JP3830242B2 - ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 - Google Patents

ヒートポンプ式自動車用空気調和装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒を利用して車室内の冷暖房を行うヒートポンプ式自動車用空気調和装置に関し、特に、運転モードを暖房運転に切り替えたときの冷凍サイクル内の冷媒量を適正に維持することができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒートポンプ式自動車用空気調和装置は、ユニット内にサブコンデンサと呼ばれる室内熱交換器を設け、コンプレッサによって圧縮された高温高圧の冷媒を暖房熱源として利用するようにしたシステムである。つまり、冷房、暖房ともに冷媒を用いたサイクル運転を行って車室内を冷暖房するようにしたものである。ユニット外にはメインコンデンサと呼ばれる室外熱交換器が設けられ、暖房運転時と冷房運転時とで機能させるコンデンサを切り替えることによって、運転モードが切り替えられる。コンプレッサから吐出した冷媒は、冷房運転時にはメインコンデンサに導入され、暖房運転時にはメインコンデンサをバイパスして直接サブコンデンサに導入される。なお、以下では、冷房運転時に形成される冷凍サイクルを冷房サイクル、暖房運転時に形成される冷凍サイクルを暖房サイクルと呼ぶことにする。
【0003】
このようなヒートポンプ式自動車用空気調和装置においては、暖房運転時にメインコンデンサをバイパスさせる暖房サイクルとなるため、メインコンデンサに冷媒が過剰に滞留すると、暖房サイクルを循環する冷媒量が不足するおそれがある。そこで、冷媒回収管を設けて、暖房運転初期にメインコンデンサに滞留している冷媒をコンプレッサの吸入側に戻すようにしたシステムが現在開発されている(例えば、特開平9−109669号公報参照)。
【0004】
なお、このようなヒートポンプ式自動車用空気調和装置には、暖房性能を向上させるため、冷媒を熱源として利用する上記ヒートポンプシステムに加え、エンジン冷却水を熱源として利用するヒータコアシステムを併用したものがあり、また、通常は除湿機能を織り込んで(除湿暖房の実現)、フロントガラスの曇りを防止して、安全運転を確保しうるようにしている。さらには、そもそもエンジン冷却水を利用できない電気自動車用のカーエアコンとしても使用可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、その後の実験などにより、暖房運転初期において冷媒回収管によりメインコンデンサに滞留している冷媒をコンプレッサの吸入側に戻して回収しようとしても、回収される量はそれほど多くないことがわかった。その理由としては、主に、メインコンデンサに滞留している冷媒の圧力が低いため、メインコンデンサ内の冷媒圧力とコンプレッサの吸入圧力との差が小さく、圧力差による冷媒の移動が起こりにくいためであると考えられる。暖房運転時にメインコンデンサからの冷媒の回収量が少ないと、暖房サイクル内の冷媒量を適正に維持することができず、いわゆる過少冷媒の状態で暖房運転を行うことになるため、暖房性能が低下したり潤滑性が低下したりするおそれがある。
【0006】
本発明は、室外熱交換器(メインコンデンサ)に滞留している冷媒の回収の仕方における上記課題に着目してなされたものであり、部品を追加することなく制御のみで暖房運転時の冷媒回収を有効かつ効率的に行うことができるヒートポンプ式自動車用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、コンプレッサ、室外熱交換器、冷媒流れ方向上流側の第1室内熱交換器、冷媒流れ方向下流側の第2室内熱交換器、および減圧手段を冷媒配管により連結し、前記コンプレッサから吐出した冷媒を前記室外熱交換器をバイパスさせて前記第1室内熱交換器に導くバイパス管と、前記コンプレッサから吐出した冷媒を冷房運転時は前記室外熱交換器側に導き暖房運転時は前記バイパス管側に導く冷媒流路切替手段と、前記室外熱交換器に滞留している冷媒を前記コンプレッサの吸入側に戻すための冷媒回収管とを備えてなるヒートポンプ式自動車用空気調和装置において、前記冷媒流路切替手段は、暖房運転初期に、冷房運転側に設定され、サイクル圧力が所定値以上になった時に暖房運転側に切り替えられ、前記暖房運転初期において前記冷媒流路切替手段が冷房運転側に設定されている際には、取り入れた空気を車室内に向かって圧送するブロアファンと、前記室外熱交換器に空気を送りこれを冷却するためのコンデンサファンとを共にOFFにすることを特徴とする。
【0008】
本発明によると、暖房運転初期において、冷媒流路切替手段は冷房運転側に設定されるので、コンプレッサから吐出した冷媒は室外熱交換器側に導かれ、冷房運転時の冷凍サイクル(冷房サイクル)が一時的に形成される。冷房サイクルの立ち上がりに伴って冷房サイクルの圧力は次第に上昇し、室外熱交換器の内圧、つまり室外熱交換器内の冷媒圧力も上昇する。したがって、その後、適当なタイミングで冷媒流路切替手段を本来の暖房運転側に切り替えると、この時点では室外熱交換器の内圧とコンプレッサの吸入圧力との差がある程度大きくなっているので、その圧力差によって室外熱交換器内の冷媒は冷媒回収管を通って低圧のコンプレッサの吸入側に移動し、暖房運転時の冷凍サイクル(暖房サイクル)内に戻されることになる。
特に、前記適当なタイミングとして、サイクル圧力を監視するものである。サイクル圧力は、室外熱交換器の内圧と正の相関関係にあるから、冷媒の移動が生じやすい程度にまで室外熱交換器の内圧が上昇したと判断することができるものであれば、冷房サイクル内のどこの圧力でもよい。例えば、コンプレッサ吐出圧力またはこれに相当する圧力、あるいは室外熱交換器の入口または出口の圧力などである。
【0011】
請求項記載の発明は、上記請求項記載のヒートポンプ式自動車用空気調和装置において、前記室外熱交換器は、ラジエータとコンデンサを一体化した一体型熱交換器であることを特徴とする。
【0012】
本発明によると、室外熱交換器はラジエータとコンデンサとの一体型熱交換器であるため、暖房運転初期に冷媒流路切替手段を冷房運転側に制御したことによる冷房サイクルの形成に伴うコンデンサ部の内圧の上昇に加えて、ラジエータ部で放出された熱によるコンデンサ部内の冷媒の加熱によりその圧力はさらに迅速に上昇することになる。したがって、より短時間で冷媒流路切替手段を本来の暖房運転側に切り替えることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を使って、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
《第1実施形態》
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態に係るヒートポンプ式自動車用空気調和装置を示す概略構成図であり、図1は暖房運転時、図2は暖房運転初期および冷房運転時をそれぞれ示している。ここでは、例として、冷媒を利用して暖房を行うヒートポンプシステムとエンジン冷却水を利用して暖房を行うヒータコアシステムとを併用したものの一例を示している。
【0015】
この自動車用空気調和装置は、車室内外の空気(内外気)を選択的に取り入れて空気調和した後車室内の所定の場所に向かって吹き出す空調ユニット1を有している。
【0016】
この空調ユニット1は、取り入れた空気を車室内に向かって送るためのダクト2を有し、このダクト2内の空気通路3内に、白抜き矢印で示す空気の流れ方向の上流側から順に、内気取入口および外気取入口(共に図示せず)を選択的に開閉する図示しないインテークドアと、インテークドアにより選択された内外気を空気通路3内に導入し下流側に向かって圧送するブロアファン4と、第2室内熱交換器5と、第1室内熱交換器6と、エンジン冷却水を利用して取入れ空気を加熱するヒータコア7とを有している。ヒータコア7の前面には、ヒータコア7を通過する空気とこれを迂回する空気との割合を調節するためのエアミックスドア8が回動自在に設けられている。また、図示しないが、ヒータコア7の下流側には、温度調節された空気を車室内の所定の場所に向かって吹き出すための各種吹出口が形成されている。後で詳述するように、第1室内熱交換器6は、暖房運転時には冷媒を凝縮液化させて取入れ空気を加熱するサブコンデンサとして、暖房運転初期および冷房運転時には冷媒を蒸発させて取入れ空気を冷却するエバポレータとしてそれぞれ機能し、第2室内熱交換器5は、暖房運転時および冷房運転時にエバポレータとして機能するようになっている。
【0017】
このヒートポンプ式自動車用空気調和装置は、冷房、暖房ともに冷媒を用いたサイクル運転を行うことによって車室内の冷房と除湿暖房を行うものであって、従来と同様の冷凍サイクルを有している。
【0018】
すなわち、空調ユニット1の外部には、図示しないエンジンにより図示しないベルトを介して回転駆動されるコンプレッサ9と、室外熱交換器としてのメインコンデンサ10とが配設されている。冷凍サイクルは、これらコンプレッサ9およびメインコンデンサ10、ならびに上記した第1室内熱交換器6および第2熱交換器5、ならびに減圧手段としての流量切替電磁弁A,Bを、冷媒配管11により連結し、その中に冷媒を封入して構成されている。流量切替電磁弁A,Bは、外部からの電気的信号により、その弁位置が全開状態と絞り状態の二段階に切替え可能なものであって、絞り状態に設定された場合には冷媒を減圧し膨脹させるためのオリフィスとして機能することになる。流量切替電磁弁Aは第1室内熱交換器6用、流量切替電磁弁Bは第2室内熱交換器5用である。
【0019】
また、暖房運転時と冷房運転時とで機能させるコンデンサを切り替えるため、メインコンデンサ10の入口には、冷媒の流れを切り替えるための四方弁12が冷媒流路切替手段として設けられている。この四方弁12は、密閉ケースに一つの入口ポートと三つの出口ポートを設けるとともに、同ケース内に前記三つの出口ポートのうち二つの出口ポートを連通するスライド部材を設け、このスライド部材によって選択された出口ポート以外の出口ポートが入口ポートと連通するように構成されている。したがって、スライド部材の位置によって入口ポートと連通される出口ポートが選択されることになる。ここでは、四方弁12の入口ポートはコンプレッサ9の吐出側と接続され、四方弁12の三つの出力ポートは、メインコンデンサ10の入口、冷媒回収管13を介してコンプレッサ9の吸入側、バイパス管14を介してメインコンデンサ10の出口にそれぞれ接続されている。このような四方弁12によって、コンプレッサ9から吐出された冷媒をメインコンデンサ10に導く冷房サイクル(図2参照)と、コンプレッサ9から吐出された冷媒をバイパス管14を介して直接サブコンデンサとしての第1室内熱交換器6に導く暖房サイクル(図1参照)とが切り替えられる。
【0020】
また、空調ユニット1の外部には、ヒートポンプによる暖房性能を高めるため、コンプレッサ9の吸入側とエバポレータとして機能する第2室内熱交換器5の出口との間の低圧側冷媒通路に、サブエバポレータと呼ばれる室外エバポレータ(室外熱交換器)が設けられている。このサブエバポレータ15は、内部を流通する冷媒をエンジン冷却水との熱交換により加熱する機能を有しており、いわば温水−冷媒熱交換器ともいうべきものである。
【0021】
このようなサブエバポレータ15を設けることで、たとえ低温のため空気と熱交換してもただちに暖房用として使用できないエンジン冷却水であっても、当該サブエバポレータ15において流入した冷媒と熱交換させることにより、その冷媒はエンジン冷却水が保有する熱を有効に取り込んで加熱された(つまり、エンタルピーが増加した)後、コンプレッサ9に帰還し、再度コンプレッサ9で圧縮、加圧されることになるので、コンプレッサ9から吐出される冷媒はより高温の冷媒となって、サブコンデンサ(第1室内熱交換器)6に供給されることになる。その結果、サブコンデンサ6の放熱性能が高まり、そこで熱交換された空気はより高温となるため、より高い暖房性能が発揮され、即暖性も向上することになる。
【0022】
さらに、サブエバポレータ15とコンプレッサ9との間には、余剰冷媒の貯溜と気液の分離を行いガス冷媒のみをコンプレッサ9に戻すためのアキュムレータ16が設けられている。アキュムレータ16は、冷媒を貯溜する比較的容量のある容器であるため、仮に冷媒が液状態で帰還してきても、これを気化してコンプレッサ9に戻すことができ、液圧縮によるコンプレッサ9の破損を防止することができるようになっている。
【0023】
なお、上記したように四方弁12の出口側(出口ポートの一つ)とコンプレッサ9の吸入側との間には冷媒回収管13が設けられているが、この冷媒回収管13は、外気温度が低く、エンジン冷却水をただちに暖房熱源として使用できないときに、冷媒を利用して暖房を行うべく、メインコンデンサ10に滞留しているいわゆる寝込み冷媒をコンプレッサ9に戻し、適正な多量の冷媒を用いて性能の高い暖房ができるようにするためのものである。この冷媒の回収の仕方については、本発明の内容でもあり、後で詳述する。
【0024】
また、図1、図2中、17はメインコンデンサ10に空気を送りこれを冷却するためのコンデンサファン、18,19はそれぞれ反対方向の流れを阻止するための逆止弁、20は冷媒回収管13を開閉するための電磁弁、21,22はそれぞれサブエバポレータ15およびヒータコア7にエンジン冷却水を流通させこれらを機能させるためのウォータバルブである。冷媒回収管13に取り付ける電磁弁20は、コンプレッサ9の吸入側に向かう一方向に流れる冷媒のみを制御可能な弁(例えば、パイロット差圧作動式電磁弁など)であることが好ましい。
【0025】
次に、作用を説明する。
【0026】
暖房運転時(厳密には、暖房運転初期を除く)、例えば、外気温度が低いため従来のヒータコア7では十分な暖房が得られない領域において冷媒を利用して暖房を行う場合には、図3の制御弁の作動状態図に示すように、四方弁12をバイパス側に制御することによって、コンプレッサ9から吐出した冷媒をメインコンデンサ10をバイパスさせて直接サブコンデンサ(第1室内熱交換器)6に導く暖房サイクルを形成する。つまり、メインコンデンサ10を使用せず、コンプレッサ9から出た冷媒は、四方弁12→バイパス管14→電磁弁A→第1室内熱交換器(サブコンデンサ)6→電磁弁B→第2室内熱交換器(エバポレータ)5→サブエバポレータ15→アキュムレータ16と流れて、コンプレッサ9に帰還する。このとき、電磁弁Aは全開状態、電磁弁Bは絞り状態にそれぞれ制御される。これにより、第1室内熱交換器6はサブコンデンサとして機能し、第2室内熱交換器5はエバポレータとして機能することになる。したがって、コンプレッサ9から吐出され四方弁12でメインコンデンサ10をバイパスしたガス状冷媒は、第1室内熱交換器(サブコンデンサ)6で凝縮液化されて放熱を行い、第2室内熱交換器(エバポレータ)5で冷却された空気は加熱されて車室内に吹き出され、もって車室内が暖房される。その際、第2室内熱交換器(エバポレータ)5は取入れ空気を冷却して除湿を行うので、除湿暖房が実現される(以上、図1参照)。
【0027】
一方、冷房運転時には、図3の制御弁の作動状態図に示すように、四方弁12をメインコンデンサ側に制御することによって、コンプレッサ9から吐出した冷媒をメインコンデンサ10に導く冷房サイクルを形成する。つまり、コンプレッサ9から出た冷媒は、四方弁12→メインコンデンサ10→電磁弁A→第1室内熱交換器(エバポレータ)6→電磁弁B→第2室内熱交換器(エバポレータ)5→サブエバポレータ15→アキュムレータ16と流れて、コンプレッサ9に帰還する。このとき、電磁弁Aは絞り状態、電磁弁Bは全開状態にそれぞれ制御される。これにより、第1室内熱交換器6、第2室内熱交換器5はともにエバポレータとして機能することになる(つまり、第1室内熱交換器6で蒸発しきれなかった液状冷媒は、次の第2室内熱交換器5で完全に蒸発することになる)。したがって、エバポレータ(第1室内熱交換器6、第2室内熱交換器5)においては、液状冷媒と取入れ空気との熱交換が行われ、液状冷媒が蒸発しながら冷媒通路の周囲を通過する取入れ空気が冷却され、車室内が冷房される。また、メインコンデンサ10においては、エバポレータ(第1室内熱交換器6、第2室内熱交換器5)で奪った熱を外気との熱交換により外部に放出して、ガス状冷媒を冷却し凝縮液化させる。なお、このとき、少なくとも、ブロアファン4、コンデンサファン17はともにONされ、サブエバポレータ15用のウォータバルブ21は閉じられている(以上、図2参照)。
【0028】
なお、本実施の形態では、第1室内熱交換器6と第2室内熱交換器5のそれぞれについて流量切替電磁弁A,Bを設けているが、これは冷房運転時に第1室内熱交換器6をもエバポレータとして機能させて冷房能力を高めるためである。
【0029】
本実施の形態であるヒートポンプ式自動車用空気調和装置においては、上記のように、従来と同様、メインコンデンサ10に滞留している冷媒をコンプレッサ9の吸入側に戻すため、四方弁12とコンプレッサ9の吸入側との間に冷媒回収管13を設けるとともに、この冷媒回収管13に電磁弁20を取り付けているが、前述したように、暖房運転初期に電磁弁20を開けただけではメインコンデンサ10の内圧とコンプレッサ9の吸入圧力との差が小さいため冷媒の回収量は少ない。そこで、本発明では、メインコンデンサ10に滞留している冷媒を回収しやすくするため、暖房運転初期に一時的にメインコンデンサ10に冷媒を流すようにシステムを制御するように構成している。
【0030】
すなわち、暖房運転初期には、図3の制御弁の作動状態図に示すように、冷房運転時と同様、四方弁12をメインコンデンサ側に制御することによって、コンプレッサ9から吐出した冷媒をメインコンデンサ10に導く冷房サイクルを一時的に形成する。このとき、冷房運転時と同様、電磁弁Aは絞り状態、電磁弁Bは全開状態にそれぞれ制御されるが、車室内の冷房が目的ではないので、ブロアファン4とコンデンサファン17はともにOFFしておく。また、サブエバポレータ15用のウォータバルブ21は閉じておく。このようなシステムの設定状態において、冷房サイクルの立ち上がりに伴い、冷房サイクルの圧力は次第に上昇し、メインコンデンサ10の内圧、つまりメインコンデンサ10内の冷媒圧力も上昇する。その後、適当なタイミングで四方弁12を本来の暖房運転側に切り替えると、この時点ではメインコンデンサ10の内圧とコンプレッサ9の吸入圧力との差がある程度大きくなっているので、その圧力差によってメインコンデンサ10内の冷媒は冷媒回収管13を通って低圧のコンプレッサ吸入側に移動し、暖房サイクル内に実際に戻されることになる。
【0031】
ここでは、前記適当なタイミングとして、サイクル圧力を監視して、サイクル圧力があらかじめ設定された所定値以上になった時点で、四方弁12を本来の暖房運転側に切り替えるようにしている。具体的に、どのサイクル圧力を監視するかは、冷媒の移動が生じやすい程度にまでメインコンデンサ10の内圧が上昇したと判断することができるものであれば、冷房サイクル内のどの圧力を使用してもよい。例えば、コンプレッサ吐出圧力またはこれに相当する圧力、あるいはメインコンデンサ10の入口または出口の圧力などである。実際には、圧力センサなどの取付けのしやすさなどを考慮して決定すればよい。
【0032】
したがって、この場合には、サイクル圧力が所定値以上になった時点で四方弁12を暖房運転側に切り替えることで、暖房に必要な冷媒回収のための準備が終了し、その後、実際に冷媒の回収を行いながら暖房運転を行うことになる。
【0033】
なお、切替えのタイミングの基準としては、サイクル圧力に限定されるわけではなく、例えば、あらかじめ実験などにより、冷媒が移動しやすい圧力差になるのに必要十分な所定の時間を設定しておき、暖房運転モードがスタートしてからその所定時間経過後に四方弁12を一時的な冷房運転側から本来の暖房運転側に切り替えるようにしてもよい。
【0034】
したがって、本実施の形態によれば、冷媒を利用して暖房を行う場合において、暖房運転初期に四方弁12を一時的に冷房運転側に設定して、メインコンデンサ10に冷媒を流してその内圧を上昇させた後、適当な圧力センサの出力(サイクル圧力)が所定値以上に達した時点で四方弁12を本来の暖房運転側に切り替えるようにしたので、冷媒移動に必要な圧力差を確保することが可能となり、部品を追加することなく上記の制御を追加するだけで、メインコンデンサ10内に滞留している冷媒を有効に回収することができるようになる。したがって、暖房運転時に暖房サイクル内の冷媒量を適正に維持することができるようになり、過少冷媒の状態での暖房運転による暖房性能の低下や潤滑性の低下といった不具合が解消される。
【0035】
《第2実施形態》
図4および図5は、本発明の第2の実施の形態に係るヒートポンプ式自動車用空気調和装置を示す概略構成図であり、図4は暖房運転時、図5は暖房運転初期および冷房運転時をそれぞれ示している。ここでは、上記した第1実施形態と比べて、使用する室外熱交換器の構造が異なるのみであり、その他のシステム構成および制御は全く同様であるから、共通する部材には同一の符合を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明するにとどめる。
【0036】
本実施の形態においては、第1実施形態におけるメインコンデンサ10に代えて、室外熱交換器として、ラジエータとコンデンサとを一体化した一体型熱交換器を使用している。この一体型熱交換器は、ラジエータとコンデンサの構成部品を簡素化・共有化して一体ロー付けして構成されたものであって、その構造自体は周知であるので(例えば、特開平1−247990号公報、特開平3−177795号公報、実開平2−62268号公報参照)、その説明は省略する。
【0037】
一体型熱交換器30のラジエータ部31は、エンジン25と、温水配管26を介して連結され、一体型熱交換器30のコンデンサ部32は、第1実施形態のメインコンデンサ10と同じ位置に、冷媒配管11を介して設置されている。一体型熱交換器30のコンデンサ部32は、第1実施形態のメインコンデンサ10と全く同じ機能を有するものである。
【0038】
この場合にも、例えば、低外気温時において従来のヒータコア7では十分な暖房が得られない領域では冷媒により暖房を行うが、暖房運転初期には、第1実施形態の場合と同様、四方弁12を冷房運転側に制御することによって、コンプレッサ9から吐出した冷媒を一体型熱交換器30のコンデンサ部32に導く冷房サイクルを一時的に形成する。このときにも、電磁弁Aは絞り状態、電磁弁Bは全開状態にそれぞれ制御し、ブロアファン4とコンデンサファン17はともにOFF状態にし、サブエバポレータ15用のウォータバルブ21は閉じておく。このようなシステムの設定状態において、冷房サイクルの立ち上がりに伴い、冷房サイクルの圧力は次第に上昇し、コンデンサ部32の内圧が上昇すると同時に、ラジエータ部31で放出された熱によりコンデンサ部32内の冷媒が加熱され、その結果、コンデンサ部32内の圧力はさらに迅速に上昇することになる。その後、適当なタイミングで、例えば、サイクル圧力(適当な圧力センサの検出値)が所定値以上になった時点で、四方弁12を本来の暖房運転側に切り替えることにより、暖房に必要な冷媒を回収するための準備は終了し、コンデンサ部32の内圧とコンプレッサ9の吸入圧力との圧力差によってコンデンサ部32内の冷媒は冷媒回収管13を通って低圧のコンプレッサ吸入側への移動を開始し、その後、実際に冷媒の回収を行いながら暖房運転を行うことになる。
【0039】
したがって、本実施の形態によれば、冷媒を利用して暖房を行う場合において、暖房運転初期に四方弁12を一時的に冷房運転側に設定して、ラジエータとコンデンサとの一体型熱交換器30のコンデンサ部32に冷媒を流してそのコンデンサ部32の内圧を冷媒の循環とラジエータ部31の放熱とにより上昇させた後、適当な圧力センサの出力(サイクル圧力)が所定値以上に達した時点で四方弁12を本来の暖房運転側に切り替えるようにしたので、冷媒移動に必要な圧力差をより迅速に確保することが可能となり、部品を追加することなく上記の制御を追加するだけで、コンデンサ部32内に滞留している冷媒を有効にかつ効率良く回収することができるようになる。したがって、暖房運転時に暖房サイクル内の冷媒量を適正に維持することができるようになり、過少冷媒の状態での暖房運転による暖房性能の低下や潤滑性の低下といった不具合が解消される。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項記載の発明によれば、冷媒を利用して暖房を行う場合において、暖房運転初期に冷媒流路切替手段を一時的に冷房運転側に設定して、室外熱交換器の内圧を冷媒の循環により上昇させた後、冷媒流路切替手段を本来の暖房運転側に切り替えるようにしたので、冷媒移動に必要な圧力差を確保することが可能となり、部品を追加することなく制御を追加するだけで、室外熱交換器内に滞留している冷媒を有効に回収することができるようになる。したがって、暖房運転時に暖房サイクル内の冷媒量を適正に維持することができるようになり、過少冷媒の状態での暖房運転による暖房性能の低下や潤滑性の低下といった不具合が解消され、性能および信頼性の向上が図られる。
【0041】
さらに請求項記載の発明によれば、上記請求項記載の発明の効果に加え、前記請求項記載の室外熱交換器をラジエータとコンデンサとの一体型熱交換器で構成して、コンデンサ部の内圧を冷媒の循環とラジエータ部の放熱とにより上昇させるようにしたので、冷媒移動に必要な圧力差をより迅速に確保することが可能となり、部品を追加することなく制御を追加するだけで、コンデンサ部内に滞留している冷媒を有効にかつ効率良く回収することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るヒートポンプ式自動車用空気調和装置を示す概略構成図(暖房運転時)である。
【図2】 同じく本発明の第1の実施の形態に係るヒートポンプ式自動車用空気調和装置を示す概略構成図(暖房運転初期、冷房運転時)である。
【図3】 制御弁の作動状態を示す図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態に係るヒートポンプ式自動車用空気調和装置を示す概略構成図(暖房運転時)である。
【図5】 同じく本発明の第2の実施の形態に係るヒートポンプ式自動車用空気調和装置を示す概略構成図(暖房運転初期、冷房運転時)である。
【符号の説明】
5…第2室内熱交換器
6…第1室内熱交換器
9…コンプレッサ
10…メインコンデンサ(室外熱交換器)
12…四方弁(冷媒流路切替手段)
13…冷媒回収管
14…バイパス管
30…一体型熱交換器
31…ラジエータ部
32…コンデンサ部
A,B…流量切替電磁弁(減圧手段)

Claims (2)

  1. コンプレッサ(9)、室外熱交換器(10)、冷媒流れ方向上流側の第1室内熱交換器(6)、冷媒流れ方向下流側の第2室内熱交換器(5)、および減圧手段(A,B)を冷媒配管(11)により連結し、前記コンプレッサ(9)から吐出した冷媒を前記室外熱交換器(10)をバイパスさせて前記第1室内熱交換器(6)に導くバイパス管(14)と、前記コンプレッサ(9)から吐出した冷媒を冷房運転時は前記室外熱交換器(10)側に導き暖房運転時は前記バイパス管(14)側に導く冷媒流路切替手段(12)と、前記室外熱交換器(10)に滞留している冷媒を前記コンプレッサ(9)の吸入側に戻すための冷媒回収管(13)とを備えてなるヒートポンプ式自動車用空気調和装置において、
    前記冷媒流路切替手段(12)は、暖房運転初期に、冷房運転側に設定され、サイクル圧力が所定値以上になった時に暖房運転側に切り替えられ、
    前記暖房運転初期において前記冷媒流路切替手段(12)が冷房運転側に設定されている際には、取り入れた空気を車室内に向かって圧送するブロアファン(4)と、前記室外熱交換器(10)に空気を送りこれを冷却するためのコンデンサファン(17)とを共にOFFにすることを特徴とするヒートポンプ式自動車用空気調和装置。
  2. 前記室外熱交換器は、ラジエータとコンデンサを一体化した一体型熱交換器(30)であることを特徴とする請求項記載のヒートポンプ式自動車用空気調和装置。
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