JPH0534168B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は冷凍装置を搭載した自動車用空気調和
装置の冷房能力または暖房能力の増大にかかわ
る。

自動車用空気調和装置として、エンジンにより
電磁クラツチを介して断続的に駆動される冷媒圧
縮機、車室外側熱交換器（以下室外器という）で
あるコンデンサ、受液器（レシーバ）、減圧装置、
車室内側熱交換器（以下室内器という）であるエ
バポレータを備え、冷媒の閉サイクルを形成して
なる冷凍装置を用いた冷房専用装置、または圧縮
機、四方弁、室外器、減圧装置、室内器、および
アキユームレータを備えた熱ポンプ式冷凍装置
（以下ヒートポンプという）を用いた冷暖房装置
が使用されている。従来この種の冷凍装置を用い
た自動車用空気調和装置では室外器はエンジンル
ームの最前部など専ら外気と接触できやすい場所
に装着されており、車室内空気（以下内気とい
う）の利用は考慮されていなかつた。しかるに内
気は運転初期の短時間を除いて冷房時には外気よ
り低温であり、暖房時には外気より高温である。
車室には通常後部に内気の排出路である集中排気
孔が設けられ、車室前部に設けられた外気取入口
などから導入された外気がスムーズに排出できる
ようにされ、冷房および暖房時には自動車用空気
調和装置において主に外気導入がなされるため排
気孔からは多量の内気が排出される。

本発明の目的は、内気の排出路または排気孔か
ら排出される内気を有効利用し、冷凍装置の効率
の向上ができる自動車用空気調和装置の提供にあ
る。

本発明の自動車用空気調和装置は、冷媒圧縮
機、車室内側熱交換器、減圧装置、および車室外
側熱交換器を少なくとも備えてなる冷凍装置を搭
載した自動車用空気調和装置において、前記冷凍
装置に補助車室外側熱交換器を設けると共に該補
助車室外側熱交換器を車室内空気の排出路に配置
したことを構成とする。

この構成において本発明の自動車用空気調和装
置はつぎの効果が得られる。

イ） 冷房運転時には補助室外器での冷媒の凝縮
が十分に行えるため冷房能力が増大できる。

ロ） 暖房運転時には補助室外器での冷媒の昇温
率が高いため室内器での熱交換率が増大でき暖
房能力がレベルアツプできる。

このため圧縮機の駆動時間を短縮でき、圧縮機
によるエンジン出力の消費が低減できると共に自
動車の走行燃費も低減できる。

つぎに本発明を図に示す実施例に基づき説明す
る。

第１図はヒートポンプの構成図、第２図は該ヒ
ートポンプを乗用自動車に搭載した場合の配置を
示す。

１はエンジン１００により伝動ベルト１０１を
介して駆動され、吸入口１Ａから吸込んだ気相冷
媒を圧縮し、吐出口１Ｂから冷媒流路（以下流路
という）１１に吐出する冷媒圧縮機、１０３は該
圧縮機１の入力プーリ１０５内に設けられた電磁
クラツチ、２は、前記流路１１に連絡するインポ
ート２Ａ、インアウトポート２Ｂおよび２Ｃ、ア
ウトポート２Ｄを備えた電磁切換弁である四方
弁、３はエンジンのラジエータ１０７の前方に装
着され、一端は前記四方弁のインアウトポート２
Ｂに連絡する流路１２に接続すると共に他端は流
路１３に連絡した室外器、１０９は室外器３のフ
アンおよびラジエータフアンを兼ねたエンジン冷
却用フアン、４は自動車の車室１１０の後部１１
１に設けられている内気の排出路４０に装着され
た補助室外器であり、本実施例では一端は流路１
３から分枝された分枝流路１３Ａに連結され、他
端は流路１４に連結されている。５は一端は前記
流路１３から分枝された分枝流路１３Ｂに連結さ
れ、他端は前記四方弁２のインアウトポート２Ｃ
に連結された流路１５の分枝流路１５Ａに接続さ
れ、車室１１０前面のフロントパネル内に装着さ
れている自動車用空気調和装置５０内に取付けら
れた前席用室内器、５１は該室内器５の送風用ブ
ロワ、５３および５５は前記分枝流路１３Ｂに挿
入された電磁弁と減圧装置、６は、一端は前記補
助室外器４と連絡する流路１４に連絡し、他端は
前記流路１５から分枝した流路１５Ｂに連絡し、
車室１１０の後席１１５の後に装着されている後
席用自動車用空気調和装置６０内に取付けられた
後席用室内器、６１は該後席用室内器６の送風用
ブロワ、６３および６５は前記流路１４に挿入さ
れた電磁弁と減圧装置、７は前記四方弁のアウト
ポート２Ｄに流路１６を介して連絡するインポー
ト７Ａおよび前記圧縮気の吸入口１Ａに流路１７
を介して連絡するアウトポート７Ｂを備え、圧縮
機吸入口１Ａから圧縮機１に液相冷媒が吸込まれ
ることを防止するアキユームレータである。

本実施例では前記の如く室内器は前席用室内器
５と後席用室内器６とが冷媒流路に並列される、
いわゆるデユアル型とされ、補助室外器４は前席
用室内器５に並列され、後席用室内器６に直列さ
れて、第３図に示す如く両側にステイ４１，４
２，４３，４４が取付けられた機枠４５内に嵌め
込まれ、ダクト４６により構成される内気排出路
４０の入口に、該ダクト４６の両側端に設けられ
たフランジ４７および４８に締結されて固着され
ている。

この自動車用空気調和装置はつぎのように作用
する。

運転席に設けたエアコンスイツチ（図示せず）
の操作により電磁クラツチ１０３および電磁弁５
３へ通電され、クラツチが係合されると共に電磁
弁５３が開く。これによりベルト１０１を介して
エンジンにより冷媒圧縮機１が駆動され、圧縮さ
れた冷媒は流路１１から四方弁へ提供される。

エアコンスイツチがクーラー運転に設定された
ときは、四方弁２は図示実線の方向に連絡されて
インポート２Ａをインアウトポート２Ｂが連絡す
ると共にインアウトポート２Ｃとアウトポート２
Ｄが連絡し、冷媒は実線矢印の方向に流れ、冷房
運転がなされる。まず冷媒は室外器３で冷却液化
され、減圧装置５５に断熱的に膨脹され、前席用
室内器５に供給される。前席用室内器５ではブロ
ワ５１による送風と接触し風を冷却すると同時に
気化され、四方弁を介してアキユームレータ７に
流入する。前席用室内器５で冷却されたブロワ５
１による送風はベンチレーシヨン吹出口１２０か
ら車室１１０に吹出される。アキユームレータ７
では気液分離がなされた気相冷媒のみ圧縮機１に
供給される。このとき運転席に設けられた後席冷
房スイツチ（図示せず）を押すと電磁弁６３も開
かれ、冷媒は分枝流路１３Ａを介して補助室外器
４により室内から排出孔４０を経て車外に排出さ
れる内気との間で熱交換され過冷却度を得て減圧
装置６５で断熱的に膨脹され、後席用室内器６に
おいてブロワ６１により送風と接触し、風を冷却
すると同時に気化され流路１５Ｂを介して流路１
５内の冷媒と合流する。後席用室内器６で冷却さ
れたブロワ６１による送風は吹出口１２１から車
室１１０に吹出される。このとき内気は冷房運転
開始後の短時間を除いて外気と比較し低温である
ため小型の熱交換器で大きな熱交換が可能とな
り、冷媒の過冷却も十分なされる。

エアコンスイツチがヒータ運転に設定されたと
きは、四方弁２は図示破線の方向に連絡されて、
インポート２Ａをインアウトポート２Ｃとが連絡
すると共にインアウトポート２Ｂとインポート２
Ｄが連絡し、冷媒は破線矢印の方向に流れ、暖房
運転がなされる。

圧縮機１の吐出冷媒は前席用室内器５でブロワ
５１の送風に熱を与えて液化し、減圧装置５５で
減圧（断熱膨脹）され、室外器３で外気の熱を奪
つて気化し、四方弁２を経てアキユームレータ７
に流入する。このとき後席暖房スイツチ（図示せ
ず）を押すと電磁弁６３も開となり、減圧装置６
５で断熱膨脹され、補助室外器４で排気孔４０が
車室外へ流出する内気の熱を奪つて気化し、流路
１３で流路１３Ｂからの冷媒を合流し、室外器３
へ供給される。この場合においても補助室外器４
で接触する内気は通常外気に比較し、相当に高温
であるため、コンパクトな熱交換器で大きな熱交
換率が達成できる。

なお上記実施例では後席用自動車用空気調和装
置６０を備えたデユアル型場合の実施例について
述べたが補助室外器４は室内器が単一の場合につ
いても同様に適用できることは当然である。

第４図および第５図は本発明の他の実施例を示
す。

第１図および第２図と同一符号は同一機能物を
示す。

本実施例では冷凍装置は冷房専用装置であり、
圧縮機１、コンデンサである室外器３、レシーバ
８、それぞれ流路に並列されたエバポレータであ
る前席用室内器５および後席用室内器６、後席用
室内器６の上流に直列に挿入された補助室外器
４、電磁弁６３および減圧装置６５からなる。こ
の自動車用空気調和装置の作用は第１図および第
２図に示した前記実施例の冷房運転時とほぼ同じ
であり、冷房運転中冷媒は矢印の方向に流れる。
圧縮機１からの吐出冷媒は室外器３で冷化され、
レシーバ８で液相冷媒のみが室内器５で気化され
圧縮機１へ帰還する。後席用自動車用空気調和装
置の作動スイツチを押すことにより電磁弁６３が
開くと共にブロワ６１が回転駆動される。これに
よりレシーバ８から補助室外器４に液相冷媒が供
給され、該補助室外器４で十分な過冷却度を得
て、減圧装置６５で断熱的に膨脹され、後席用室
内器６で気化し、ブロワ６１の送風を冷却する。
気化した冷媒は圧縮機１に吸込まれ、冷却された
冷風は車室内に吹出される。このときにおいても
補助室外器４は外気に比較し温度が低い内室によ
り熱交換されるため、コンパクトな熱交換器で大
きな熱交換率が達成できる。

第６図にサイクルのモリエル線図を示す。

線図上のＡ点はレシーバ８の出口部または減圧
装置５５の入口部の状態である。しかし、減圧装
置５５の入り口は補助室外器４によつて冷媒がさ
らに冷却されるため、過冷却度SCを取り、Ｂ点
に移動する。

第７図は過冷却度SCと冷房能力Ｑ、成績係数
COPの関係であるが過冷却度SCと適度に持つこ
とにより、冷房能力Ｑ、成績係数COPが向上し
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例にかかる自動車用空
気調和装置の冷媒回路図、第２図はその車両への
配置図、第３図は補助車室外側熱交換器の取付状
態を例示する斜視図、第４図は本発明の他の実施
例にかかる自動車用空気調和装置の冷媒回路図、
第５図はその車両への配置図、第６図はサイクル
のモリエル線図、第７図は過冷却度と冷房能力と
の関係を示すグラフである。 図中 １…冷媒圧縮機、２…四方弁、３…車室
外側熱交換器、４…補助外側熱交換器、５…前席
用車室内側熱交換器、６…後席用車室内側熱交換
器、７…アキユームレータ、８…レシーバ、４０
…排出孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 冷媒圧縮機、車室内側熱交換器、減圧装置、
   および車室外側熱交換器を少なくとも備えてなる
   冷凍装置を搭載した自動車用空気調和装置におい
   て、 前記冷凍装置に補助車室外側熱交換器を設ける
   と共に該補助車室外側熱交換器を車室内空気の排
   出路に配置したことを特徴とする自動車用空気調
   和装置。