JPH0535033Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両の車輪を操作するための操舵力
を補助する電動パワーステアリング装置の電磁ク
ラツチ装置に関する。

（従来の技術） 従来、第４図、第５図に示すような回転力を発
生するモータ１、このモータ１の回転軸上に設け
られたウオーム２、上記モータの回転力の伝達を
制御する電磁連結手段３、この電磁連結手段３を
介して上記モータ１によつて回転付勢される車輪
駆動部を駆動するステアリングシヤフト４、及び
上記ウオーム２と噛合し、上記ウオーム２と上記
電磁連結手段３の間に設けられたウオームホイー
ル５を備えた電動式パワーステアリング装置は公
知であるが、電磁クラツチ装置は該クラツチを係
合させる際に駆動側動力伝達部と、被駆動側動力
伝達部とを滑らしながら係合させていくようにな
つている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで上記従来技術にあつては被駆動側への
伝達トルクを、動力伝達部の滑りを利用して伝達
する場合、振動を伴なうトルクムラが生じる、と
いう問題点があつた。

この問題点を解決する方法としてパウダークラ
ツチを使いクラツチのトルク制御をする方法が考
えられているがコストが高く大型となり、またパ
ウダーの応答性が悪いという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決することを目的とす
るものであつて、車両の車輪を操舵するための操
舵装置と、該操舵装置の操舵力を軽減するための
動力補助装置と、該動力補助装置と前記操舵装置
との間に介在され、その駆動側及び被駆動側動力
伝達部材を連結して動力伝達を行なう電磁クラツ
チ装置と、該電磁クラツチ装置および前記動力補
助装置の作動を制御するための制御手段とを含む
電動パワーステアリング装置において、前記電磁
クラツチ装置の動力伝達部材の少なくとも一方を
低摩擦材としたことを特徴とするものである。

（実施例） 以下、図示した実施例に基づいて具体的に説明
する。

車両の車輪を操舵する装置はハンドル１０、ハ
ンドルシヤフト１１、ピニオンギヤ１２、ラツク
バー１３により構成されている。ハンドル１０を
操舵すると、これに継がるハンドルシヤフト１
１、ピニオンギヤ１２が回転し、ピニオンギヤと
噛み合うラツクバー１３が軸方向に移動し車輪が
操舵される。該操舵装置の操舵力を軽減するため
の動力補助装置はモーター１７、ウオームギヤ１
８、ウオームホイール１９より構成されている。

動力補助機構を制御する制御手段３２により制
御されたモーター１７よりのトルクは、ウオーム
ギヤ１８、ウオームホイール１９により減速され
た電磁クラツチ装置に伝達される。電磁クラツチ
装置はコイル２５、駆動側動力伝達部２６、被駆
動側動力伝達部２７から構成されており、ウオー
ムギヤ１８、ウオームホイール１９により減速さ
れたトルクはウオームホイール１９と継がる駆動
側動力伝達部２６に伝達される。該駆動側動力伝
達部２６に伝達されたトルクは、電磁クラツチ装
置を制御する制御手段３２により制御されて被駆
動側動力伝達部２７に伝達され、これにつながる
ハンドルシヤフト１１に伝達されることにより動
力補助が行われる。

次に作用について説明する。

動力補助装置よりのトルクは電磁クラツチ装置
の駆動側動力伝達部２６に伝達され、電磁クラツ
チ装置を制御する制御手段３２により制御され、
被駆動側動力伝達部２７に伝達されるが、動力伝
達部材に低摩擦材（たとえば含油性焼結材又はテ
フロンをコーテイングした部材）を使用している
ため、駆動側動力伝達部２６、被駆動側動力伝達
部２７の一方又は両方が回転している状態でトル
ク伝達が行われてもくい付きが円滑に行われるの
でチヤタリング、ステツク・スリツプの影響が極
めて少なく、スムーズなトルク伝達が行われる。
このため被駆動側動力伝達部２７からハンドルシ
ヤフト１１へ伝達されるトルクもトルクムラが極
めて少ないので、スムーズな動力補助ができる。

（効果） 本考案によると、車両の車輪を操舵するための
操舵装置と、該操舵装置の操舵力を軽減するため
の動力補助装置と、該動力補助装置と前記操舵装
置との間に介在され、その駆動側及び被駆動側動
力伝達部材を連結して動力伝達を行なう電磁クラ
ツチ装置と、該電磁クラツチ装置および前記動力
補助装置の作動を制御するための制御手段とを含
む電動パワーステアリング装置において、前記電
磁クラツチ装置の動力伝達部材の少なくとも一方
を低摩擦材としてあるので、駆動側動力伝達部及
び被駆動側動力伝達部の一方又は両方が回転して
いる状態で、トルク伝達が行なわれてもくい付き
が円滑に行なわれるので、チヤタリング、ステツ
ク・スリツプの影響が極めて少なく、スムーズな
トルク伝達を行なうことができる。従つて、被駆
動側動力伝達部からハンドルシヤフトへ伝達され
るトルクもトルクムラが極めて少いのでスムーズ
な動力補助ができるという効果を有し、簡単で安
価な構成によりスムーズなトルク伝達、動力補助
を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を施した電動パワー
ステアリング装置の要部切断正面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ側断面図、第３図は第１図の電磁ク
ラツチ装置部の拡大正断面図、第４図は従来装置
の正断面図、第５図は第４図のＢ−Ｂ側断面図で
ある。 １０……ハンドル、１１……シヤフト、１２…
…ピニオンギヤ、１３……ラツクバー、１７……
モーター、１８……ウオームギヤ、１９……ウオ
ームホイール、２５……コイル、２６……駆動側
動力伝達部、２７……被駆動側動力伝達部、３２
……電磁クラツチ装置の制御手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両の車輪を操舵するための操舵装置と、該操
   舵装置の操舵力を軽減するための動力補助装置
   と、該動力補助装置と前記操舵装置との間に介在
   され、その駆動側及び被駆動側動力伝達部材を連
   結して動力伝達を行なう電磁クラツチ装置と、該
   電磁クラツチ装置および前記動力補助装置の作動
   を制御するための制御手段とを含む電動パワース
   テアリング装置において、前記電磁クラツチ装置
   の動力伝達部材の少なくとも一方を低摩擦材とし
   たことを特徴とする電動パワーステアリング装置
   の電磁クラツチ装置。