JPH05342915A - 透明導電膜 - Google Patents

透明導電膜

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Publication number
JPH05342915A
JPH05342915A JP4174926A JP17492692A JPH05342915A JP H05342915 A JPH05342915 A JP H05342915A JP 4174926 A JP4174926 A JP 4174926A JP 17492692 A JP17492692 A JP 17492692A JP H05342915 A JPH05342915 A JP H05342915A
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JP
Japan
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transparent conductive
conductive film
film
polycarbonate resin
hydrocarbon group
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Application number
JP4174926A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Hazama
和彦 間
Mitsuo Matsumoto
光郎 松本
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定の繰返し単位から構成される脂環式ポリ
カーボネート系樹脂からなるフィルムまたはシートの片
面または両面に透明導電層を形成してなる透明導電膜で
ある。 【効果】ポリエチレンテレフタレートフィルムを基板と
する従来の透明導電膜で問題であった透明性が改良さ
れ、複屈折性が解決された。また、透湿性が低く液晶表
示用途、エレクトロルミネッセンス表示用途等で表示素
子等の劣化防止効果があり、湿度変化による寸法安定
性、耐熱性、機械的強度にも優れ、着色も少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学特性、耐湿性、耐熱
性および機械的強度に優れた透明導電膜に関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電膜は透明フィルムまたはシート
(以下透明導電膜基板と呼称する)の片面あるいは両面
に透明導電層を形成したものであり、液晶表示装置やエ
レクトロルミネッセンス表示装置などの透明電極、透明
タッチパネルの透明電極、電子写真、透明帯電防止膜あ
るいは透明電磁遮蔽膜等として使用されている。透明導
電膜基板としては、従来、ポリエチレンテレフタレート
フィルム(以下PETフィルムと略記する)が使用され
ているが、透明性がいまひとつ十分でなく、また複屈折
性が大きく、液晶表示装置などの透明電極等に使用でき
ない欠点があった。その他にポリエーテルサルフォンフ
ィルム、ビスフェノールA系のポリカーボネートフィル
ム、ポリスチレンフィルム、アクリル樹脂系フィルム、
セルロース系フィルムおよびフェノキシエーテル型樹脂
のフィルムが透明導電膜基板として使用あるいは検討さ
れてきたが、各々欠点があり、満足できるものはなかっ
た。
【0003】ポリエーテルサルフォンフィルムは透明性
が低く、ビスフェノールA系のポリカーボネートフィル
ムは剛性が小さくフィルムにこしがなく、特に薄いフィ
ルムの取扱性に問題がありまた耐溶剤性に劣る。ポリス
チレンフィルムおよびアクリル樹脂系フィルムは脆く、
また延伸により脆性を改良したものは樹脂のTgが低い
ため、加熱収縮温度が約90℃以下と低い。セルロース
系フィルムは透湿性が高く、吸湿変化が大きい等の問題
があった。フェノキシエーテル型樹脂は、耐熱性、剛性
率を上げるために、厄介な熱処理による架橋を必要と
し、また複屈折性を小さくするため生産上もまた環境上
も問題の多い溶媒キャステング法により製膜する必要が
ある(特開昭56−130010号)。また、難燃性に
優れているものとして臭素化フェノキシ樹脂のフィルム
が提案されているが、着色があり、着色が問題となる用
途には使用できない欠点がある(特願平2−12087
0号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記従
来の問題点を解決した透明導電膜の開発にあり、すなわ
ち透明性が良好で、低複屈折、低着色と光学特性に優
れ、吸湿寸法変化、透湿性が小さく、耐熱性および機械
的強度に優れた透明導電膜の開発である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題の
解決に関し鋭意検討した結果、ある種の脂環式ポリカー
ボネート系樹脂のフィルムまたはシートに透明導電層を
形成したものが、驚くべきことに、透明性、低複屈折
性、低着色性、吸湿寸法安定性、低透湿性、耐熱性およ
び機械的強度等透明導電膜として要求される多くの項目
に優れた特性を示すことを見出し本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の目的は、下記一般式
[1]〜[3]で表される繰返し単位から構成され、単
位[1]のモル分率(x)は単位[2]のモル分率
(y)と単位[3]のモル分率(z)の合計モル分率
(y+z)に実質的に等しく、単位[2]のモル分率
(y)は20モル%以上50モル%以下の範囲である脂
環式ポリカーボネート系樹脂のフィルムまたはシートの
片面または両面に透明導電層を形成してなる透明導電膜
によって達成される。
【0007】
【化2】 ただし、式[1]において、nは0、1または2であ
り、式[3]において、Aは炭素数が20以下の2価の
飽和脂肪族炭化水素基、飽和脂環式炭化水素基または芳
香族炭化水素基である。
【0008】本発明の透明導電膜に使用される脂環式ポ
リカーボネート系樹脂(以下脂環式ポリカーボネート樹
脂と略記する)の、一般式[1]の構造単位の含有量
(x)は実質的に50モル%である。一般式[2]の構
造単位の含有量(y)は20〜50モル%であり、好ま
しくは30〜50モル%である。含有量が20モル%未
満では吸湿寸法安定性が低くなる傾向があり好ましくな
い。一般式[3]の構造単位の含有量(z)は基本的に
50−yモル%である。
【0009】一般式[1]の構造単位は具体的には、以
下のものであり、特にnが1または2である繰返し単位
である場合、透明導電膜の熱変形温度が高くなり好まし
い。
【0010】n=0の場合
【0011】
【化3】 n=1の場合
【0012】
【化4】 n=2の場合
【0013】
【化5】 また、一般式[3]の構造単位は具体的には、例えば以
下のものが挙げられる。
【0014】Aが飽和脂肪族炭化水素の場合
【0015】
【化6】 Aが飽和脂環式炭化水素の場合
【0016】
【化7】 Aが芳香族炭化水素の場合
【0017】
【化8】 液晶表示装置用途のように、特に低複屈折性であること
が要求される用途においては、フィルムまたはシート形
状に成形する際多少の配向が生じても複屈折性の少ない
透明導電膜基板が得られる、配向複屈折性の少ない飽和
脂肪族炭化水素または飽和脂環式炭化水素構造が好まし
く選択される。特にAが飽和脂環式炭化水素の場合耐熱
性が高く、また吸湿寸法安定性に優れ好ましい。配向が
生じない方法でフィルムまたはシートが成形される場
合、あるいは複屈折性が特に問題とならない用途におい
ては、配向複屈折性が大きいが芳香族炭化水素構造を選
択することができ、この場合、例えば耐熱性が高くなる
など有利となる点がある。
【0018】一般式[1]および一般式[3]で表され
る構造単位はそれぞれ1種類だけであっても2種類以上
が混合されていてもよい。また本発明の効果を損わない
範囲で他の構造単位を含んでいてもよい。その置換量は
通常10モル%以下である。
【0019】脂環式ポリカーボネート樹脂の分子量は数
平均分子量で10000〜200000(ポリスチレン
換算)であることがよく、更に好ましくは20000〜
150000がよい。分子量が低いと透明導電膜の機械
的強度が不十分となり、大きすぎるとフィルムまたはシ
ート状に成形することが困難となる。
【0020】また、脂環式ポリカーボネート樹脂中のア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、亜鉛、鉛、マ
ンガン、アンチモン、ゲルマニウムまたはこれら金属の
化合物の含有量が金属元素濃度で5ppm以下である場
合、押出成形による製膜工程等で着色が少なく、特に低
着色の要求される用途に好ましい。従来、樹脂の製造に
おいてこれらの金属または金属の化合物が重合触媒とし
て使用され樹脂中に混入したまま使用されていたが、本
発明者等は、これらの金属または金属化合物がフィルム
またはシートにわずかであるが存在する着色の原因にな
っており、これらの混入を実質的になくすることで着色
が改善できることを見出した。このようなものは、例え
ば樹脂の製造においてテトラフェニルホウ素酸テトラ−
n−ブチルアンモニウム等のホウ素酸エステルを重合触
媒として使用する新規な方法で達成できる。
【0021】脂環式ポリカーボネート樹脂は、対応する
酸やそのエステル、酸塩化物(一般式[2]であらわさ
れる構造単位にはホスゲン)、酸無水物、ジオールやそ
のエステルもしくはアルコキシド等の原料より、公知の
方法により製造することができる(特開平2−6951
9号)。触媒としては、テトラアルキルオルソチタネー
ト、酢酸亜鉛、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、カ
リウム−t−ブトキシドやナトリウムメトキシド等の種
々のアルコキシド、リチウムやナトリウム等のアルカリ
金属、水素化リチウムや水素化ナトリウム等のアルカリ
金属の水素化物などの公知の触媒が使用できる。また、
テトラフェニルホウ素酸テトラ−n−ブチルアンモニウ
ム等のホウ素酸エステルを触媒とする新規な方法で製造
できる。
【0022】脂環式ポリカーボネート樹脂には、本発明
の効果を損わない範囲で、可塑剤、染顔料、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、および滑剤などの樹脂改質剤を添加、
あるいは他の樹脂をブレンドすることができる。
【0023】フィルムまたはシート形状に成形する方法
としては公知の方法が採用できるが、押出成形法が好ま
しい方法として挙げられる。押出成形における溶融温度
としては、通常180〜350℃の範囲の温度が使用さ
れ、特に200〜300℃が好ましく使用される。
【0024】フィルムまたはシートは延伸されていても
よく、この場合耐折強度など機械的強度が改善され、取
扱性が向上する利点がある。特に延伸方向のオリエンテ
ーションリリースストレス(ASTM D1504、以
下ORSと略記する)が3〜30Kg/cm2 であるも
のが機械的強度が改善され好ましい。ORSは延伸フィ
ルムまたはシートに凍結されている、延伸により生じた
内部応力である。
【0025】延伸は、公知の方法が使用でき、例えば樹
脂のガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度から、
50℃高い温度の間の温度で、ロール一軸延伸法、テン
ター一軸延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、イ
ンフレーション法により延伸できる。延伸倍率は1.1
〜3.5倍が好ましく用いられる。
【0026】本発明の透明導電膜の基板として使用され
る脂環式ポリカーボネート樹脂のフィルムまたはシート
の厚みは取扱性等から10μ〜2mmの厚みが好ましい。
【0027】本発明の透明導電膜は、透明導電膜基板の
通常片面にまた必要に応じ両面に透明導電層が形成され
る。透明導電層の形成方法に特に制約はなく、通常、真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーテイング
法、金属溶射法、金属メッキ法等が用いられ、特に薄い
層を均一に形成しやすい、真空蒸着法、スパッタリング
法が好ましく使用される。
【0028】導電層を形成する素材としては、公知のも
のが使用でき、例えばSn、In、Ti、Pbの金属ま
たはこれらの酸化物が用いられ、導電層の厚みは通常1
00オングストローム以上、安定な導電性を与えるため
には500オングストローム以上が採用される。このよ
うな導電層により、例えば表面抵抗値が100〜100
000Ω/□の一般の用途に必要な導電性が付与され
る。他に、例えばAu、Pd、Pt等の金属、例えばT
iO2 /Ag/TiO2 等の誘電体/金属/誘電体など
の多層膜も使用できる。
【0029】耐久性等の性能向上に導電層を2層にした
り、アンダーコートやオーバーコートを行なってもよ
い。
【0030】
【作用】本発明の透明導電膜の特長を以下に整理して示
す。 (1)透明性 透明導電膜の重要な特性である透明性に優れる。従来透
明導電膜基板として使用されてきたPETフィルムは透
明性に劣り、全光線透過率は88%であった。一方本発
明に使用の透明導電膜基板の全光線透過率は93%であ
り、透明導電膜の透明性が改良された。 (2)複屈折性 複屈折性が低い。複屈折性は液晶表示装置用途等で所期
の機能を阻害する特性である。 (3)低着色 特に特定の金属の樹脂中濃度を低くした基板の着色が少
なく、着色の少ない導電膜が達成される。 (4)透湿性 透湿性は、水分がエレクトロルミネッセンス表示用途等
で表示素子等の性能劣化の原因となることから、透明導
電膜に必要な特性である。本発明の透明導電膜は基板の
水蒸気透過率が低くこの点においても優れたものとな
る。例えば式[1]のnが1で、式[2]のモル分率が
50%である樹脂よりなる透明導電膜基板は、5g/m
2 /24hr/0.1mmと、透湿性の小さいPET導
電膜基板の6g/m2 /24hr/0.1mmよりむし
ろ低い値である。このような低い透湿性は、同じポリカ
ーボネート系であるビスフェノールA系のポリカーボネ
ート樹脂のフィルムの水蒸気透過率が35g/m2 /2
4hr/0.1mmと大きいことから予想できないこと
であった。 (5)吸湿寸法安定性 吸湿寸法変化は乾燥状態から23℃、90%の湿度の環
境においても0.01〜0.02%膨張するだけで、非
常に小さく湿度変化に伴う形状変化によるトラブルが回
避できる。PETフィルムは約0.1%変化する。 (6)耐熱性 100〜150℃と高い。 (7)機械的強度 透明導電膜基板の曲げ弾性は高く、剛性に優れる。ビス
フェノール系のポリカーボネート樹脂のフィルムまたは
シートの剛性が曲げ弾性率で2.5×104 Kg/cm
2 と劣るのに対し、基板である脂環式ポリカーボネート
樹脂のフィルムまたはシートの曲げ弾性率は約3.0×
104 Kg/cm2 と高い。
【0031】また特に延伸した基板を使用した導電膜で
は耐折強度も向上し、取扱性がより向上する。
【0032】尚、本発明においては254μ未満の厚み
のものをフィルム、254μ以上のものをシートと区別
した。
【0033】以下に特性値の測定方法を示す。 ・透明性:全光線透過率(ASTM D1003)によ
り評価した。 ・測色:JIS K7105に従い測定した(C光源、
10゜視野、透過法)。 ・金属分析:原子吸光法により分析した。 ・複屈折性:東芝硝子(株)製歪検査器SVP−10型
により観察した。 ・吸湿寸法安定性:オーブンで80℃、48時間乾燥
後、23℃、95%の湿度の環境に7日間放置後の寸法
変化で評価した。 ・水蒸気透過率:JIS Z0208に従い測定した。 ・数平均分子量:GPC測定により、ポリスチレンの分
子量標準品と比較し求めた(ポリスチレン換算)。 ・ガラス転移温度(Tg):示差熱分析法(窒素中、昇
温温度10℃/分)により測定した。 ・ORS:ASTM D1504に従い測定した。 ・耐折強度:被測定物を15mm巾の短冊にして、MI
T型耐折疲労試験機{(株)東洋精機製作所製、折曲げ
速度30回/分}により破断せずに折曲げられた回数を
求めた。
【0034】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明する。
【0035】実施例1 トランス−2、3−ジ(ヒドロキシメチル)−ペルヒド
ロ−1、4:5、8−ジメタノナフタレン13.4Kg
とジフェニルカーボネート12.9Kgおよび触媒とし
てテトラフェニルホウ素酸テトラ−n−ブチルアンモニ
ウム0.7gを用い、溶融縮合反応により、式[4]で
表される繰返し構造単位からなる脂環式ポリカーボネー
ト樹脂を得た。得られた樹脂の数平均分子量は3800
0であり、Tgは125℃であった。
【0036】これを250℃の押出温度で押出成形し、
100μのフィルムを作製した。
【0037】
【化9】 このフィルムを原子吸光法で金属分析したが、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、チタン、亜鉛、鉛、マンガ
ン、アンチモン、ゲルマニウム元素の含有量はいずれも
1ppm以下であった。
【0038】全光線透過率が93%であり、また、測色
値は、L* が96.39、a* が−0.01、b* が
0.19と着色のほとんど認められない透明性に優れた
無色のフィルムであった。水蒸気透過率は5g/m2
24hr/0.1mmであった。
【0039】このフィルムにシリコン系のアンダーコー
トをし、乾燥したのち(株)徳田製作所製スパッターリ
ング装置CFS−4ES型を用い、In2 3 95重量
%とSnO2 5重量%を常法に従いスパッタリングし、
約700オングストロームの導電層を形成した。全光線
透過率は90%、表面抵抗は155Ω/□であった。こ
の導電膜の複屈折性を歪検査器で調べた。互いに直交す
る一対の偏光板の間にフィルムをおいて回転しても直交
する偏光板の明るさおよび色相に変化はなく、複屈折性
は認められず、液晶表示用途に使用できるものであっ
た。
【0040】乾燥後、23℃、90%の湿度の環境に7
日間放置したが寸法変化は、約0.01%にすぎなかっ
た。剛性に優れ、また120℃まで変形は認められなか
った。
【0041】比較例1 100μの厚みのPETフィルム(東レ(株)製ルミラ
ー)に実施例1と同様にしてシリコン系のアンダーコー
トをし、乾燥したのちIn2 3 95重量%とSnO2
5重量%を常法に従いスパッタリングし、約700オン
グストロームの導電層を形成した。表面抵抗は160Ω
/□であったが、可視光の透過率は85%と低かった。
また、実施例1と同様にして歪検査器で複屈折性を観察
したところ、回転により色相が変化し、標準の位相差板
と比較したところ約200nmのレタデーションが認め
られ、液晶表示用途には使用できないものであった。
【0042】実施例2 実施例1において、トランス−2、3−ジ(ヒドロキシ
メチル)−ペルヒドロ−1、4:5、8−ジメタノナフ
タレン13.4Kgの代りにトランス−2、3−ジ(ヒ
ドロキシメチル)−ペルヒドロ−1、4:5、10:
6、9−トリメタノアントラセン17.4Kgを使用し
た以外同様の方法により数平均分子量が62000の式
[5]で表される繰返し構造からなる脂環式ポリカーボ
ネート樹脂を製造し、押出成形により、80μのフィル
ムを作製した。
【0043】
【化10】 このフィルムを原子吸光法で金属分析したが、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、チタン金属、亜鉛金属、鉛金
属、マンガン金属、アンチモン金属、ゲルマニウム金属
元素の含有量はいずれも1ppm以下であった。
【0044】全光線透過率が93%であり、また、測色
値は、L* が96.31、a* が−0.02、b* が
0.28と着色のほとんど認められない透明性に優れた
無色のフィルムであった。水蒸気透過率は5g/m2
24hr/0.1mmと低いものであった。
【0045】実施例1と同様にしてシリコン系のアンダ
ーコートをし、乾燥したのちIn23 95重量%とS
nO2 5重量%を常法に従いスパッタリングし、約70
0オングストロームの導電層を形成した。可視光の平均
透過率は90%、表面抵抗は165Ω/□であり、また
複屈折性も認められなかった。乾燥後、23℃、90%
の湿度の環境に7日間放置したが寸法変化は、約0.0
1%にすぎなかった。
【0046】剛性に優れ、また150℃に加熱したが変
形は認められなかった。
【0047】実施例3 実施例1において、トランス−2、3−ジ(ヒドロキシ
メチル)−ペルヒドロ−1、4:5、8−ジメタノナフ
タレン13.4Kgの代りにトランス−2、3−ジ(ヒ
ドロキシメチル)−ペルヒドロ−1、4:5、8−ジメ
タノナフタレン6.7Kgおよびトランス−2、3−ジ
(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
4.7Kgを使用した以外同様の方法により式[6]で
表される構造単位からなる数平均分子量が48000の
脂環式ポリカーボネート樹脂を製造し、押出成形により
300μのシートを作製した。
【0048】
【化11】 このシートを原子吸光法で金属分析したが、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、チタン、亜鉛、鉛、マンガン、
アンチモン、ゲルマニウム元素の含有量はいずれも1p
pm以下であった。
【0049】全光線透過率が93%であり、また、測色
値は、L* が96.36、a* が−0.02、b* が
0.22と着色のほとんど認められない透明性に優れた
無色のシートであった。
【0050】実施例1と同様にしてシリコン系のアンダ
ーコートをし、乾燥したのちIn23 95重量%とS
nO2 5重量%を常法に従いスパッタリングし、約70
0オングストロームの導電層を形成した。可視光の平均
透過率は89%、表面抵抗は145Ω/□であり、また
複屈折性も認められなかった。乾燥後、23℃、90%
の湿度の環境に7日間放置したが寸法変化は、約0.0
2%にすぎなかった。
【0051】また、105℃に加熱したが変形は認めら
れなかった。
【0052】実施例4 トランス−2、3−ジ(ヒドロキシメチル)−ペルヒド
ロ−1、4:5、8−ジメタノナフタレン13.4K
g、ジフェニルカーボネート9.0Kg、ジフェニルテ
レフタレート3.5Kgおよび水素化リチウム0.5g
を原料として、実施例1と同様の方法により式[7]で
表される構造単位からなる数平均分子量が35000の
脂環式ーボネート樹脂を製造した。
【0053】
【化12】 押出成形により80μのフィルムを作製した。透明性に
優れたフィルムであり実施例1と同様にしてシリコン系
のアンダーコートをし、乾燥したのちIn2 3 95重
量%とSnO2 5重量%を常法に従いスパッタリング
し、約700オングストロームの導電層を形成した。可
視光の平均透過率は89%、表面抵抗は155Ω/□で
あり、また複屈折性は約10nmのレタデーションであ
り少ないものであった。
【0054】実施例5 実施例1に使用の脂環式ポリカーボネート樹脂から押出
成形により約400μのシートを作製した。これを東洋
精機製作所(株)製のパンタグラフ式延伸試験機を用い
て、160℃、縦横各2倍の延伸倍率で同時二軸延伸を
行い、100μの厚みの延伸フィルムを作製した。
【0055】このフィルムを原子吸光法で金属分析した
が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、亜鉛、
鉛、マンガン、アンチモン、ゲルマニウム元素の含有量
はいずれも1ppm以下であった。
【0056】全光線透過率が93%であり、また、測色
値は、L* が96.37、a* が−0.01、b* が
0.18と着色のほとんど認められない透明性に優れた
無色のフィルムであった。水蒸気透過率は4g/m2
24hr/0.1mmであった。
【0057】実施例1と同様にしてシリコン系のアンダ
ーコートをし、乾燥したのちIn23 95重量%とS
nO2 5重量%を常法に従いスパッタリングし、約70
0オングストロームの導電層を形成した。全光線透過率
は91%、表面抵抗は150Ω/□であった。導電膜基
板が延伸フィルムであったにもかかわらず、複屈折性は
認められず、液晶表示用途にも好適に使用できるもので
あった。また、耐折強度は50回と強く、取扱い強度に
優れていた。
【0058】
【発明の効果】脂環式構造単位を有するポリカーボネー
ト樹脂のフィルムまたはシートの片面または両面に透明
導電層を形成した透明導電膜により、透明性が良好で、
複屈折性および着色が少なく、吸湿寸法変化および透湿
性が小さく、耐熱性および機械的強度に優れた透明導電
膜が可能となった。
【0059】この透明導電膜は、複屈折性が問題となる
液晶表示用途をはじめ、エレクトロルミネッセンス表示
装置などの透明電極、透明タッチパネルの透明電極、電
子写真、透明帯電防止膜あるいは透明電磁遮蔽膜等に好
適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B32B 7/02 104 9267−4F 27/36 102 7258−4F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1]〜[3]で表される繰
    返し単位から構成され、単位[1]のモル分率(x)は
    単位[2]のモル分率(y)と単位[3]のモル分率
    (z)の合計モル分率(y+z)に実質的に等しく、単
    位[2]のモル分率(y)は20モル%以上50モル%
    以下の範囲である脂環式ポリカーボネート系樹脂からな
    るフィルムまたはシートの片面または両面に透明導電層
    を形成してなる透明導電膜。 【化1】 ただし、式[1]において、nは0、1または2であ
    り、式[3]において、Aは炭素数が20以下の2価の
    飽和脂肪族炭化水素基、飽和脂環式炭化水素基または芳
    香族炭化水素基である。
  2. 【請求項2】脂環式ポリカーボネート系樹脂の数平均分
    子量が10000以上200000以下である請求項1
    に記載の透明導電膜。
  3. 【請求項3】脂環式ポリカーボネート樹脂中のアルカリ
    金属、アルカリ土類金属、チタン、亜鉛、鉛、マンガ
    ン、アンチモン、ゲルマニウムまたはこれら金属の化合
    物の含有量が金属元素濃度で5ppm以下である請求項
    1〜2に記載の透明導電膜。
  4. 【請求項4】脂環式ポリカーボネート系樹脂のフィルム
    またはシートが延伸されたものである請求項1〜3に記
    載の透明導電膜。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4832244A (en) * 1985-03-18 1989-05-23 Citizen Watch Co., Ltd. Multiple sheet feed apparatus for a printer

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US4832244A (en) * 1985-03-18 1989-05-23 Citizen Watch Co., Ltd. Multiple sheet feed apparatus for a printer

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