JP2003270145A - 感圧色素を担持した機能性高分子並びにそれを用いた感圧塗料及び感圧素子 - Google Patents
感圧色素を担持した機能性高分子並びにそれを用いた感圧塗料及び感圧素子Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機溶媒が蒸発した場合であっても、色素凝
集による光応答の低下を妨ぐと共に、均一な特性を有す
るセンサ薄膜を作成することを可能にする感圧色素を担
持する機能性高分子、感圧塗料及び感圧素子を得る。 【解決手段】 感圧色素の一部を構成する酸素消光色素
部が、トリメチルシリル基を有する高分子有機化合物と
共有結合することによって直接に結合されているので、
有機溶媒が蒸発するときにも、色素分子が高分子に拘束
され、自由に凝集することが阻害される。従って、従来
の混合型の感圧塗料を成膜する際に問題となっていた有
機溶媒が蒸発するときの色素分子の凝集による光応答の
低下が回避される。機能性高分子を溶剤に混合して感圧
塗料とすることで、スプレーや塗布によって、均一な特
性の薄膜センサが得られる。また、単一成分を適当な溶
剤に溶解するだけで、再現性が良くスプレーや塗布に適
する塗布液が得られる。
集による光応答の低下を妨ぐと共に、均一な特性を有す
るセンサ薄膜を作成することを可能にする感圧色素を担
持する機能性高分子、感圧塗料及び感圧素子を得る。 【解決手段】 感圧色素の一部を構成する酸素消光色素
部が、トリメチルシリル基を有する高分子有機化合物と
共有結合することによって直接に結合されているので、
有機溶媒が蒸発するときにも、色素分子が高分子に拘束
され、自由に凝集することが阻害される。従って、従来
の混合型の感圧塗料を成膜する際に問題となっていた有
機溶媒が蒸発するときの色素分子の凝集による光応答の
低下が回避される。機能性高分子を溶剤に混合して感圧
塗料とすることで、スプレーや塗布によって、均一な特
性の薄膜センサが得られる。また、単一成分を適当な溶
剤に溶解するだけで、再現性が良くスプレーや塗布に適
する塗布液が得られる。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば、光学的に
酸素を検出するセンサに適用可能であるような、高い圧
力感度と高速応答性を有する感圧色素を担持した機能性
高分子、並びにそれを用いた感圧塗料及び感圧素子に関
する。
酸素を検出するセンサに適用可能であるような、高い圧
力感度と高速応答性を有する感圧色素を担持した機能性
高分子、並びにそれを用いた感圧塗料及び感圧素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸素センサとして知られている酸
素感応塗料は、酸素消光性を有する光励起物質を、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン等の酸素透過性樹脂に溶かし
たものであった。この塗料を母材に塗布して酸素センサ
とするが、このセンサでは、光励起物質と酸素の接触が
樹脂内の酸素の拡散現象に依存するため、酸素感度が温
度に依存したり、圧力変動に対する時間応答性が悪いと
いう問題があった。また、低温においては、樹脂の酸素
透過性が低下するため、感度が極めて小さくなり、高層
大気環境での微量酸素検出、物体表面での微小圧力測定
や低温風洞での供試体の表面の圧力分布測定等に利用す
ることはできなかった。
素感応塗料は、酸素消光性を有する光励起物質を、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン等の酸素透過性樹脂に溶かし
たものであった。この塗料を母材に塗布して酸素センサ
とするが、このセンサでは、光励起物質と酸素の接触が
樹脂内の酸素の拡散現象に依存するため、酸素感度が温
度に依存したり、圧力変動に対する時間応答性が悪いと
いう問題があった。また、低温においては、樹脂の酸素
透過性が低下するため、感度が極めて小さくなり、高層
大気環境での微量酸素検出、物体表面での微小圧力測定
や低温風洞での供試体の表面の圧力分布測定等に利用す
ることはできなかった。
【0003】このため、本発明者は、先に光励起物質を
樹脂中に分散させるのではなく、直接に酸素に接触させ
るため、センサ母材表面に多孔質膜を形成し、この多孔
質膜中に直接光励起物質を吸着保持する方法と、この方
法を用いて作成したセンサを提案した(特開平11−3
7944号公報)。この方法によるセンサは、高い感度
を有し、低温での感度の低下も少ない極めて優れたもの
ではあったが、多孔質膜の形成に適したセンサ母材が限
られること、多孔質膜に光励起物質を吸着させる操作
が、どのような供試体においても容易であるとは云えな
いことなどの問題も残されていた。
樹脂中に分散させるのではなく、直接に酸素に接触させ
るため、センサ母材表面に多孔質膜を形成し、この多孔
質膜中に直接光励起物質を吸着保持する方法と、この方
法を用いて作成したセンサを提案した(特開平11−3
7944号公報)。この方法によるセンサは、高い感度
を有し、低温での感度の低下も少ない極めて優れたもの
ではあったが、多孔質膜の形成に適したセンサ母材が限
られること、多孔質膜に光励起物質を吸着させる操作
が、どのような供試体においても容易であるとは云えな
いことなどの問題も残されていた。
【0004】また、本発明者は、光励起物質のバインダ
として、ポリ[1−(トリメチルシリル)−1−プロピ
ン](以下、poly(TMSP)と標記する。)を用
いた高機能感圧塗料を提案している(特開2000−2
49076)。バインダとしてpoly(TMSP)を
用い、これに光励起物質を混入した塗料は、バインダが
高い酸素透過率を持つことにより、また、その高い透過
性が温度に依存せず、低温でも高いままに保たれること
により、高い圧力感度と、小さい温度感度を併せ持ち、
液体窒素温度でも酸素感度を失わないだけでなく、圧力
変動に対する応答性がよく、しかもスプレーコーティン
グが可能なので、供試体の材質、形状にかかわらず塗装
が可能であるという、極めて優れた高機能感圧塗料及び
これを用いた感圧素子が得られている。
として、ポリ[1−(トリメチルシリル)−1−プロピ
ン](以下、poly(TMSP)と標記する。)を用
いた高機能感圧塗料を提案している(特開2000−2
49076)。バインダとしてpoly(TMSP)を
用い、これに光励起物質を混入した塗料は、バインダが
高い酸素透過率を持つことにより、また、その高い透過
性が温度に依存せず、低温でも高いままに保たれること
により、高い圧力感度と、小さい温度感度を併せ持ち、
液体窒素温度でも酸素感度を失わないだけでなく、圧力
変動に対する応答性がよく、しかもスプレーコーティン
グが可能なので、供試体の材質、形状にかかわらず塗装
が可能であるという、極めて優れた高機能感圧塗料及び
これを用いた感圧素子が得られている。
【0005】しかしながら、このような高機能感圧塗料
であっても、有機溶媒の蒸発に伴う色素の凝集に起因し
て、光応答性の低下したり、塗布して形成した薄膜の特
性が不均一になるという、なお改善すべき問題点が残さ
れている。
であっても、有機溶媒の蒸発に伴う色素の凝集に起因し
て、光応答性の低下したり、塗布して形成した薄膜の特
性が不均一になるという、なお改善すべき問題点が残さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、有機溶媒が蒸
発し薄膜が形成された後であっても色素を高分子に拘束
させることで、色素凝集による光応答の低下を妨ぐと共
に、均一な特性を有するセンサ薄膜を作成することを可
能にする一液性の感圧塗料を得る点で解決すべき課題が
ある。
発し薄膜が形成された後であっても色素を高分子に拘束
させることで、色素凝集による光応答の低下を妨ぐと共
に、均一な特性を有するセンサ薄膜を作成することを可
能にする一液性の感圧塗料を得る点で解決すべき課題が
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による感圧色素
を担持した機能性高分子は、トリメチルシリル基が結合
すると共に酸素消光性を有する感圧色素が共有結合して
成るアセチレン誘導体を含んでいることから成ってい
る。
を担持した機能性高分子は、トリメチルシリル基が結合
すると共に酸素消光性を有する感圧色素が共有結合して
成るアセチレン誘導体を含んでいることから成ってい
る。
【0008】この発明による感圧色素を担持した機能性
高分子においては、酸素消光性として酸素圧力検出機能
を有するセンサ部を含む感圧色素が、アセチレン誘導体
において共有結合された状態で存在しているので、有機
溶媒が蒸発するときにも色素分子はアセチレン誘導体の
一部として拘束された状態に維持され、自由に凝集する
ことが阻害される。従って、従来の混合型の感圧塗料を
成膜する際に問題となっていた有機溶媒が蒸発するとき
の色素分子の凝集による光応答の低下が回避される。
高分子においては、酸素消光性として酸素圧力検出機能
を有するセンサ部を含む感圧色素が、アセチレン誘導体
において共有結合された状態で存在しているので、有機
溶媒が蒸発するときにも色素分子はアセチレン誘導体の
一部として拘束された状態に維持され、自由に凝集する
ことが阻害される。従って、従来の混合型の感圧塗料を
成膜する際に問題となっていた有機溶媒が蒸発するとき
の色素分子の凝集による光応答の低下が回避される。
【0009】この感圧色素を担持した機能性高分子にお
いて、前記アセチレン誘導体にトリメチル−1−シリル
プロピンを共重合させることができる。トリメチル−1
−シリルプロピンは、前記アセチレン誘導体を含む高分
子化合物の立体障害を防ぐ材料の一例として用いられ
る。
いて、前記アセチレン誘導体にトリメチル−1−シリル
プロピンを共重合させることができる。トリメチル−1
−シリルプロピンは、前記アセチレン誘導体を含む高分
子化合物の立体障害を防ぐ材料の一例として用いられ
る。
【0010】この感圧色素を担持した機能性高分子にお
いて、前記アセチレン誘導体を、5−(4−トリメチル
シリルエチニルフェニル)−10,15,20−トリフ
ェニル白金ポルフィリンとすることができる。これをト
リメチル−1−シリルプロピンと共重合したことから構
成される機能性高分子が、ポリ[トリメチルシリル−1
−プロピン−コ−5−(4−トリメチルシリルエチニ
ル)フェニル−10,15,20−トリフェニル白金ポ
ルフィリン]である。
いて、前記アセチレン誘導体を、5−(4−トリメチル
シリルエチニルフェニル)−10,15,20−トリフ
ェニル白金ポルフィリンとすることができる。これをト
リメチル−1−シリルプロピンと共重合したことから構
成される機能性高分子が、ポリ[トリメチルシリル−1
−プロピン−コ−5−(4−トリメチルシリルエチニ
ル)フェニル−10,15,20−トリフェニル白金ポ
ルフィリン]である。
【0011】また、上記の感圧色素を担持した機能性高
分子を溶剤に混合することにより、感圧塗料が得られ
る。即ち、バインダ等の材料の追加なしに単に溶剤に溶
解した液として塗布・成膜に供することができるので、
調製が容易であるばかりでなく、機能の再現性が高い。
感圧塗料の状態で置くことにより、保管、運搬が簡単で
あり、また、必要なときに、スプレーでの吹き付けや、
刷毛による塗布等の各種手段によって、基体に薄く層状
に適用することが可能になる。
分子を溶剤に混合することにより、感圧塗料が得られ
る。即ち、バインダ等の材料の追加なしに単に溶剤に溶
解した液として塗布・成膜に供することができるので、
調製が容易であるばかりでなく、機能の再現性が高い。
感圧塗料の状態で置くことにより、保管、運搬が簡単で
あり、また、必要なときに、スプレーでの吹き付けや、
刷毛による塗布等の各種手段によって、基体に薄く層状
に適用することが可能になる。
【0012】更に、上記の感圧塗料を基体に塗布し、固
化することで感圧素子が得られる。上記の感圧塗料を塗
布した場合に、適宜の基体上には、感圧素子として極め
て均一なセンサ膜を形成することが可能になる。このよ
うなセンサ膜の適用例としては、風洞試験又は実機試験
において、翼等の供試体の表面に付設して、翼面上の圧
力分布の計測がある。
化することで感圧素子が得られる。上記の感圧塗料を塗
布した場合に、適宜の基体上には、感圧素子として極め
て均一なセンサ膜を形成することが可能になる。このよ
うなセンサ膜の適用例としては、風洞試験又は実機試験
において、翼等の供試体の表面に付設して、翼面上の圧
力分布の計測がある。
【0013】
【実施例】(合成実施例1)図2に示す反応(1)に従
いエチニル基を有したアルデヒドを、パラジウム触媒を
用いたクロスカップリング反応により合成した。即ち、
4−ブロモベンズアルデヒド白色結晶8.4g、トリメ
チルシリルアセチレン9.8ml、トリフェニルホスフ
ィン0.34gを乾燥トリエチルアミン100mlに溶
解させ、攪拌しながら窒素ガスを通気した。80℃に加
熱し、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム30
0mgを加え、3時間沸点環流した。室温まで放冷した
後、生成したトリエチルアミンの臭化水素塩をろ別しヘ
キサンで洗浄した。ろ液を減圧濃縮した後、シリカゲル
カラムにより目的物を分離した。展開溶媒にはヘキサン
を使用し、Rf=0.38の成分を取り出した。ヘキサ
ンから再結晶させ、アルデヒド臭を有する黄色結晶を得
た。0.04mmHgでの減圧蒸留精製によって75〜
80℃の部分を分取した後、イソプロパノールから再結
晶し、4−トリメチルシリルエチニルベンズアルデヒド
を白色結晶として単離した。4−トリメチルシリルエチ
ニルベンズアルデヒドの特性は次のとおり。融点67
℃、収率97%、赤外吸収スペクトル(2957cm-
1 :Si−CH伸縮振動,2156cm- 1 :C≡C伸
縮振動)、1 H−NMRスペクトル(0.25(s,9
H,トリメチルシリル基),7.60〜7.80(q,
4H,フェニル基),9.99(s,1Hアルデヒド
基)ppm)、質量分析(m/e)202(M+ )。
いエチニル基を有したアルデヒドを、パラジウム触媒を
用いたクロスカップリング反応により合成した。即ち、
4−ブロモベンズアルデヒド白色結晶8.4g、トリメ
チルシリルアセチレン9.8ml、トリフェニルホスフ
ィン0.34gを乾燥トリエチルアミン100mlに溶
解させ、攪拌しながら窒素ガスを通気した。80℃に加
熱し、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム30
0mgを加え、3時間沸点環流した。室温まで放冷した
後、生成したトリエチルアミンの臭化水素塩をろ別しヘ
キサンで洗浄した。ろ液を減圧濃縮した後、シリカゲル
カラムにより目的物を分離した。展開溶媒にはヘキサン
を使用し、Rf=0.38の成分を取り出した。ヘキサ
ンから再結晶させ、アルデヒド臭を有する黄色結晶を得
た。0.04mmHgでの減圧蒸留精製によって75〜
80℃の部分を分取した後、イソプロパノールから再結
晶し、4−トリメチルシリルエチニルベンズアルデヒド
を白色結晶として単離した。4−トリメチルシリルエチ
ニルベンズアルデヒドの特性は次のとおり。融点67
℃、収率97%、赤外吸収スペクトル(2957cm-
1 :Si−CH伸縮振動,2156cm- 1 :C≡C伸
縮振動)、1 H−NMRスペクトル(0.25(s,9
H,トリメチルシリル基),7.60〜7.80(q,
4H,フェニル基),9.99(s,1Hアルデヒド
基)ppm)、質量分析(m/e)202(M+ )。
【0014】次いで、図2に示す反応(2)に従い、ト
リメチルシリル基を脱保護反応した。即ち、4−トリメ
チルシリルエチニルベンズアルデヒド4.0gをメタノ
ール20mlに溶解し、窒素ガス下で30分間攪拌、炭
酸ナトリウム0.19gを加えさらに3時間室温にて攪
拌した。溶媒を減圧除去し、5%炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄、ジクロロメタンで抽出し無水硫酸ナトリウ
ムを加え乾燥した。ろ別した後、溶媒を減圧除去した。
真空下乾燥してアルデヒド臭を持つ目的物4−エチニル
ベンズアルデヒドを白色結晶として得た。4−エチニル
ベンズアルデヒドの特性は次のとおり。融点89℃。収
率99%。赤外吸収スペクトル(3222cm- 1 :C
≡CH伸縮振動,2101cm- 1 :C≡C伸締振
動)、1 H−NMRスぺクトル(3.29(s,1H,
エチニル基),7.65〜7.85(q,4H,フェニ
ル基),10.0(s,1H,アルデヒド基)pp
m)、質量分析(m/e)130(M+ )。
リメチルシリル基を脱保護反応した。即ち、4−トリメ
チルシリルエチニルベンズアルデヒド4.0gをメタノ
ール20mlに溶解し、窒素ガス下で30分間攪拌、炭
酸ナトリウム0.19gを加えさらに3時間室温にて攪
拌した。溶媒を減圧除去し、5%炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄、ジクロロメタンで抽出し無水硫酸ナトリウ
ムを加え乾燥した。ろ別した後、溶媒を減圧除去した。
真空下乾燥してアルデヒド臭を持つ目的物4−エチニル
ベンズアルデヒドを白色結晶として得た。4−エチニル
ベンズアルデヒドの特性は次のとおり。融点89℃。収
率99%。赤外吸収スペクトル(3222cm- 1 :C
≡CH伸縮振動,2101cm- 1 :C≡C伸締振
動)、1 H−NMRスぺクトル(3.29(s,1H,
エチニル基),7.65〜7.85(q,4H,フェニ
ル基),10.0(s,1H,アルデヒド基)pp
m)、質量分析(m/e)130(M+ )。
【0015】図2に示す反応(3)に従い、4−トリメ
チルシリルエチニルベンズアルデヒド又は4−エチニル
ベンズアルデヒドベンズアルデヒド及びピロールを反応
させアルデヒド誘導体とピロールの縮合によるポルフィ
リン環生成反応を実施した。即ち、遮光した反応容器に
クロロホルム400mlを入れ、4−トリメチルシリル
エチニルベンズアルデヒド1.5g又は4−エチニルベ
ンズアルデヒドベンズアルデヒド0.95g、蒸留ベン
ズアルデヒド3.2ml、蒸留ピロール2ml、三フツ
化ホウ素−ジエチルエーテル錯体0.9mlの順に添加
した。窒素ガスを通気下、室温で1時間攪拌した。p−
クロラニル5gをテトラヒドロフラン100mlに溶解
させ、これを加え更に1時間半攪拌した。反応溶液を濃
縮した後、p−クロラニルをろ別した。展開溶媒にジク
ロロメタン/ヘキサン=1:1を用い、シリカゲルカラ
ムで精製し、紫色のポルフィリン部を取り出した。更に
展開溶媒をジクロロメタン/ヘキサン=5/7に変えて
フラッシュカラムにより目的物5−(4−エチニルフェ
ニル)−及び5−(4−トリメチルシリルエチニルフェ
ニル)−10,15,20−トリフェニルポルフィリン
を紫色結晶として得た。
チルシリルエチニルベンズアルデヒド又は4−エチニル
ベンズアルデヒドベンズアルデヒド及びピロールを反応
させアルデヒド誘導体とピロールの縮合によるポルフィ
リン環生成反応を実施した。即ち、遮光した反応容器に
クロロホルム400mlを入れ、4−トリメチルシリル
エチニルベンズアルデヒド1.5g又は4−エチニルベ
ンズアルデヒドベンズアルデヒド0.95g、蒸留ベン
ズアルデヒド3.2ml、蒸留ピロール2ml、三フツ
化ホウ素−ジエチルエーテル錯体0.9mlの順に添加
した。窒素ガスを通気下、室温で1時間攪拌した。p−
クロラニル5gをテトラヒドロフラン100mlに溶解
させ、これを加え更に1時間半攪拌した。反応溶液を濃
縮した後、p−クロラニルをろ別した。展開溶媒にジク
ロロメタン/ヘキサン=1:1を用い、シリカゲルカラ
ムで精製し、紫色のポルフィリン部を取り出した。更に
展開溶媒をジクロロメタン/ヘキサン=5/7に変えて
フラッシュカラムにより目的物5−(4−エチニルフェ
ニル)−及び5−(4−トリメチルシリルエチニルフェ
ニル)−10,15,20−トリフェニルポルフィリン
を紫色結晶として得た。
【0016】5−(4−トリメチルシリルエチニルフェ
ニル)−10,15,20−トリフェニルポルフィリン
の特性は次のとおり。融点300℃以上。収率12%。
紫外可視吸収スペクトル:411,509,550,5
94,645(m)、1 H−NMRスペクトル(−2.
68(s,2H,イミノ基),3.32(s,1H,エ
チニル基),7,80〜8.10(m,19H,フェニ
ル基),8.90(s,8Hピロール環)ppm)、質
量分析(m/e)711(M+ +1)。
ニル)−10,15,20−トリフェニルポルフィリン
の特性は次のとおり。融点300℃以上。収率12%。
紫外可視吸収スペクトル:411,509,550,5
94,645(m)、1 H−NMRスペクトル(−2.
68(s,2H,イミノ基),3.32(s,1H,エ
チニル基),7,80〜8.10(m,19H,フェニ
ル基),8.90(s,8Hピロール環)ppm)、質
量分析(m/e)711(M+ +1)。
【0017】5−(4−エチニルフェニル)−10,1
5,20−トリフェニルポルフィリンの特性は次のとお
り。融点300℃以上。収率11%。紫外可視吸収スペ
クトル:419,515,555,591,648(n
m)、(1 H−NMRスペクトル(−2.83(s,2
H,イミノ基),0.25(s,9H,トリメチルシリ
ル基),7.80〜8.10(m,19H,フェニル
基),8.83(s,8H,ピロール環)ppm)、質
量分析(m/e)639(M+ +1)。
5,20−トリフェニルポルフィリンの特性は次のとお
り。融点300℃以上。収率11%。紫外可視吸収スペ
クトル:419,515,555,591,648(n
m)、(1 H−NMRスペクトル(−2.83(s,2
H,イミノ基),0.25(s,9H,トリメチルシリ
ル基),7.80〜8.10(m,19H,フェニル
基),8.83(s,8H,ピロール環)ppm)、質
量分析(m/e)639(M+ +1)。
【0018】図2に示す反応(4)に従い、ポルフィリ
ン誘導体に白金を導入した。即ち、5−(4−トリメチ
ルシリルエチニルフェニル)−10,15,20−トリ
フェニルポルフィリン110mg又は5−(4−エチニ
ルフェニル)−10,15,20−トリフェニルポルフ
ィリン100mgのベンゾニトリル20ml溶液に窒素
ガス下、塩化白金81mgを加え、160℃に加熱40
時間環流させた後、ベンゾニトリルを減圧除去及びろ過
した。ジクロロメタンを展開溶媒としてアルミナカラム
により未反応塩化白金を完全に除去し、赤橙色の粉末と
して5−(4−エチニルフェニル)−及び5−(4−ト
リメチルシリルエチニルフェニル)−10,15,20
−トリフェニル白金ポルフィリンを紫色結晶として得
た。
ン誘導体に白金を導入した。即ち、5−(4−トリメチ
ルシリルエチニルフェニル)−10,15,20−トリ
フェニルポルフィリン110mg又は5−(4−エチニ
ルフェニル)−10,15,20−トリフェニルポルフ
ィリン100mgのベンゾニトリル20ml溶液に窒素
ガス下、塩化白金81mgを加え、160℃に加熱40
時間環流させた後、ベンゾニトリルを減圧除去及びろ過
した。ジクロロメタンを展開溶媒としてアルミナカラム
により未反応塩化白金を完全に除去し、赤橙色の粉末と
して5−(4−エチニルフェニル)−及び5−(4−ト
リメチルシリルエチニルフェニル)−10,15,20
−トリフェニル白金ポルフィリンを紫色結晶として得
た。
【0019】5−(4−トリメチルシリルエチニルフェ
ニル)−10,15,20−トリフェニル白金ポルフィ
リンの特性は次のとおり。融点300℃以上。収率94
%。紫外可視吸収スペクトル:408,512,539
(nm)、1 H−NMR(0.18(s,9H,トリメ
チルシリル基),7.75(m,12H,フェニル
基),8.14(m,8H,フェニル基),8.73
(s,8H,ピロール環)ppm)、質量分析(m/
e)904(M+ )。
ニル)−10,15,20−トリフェニル白金ポルフィ
リンの特性は次のとおり。融点300℃以上。収率94
%。紫外可視吸収スペクトル:408,512,539
(nm)、1 H−NMR(0.18(s,9H,トリメ
チルシリル基),7.75(m,12H,フェニル
基),8.14(m,8H,フェニル基),8.73
(s,8H,ピロール環)ppm)、質量分析(m/
e)904(M+ )。
【0020】5−(4−エチニルフェニル)−10,1
5,20−トリフェニル白金ポルフィリンの特性は次の
とおり。融点300℃以上。収率85%。紫外可視吸収
スペクトル:402,510,538(nm)、1 H−
NMRスペクトル(3.49(s,1H,エチニル
基),7.75(m,12H,フェニル基),8.14
(m,8H,フェニル基),8.73(s,8H,ピロ
ール環)ppm)、質量分析(m/e)831
(M+)。なお、図2に示す合成プロセス(3)におい
て、ピロール、ベンズアルデヒドに代えてアミノピレン
を反応させると、4−トリメチルシリルエチレンベンジ
リデンイミノピレンが得られ、これを後述の共重合に供
するとピレン等の酸素消光色素を担持することも可能で
ある。
5,20−トリフェニル白金ポルフィリンの特性は次の
とおり。融点300℃以上。収率85%。紫外可視吸収
スペクトル:402,510,538(nm)、1 H−
NMRスペクトル(3.49(s,1H,エチニル
基),7.75(m,12H,フェニル基),8.14
(m,8H,フェニル基),8.73(s,8H,ピロ
ール環)ppm)、質量分析(m/e)831
(M+)。なお、図2に示す合成プロセス(3)におい
て、ピロール、ベンズアルデヒドに代えてアミノピレン
を反応させると、4−トリメチルシリルエチレンベンジ
リデンイミノピレンが得られ、これを後述の共重合に供
するとピレン等の酸素消光色素を担持することも可能で
ある。
【0021】(合成実施例2)図3に示す反応(5)に
従い、5−(4−トリメチルシリルエチニルフェニル)
−10,15,20−トリフェニル白金ポルフィリンと
1−トリメチルシリル−1−プロピン(TMSP)を塩
化タンタルを触媒として共重合した。即ち、窒素置換し
た反応容器にトルエン12mlを入れ30分窒素ガスを
通気した。TMSP0.5mlをシリンジで注入し、加
熱しながら窒素通気を続け、20分かけ90℃まで徐々
に加熱した。塩化タンタル80mgを、続いて30分後
に5−(4−トリメチルシリルエチニルフェニル)−1
0,15,20−トリフエニル白金ポルフィリン80m
gを加え、1日90℃加熱反応させた。反応溶液を1l
のメタノールに攪拌しながら滴下するとポリマーが沈殿
してきた。沈殿物をろ別乾燥した。少量のトルエンに再
溶解し超遠心分離(24,000回転毎分、90分)で
触媒を含む不純物を沈澱させ除去した。黄色透明なトル
エン溶液を1lのメタノールに注ぎ、沈殿物をろ集し淡
黄色のポリマーを得た。得られたポリマーの特性は次の
とおり。収率47%。重量平均分子量6.0×105
(重量平均分子量/数平均分子量比1.4)、白金ポル
フィリン含有率0.1mol%(重量で0.8wt
%)。赤外吸収スペクトル(1560cm- 1 :C=C
伸縮振動,1240cm- 1 :Si−C伸縮振動)、紫
外可視吸収スペクトル:317,418,510,53
8(nm)、1 H−NMRスペクトル(0・26(s,
トリメチルシリル基,9H),1.7−2.3(br,
メチル基,3H)ppm)。
従い、5−(4−トリメチルシリルエチニルフェニル)
−10,15,20−トリフェニル白金ポルフィリンと
1−トリメチルシリル−1−プロピン(TMSP)を塩
化タンタルを触媒として共重合した。即ち、窒素置換し
た反応容器にトルエン12mlを入れ30分窒素ガスを
通気した。TMSP0.5mlをシリンジで注入し、加
熱しながら窒素通気を続け、20分かけ90℃まで徐々
に加熱した。塩化タンタル80mgを、続いて30分後
に5−(4−トリメチルシリルエチニルフェニル)−1
0,15,20−トリフエニル白金ポルフィリン80m
gを加え、1日90℃加熱反応させた。反応溶液を1l
のメタノールに攪拌しながら滴下するとポリマーが沈殿
してきた。沈殿物をろ別乾燥した。少量のトルエンに再
溶解し超遠心分離(24,000回転毎分、90分)で
触媒を含む不純物を沈澱させ除去した。黄色透明なトル
エン溶液を1lのメタノールに注ぎ、沈殿物をろ集し淡
黄色のポリマーを得た。得られたポリマーの特性は次の
とおり。収率47%。重量平均分子量6.0×105
(重量平均分子量/数平均分子量比1.4)、白金ポル
フィリン含有率0.1mol%(重量で0.8wt
%)。赤外吸収スペクトル(1560cm- 1 :C=C
伸縮振動,1240cm- 1 :Si−C伸縮振動)、紫
外可視吸収スペクトル:317,418,510,53
8(nm)、1 H−NMRスペクトル(0・26(s,
トリメチルシリル基,9H),1.7−2.3(br,
メチル基,3H)ppm)。
【0022】5−(4−トリメチルシリルエチニルフェ
ニル)−10,15,20−トリフェニルを200mg
加えた以外は上記と同じくTMSPとの共重合を実施し
た。得られた化合物の特性は次のとおり。収率42%。
重量平均分子量4.30×105 (重量平均分子量/数
平均分子量比1.6)、白金ポルフィリン含有率0.3
mol%(重量で2.5wt%)図1に、このようにし
て得られた新規物質である、ポリ[トリメチルシリル−
1−プロピン−コ−5−(4−トリメチルシリルエチニ
ルフェニル)−10,15,20−トリフェニル白金ポ
ルフィリン])の構造式が示されている。図中、1はト
リメチルシリル基、2は白金ポルフィリン誘導体から成
る感圧色素、3はトリメチルシリル基1に結合し且つ感
圧色素2と共有結合したアセチレン誘導体、及び4はト
リメチルシリル−1−プロピンを示している。
ニル)−10,15,20−トリフェニルを200mg
加えた以外は上記と同じくTMSPとの共重合を実施し
た。得られた化合物の特性は次のとおり。収率42%。
重量平均分子量4.30×105 (重量平均分子量/数
平均分子量比1.6)、白金ポルフィリン含有率0.3
mol%(重量で2.5wt%)図1に、このようにし
て得られた新規物質である、ポリ[トリメチルシリル−
1−プロピン−コ−5−(4−トリメチルシリルエチニ
ルフェニル)−10,15,20−トリフェニル白金ポ
ルフィリン])の構造式が示されている。図中、1はト
リメチルシリル基、2は白金ポルフィリン誘導体から成
る感圧色素、3はトリメチルシリル基1に結合し且つ感
圧色素2と共有結合したアセチレン誘導体、及び4はト
リメチルシリル−1−プロピンを示している。
【0023】図4は、この発明による新規化合物と、従
来の色素とバインダとを混合する方法によって得られた
感圧塗料との、薄膜の特性の一様性を比較したものであ
る。上側の(a)が従来の色素混合による塗料の成膜一
様性を示すグラフであり、下側の(b)がこの発明によ
る色素担持型の新規化合物による成膜一様性を示すグラ
フである。いずれも溶媒としてはトルエンを使用し、基
板上にスプレー塗布後、有機溶媒を自然乾燥させること
によって薄膜を得た。これにキセノンランプを400n
mを中心波長とするバンドパスフィルタを介して一様照
射し、そのときの発光強度の分布を、650nmを中心
波長とするバンドパスフィルタを介して、高感度の冷却
式デジタルCCDカメラで観測した。図の横軸はカメラ
画像のサンプル上の位置(X)をピクセルの数値で表し
たものであり、縦軸の相対発光強度の分布は平均値から
の偏差として表されている。新規化合物では、色素が高
分子に拘束されているため、乾燥時の色素の凝集が発生
せず、従来の方法に比較して、発光強度分布のばらつき
が40%に減少していることが判る。
来の色素とバインダとを混合する方法によって得られた
感圧塗料との、薄膜の特性の一様性を比較したものであ
る。上側の(a)が従来の色素混合による塗料の成膜一
様性を示すグラフであり、下側の(b)がこの発明によ
る色素担持型の新規化合物による成膜一様性を示すグラ
フである。いずれも溶媒としてはトルエンを使用し、基
板上にスプレー塗布後、有機溶媒を自然乾燥させること
によって薄膜を得た。これにキセノンランプを400n
mを中心波長とするバンドパスフィルタを介して一様照
射し、そのときの発光強度の分布を、650nmを中心
波長とするバンドパスフィルタを介して、高感度の冷却
式デジタルCCDカメラで観測した。図の横軸はカメラ
画像のサンプル上の位置(X)をピクセルの数値で表し
たものであり、縦軸の相対発光強度の分布は平均値から
の偏差として表されている。新規化合物では、色素が高
分子に拘束されているため、乾燥時の色素の凝集が発生
せず、従来の方法に比較して、発光強度分布のばらつき
が40%に減少していることが判る。
【0024】図5は、上記に従って得られた薄膜を、内
部の試験気体の圧力が可変できる容器に入れ、酸素分圧
に対する発光強度の変化を示したものである。即ち、上
記薄膜は、圧力としての酸素分圧を、発光強度として検
出することができる。図5(a)は試験気体として乾燥
空気を使用した場合、図5(b)は窒素をベースに酸素
1000ppmを含む標準ガスを使用した場合の試験結
果を示すグラフである。試験については常温で行い、試
験気体の圧力は真空から大気圧まで可変した。図の横軸
は試験気体中の酸素の分圧を表し、縦軸は大気圧の場合
の値を基準にした発光強度の逆数(強度比)を表してい
る。図には、従来の色素とバインダとを混合する方法に
よって得られた薄膜の特性も示されている。乾燥空気を
用いた場合のデータに若干の差異が見られるものの、新
規化合物において色素を高分子に拘束したことの影響
は、顕著なものではない。
部の試験気体の圧力が可変できる容器に入れ、酸素分圧
に対する発光強度の変化を示したものである。即ち、上
記薄膜は、圧力としての酸素分圧を、発光強度として検
出することができる。図5(a)は試験気体として乾燥
空気を使用した場合、図5(b)は窒素をベースに酸素
1000ppmを含む標準ガスを使用した場合の試験結
果を示すグラフである。試験については常温で行い、試
験気体の圧力は真空から大気圧まで可変した。図の横軸
は試験気体中の酸素の分圧を表し、縦軸は大気圧の場合
の値を基準にした発光強度の逆数(強度比)を表してい
る。図には、従来の色素とバインダとを混合する方法に
よって得られた薄膜の特性も示されている。乾燥空気を
用いた場合のデータに若干の差異が見られるものの、新
規化合物において色素を高分子に拘束したことの影響
は、顕著なものではない。
【0025】
【発明の効果】本発明による新規に合成した感圧色素を
担持した機能性高分子は、感圧色素と高分子とが共有結
合しているので、有機溶媒蒸発時の色素凝集を回避する
ことが可能であり、光応答性が高く且つ均一な圧力セン
サ膜の形成に使用することができる。本発明による機能
性高分子をバインダ無しに単に溶剤に混合し、感圧塗料
の形で保管・運搬し、随時に使用して塗布・成膜に供す
ることができる。この機能性高分子は、感圧塗料として
一液性であるため、スプレーコーティングやディッピン
グ、基板へのキャスト等、いずれの方法でも塗装可能な
使い易い塗料となった。また、感圧塗料をスプレーや塗
布で基体上に膜状に適用して、膜厚の均一な感圧センサ
を得ることもできる。そうして得られた感圧センサを低
温風洞試験や衝撃風洞試験において使用することによっ
て、超低圧の環境であっても、供試体である翼表面の圧
力分布の測定を高感度に且つ高分解能で行うことができ
る。
担持した機能性高分子は、感圧色素と高分子とが共有結
合しているので、有機溶媒蒸発時の色素凝集を回避する
ことが可能であり、光応答性が高く且つ均一な圧力セン
サ膜の形成に使用することができる。本発明による機能
性高分子をバインダ無しに単に溶剤に混合し、感圧塗料
の形で保管・運搬し、随時に使用して塗布・成膜に供す
ることができる。この機能性高分子は、感圧塗料として
一液性であるため、スプレーコーティングやディッピン
グ、基板へのキャスト等、いずれの方法でも塗装可能な
使い易い塗料となった。また、感圧塗料をスプレーや塗
布で基体上に膜状に適用して、膜厚の均一な感圧センサ
を得ることもできる。そうして得られた感圧センサを低
温風洞試験や衝撃風洞試験において使用することによっ
て、超低圧の環境であっても、供試体である翼表面の圧
力分布の測定を高感度に且つ高分解能で行うことができ
る。
【図1】この発明による新規物質の構造式である。
【図2】図1に示す化合物の反応(1)〜反応(4)の
合成経路を示す図である。
合成経路を示す図である。
【図3】図1に示す化合物の反応(5)の合成経路を示
す図である。
す図である。
【図4】この発明による新規化合物と従来の色素とバイ
ンダとの混合による感圧塗料の成膜一様性を比較するグ
ラフである。
ンダとの混合による感圧塗料の成膜一様性を比較するグ
ラフである。
【図5】この発明によって得られた新規化合物を含む薄
膜の発光強度の酸素分圧に対する変化を示すグラフであ
る。 1 トリメチルシリル基 2 白金ポルフィリン誘導体から成る感圧色素 3 アセチレン誘導体 4 トリメチルシリル−1−プロピン
膜の発光強度の酸素分圧に対する変化を示すグラフであ
る。 1 トリメチルシリル基 2 白金ポルフィリン誘導体から成る感圧色素 3 アセチレン誘導体 4 トリメチルシリル−1−プロピン
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G01L 1/00 G01L 1/00 E
Fターム(参考) 2G043 AA01 BA09 CA01 DA02 EA01
FA03 GA07 GB21 KA03 NA11
4J038 CN001 GA08 GA15 GA16
JC38 NA09 NA18
4J100 AS15Q AT05P BA72P BA72Q
BD05P BD15P CA04 DA47
DA61 JA24 JA32
Claims (5)
- 【請求項1】 トリメチルシリル基が結合すると共に酸
素消光性を有する感圧色素が共有結合して成るアセチレ
ン誘導体を含んでいることから成る、感圧色素を担持し
た機能性高分子。 - 【請求項2】 前記アセチレン誘導体にトリメチル−1
−シリルプロピンが共重合していることから成る請求項
1に記載の感圧色素を担持した機能性高分子。 - 【請求項3】 前記アセチレン誘導体は、5−(4−ト
リメチルシリルエチニルフェニル)−10,15,20
−トリフェニル白金ポルフィリンであることから成る請
求項1又は2に記載の感圧色素を担持した機能性高分
子。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感
圧色素を担持した機能性高分子を溶剤に混合して形成さ
れていることから成る感圧塗料。 - 【請求項5】 請求項4に記載の前記感圧塗料を基体に
塗布し、固化して得られることから成る感圧素子。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002070691A JP2003270145A (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | 感圧色素を担持した機能性高分子並びにそれを用いた感圧塗料及び感圧素子 |
DE2003110747 DE10310747A1 (de) | 2002-03-14 | 2003-03-10 | Funktionelles Polymer mit einem gestützten drucksensitiven Luminophor und drucksensitives Anstrichmittel |
US10/386,671 US6797390B2 (en) | 2002-03-14 | 2003-03-13 | Functional polymer with supported pressure-sensitive luminophore, and pressure-sensitive paint and pressure-sensitive element using same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002070691A JP2003270145A (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | 感圧色素を担持した機能性高分子並びにそれを用いた感圧塗料及び感圧素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003270145A true JP2003270145A (ja) | 2003-09-25 |
Family
ID=28035072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002070691A Pending JP2003270145A (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | 感圧色素を担持した機能性高分子並びにそれを用いた感圧塗料及び感圧素子 |
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Country | Link |
---|---|
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JP (1) | JP2003270145A (ja) |
DE (1) | DE10310747A1 (ja) |
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JP2016211867A (ja) * | 2015-04-30 | 2016-12-15 | 学校法人 創価大学 | 光学式酸素センサ及びその製造方法 |
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US8568551B2 (en) * | 2007-05-22 | 2013-10-29 | The Boeing Company | Pre-patterned layup kit and method of manufacture |
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US8752293B2 (en) * | 2007-12-07 | 2014-06-17 | The Boeing Company | Method of fabricating structures using composite modules and structures made thereby |
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DE102009026363B4 (de) * | 2009-08-11 | 2012-03-22 | Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt e.V. | Druckempfindliche Farbe |
US9188536B2 (en) | 2010-01-27 | 2015-11-17 | Luxcel Biosciences, Ltd | Photoluminescent pressure probe |
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JP3101671B2 (ja) | 1997-07-17 | 2000-10-23 | 科学技術庁航空宇宙技術研究所長 | 酸素感応皮膜の形成方法及びそれを利用した酸素センサー並びに圧力測定方法 |
JP3380894B2 (ja) | 2000-03-07 | 2003-02-24 | 独立行政法人 航空宇宙技術研究所 | 酸素濃度測定用の高機能感圧塗料および素子 |
-
2002
- 2002-03-14 JP JP2002070691A patent/JP2003270145A/ja active Pending
-
2003
- 2003-03-10 DE DE2003110747 patent/DE10310747A1/de not_active Ceased
- 2003-03-13 US US10/386,671 patent/US6797390B2/en not_active Expired - Fee Related
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