JPH05345659A

JPH05345659A - 溶融金属処理容器用耐火物

Info

Publication number: JPH05345659A
Application number: JP4179433A
Authority: JP
Inventors: Noboru Hagiwara; 昇萩原
Original assignee: Kawasaki Refractories Co Ltd
Current assignee: JFE Refractories Corp
Priority date: 1992-06-12
Filing date: 1992-06-12
Publication date: 1993-12-27

Abstract

(57)【要約】【目的】炭素含有耐火物の問題点である耐熱スポ−ル
性を改善することにある。【構成】耐火原料の１種または２種以上を含む耐火骨
材５０〜９５重量％、炭素質原料５〜５０重量％および
熱硬化性樹脂１〜２０重量％を配合した母材に対し、酸
化防止のために金属、または合金、硼化化合物等の箔、
粉末、もしくは繊維を付着した炭素繊維またはノボロイ
ド（商品名）のフェノ−ル樹脂繊維等の化学繊維を１〜
５０重量％添加し、耐火物の組織の内在する欠陥を補
い、かつ耐火物の酸化防止をはかれて、従来の耐熱スポ
−ル性を改善できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冶金分野における溶融
金属処理容器用耐火物に関し、特に酸化を防止して耐熱
スポ−ル性を向上できる溶融金属処理容器用耐火物に関
する。

【０００２】

【従来の技術】炭素質原料を配合した炭素含有耐火物
は、耐熱スポ−ル性が向上するとともにスラグや溶融金
属に対する耐食性も向上することから、幅広い用途に適
用されている。

【０００３】しかし、加熱、冷却の繰り返しの多い部
分、またはスクラップ投入時の衝撃の大きい部位に対し
ては、耐火物としての潜在的な欠陥が熱スポ−ルとして
発展し、亀裂から剥離へと発展する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】こうした欠陥を補う手
段として繊維を添加することが有効であるが、使用過程
で酸化によって劣化し、繊維としての機能が失われる。
そのため、耐熱スポ−ル性を向上して従来よりも優れた
耐用性を備える溶融金属処理容器用耐火物が要望されて
いる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、耐火
原料の１種または２種以上を含む耐火骨材５０〜９５重
量％、炭素質原料５〜５０重量％および熱硬化性樹脂１
〜２０重量％を配合した母材に対し、酸化防止のために
金属、または合金、硼化化合物等の箔、粉末、もしくは
繊維を付着した炭素繊維またはフェノ−ル樹脂繊維等の
化学繊維を１〜５０重量％添加したことを特徴とする溶
融金属処理容器用耐火物を提供するにある。

【０００６】

【作用】本発明の溶融金属処理容器用耐火物では、酸化
防止のために金属、または合金、硼化化合物等の箔、粉
末、もしくは繊維を付着した炭素繊維またはフェノ−ル
樹脂繊維等の化学繊維を１〜５０重量％添加したことに
よって、繰り返される加熱、冷却による膨張収縮や、ス
クラップの投入等の衝撃に対しても、耐火物の組織を強
化できて、炭素質含有の潜在的な欠陥を補強できる。

【０００７】また、添加した炭素繊維や化学繊維に付着
の金属箔等によって、耐火物の使用過程で炭素質原料や
化学繊維が酸化するのを有効に防止でき、繊維の機能を
保持することができて、耐久性を向上できる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて説明す
る。本発明の溶融金属処理容器用耐火物は、耐火原料の
１種または２種以上を含む耐火骨材５０〜９５重量％、
炭素質原料５〜５０重量％および熱硬化性樹脂１〜２０
重量％を配合した母材に対し、酸化防止のために金属、
または合金、硼化化合物等の箔、粉末、もしくは繊維を
付着した炭素繊維またはノボロイド（商品名）のフェノ
−ル樹脂繊維等の化学繊維を１〜５０重量％添加するこ
とを特徴としている。

【０００９】耐火原料としては、塩基性、酸性の耐火物
原料のいずれを問わず、その１種または２種以上を適宜
に配合して使用できる。好ましくは、非酸化物系の炭化
珪素、窒化硼素等の炭化物、窒化物をを使用するのがよ
い。これらの粒径は特に制限するものでなく、通常５mm
以下程度のものを使用するのが好ましい。

【００１０】炭素質原料としては、鱗状黒鉛、土状黒
鉛、石油コ−クス、石炭ピッチコ−クス、鋳物用コ−ク
ス、カ−ボンブラック等の公知の材料が使用できる。こ
の中、鱗状黒鉛が最も好ましい。粒径は特に制限するも
のでなく、適宜選択できるが、通常１mm以下のものを使
用するのが好ましい。

【００１１】熱硬化性樹脂としては、フェノ−ルレジ
ン、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の公知の
ものが使用できる。

【００１２】添付する化学繊維としては、炭素繊維やノ
ボロイド繊維、その他の耐熱性のある化学繊維が使用で
きる。

【００１３】炭素繊維等は、耐火物の用途によって異な
るが、耐火材料の母材全量に対して１〜５０重量％が好
ましい。１重量％未満では性能を充分に発揮させること
ができず、また５０重量％を越えると成形体としての充
填密度が低下し、耐食性が低下して好ましくない。

【００１４】炭素繊維等の線径や長さは特に制限され
ず、適宜選択すればよいが、通常直径が１mm以下、長さ
が１０mm程度のものを使用するのが好ましい。

【００１５】炭素繊維等に付着する箔や粉末、繊維は、
Ｍｇ、Ａｌ、その他に合金、さらに金属の他の酸化防止
効果のある炭化硼素等の硼化化合物や窒化アルミニウム
等を使用することができる。

【００１６】通常、塩基性耐火物に対しては、Ｍｇ箔
を、酸性耐火物に対してはＡｌ箔をできるだけ均一に付
着するのがよい。箔の厚みについては特定しないが、通
常５０μｍ以下程度のものを使用するのが好ましい。

【００１７】上記した耐火材料の母材に金属の箔、粉
末、繊維等を付着した炭素繊維や化学繊維を添加する
と、耐火物成形体内の不均一によって生じる構造部分が
繊維によって繋がり、その欠陥が顕在化しにくくでき
る。そのため、成形体の強度を向上できる。

【００１８】また、弾性率が低下し、熱間の曲げ強度が
向上して、耐熱衝撃抵抗を増大できるため、加熱、冷却
の繰り返しによる熱スポ−ルの発生を抑制できる。

【００１９】しかも、炭素繊維や化学繊維の酸化が、金
属箔等の酸化防止効果で抑制され、耐火物の酸化摩耗性
を向上できる。

【００２０】そのため、結合剤として添加した熱硬化性
樹脂の縮合反応や、加熱、冷却の繰り返しの膨張収縮に
よる組織の劣化、スクラップ投入等の衝撃による微欠陥
の内在等に対して、これらの操業中に発生していた従来
の組織的に内在した欠陥、劣化を改善できるものであ
る。

【００２１】

【試験例】次ペ−ジの表１に示すようにいろいろな配合
とし、これらを常温で混練した後、１０００Kgf/cm²の
圧力で成形した。この成形物を１８０℃で１８時間熱処
理し、不焼成マグネシア・カ−ボン質耐火物を得た。得
られた耐火物を試料とし、耐酸化性、耐熱スポ−ル性、
熱間強度、冷間強度、弾性率等を測定した。その結果を
表２に示している。

【００２２】表１、表２からわかるように、炭素質原料
を含む耐火材料に金属箔を付着した炭素繊維およびノボ
ロイド（商品名）のフェノ−ル樹脂繊維を添加した本発
明品は、従来の炭素含有耐火物の特長をさらに向上する
特徴を有し、特に耐熱スポ−ル性に対して効果が大き
い。したがって本発明の耐火物を溶融金属処理容器に使
用すると、炉寿命を延長することができる。

【００２３】なお、本発明は、上記した実施例に限定す
るものでなく、本発明の趣旨にもとづいて適宜に実施す
ることができる。

【００２４】表１配合表

【表１】

【００２５】表２特性表

【表２】

【００２６】

【発明の効果】以上のように本発明にあっては、炭素含
有耐火物の特長を保有しながら、炭素繊維や化学繊維で
耐火物の組織的に内在する欠陥、劣化を防止できるとと
もに、金属箔等の酸化防止効果によって耐火物の酸化摩
耗性を向上でき、従来の短所である耐熱スポ−ル性が劣
るのを改善でき、溶融金属処理容器の耐久性をより一層
高めることができる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】耐火原料の１種または２種以上を含む耐
火骨材５０〜９５重量％、炭素質原料５〜５０重量％お
よび熱硬化性樹脂１〜２０重量％を配合した母材に対
し、酸化防止のために金属、または合金、硼化化合物等
の箔、粉末、もしくは繊維を付着した炭素繊維またはフ
ェノ−ル樹脂繊維等の化学繊維を１〜５０重量％添加し
たことを特徴とする溶融金属処理容器用耐火物。