JPH0534247Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両のクオータウインドに関し、特に
ウインドガラスが開閉する形式のクオータウイン
ドに関する。

〔従来技術〕

この種形式のクオータウインドにおいては、車
体の一側に設けた窓用開口部の前縁部に同開口部
を外側から覆蓋するウインドガラスの前縁部が車
体外側方向へ回動可能に組付けられ、かつ同ウイ
ンドガラスの後縁部が前記開口部の後縁部にリン
ク機構を介して車体外側方向へ拡開可能に組付け
られている。かかる構成は古くから知られてお
り、ウインドガラスを車体外側方向へ拡開するこ
とにより開口部を開き、室内を換気するものであ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、かかるクオータウインドにおいて
は、ウインドガラスの後縁部を拡開させた場合当
然のことながら同後縁部が車体外側へ突出する
が、同後縁部を保護する配慮がなされていない。
本考案の目的は、ウインドガラスの突出縁部を車
内の換気を損うことなく保護することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係るクオータウインドは、車体の一側
に設けた窓用開口部の前縁部または後縁部に同開
口部を外側から覆蓋するウインドガラスの前縁部
または後縁部を車体外側方向へ回動可能に組付け
るとともに、同ウインドガラスの後縁部または前
縁部を前記開口部の後縁部または前縁部にリンク
機構を介して車体外側方向へ拡開可能に組付けて
なる車両のクオータウインドであり、前記車体の
開口部における前記ウインドガラスの拡開可能な
縁部側に、上下方向に通風口を備え同ウインドガ
ラスの縁部を上下方向に沿つて覆蓋するプレート
を設けたことを特徴とするものである。

〔考案の作用・効果〕 かかる構成のクオータウインドにおいては、ウ
インドガラスの拡開側の突出縁部がプレートに覆
蓋されて保護されるとともに、車室の内外がウイ
ンドガラスの拡開による開口部の開放隙間とこれ
に対向するプレートの通風口とを通して連通する
ため、同プレートにより車室内の換気が損われる
ことがない。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
するに、第１図には本考案の一実施例に係るクオ
ータウインドが示されている。同図は第２図に示
す車両の−線方向の拡大横断面図であり、当
該クオータウインド１０においては車体２０の一
側に設けた窓用開口部２１がその外側からウイン
ドガラス１１により覆蓋される構成となつてい
る。

しかして、かかるウインドガラス１１において
は、その後縁部１１ａがヒンジ１２を介して開口
部２１の後縁部を構成するインナパネル２２に組
付けられ、かつその前縁部１１ｂがリンク機構１
０ａを介して開口部２１の前縁部を構成するイン
ナパネル２２に組付けられている。ヒンジ１２は
バネ部材にて構成されていて、それ自身のバネ力
にてウインドガラス１１の後縁部１１ａ内側を開
口部２１の後縁部に組付けたウエザストリツプ２
３ａに当接させ、かつそれ自身撓んでウインドガ
ラス１１をその後縁部１１ａを中心に外側へ回動
可能に保持する。

リンク機構１０ａは特に第３図に示すように、
開口部２１の前縁部を構成するインナパネル２２
に組付けられるブラケツト２２ａに回動可能に組
付けた第１のリンク１３と、リンク１３の回動端
部に前縁部を回動可能に組付けた第２のリンクで
ある操作レバー１４とにより構成されている。か
かるリンク機構１０ａにおいては、操作レバー１
４の後縁部がウインドガラス１１の前縁部１１ｂ
内側に組付けられるブラケツト１１ｃに回動可能
に組付けられていて、操作レバー１４が第３図の
実線で示す状態にある場合ウインドガラス１１の
前縁部１１ｂが車室内側へ引込まれてウエザスト
リツプ２３ｂに当接して、開口部２１は閉鎖され
ている。また、操作レバー１４を内側へ起立させ
て後方へ回動させると、操作レバー１４は第３図
の２点鎖線で示すように回動してウインドガラス
１１の前縁部１１ｂを外側へ拡開させ、開口部２
１の前縁部側を開放する。

一方、開口部２１の前縁部を構成するアウタパ
ネル２４の凹所２４ａには合成樹脂製のプレート
１５が組付けられている。プレート１５はルーバ
状に構成されていて、そのメインプレート１５ａ
には上下方向に複数の通風口１５ｂが設けられて
いる。メインプレート１５ａの一端の基端部１５
ｃには、上下一対の取付ブラケツト１５ｄが回動
可能に軸支されており、またメインプレート１５
ａの他端の回動端部１５ｅが内側へ屈曲してい
る。かかるプレート１５においては、第３図に示
すように両取付ブラケツト１５ｄをアウタパネル
２４の凹所２４ａに固着することにより同パネル
２４に組付けられており、かつ基端部１５ｃと取
付ブラケツト１５ｄ間に介装したトーシヨンスプ
リング１６の付勢力にて回動端部１５ｅをウイン
ドガラス１１の前縁部１１ｂの外側に当接させて
いる。

このように構成したウオータウインド１０にお
いては、リンク機構１０ａを構成する操作レバー
１４を第３図の実線で示すように前方へ回動して
倒伏させた状態にて、ウインドガラス１１の前縁
部１１ｂが内側へ引込まれてウエザストリツプ２
３ｂに当接していて、車体２０の開口部２１は第
１図の実線で示すように閉鎖されている。この状
態で操作レバー１４を第３図の２点鎖線で示すよ
うに後方へ回動して起立させると、操作レバー１
４はウインドガラス１１の後縁部１１ａを回動中
心としてその前縁部１１ｂを外側へ拡開させ、開
口部２１を第１図の２点鎖線で示すように開放す
る。この際、プレート１５はその基端部を中心に
トーシヨンスプリング１６に抗して外側へ回動
し、その各通風口１５ｂが第３図の２点鎖線で示
すように開口部２１の隙間に対向する。

従つて、当該クオータウインド１０において
は、プレート１５の各通風口１５ｂおよび開口部
２１の前縁部側隙間を通して車室の内外が連通す
るため車室内が充分に換気され、かつウインドガ
ラス１１の前縁部１１ｂはプレート１５に覆蓋さ
れて確実に保護される。特に本実施例において
は、ウインドガラス１１の前縁部１１ｂを外側へ
拡開するよう構成しているので、車室内の換気が
従来に比して大幅に向上する。

なお、本実施例においては、プレート１５を回
動可能に組付けた例について示したが、本考案に
おいてはプレートを第３図の２点鎖線で示す状態
に固定的に組付けてもよく、また車室内の換気を
従来と同程度としウインドガラスの突出縁部を保
護する場合には、従来と同様ウインドガラスの後
縁部を外側へ拡開可能に組付けかつプレートを開
口部の後縁部に組付けてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るクオータウイ
ンドの第２図−線に沿う拡大横断面図、第２
図は同ウインドを備えた車両の概略斜視図、第３
図は同ウインドの要部拡大横断面図、第４図は同
ウインドを構成するプレートの拡大斜視図であ
る。 符号の説明、１０……クオータウインド、１０
ａ……リンク機構、１１……ウインドガラス、１
２……ヒンジ、１３……リンク、１４……操作レ
バー、１５……プレート、１５ｂ……通風口、２
１……開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の一側に設けた窓用開口部の前縁部または
   後縁部に同開口部を外側から覆蓋するウインドガ
   ラスの前縁部または後縁部を車体外側方向へ回動
   可能に組付けるとともに、同ウインドガラスの後
   縁部または前縁部を前記開口部の後縁部または前
   縁部にリンク機構を介して車体外側方向へ拡開可
   能に組付けてなる車両のクオータウインドであ
   り、前記車体の開口部における前記ウインドガラ
   スの拡開可能な縁部側に、上下方向に通風口を備
   え同ウインドガラスの縁部を上下方向に沿つて覆
   蓋するプレートを設けたことを特徴とする車両の
   クオータウインド。