JP2001050572A - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

自動車用空気調和装置

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JP2001050572A
JP2001050572A JP11224554A JP22455499A JP2001050572A JP 2001050572 A JP2001050572 A JP 2001050572A JP 11224554 A JP11224554 A JP 11224554A JP 22455499 A JP22455499 A JP 22455499A JP 2001050572 A JP2001050572 A JP 2001050572A
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JP
Japan
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refrigerant
heat pump
refrigerant circuit
air
solenoid valve
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JP11224554A
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English (en)
Inventor
Toshiharu Watanabe
年春 渡辺
Atsushi Hatakeyama
淳 畠山
Masaru Hozumi
勝 穂積
Yasuhito Ogawara
靖仁 大河原
Naoki Otsuki
直樹 大槻
Akio Yamada
昭夫 山田
Tadashi Shimada
忠 島田
Kazuyuki Tamura
和幸 田村
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Kansei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 即暖性を向上し、安定時の暖房性能を確保
し、窓曇りを防止できる自動車用空気調和装置を提供す
る。 【解決手段】 従来の除湿暖房可能な冷凍サイクルにヒ
ートポンプ運転用冷媒回路を付加して、暖房運転初期
は、室外熱交換器12で吸熱し室内コンデンサ13で車
室内へ放熱するヒートポンプ運転を行い、その後、車室
内温度が上昇して安定域に入れば、室内エバポレータ1
4と室内コンデンサ13で除湿暖房を行う。その際、ヒ
ートポンプ運転と除湿暖房運転の切替えは、コンプレッ
サ吐出温度に基づいて行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクルの冷
媒を利用して車室内の冷暖房を行う自動車用空気調和装
置に係り、特に、冷凍サイクル運転開始直後から車室内
を急速に暖房することができ、かつ、暖房運転安定時に
は除湿をも行うことができる自動車用空気調和装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】エンジン冷却水を持たない電気自動車な
どの自動車用空気調和装置(カーエアコン)において
は、今日、冷凍サイクルの冷媒を利用して車室内の冷暖
房を行うことが広く一般に行われている。
【0003】このような自動車用空気調和装置として
は、例えば、本出願人に係る図10に示すような除湿暖
房システムがある(特願平10−192035号)。こ
のシステムでは、暖房運転時には、第1の電磁弁18を
閉じ、かつ、第2の電磁弁19及び第3の電磁弁20を
共に開いて、コンプレッサ11→第2の電磁弁19→室
内コンデンサ13→オリフィスチューブ15→室内エバ
ポレータ14→第3の逆止弁25→アキュムレータ17
→コンプレッサ11という冷媒回路を形成し、この冷媒
回路内に冷媒を流す。この冷媒循環過程においては、ブ
ロアファン45によりダクト41内に取り入れられた空
気に対して、室内エバポレータ14は吸熱を行い、室内
コンデンサ13は放熱を行うことから、取入れ空気は、
室内エバポレータ14で冷却・除湿された後、室内コン
デンサ13で加熱されて車室内に吹き出されることにな
り、車室内が除湿暖房される。
【0004】また、このシステムでは、暖房運転開始時
における室外コンデンサ12a内の寝込み冷媒の回収
は、第3の電磁弁20を開けて、室外コンデンサ12a
→第3の電磁弁20→第2の逆止弁24→アキュムレー
タ17→コンプレッサ11という冷媒回路を形成するこ
とによってなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のシステムにあっては、一方で、暖房運転時に常
に除湿を行うので、フロントガラスが曇るようなことは
なく、常に良好な視界を確保することができるものの、
他方で、室内コンデンサ13の放熱により加熱される空
気はその前に一旦室内エバポレータ14で吸熱されて冷
却されているため、モリエル線図上、室内コンデンサ1
3の放熱量Qc のうち、室内エバポレータ14で吸熱し
た分Qe は相殺され、取入れ空気の温度上昇に寄与する
のはコンプレッサ11で加えた仕事量Lのみとなり、各
種損失を考慮すると、実際上、システムの暖房能力Qs
はコンプレッサ11の仕事量L未満となり(Qs <
L)、実際の暖房能力の成績係数COP(=Qs /L)
は1未満となってしまうので(COP<1)、高い暖房
性能を得ることができない。よって、自動車の運転開始
時などにおいて、車室内を急速に暖房することができな
い。したがって、即暖性(初期暖房性能)を高めるため
には、補助暖房ユニットを別途設ける必要がある。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、冷凍サイクルの冷媒を利用
して車室内の冷暖房を行う自動車用空気調和装置におい
て、運転開始直後から車室内を急速に暖房することがで
き、しかも窓曇りを防止しつつ車室内を暖房し続けるこ
とができる自動車用空気調和装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の手段によって達成される。
【0008】(1)本発明に係る自動車用空気調和装置
は、冷凍サイクルとして、コンプレッサから吐出された
冷媒を順に第1電磁弁、室外熱交換器、第1逆止弁、室
内コンデンサ、第5電磁弁、第1減圧手段、室内エバポ
レータ及び第3逆止弁を経て前記コンプレッサに帰還さ
せる冷房運転用冷媒回路と、前記コンプレッサから吐出
された冷媒を順に第2電磁弁、前記室内コンデンサ、前
記第5電磁弁、前記第1減圧手段、前記室内エバポレー
タ及び前記第3逆止弁を経て前記コンプレッサに帰還さ
せる除湿暖房運転用冷媒回路と、前記コンプレッサから
吐出された冷媒を順に第2電磁弁、前記室内コンデン
サ、第4電磁弁、第2減圧手段、第4逆止弁、前記室外
熱交換器、第3電磁弁及び第2逆止弁を経て前記コンプ
レッサに帰還させるヒートポンプ運転用冷媒回路とを有
し、運転モードに応じて前記第1電磁弁乃至前記第5電
磁弁を制御して冷媒流路の開閉を行い冷媒回路の切替え
を行うことを特徴とする。
【0009】(2)前記第1減圧手段及び前記第2減圧
手段は共にオリフィスチューブであり、前記コンプレッ
サの冷媒入口にはアキュムレータが設けられている。
【0010】(3)前記第1電磁弁乃至前記第3電磁弁
及び前記第1逆止弁乃至前記第3逆止弁はすべて一つの
ブロック体に設けられている。
【0011】(4)暖房運転開始時には、前記第1電磁
弁及び前記第5電磁弁を閉じ、かつ、前記第2電磁弁、
前記第3電磁弁及び前記第4電磁弁を開いて、前記ヒー
トポンプ運転用冷媒回路を形成し、暖房運転安定時に
は、前記第1電磁弁及び前記第4電磁弁を閉じ、かつ、
前記第2電磁弁、前記第3電磁弁及び前記第5電磁弁を
開いて、前記除湿暖房運転用冷媒回路を形成する。
【0012】(5)高圧側冷媒温度に基づいて、前記ヒ
ートポンプ運転用冷媒回路と前記除湿暖房運転用冷媒回
路とを切り替える。
【0013】(6)前記ヒートポンプ運転用冷媒回路と
前記除湿暖房運転用冷媒回路とを切り替える高圧側冷媒
温度の基準値は、30℃乃至60℃の範囲内に設定され
ている。
【0014】(7)前記室外熱交換器内の冷媒圧力と外
気温度とに基づいて、前記ヒートポンプ運転用冷媒回路
と前記除湿暖房運転用冷媒回路とを切り替える。
【0015】(8)高圧側冷媒圧力に基づいて、前記ヒ
ートポンプ運転用冷媒回路と前記除湿暖房運転用冷媒回
路とを切り替える。
【0016】(9)吹出し風温度に基づいて、前記ヒー
トポンプ運転用冷媒回路と前記除湿暖房運転用冷媒回路
とを切り替える。
【0017】(10)前記ヒートポンプ運転用冷媒回路
が形成されている場合、高圧側冷媒温度に基づいて、吹
出口モード、吸込口モード及び吹出し風量を制御する。
【0018】(11)前記ヒートポンプ運転用冷媒回路
が形成されている場合、前記室外熱交換器内の冷媒圧力
と外気温度とに基づいて、吹出口モード、吸込口モード
及び吹出し風量を制御する。
【0019】(12)前記ヒートポンプ運転用冷媒回路
が形成されている場合、高圧側冷媒圧力に基づいて、吹
出口モード、吸込口モード及び吹出し風量を制御する。
【0020】(13)前記ヒートポンプ運転用冷媒回路
が形成されている場合、吹出し風温度に基づいて、吹出
口モード、吸込口モード及び吹出し風量を制御する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を使って、本発明の実
施の形態を説明する。なお、ここでは、電気自動車に搭
載される空気調和装置(電気自動車用空気調和装置)を
例にとって説明する。
【0022】図1は、本発明の一実施の形態に係る自動
車用空気調和装置の概略構成図である。なお、図10と
共通する部品には同一の符号を付している。
【0023】この自動車用空気調和装置の冷凍サイクル
10は、冷房運転用、除湿暖房運転用及びヒートポンプ
運転用の三つの冷媒回路を有する。
【0024】冷房運転用冷媒回路は、コンプレッサ11
から吐出された冷媒を、順に、第1の電磁弁(第1電磁
弁)18、室外熱交換器12、第1の逆止弁(第1逆止
弁)23、室内コンデンサ13、第5の電磁弁(第5電
磁弁)22、第1のオリフィスチューブ(第1減圧手
段)15、室内エバポレータ14、第3の逆止弁(第3
逆止弁)25及びアキュムレータ17を経てコンプレッ
サ11に帰還させる冷媒回路である。
【0025】除湿暖房運転用冷媒回路は、コンプレッサ
11から吐出された冷媒を、順に、第2の電磁弁(第2
電磁弁)19、室内コンデンサ13、第5の電磁弁2
2、第1のオリフィスチューブ15、室内エバポレータ
14、第3の逆止弁25及びアキュムレータ17を経て
コンプレッサ11に帰還させる冷媒回路である。
【0026】ヒートポンプ運転用冷媒回路は、コンプレ
ッサ11から吐出された冷媒を、順に、第2の電磁弁1
9、室内コンデンサ13、第4の電磁弁(第4電磁弁)
21、第2のオリフィスチューブ(第2減圧手段)1
6、第4の逆止弁(第4逆止弁)26、室外熱交換器1
2、第3の電磁弁(第3電磁弁)20、第2の逆止弁
(第2逆止弁)24及びアキュムレータ17を経てコン
プレッサ11に帰還させる冷媒回路である。
【0027】すなわち、この冷凍サイクルは、図10に
示す従来の冷凍サイクルに対して、ヒートポンプ運転用
冷媒回路を追加した構成になっている。具体的には、室
内コンデンサ13の冷媒出口に接続される配管を分岐点
27において二方に分岐し、その一方の配管を、順に第
4の電磁弁21、第2のオリフィスチューブ16及び第
4の逆止弁26を介して、第1の電磁弁18と室外熱交
換器12との間の合流点28において室外熱交換器12
の冷媒入口に接続するとともに、他方の配管を、第5の
電磁弁22を介して、第1のオリフィスチューブ15に
接続して構成されている。
【0028】ここで、上記各構成部品の機能は、次のと
おりである。コンプレッサ11は、低圧のガス冷媒を吸
入、圧縮して、高温高圧になったガス冷媒を吐出する。
室内コンデンサ13は、高温高圧のガス冷媒を冷却し、
凝縮液化させるための熱交換器であって、ダクト41内
に設けられて主に暖房運転時に働き、車室内に吹き出さ
れる空気を加熱する。室内エバポレータ14は、ダクト
41内に設けられ、低温低圧の液冷媒を蒸発させて取入
れ空気を冷却、除湿する。室外熱交換器12は、ダクト
41外に設置され、室内熱交換器(室内コンデンサ1
3、室内エバポレータ14)よりもサイズが大きい熱交
換器であって、冷媒回路によりコンデンサとしても(冷
房運転時)エバポレータとしても(ヒートポンプ運転
時)機能しうる。この室外熱交換器12には、電動ファ
ン31によって外気が送風される。オリフィスチューブ
15,16は、弁開度の調整機能のない細径チューブか
らなり、高圧の液冷媒を減圧・膨脹させて、蒸発しやす
い低温低圧の霧状冷媒にする。アキュムレータ17は、
余剰冷媒の貯溜と気液の分離を行いガス冷媒のみをコン
プレッサ11に戻すための比較的容量のあるタンクであ
る。
【0029】なお、減圧手段としては、例えば、温度作
動式の膨脹弁を用いてもよい。この方式の膨脹弁は、エ
バポレータ出口温度を感知して冷媒流量を自動調節する
機能をも有する。また、アキュムレータ17と共に又は
これに代えて、リキッドタンクを用いてもよい。リキッ
ドタンクは、気液を分離して液冷媒を一度蓄え、液冷媒
のみを減圧手段に送り出すものである。リキッドタンク
は、例えば、室内コンデンサ13と分岐点27の間に取
り付けられる。ただし、図1の冷凍サイクルでは、後述
するように、室外熱交換器12の出口から液冷媒として
冷媒回収を行いうるため、コンプレッサ11の保護の見
地から、少なくともアキュムレータ16は省略しない方
が好ましい。
【0030】また、本実施の形態では、第1乃至第3の
電磁弁18〜20及び第1乃至第3の逆止弁23〜25
は、一つのブロック体29に設けられ、一つのマルチコ
ントロール弁30を構成している。すなわち、マルチコ
ントロール弁30は、3個の電磁弁18〜20と3個の
逆止弁23〜25とを有する一体構造をしている。この
結果、配管の簡素化と短縮化が図られ、配管作業が非常
に簡単になって設置場所も自由となり(配管レイアウト
性の向上)、小型車などにも容易に設置することができ
る。
【0031】上記の冷凍サイクルにおいて、冷媒回路の
切替えは、運転モードに応じて第1乃至第5電磁弁18
〜22を制御して冷媒流路の開閉を行うことによってな
される。具体的には、冷房運転用冷媒回路は、第2、第
3及び第4の電磁弁19,20,21を閉じ、かつ、第
1及び第5の電磁弁18,22を開くことによって形成
され、除湿暖房運転用冷媒回路は、第1及び第4の電磁
弁18,21を閉じ、かつ、第2、第3及び第5の電磁
弁19,20,22を開くことによって形成され、ヒー
トポンプ運転用冷媒回路は、第1及び第5の電磁弁1
8,22を閉じ、かつ、第2、第3及び第4の電磁弁1
9,20,21を開くことによって形成される。
【0032】また、この自動車用空気調和装置は、車室
内外の空気(内外気)を取り入れて空気調和した後、車
室内の所定の場所に向かって吹き出す空調ユニット40
を有する。
【0033】この空調ユニット40は、取入れ空気を車
室内に向かって送るためのダクト41を有し、このダク
ト41内に、白抜き矢印で示す空気流れ方向上流側から
順に、内気取入口42と外気取入口43を開閉する回動
自在のインテークドア44と、インテークドア44によ
り選択された内外気をダクト41内に導入し下流側に向
かって圧送するブロアファン45と、前記室内エバポレ
ータ14と、前記室内コンデンサ13とを有している。
室内コンデンサ13の前面には、室内コンデンサ13を
通過する空気とこれを迂回する空気との割合を調節する
ためのエアミックスドア46が回動自在に設けられてい
る。また、室内コンデンサ13の下流側には、温度調節
された空気を車室内の所定の場所(例えば、フロントガ
ラス、乗員の上半身、足元)に向かって吹き出すための
各種吹出口(デフ吹出口47、ベント吹出口48、フッ
ト吹出口49)が形成され、各吹出口47〜49には、
これを開閉するためのモードドア(デフドア50、ベン
トドア51、フットドア52)が回動自在に設けられて
いる。
【0034】次に、上記の冷凍サイクルの作用を説明す
る。
【0035】冷房運転時には、第2、第3及び第4の電
磁弁19,20,21を閉じ、かつ、第1及び第5の電
磁弁18,22を開く。これにより、コンプレッサ11
から吐出された冷媒が、第1の電磁弁18→室外熱交換
器12→第1の逆止弁23→室内コンデンサ13→第5
の電磁弁22→第1のオリフィスチューブ15→室内エ
バポレータ14→第3の逆止弁25→アキュムレータ1
7と流れてコンプレッサ11に帰還する冷房運転用冷媒
回路が形成される(図2の太線の冷媒回路参照)。この
冷媒循環過程において、室内エバポレータ14では、液
冷媒と取入れ空気との熱交換が行われ、液冷媒が蒸発し
ながら車室内に吹き出される取入れ空気が冷却されるの
で、車室内が冷房される。また、このとき、車室外熱交
換器12は、コンデンサとして機能し、室内エバポレー
タ14で奪った熱を外気との熱交換により外部に放出し
て、ガス冷媒を冷却し凝縮液化させる。なお、このと
き、例えば、エアミックスドア46は全閉位置(図中B
位置)に設定され、室内コンデンサ13を空気が通過し
ないようにされているため、室内コンデンサ13は熱交
換器としてはほとんど機能しない。
【0036】除湿暖房運転時には、第1及び第4の電磁
弁18,21を閉じ、かつ、第2、第3及び第5の電磁
弁19,20,22を開く。これにより、コンプレッサ
11から吐出された冷媒が、第2の電磁弁19→室内コ
ンデンサ13→第5の電磁弁22→第1のオリフィスチ
ューブ15→室内エバポレータ14→第3の逆止弁25
→アキュムレータ17と流れてコンプレッサ11に帰還
する除湿暖房運転用冷媒回路が形成される(図3の太線
の冷媒回路参照)。この冷媒循環過程において、コンプ
レッサ11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、室外
熱交換器12をバイパスして直ちに室内コンデンサ13
に導かれ、ここで凝縮液化されて放熱を行うので、室内
エバポレータ14で冷却された空気は加熱されて車室内
に吹き出され、もって車室内が暖房される。このとき、
室内エバポレータ14では取入れ空気を冷却して除湿を
行うので、除湿暖房が実現される。ただし、このときの
暖房性能は、前述したように、モリエル線図上で室内コ
ンデンサ13の放熱量Qcの一部が室内エバポレータ1
4の吸熱量Qe と相殺されて、実際のシステム暖房性能
Qs がコンプレッサ11の仕事量L未満となってしまう
ため、ヒートポンプ運転時の場合よりも低い。
【0037】ヒートポンプ運転時には、第1及び第5の
電磁弁18,22を閉じ、かつ、第2、第3及び第4の
電磁弁19,20,21を開く。これにより、コンプレ
ッサ11から吐出された冷媒が、第2の電磁弁19→室
内コンデンサ13→第4の電磁弁21→第2のオリフィ
スチューブ16→第4の逆止弁26→室外熱交換器12
→第3の電磁弁20→第2の逆止弁24→アキュムレー
タ17と流れてコンプレッサ11に帰還するヒートポン
プ運転用冷媒回路が形成される(図4の太線の冷媒回路
参照)。このとき、室内エバポレータ14には冷媒が流
れないため、室内エバポレータ14は熱交換器として機
能しない。この冷媒循環過程において、コンプレッサ1
1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、直ちに室内コ
ンデンサ13に導かれ、ここで凝縮液化されて放熱を行
うので、取入れ空気(室内エバポレータ14での熱交換
はなく冷却・除湿されていない)は加熱されて車室内に
吹き出され、もって車室内が暖房される。また、このと
き、室外熱交換器12は、エバポレータとして機能し、
外気から熱を奪って液冷媒を蒸発させる。この室外熱交
換器12は、室内の熱交換器13,14に比べてサイズ
が大きく、かつ、風量も多い上に、そもそも、外気から
の吸熱であるため、モリエル線図上、システムとしての
暖房性能Qs はほとんどコンデンサ13の放熱量Qc と
等しくなり、暖房性能の成績係数COP(=Qs /L)
も1を超えるので(COP>1)、この場合には、除湿
暖房運転時の場合よりもかなり高い暖房性能を発揮する
ことができる。
【0038】なお、本実施の形態では、冷凍サイクルの
構成上すでに寝込み冷媒回収ライン32が組み込まれて
おり(図5の太線のライン参照)、通常の空調運転用の
冷媒回路以外に特別な寝込み冷媒回収ラインを別途増設
する必要がなく、低コストである。寝込み冷媒回収ライ
ン32は、室外熱交換器12の冷媒出口から第3の電磁
弁20と第2の逆止弁24とを経て合流点33に至る冷
媒経路である。これにより、除湿暖房運転時(図3参
照)には、室外熱交換器12→第3の電磁弁20→第2
の逆止弁24→アキュムレータ17→コンプレッサ11
という経路によって、室外熱交換器12に滞留している
寝込み冷媒が回収される。また、ヒートポンプ運転時
(図4参照)には、ヒートポンプ運転用冷媒回路にそも
そも寝込み冷媒回収ライン32が含まれているため、ヒ
ートポンプ運転を行うことによって自動的に室外熱交換
器12内の寝込み冷媒の回収も行われることになる。
【0039】図6は、上記自動車用空気調和装置の制御
系のブロック図である。
【0040】図6において、オートアンプ60は、内蔵
しているマイコンによって、各スイッチ、各センサなど
からの信号を入力、演算して、各電磁弁、コンプレッ
サ、各アクチュエータ及び各ファンを作動させ、運転モ
ード、吹出し位置、吸込み位置、吹出風温度、吹出し風
量を自動制御する。
【0041】すなわち、オートアンプ60の入力側に
は、各種スイッチ61(例えば、エアコンスイッチ、フ
ァンスイッチ、温度設定スイッチ、吹出しモードスイッ
チ、RECスイッチ、DEFスイッチなど)、車室内の
空気温度を検出する内気センサ62、外気温度を検出す
る外気センサ63、室内エバポレータ14の通過空気温
度を検出する吸込温度センサ64、日射量を検出する日
射センサ65、高圧側冷媒温度(コンプレッサ吐出温度
Td )を検出する冷媒温度センサ66が接続されてい
る。
【0042】また、オートアンプ60の出力側には、各
電磁弁67(つまり、第1乃至第5電磁弁18〜2
2)、コンプレッサ11、インテークドア44を駆動す
るインテークドアアクチュエータ68、各モードドア
(デフドア50、ベントドア51、フットドア52)を
図示しないリンク機構を介して駆動するモードドアアク
チュエータ69、エアミックスドア46を駆動するエア
ミックスドアアクチュエータ70、ブロアファン45を
構成するブロアファンモータ45aに加える電圧を無段
階に制御するファンコントロールアンプ71、室外熱交
換器12に送風する電動ファン31が接続されている。
インテークドア44は、インテークドアアクチュエータ
68によって、指示された目標位置に無段階に設定さ
れ、各モードドア50〜52は、モードドアアクチュエ
ータ69及びリンク機構によって、選択された吹出しモ
ードを実現する所定の位置に設定され、エアミックスド
ア46は、エアミックスドアアクチュエータ70によっ
て、指示された目標位置に無段階に設定される。
【0043】図7は、上記自動車用空気調和装置に設定
されている運転モードの種類とその内容の一例を示す図
である。
【0044】本実施の形態では、運転モードとして、ヒ
ートポンプ1、ヒートポンプ2、除湿暖房、冷房の4つ
のモードがある。
【0045】ヒートポンプ1又はヒートポンプ2が選択
された場合、冷凍サイクルはともに上記したヒートポン
プ運転を行う。すなわち、この場合、第1乃至第5の電
磁弁18〜22を対応する所定の開閉状態に制御するこ
とで、ヒートポンプ運転用冷媒回路が形成される(図4
参照)。なお、ヒートポンプ1とヒートポンプ2におけ
る動作上の違いは、吹出口モードとブロアファンの設定
の違いであるが、この点については後述する。
【0046】除湿暖房が選択された場合、冷凍サイクル
は上記した除湿暖房運転を行う。すなわち、この場合、
第1乃至第5の電磁弁18〜22を対応する所定の開閉
状態に制御することで、除湿暖房運転用冷媒回路が形成
される(図3参照)。
【0047】冷房が選択された場合、冷凍サイクルは上
記した冷房運転を行う。すなわち、この場合、第1乃至
第5の電磁弁18〜22を対応する所定の開閉状態に制
御することで、冷房運転用冷媒回路が形成される(図2
参照)。
【0048】図8は、上記自動車用空気調和装置の運転
モードの切替え動作の一例を示す制御フローチャートで
ある。
【0049】まず、ステップS1では、オートアンプ6
0は、エアコンスイッチの設定に基づいて、コンプレッ
サ11がONされているか否かを判断する。コンプレッ
サ11がOFFされている場合は(S1:NO)終了
し、コンプレッサ11がONされている場合は(S1:
YES)、ステップS2に進む。
【0050】ステップS2では、温度設定スイッチや各
種センサ62〜65からの信号を入力、演算して、暖房
モードか否かを判断する。暖房モードでない、つまり、
冷房モードの場合は(S2:NO)、冷房運転モードを
実行し(S9)、暖房モードの場合は(S2:YE
S)、ステップS3に進む。
【0051】ステップS3では、冷媒温度センサ66か
らコンプレッサ吐出温度Td を読み込む。そして、ステ
ップS4では、このコンプレッサ吐出温度Td が第1基
準値(例えば、20℃)以上か否かを判断する。コンプ
レッサ吐出温度Td が第1基準値(20℃)未満の場合
(Td <20℃)は(S4:NO)、ヒートポンプ1モ
ードを実行する(S6)。
【0052】これに対し、コンプレッサ吐出温度Td が
第1基準値(20℃)以上の場合(Td ≧20℃)は
(S4:YES)、さらに、ステップS5で、コンプレ
ッサ吐出温度Td が第2基準値(例えば、40℃)以上
か否かを判断する。コンプレッサ吐出温度Td が第2基
準値(40℃)未満の場合(Td <40℃)、すなわ
ち、コンプレッサ吐出温度Td が第1基準値(20℃)
以上第2基準値(40℃)未満の場合(20℃≦Td <
40℃)は(S5:NO)、ヒートポンプ2モードを実
行する(S2)。
【0053】これに対し、コンプレッサ吐出温度Td が
第2基準値(40℃)以上の場合(Td ≧40℃)は
(S5:YES)、除湿暖房運転モードを実行する(S
8)。
【0054】そして、ステップS10では、ヒートポン
プ1又はヒートポンプ2の暖房モードが選択された時点
からの経過時間をカウントしておき、ヒートポンプ運転
(ヒートポンプ1でもヒートポンプ2でもよい)が所定
時間(例えば、12分)以上継続して(途中でヒートポ
ンプ1からヒートポンプ2に切り替わった場合は両者を
合算して考える)行われたか否かを判断する。ヒートポ
ンプ運転が所定時間(12分)以上継続して行われた場
合は(S10:YES)、暖房モードをヒートポンプ運
転から除湿暖房運転に切り替えて、除湿暖房運転を実行
し(S8)、ヒートポンプ運転の継続時間がまだ所定時
間(12分)未満の場合は(S10:NO)、除湿暖房
運転に切り替えることなく直ちにステップS1に戻り、
コンプレッサ11がOFFされない限り、ヒートポンプ
運転を継続する。
【0055】このように、本実施の形態では、暖房運転
に関して、暖房運転初期(開始時)には、室外熱交換器
12で吸熱して室内コンデンサ13で放熱するヒートポ
ンプ運転(ヒートポンプ1又はヒートポンプ2)を行
い、その後、車室内温度が上昇して安定域に入れば、室
内熱交換器(室内エバポレータ14と室内コンデンサ1
3)による除湿暖房運転に切り替えるようにしている。
【0056】すなわち、外気温度が低い場合には、エア
コン起動時の冷媒温度が低いため、室内エバポレータ1
4よりもサイズが大きくしかも風量が多い室外熱交換器
12を使って外気から吸熱した方が、前述のように暖房
性能が高くなるので、暖房運転初期は、ヒートポンプ運
転を行って、急速に車室内と冷凍サイクルを暖めるよう
にし、もって即暖性と冷凍サイクルの早期の立ち上がり
を図る。しかし、ヒートポンプ運転は除湿機能を持たな
いので、フロントガラスの窓曇りを防ぐ観点からは、長
時間にわたってヒートポンプ運転を継続させることは妥
当でない。また、車室内温度が上昇してくると、コンプ
レッサ吐出温度Td を車室内温度よりも上昇させる必要
があり、そのため吸気温度を上げてコンプレッサ吐出温
度Td をさらに上昇させる必要もある。そこで、ヒート
ポンプ運転を所定時間(上記の例では12分)に限り、
その後、車室内温度がある程度上昇した後は、暖房性能
自体はヒートポンプ運転の場合よりも低いものの吸気温
度が高くかつ除湿機能を持つ除湿暖房運転に切り替える
ことで、即暖性(初期暖房性能)の向上と安定時の暖房
性能、窓曇りの防止との両立を図るようにしている。な
お、冷凍サイクルが立ち上がり車室内温度が上昇して安
定域に入れば、むしろ除湿暖房運転による方が、吸気温
度が高くなる分、十分な暖房効果を得ることができ、好
ましい。
【0057】そして、本実施の形態では、ヒートポンプ
運転と除湿暖房運転の切替えをコンプレッサ吐出温度T
d に基づいて行う、具体的には、上記の例では、コンプ
レッサ吐出温度Td が40℃未満(Td <40℃)の場
合はヒートポンプ運転、コンプレッサ吐出温度Td が4
0℃以上(Td ≧40℃)の場合は除湿暖房運転を行う
ようにしている。
【0058】この切替え温度は、もちろん、40℃に限
定されるわけでない。要は、即暖性と安定時の暖房性
能、窓晴れ性能との両立をいかにして高次元で両立させ
確保するかといった観点から、その切替え温度を決定す
ればよい。実際に実車を使った試験では、コンプレッサ
吐出温度Td が30℃〜60℃の範囲内の温度になった
時点で切り替えた場合に良好な結果が得られた。特に、
40℃〜50℃の範囲内の温度で切り替えた場合に、よ
り一層、即暖性と安定時の暖房性能、窓晴れ性能とを両
立、確保することができた。なお、切替え温度は、例え
ば、コンプレッサ吐出容量及びコンプレッサ回転数制御
方法、減圧手段の仕様(温度式膨脹弁の場合はセット値
や傾き、オリフィスチューブの場合はオリフィス径、電
子膨脹弁の場合は開度調整制御など)、室内コンデンサ
の性能(大きさ、ファン風量など)、室内エバポレータ
の性能(大きさ、ブロアファン性能など)、外気温度、
車室内温度、走行速度、車両の容積、冷凍サイクルの構
造(配管レイアウト、長さ、圧損など)、冷媒温度セン
サの取付方法及び該センサ自体の精度、コンプレッサの
オイル量など、非常の多くの要因による変動を受けう
る。
【0059】また、本実施の形態では、ヒートポンプ運
転時において、コンプレッサ吐出温度Td に基づいて吹
出口モード及び吸込口モード(外気導入量)を制御する
ことで、暖房運転初期における窓晴れ性を確保するとと
もに、乗員のフィーリングとの両立を図るようにしてい
る。
【0060】すなわち、図7に示すように、ヒートポン
プ1の暖房運転時においては、コンプレッサ吐出温度T
d が低いため(Td ≦20℃)、冷風が車室内に吹き出
されて乗員のフィーリングが損われることのないよう、
ブロアファン45をOFFにして、吹出し風量を少なく
し(ラム圧による風量のみ)、吹出風の温度を上げるよ
うな風量制御を行っている。しかし、このように吹出し
風量が少ない場合に、吸込口モードを内気循環のみ(1
00%内気)で、吹出口モードをFOOT(例えば、フ
ットとデフの配風比が7:3)にすると、窓晴れ性を確
保しにくい。そこで、吹出し風量が少ない場合には、低
湿度の外気を所定の割合(例えば、1/4)で導入する
とともに、吹出口モードをDEFに設定することで、少
ない風量で窓晴れ性を確保するようにしている。つま
り、よく知られているように、窓曇りは、外気と車室内
空気との間にあるフロントガラスが外気に冷やされて車
室内空気よりも冷たいため、窓ガラスの車室内側表面の
空気が露点温度以下に冷却され、窓ガラス表面に結露す
る現象であることから、上記のように、低湿度の外気を
DEFモードで吹き出すことで、窓ガラスの表面温度と
窓ガラスの車室内側表面の空気温度との差温が小さくな
り、かつ、窓ガラスの車室内側表面の空気が低湿度とな
るために、結露しにくくなるのである。
【0061】その後、コンプレッサ吐出温度Td が上昇
すると(20℃≦Td <40℃)、暖房運転モードをヒ
ートポンプ2に切り替えて、吹出口モードをFOOT
に、ブロアファン45をONにすることで、車室内に温
風を吹き出すようにし、乗員のフィーリングをも図るよ
うにする。なお、ブロアファン45の風量制御特性の一
例は、図9に示すとおりである。
【0062】なお、暖房運転モード(ヒートポンプ1、
ヒートポンプ2、除湿暖房)の切替え、すなわち、ヒー
トポンプ運転におけるヒートポンプ1とヒートポンプ2
との切替え、及びヒートポンプ運転と除湿暖房運転との
切替えは、コンプレッサ吐出温度Td による上記方法に
限定されるわけでない。
【0063】例えば、室外熱交換器12内の冷媒圧力を
検出し、この冷媒圧力に対応する蒸発温度と外気センサ
63から読み込んだ外気温度とを比較して、外気温度の
方が高いとき(つまり、外気から吸熱できる場合)はヒ
ートポンプ運転を行い、他方、室外熱交換器12内の冷
媒圧力が上昇してきて蒸発温度と外気温度との差温が所
定値以下になったとき(つまり、コンプレッサ吐出温度
をさらに上昇させたい場合)は除湿暖房運転に切り替え
ることも可能である。
【0064】また、コンプレッサ吐出圧力Pd を検出
し、このコンプレッサ吐出圧力Pd に基づいて切替え制
御を行うことも可能である。すなわち、コンプレッサ吐
出圧力Pd が基準値未満の場合はヒートポンプ運転を行
い、コンプレッサ吐出圧力Pdが基準値以上になったと
きは除湿暖房運転に切り替える。
【0065】さらに、吹出し風温度を検出し、この吹出
し風温度に基づいて切替え制御を行うことも可能であ
る。すなわち、吹出し風温度が基準値未満の場合はヒー
トポンプ運転を行い、吹出し風温度が基準値以上になっ
たときは除湿暖房運転に切り替える。
【0066】したがって、本実施の形態によれば、従来
の除湿暖房可能な冷凍サイクルにヒートポンプ運転用冷
媒回路を付加して、暖房運転初期は、室外熱交換器12
で吸熱し室内コンデンサ13で車室内へ放熱するヒート
ポンプ運転を行い、その後、車室内温度が上昇して安定
域に入れば、室内熱交換器(室内エバポレータ14と室
内コンデンサ13)で除湿暖房を行うようにしたので、
暖房運転初期における即暖性の向上並びに安定時におけ
る暖房性能の確保及び窓曇りの防止を図ることができ
る。
【0067】また、外気から吸熱できる場合には、ヒー
トポンプ運転を行って外気から吸熱することで、その分
コンプレッサ11の消費電力を下げて、必要熱量Qs を
確保することもできる。
【0068】また、ヒートポンプ運転時において2つの
運転モード(ヒートポンプ1とヒートポンプ2)を設け
て、運転初期には吹出口モードをDEF、ブロアファン
をOFF、吸込口モードを1/4外気導入にし(ヒート
ポンプ1)、その後、吹出口モードをFOOT、ブロア
ファンをONに切り替える(ヒートポンプ2)ようにし
たので、暖房運転初期において乗員のフィーリングと窓
曇りの防止との両立を図ることができる。
【0069】また、ヒートポンプ運転用冷媒回路の増設
に当たっては、配管、1個のオリフィスチューブ16、
1個の逆止弁26、2個の電磁弁21,22を追加する
だけで足り、追加の部品点数が少ないので、コストアッ
プを低くに抑えることができる。
【0070】また、3個の電磁弁18〜20と3個の逆
止弁23〜25とを一つのブロック体29に設けて一つ
のマルチコントロール弁30として構成したので、配管
の簡素化と短縮化が図られ、配管レイアウト性の向上を
図ることができる。
【0071】また、冷凍サイクルの構成上すでに寝込み
冷媒回収ライン32が組み込まれているので、改めて特
別な寝込み冷媒回収ラインを別途増設する必要がなく、
低コストである。
【0072】また、暖房運転モード(ヒートポンプ1、
ヒートポンプ2、除湿暖房)の切替えをコンプレッサ吐
出温度Td に基づいて行うようにしたので、切替え温度
(第1基準値と第2基準値)を適切に設定することで、
簡単な制御によって、即暖性、安定時の暖房性能、窓晴
れ性能、乗員のフィーリングといった各種要求を高次元
で両立させることができる。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、除
湿暖房可能な冷凍サイクルにヒートポンプ運転用冷媒回
路を付加して、暖房運転時に、室外熱交換器で吸熱し室
内コンデンサで車室内へ放熱するヒートポンプ運転と、
室内エバポレータと室内コンデンサを使用する除湿暖房
運転とを切り替えうるようにしたので、適当な制御パラ
メータを用いて、暖房運転初期にはヒートポンプ運転を
行い、その後、車室内温度が上昇して安定域に入ると除
湿暖房運転を行うことで、暖房運転初期における即暖性
の向上並びに安定時における暖房性能の確保及び窓曇り
の防止を図ることができる。
【0074】また、ヒートポンプ運転用冷媒回路の増設
に際しては、部品点数の増加が少ないので、コストアッ
プを最小限に抑えることができる。
【0075】また、3個の電磁弁と3個の逆止弁とを一
つのブロック体に設けた場合には、配管の簡素化と短縮
化が図られ、配管レイアウト性の向上を図ることができ
る。
【0076】また、ヒートポンプ運転時において適当な
制御パラメータにより吹出口モード、吸込口モード及び
吹出し風量を制御することで、暖房運転初期における乗
員のフィーリングと窓曇りの防止との両立を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る自動車用空気調
和装置の概略構成図である。
【図2】 冷房運転時に形成される冷房運転用冷媒回路
を示す図である。
【図3】 除湿暖房運転時に形成される除湿暖房運転用
冷媒回路を示す図である。
【図4】 ヒートポンプ運転時に形成されるヒートポン
プ運転用冷媒回路を示す図である。
【図5】 図1の冷凍サイクルに組み込まれている寝込
み冷媒回収ラインを示す図である。
【図6】 図1の自動車用空気調和装置の制御系のブロ
ック図である。
【図7】 図1の自動車用空気調和装置に設定されてい
る運転モードの種類とその内容の一例を示す図である。
【図8】 図1の自動車用空気調和装置の運転モードの
切替え動作の一例を示す制御フローチャートである。
【図9】 ブロアファンの風量制御特性の一例を示す図
である。
【図10】 従来の自動車用空気調和装置の一例を示す
構成図である。
【符号の説明】
11…コンプレッサ、 12…室外熱交換器、 13…室内コンデンサ、 14…室内エバポレータ、 15,16…オリフィスチューブ(減圧手段)、 17…アキュムレータ、 18,19,20,21,22…電磁弁、 23,24,25,26…逆止弁、 31…電動ファン、 44…インテークドア、 45…ブロアファン、 60…オートアンプ、 66…冷媒温度センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F25B 1/00 101 F25B 1/00 101D (72)発明者 穂積 勝 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 (72)発明者 大河原 靖仁 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 (72)発明者 大槻 直樹 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 (72)発明者 山田 昭夫 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 (72)発明者 島田 忠 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 (72)発明者 田村 和幸 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 Fターム(参考) 3L060 AA05 CC02 CC03 CC04 CC16 DD02 DD07 EE01 EE05 EE09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍サイクルとして、コンプレッサ(1
    1)から吐出された冷媒を順に第1電磁弁(18)、室外
    熱交換器(12)、第1逆止弁(23)、室内コンデンサ
    (13)、第5電磁弁(22)、第1減圧手段(15)、室内
    エバポレータ(14)及び第3逆止弁(25)を経て前記コ
    ンプレッサ(11)に帰還させる冷房運転用冷媒回路と、 前記コンプレッサ(11)から吐出された冷媒を順に第2
    電磁弁(19)、前記室内コンデンサ(13)、前記第5電
    磁弁(22)、前記第1減圧手段(15)、前記室内エバポ
    レータ(14)及び前記第3逆止弁(25)を経て前記コン
    プレッサ(11)に帰還させる除湿暖房運転用冷媒回路
    と、 前記コンプレッサ(11)から吐出された冷媒を順に第2
    電磁弁(19)、前記室内コンデンサ(13)、第4電磁弁
    (21)、第2減圧手段(16)、第4逆止弁(26)、前記
    室外熱交換器(12)、第3電磁弁(20)及び第2逆止弁
    (24)を経て前記コンプレッサ(11)に帰還させるヒー
    トポンプ運転用冷媒回路とを有し、 運転モードに応じて前記第1電磁弁乃至前記第5電磁弁
    (18〜22)を制御して冷媒流路の開閉を行い冷媒回路の
    切替えを行うことを特徴とする自動車用空気調和装置。
  2. 【請求項2】 前記第1減圧手段(15)及び前記第2減
    圧手段(16)は共にオリフィスチューブであり、前記コ
    ンプレッサ(11)の冷媒入口にはアキュムレータ(17)
    が設けられていることを特徴とする請求項1記載の自動
    車用空気調和装置。
  3. 【請求項3】 前記第1電磁弁乃至前記第3電磁弁(18
    〜20)及び前記第1逆止弁乃至前記第3逆止弁(23〜2
    5)はすべて一つのブロック体(29)に設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の自動車用空気調和装
    置。
  4. 【請求項4】 暖房運転開始時には、前記第1電磁弁
    (18)及び前記第5電磁弁(22)を閉じ、かつ、前記第
    2電磁弁(19)、前記第3電磁弁(20)及び前記第4電
    磁弁(21)を開いて、前記ヒートポンプ運転用冷媒回路
    を形成し、暖房運転安定時には、前記第1電磁弁(18)
    及び前記第4電磁弁(21)を閉じ、かつ、前記第2電磁
    弁(19)、前記第3電磁弁(20)及び前記第5電磁弁
    (22)を開いて、前記除湿暖房運転用冷媒回路を形成す
    ることを特徴とする請求項1記載の自動車用空気調和装
    置。
  5. 【請求項5】 高圧側冷媒温度に基づいて、前記ヒート
    ポンプ運転用冷媒回路と前記除湿暖房運転用冷媒回路と
    を切り替えることを特徴とする請求項1記載の自動車用
    空気調和装置。
  6. 【請求項6】 前記ヒートポンプ運転用冷媒回路と前記
    除湿暖房運転用冷媒回路とを切り替える高圧側冷媒温度
    の基準値は、30℃乃至60℃の範囲内に設定されてい
    ることを特徴とする請求項5記載の自動車用空気調和装
    置。
  7. 【請求項7】 前記室外熱交換器(12)内の冷媒圧力と
    外気温度とに基づいて、前記ヒートポンプ運転用冷媒回
    路と前記除湿暖房運転用冷媒回路とを切り替えることを
    特徴とする請求項1記載の自動車用空気調和装置。
  8. 【請求項8】 高圧側冷媒圧力に基づいて、前記ヒート
    ポンプ運転用冷媒回路と前記除湿暖房運転用冷媒回路と
    を切り替えることを特徴とする請求項1記載の自動車用
    空気調和装置。
  9. 【請求項9】 吹出し風温度に基づいて、前記ヒートポ
    ンプ運転用冷媒回路と前記除湿暖房運転用冷媒回路とを
    切り替えることを特徴とする請求項1記載の自動車用空
    気調和装置。
  10. 【請求項10】 前記ヒートポンプ運転用冷媒回路が形
    成されている場合、高圧側冷媒温度に基づいて、吹出口
    モード、吸込口モード及び吹出し風量を制御することを
    特徴とする請求項1記載の自動車用空気調和装置。
  11. 【請求項11】 前記ヒートポンプ運転用冷媒回路が形
    成されている場合、前記室外熱交換器(12)内の冷媒圧
    力と外気温度とに基づいて、吹出口モード、吸込口モー
    ド及び吹出し風量を制御することを特徴とする請求項1
    記載の自動車用空気調和装置。
  12. 【請求項12】 前記ヒートポンプ運転用冷媒回路が形
    成されている場合、高圧側冷媒圧力に基づいて、吹出口
    モード、吸込口モード及び吹出し風量を制御することを
    特徴とする請求項1記載の自動車用空気調和装置。
  13. 【請求項13】 前記ヒートポンプ運転用冷媒回路が形
    成されている場合、吹出し風温度に基づいて、吹出口モ
    ード、吸込口モード及び吹出し風量を制御することを特
    徴とする請求項1記載の自動車用空気調和装置。
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