JPH0534392B2 - - Google Patents

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JPH0534392B2
JPH0534392B2 JP23076289A JP23076289A JPH0534392B2 JP H0534392 B2 JPH0534392 B2 JP H0534392B2 JP 23076289 A JP23076289 A JP 23076289A JP 23076289 A JP23076289 A JP 23076289A JP H0534392 B2 JPH0534392 B2 JP H0534392B2
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JP
Japan
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group
spiropyran
silica gel
photochromic
powder
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JP23076289A
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JPH0393891A (ja
Inventor
Yasushi Oonishi
Tsutomu Naruse
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AICHI KEN
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AICHI KEN
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【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なフオトクロミツク材料である
フオトクロミツク粉体に関し、更に詳しくいえ
ば、シリカゲルにスピロピランを直接化学結合さ
せたフオトクロミツク粉体に関する。 本発明は、光変調素子、光記憶媒体、光記録媒
体、光感応記録紙、サーモクロミツク媒体等に利
用される。 〔従来の技術〕 スピロピラン化合物は、代表的なフオトクロミ
ツク化合物であり、光又は熱エネルギーにより可
逆的に発消色するため機能性有機材料として有望
であることが知られている(特開昭63−128318号
公報、同62−95287号公報等)。 また、シリカを含むフオトクロミツク材料とし
ては、無機化合物のハロゲン化銀を含むガラス材
料からなるものが多く知られている(特開昭62−
17039号公報、同58−185452号公報等)。 フオトクロミツク性を示す有機化合物であるス
ピロピランを直接にシリカゲルと結合させたもの
は、未だ知られていない。 〔発明が解決しようとする課題〕 前記スピロピラン化合物は、結晶性の有機化合
物であるため、樹脂等に混合して使用しても隠蔽
力が弱く多量に使用する必要があり、ブリードし
易く、また、水や有機溶媒に溶解するものが多く
耐水性、耐溶剤性、耐薬品性に乏しいという問題
がある。また、前記ハロゲン化銀を用いるもの
は、ガラス材料として使用され、通常、樹脂に分
散されて使用されないので、有機材料としての加
工性、成形性、汎用性等に優れないという面があ
る。 以上の観点より、本発明は、スピロピランを化
学結合によつて直接にシリカゲルに結合させ、前
記問題点を全て解決するものであり、隠蔽力、耐
ブリード性、耐水性、耐溶剤性に優れ、樹脂に分
散使用する場合には加工性、成形性等にも優れる
フオトクロミツク粉体を提供することを目的とす
る。 〔課題を解決するための手段〕 本発明はスピロピランをシリカゲルの表面に直
接に結合させた新規なスピロピラン誘導体の発明
であつて、前記特許請求の範囲の各項に記載され
る構造をもつものである。 即ち、第1発明はスピロピランの6′位又は5位
の炭素にシリカゲルの表面に位置するSiと化学結
合(共有結合)させたものであり、第2発明はス
ピロピランのN位に導入された前記アルキル基等
の炭化水素気の炭素に、シリカゲルの表面に位置
するSiを化学結合させたものである。 前記R基としては、メチル基若しくはエチル基
等のアルキル基、X基としてはメチレン基、エチ
レン基プロピレン基等のアルキレン基とすること
ができる。更に、このR基又はX基において「ア
ルキレン基を介在する芳香族系炭化水素基」と
は、ベンジル基以外に、例えば
〔作用〕
本発明のスピロピラン誘導体は、スピロピラン
がシリカゲルの表面に直接結合して、Si−Cの化
学結合を形成しているので、不溶性の粉体となる
とともに、最初から発色した状態になり、光によ
つて消色し暗所で復色する逆フオトクロミズムを
示す、更に、単にシリカゲルにスピロピランを吸
着させたもの若しくはエステル結合(Si−O−
C)させたものと比べると、極めて安定なものと
なる。更に、シリカゲルは比表面積が大きいの
で、その表面にスピロピランを多数結合させるこ
とができる。 また、本粉体は、無機化合物のハロゲン化銀と
異なり、有機化合物のスピロピランを用いるの
で、樹脂との親和性にも優れ、樹脂に分散させて
使用することもできる。 以上より、本スピロピラン誘導体は、従来のス
ピロピラン化合物には無い特有の作用を有し、斬
新な機能性材料として大きな可能性をもつてい
る。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら具体的実施例に限定されるも
のではなく、目的、用途に応じて本発明の範囲内
で種々変更した実施例とすることができる。 実施例 1 本実施例化合物は、表に示すように、一般式
〔〕において、Rがメチル基のものである。 (1) 製造方法 これは、以下のようにして製造された。 まず、6′−ブロモ−1,3,3−トリメチルス
ピロ(インドリン−2,2′−ベンゾピラン)0.2
モルを無水エーテルに溶解し、窒素雰囲気下、氷
浴で冷却しながら、0.2モル相当のn−ブチルリ
チウムのn−ヘキサン溶液を徐々に滴下して加え
る。これにより、臭素のリチウムに置換した有機
リチウム誘導体を製造する。 一方、シリカゲル2gを、減圧下約400℃にて約
1時間加熱処理して、脱水シリカゲルを製造す
る。この脱水シリカゲルを、前記有機リチウム誘
導体溶液に窒素気流中で加え、その後約30分間エ
ーテルの還流温度で加熱して反応させて、Si−C
化合物を製造する。放冷後多量のメタノー
【表】
【表】 中に加えて、残留するリチウム化合物を分解す
る。次に、減圧濾過し、メタノールで洗浄した
後、少量の2M塩酸で酸性とし、その後、蒸留水
で中性になるまで洗浄し、更にアセトンで十分洗
浄する。その後、50℃で真空乾燥して本フオトク
ロミツク粉体を製造した。 (2) 色調及びスペクトル特性 得られたフオトクロミツク粉体の色調及び可視
光反射特性(λmax)を測定し、その結果を表に
示した。この色調は、乾燥状態では紫色の粉体を
示し、大気中に放置すると大気中の水分を吸収し
て色が変化し、平衡状態では赤橙色を示す。 また、この可視光反射特性は硫酸バリウムをマ
トリツクスとした積分球により測定した。尚、硫
酸バリウム上では、溶媒効果のため色調が変化す
るので、粉体そのものの色調とは一致しない。更
に、このフオトクロミツク粉体の硫酸バリウムを
マトリツクスとした積分球による紫外−可視反射
スペクトルの光照射による変化を第1図に示し
た。図中、Aは暗所に放置した場合、Bは可視光
に1分間曝した場合を示す。この図に示すよう
に、暗所から可視光に1分間曝すと橙色が消え淡
黄色に変わつた。 (3) 耐溶剤性 スピロピラン化合物は有機化合物であり、アセ
トン等の有機溶媒に簡単に溶解する。また、スピ
ロピランを単にシリカゲルに吸着させただけのも
のも考えられるので、これと直接結合させた本実
施例化合物との耐溶剤性の比較を行つた。尚、こ
の比較例化合物は、スピロピランをヘキサン中に
て前記シリカゲルに吸着させ、これを濾別し乾燥
させたものを用いた。これもフオトクロミツク性
を示し色調は赤紫色を示した。 この評価試験は、前記化合物をアセトン中室温
で10分間攪拌し、その後濾別しアセトンで数回洗
浄し、乾燥させたものの紫外−可視反射スペクト
ルを測定して行つた。この実施例の結果を第2図
に、比較例を第3図に示した。尚、図中、Cは抽
出前の化合物、Dは抽出後のもの、Eはシリカゲ
ル粉末のみの各スペクトルを示す。 この図によれば、実施例では、全く変化しない
ので、溶剤に全く抽出されないされないことを示
している。このことは、樹脂中に分散使用した場
合でも樹脂への移行、ブリードも生じにくいこと
を示している。 しかし、比較例では、前記サイクルを1回行つ
ただけであるが、ほとんど白色になり、シリカゲ
ルのみのスペクトルと近似した。これは、比較的
穏やかな条件であつても、ほぼ完全にスピロピラ
ンが抽出除去されて、シリカゲルとスピロピラン
がほぼ完全に分離していることを示している。
尚、この比較例では、単にアセトン中で放置した
だけでも徐々に色がなくなり、乾燥したものは、
ほとんど白色になつてしまう。一方、前記実施例
では、何回ものサイクルを繰り返しても、全く色
調は変化しなかつた。 尚、Si−O−C化学結合をもつスピロピラン化
合物も、同様にフオトクロミツク性を示すことを
本発明者らは実験により確認しているが、Si−C
結合と比べて、Si−O結合は、同様な共有結合で
あるが、加水分解、光分解され易い。しかし、本
実施例化合物では、これらの安定性にも大変優れ
る。 実施例 2 本実施例化合物は、表に示すように、一般式
〔〕において、Rがベンジル基のものである。 1−ベンジル−6′−ブロモ−3,3−ジメチル
スピロ(インドリン−2.2′−ベンゾピラン)を用
いて、実施例1と同様にして反応を行つて、表に
示すフオトクロミツク粉体を製造し、実施例1と
同様にして特性を測定し、その結果を表に示す。
このフオトクロミツク粉体は、実施例1と同様の
色調の変化を示すが、大気中の平衡状態では橙色
を示す。 実施例 3 本実施例化合物は、表に示すように、一般式
〔〕において、Rがメチル基のものである。 5−ブロモ−1,3,3−トリメチルスピロ
(インドリン−2.2′−ベンゾピラン)を用いて、
実施例1と同様にして反応を行つて、表に示すフ
オトクロミツク粉体を製造し、実施例1と同様に
して特性を測定し、その結果を表に示す。このフ
オトクロミツク粉体は、大気中の平衡状態では淡
橙色を示す。 実施例 4 本実施例化合物は、表に示すように、一般式
〔〕において、Rがベンジル基のものである。 1−ベンジル−5−ブロモ−3,3−ジメチル
スピロ(インドリン−2.2′−ベンゾピラン)を用
いて、実施例1と同様にして反応を行つて、表に
示すフオトクロミツク粉体を製造し、実施例1と
同様にして特性を測定し、その結果を表に示す。
このフオトクロミツク粉体は、大気中の平衡状態
では淡黄橙色を示す。 実施例 5 本実施例化合物は、表に示すように、一般式
〔〕において、Xが
〔発明の効果〕
本発明のフオトクロミツク粉体は、前記作用を
有するので、逆フオトクロミズムを示すととも
に、耐溶剤性、耐薬品性、耐水性、耐光分解性、
耐候性等に極めて優れ、また光を透過しないため
隠蔽力も大きく、更に、樹脂中に分散使用するこ
とにより、加工性、成形性、汎用性、樹脂への移
行防止性、ブリード防止性等にも優れる。 更に、本フオトクロミツク粉体は、より多孔性
のシリカゲルを用いる程スピロピランが多数結合
され、そのため発色を濃くすることができる。 また、加熱又は乾燥することによつて、色が変
化し、冷却すると空気中の水分で元の色に戻ると
いうサーモクロミツク性も有し、更に、PHの変化
によつても可逆的に色が変化する。従つて、熱セ
ンサ、PHセンサとしての機能も合わせもつた大変
機能的に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1に係わるフオトクロミツク粉
体の可視光反射スペクトルを示すグラフ、第2図
はこの粉体の耐溶剤性の結果を示すグラフ、第3
図は比較例に係わるスピロピラン吸着シリカゲル
の耐溶剤性の結果を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記に示す一般式〔〕又は〔〕で示さ
    れ、スピロピランの6′位又は5位の炭素を、シリ
    カゲルの表面に位置するSiと化学結合させたこと
    を特徴とするフオトクロミツク粉体。 (式中、Rはアルキル基、又はアルキレン基を
    介在する、アルキル基、弗素、塩素、アルコキシ
    ル基若しくはアミノ基の芳香核置換基をもつ芳香
    族系炭化水素基であり、4〜7、3′〜8′位のうち
    のSiと結合しない位置は水素、アルキル基、弗素
    又は塩素を有する。) 2 下記に示す一般式〔〕で示され、スピロピ
    ランのNに結合するXとシリカゲルの表面に位置
    するSiとを化学結合させたことを特徴とするフオ
    トクロミツク粉体。 (式中、Xはアルキレン基、又はアルキレン基
    を介在する、アルキル基、弗素、塩素、アルコキ
    シル基若しくはアミノ基の芳香核置換基をもつ芳
    香族系炭化水素基を示し、4〜7、3′〜8′位は水
    素、アルキル基、弗素又は塩素を有する。)
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