少なくとも一部として形成されることを特徴
    とする請求項1記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記バイアス膜は、非磁性の導体からな
    る第1のバイアス膜と、軟磁性体からなる第2のバイア
    ス膜で構成され、前記磁気抵抗効果膜と、前記第1およ
    び第2のバイアス膜の3者を任意の順序で積層し、これ
    ら3者のいずれかの上に前記第1の導体膜および前記第
    2の導体膜を順に積層してなることを特徴とする請求項
    1または2記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記電極導体を構成する前記第2の導体
    膜が、Nb/Au/Nbの3層構造を呈することを特徴とする
    請求項1,2または3記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  5. 【請求項5】 下部磁気シールド膜と、絶縁体よりなる
    下部磁気ギャップ膜と、絶縁体よりなる上部磁気ギャッ
    プ膜と、上部磁気シールド膜と、前記下部磁気ギャップ
    膜と上部磁気ギャップ膜の間の配置された、磁気抵抗効
    果膜および当該磁気抵抗効果膜に横バイアス磁界を印加
    する少なくとも一種類のバイアス膜と、前記磁気抵抗効
    果膜に信号検出電流を流すための一対の電極導体とを含
    む磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法であって、前記
    磁気抵抗効果膜と前記バイアス膜のいずれか一方の上
    に、フロロカーボン系ガスによるドライエッチングに対
    して耐性のある第1の導体膜を形成し、その直上にフロ
    ロカーボン系ガスでドライエッチングされる第2の導体
    膜を前記電極導体の少なくとも一部として密着形成し、
    ドライエッチングによって前記第2の導体膜を加工する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法。
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