JPH05341577A - 電子写真現像用トナー - Google Patents

電子写真現像用トナー

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JPH05341577A
JPH05341577A JP4245864A JP24586492A JPH05341577A JP H05341577 A JPH05341577 A JP H05341577A JP 4245864 A JP4245864 A JP 4245864A JP 24586492 A JP24586492 A JP 24586492A JP H05341577 A JPH05341577 A JP H05341577A
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hydrogen atom
alkyl group
toner
carbon atoms
pigment red
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正実 冨田
Yasuo Asahina
安雄 朝比奈
Fumihiro Sasaki
文浩 佐々木
Fumio Kondo
富美雄 近藤
Chiharu Mochizuki
千春 望月
Yasutaka Iwamoto
康敬 岩本
Toshiki Minamitani
俊樹 南谷
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 定着時充分な耐オフセット性を有し、定着下
限温度が低く、しかも定着ロールの巻き付きが発生しな
いで、良好で高品質の画像が得られる電子写真現像用ト
ナーを提供する。 【構成】 結着樹脂、離型剤、帯電制御剤を主成分とす
る電子写真現像剤用トナーにおいて、 結着樹脂にはポリエステル樹脂 離型剤には酸価5以下の脱遊離脂肪酸型カルナウバワ
ックス等及び 帯電制御剤には下記一般式(1)で示される化合物 を用いる。 例えば

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、静電印刷法
などにおいて電気的潜像または磁気的潜像を現像するの
に用いられるトナーに関し、特に熱ローラ定着法にあっ
て、より低温で充分定着し更に現像装置内での長期使用
によっても帯電特性等の現像剤特性に殆ど影響を及ぼさ
ない電子写真現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電印刷法、静電記録法な
どで形成される静電荷像は乾式法の場合、一般にバイン
ダー樹脂及び着色剤を主成分とする乾式トナーで現像
後、コピー用紙上に転写、定着される。トナー像の定着
法としては種々あるが、熱効率が高いこと及び高速定着
が可能であることから熱ローラ定着方式が広く採用され
ている。このような熱定着方式で高速定着を行なう場
合、トナーには良好な低温定着性(または定着下限温度
が低いこと)が要求され、またこのためにバインダー樹
脂としては低軟化点のものが使用される。しかし、トナ
ー中に低軟化点樹脂が含有されていると、定着時にトナ
ー像の一部が熱ローラの表面に付着し、これがコピー用
紙上に転移して地汚れを起こす現象(いわゆる「オフセ
ット現象」といわれる)及び巻き付き現象(特に熱ロー
ラ温度が低いときに多い)が発生し易くなる。
【0003】そこで、これらの現象を防止する手段とし
て特開昭51−143333号、特開昭57−1487
52号、特開昭58−97056号、特開昭60−24
7250号などの公報には、離型剤として固形シリコー
ンワニス、高級脂肪酸、高級アルコール、各種ワックス
等を添加することが提案されているが、いずれも良好な
低温定着性を維持しながら、充分な耐オフセット性およ
び耐巻き付き性を示すものは知られていない。具体的に
は、従来の低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピ
レン等のポリオレフィンワックスは耐オフセット性は良
好であるものの、低温定着性が充分でない。しかも、従
来の離型剤はバインダー樹脂への分散性が悪いため、現
像中、離型剤がトナーから遊離して感光体や現像スリー
ブに付着する現象(いわゆる「フィルミング現象」とい
われる)が多く認められ、またスペントトナーによるキ
ャリア汚染も生じ、長期に亘って安定して良質の画像を
形成することは困難であった。
【0004】もっとも、低温定着性を維持するためにポ
リエステル樹脂を用いるのが有効であることは知られて
いる。だが、従来の現像剤においては、トナー中の帯電
制御剤が長期使用により剥離しキャリア表面に汚染して
安定した帯電量が得られなくなったり、使用する環境条
件の変化により帯電性が変化する等の原因により良質の
画像を形成することは困難であった。また、トナーに負
帯電を付与する場合には特公昭45−26478号等の
公報に示される含金属錯塩染料を用いる技術や、特開平
2−201378号公報に示されるカリックス(n)ア
レン化合物を含有する方法が知られているが、その使用
方法を適性化しないことには、長期に亘って安定した帯
電量を得ることが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、定着
時、充分な耐オフセット性を有し、定着下限温度が低
く、しかも定着ローラの巻き付きが発生しない電子写真
現像用トナーを提供することである。本発明の他の目的
は、地汚れやトナー飛散がなく、連続使用時においても
初期画像と同等の忠実度の高い画像が得られ、高速定着
に好適なトナーを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は結着樹脂、離型
剤、帯電制御剤及び着色剤を主成分とする電子写真現像
用トナーにおいて、前記トナーの結着樹脂としてポリエ
ステル樹脂を含有し、また離型剤として酸価5以下の脱
遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタン系エステル
ワックス、酸価10〜30の酸化ライスワックス及びサ
ゾールワックスからなる群から選ばれた少なくとも1種
を含有し、更に帯電制御剤として下記一般式(I)で示
される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴と
している。
【化1】 (但し、X及びYはそれぞれ整数であり、n=X+Yと
したときnは4〜8である。R1は水素原子、炭素数1
〜5アルキル基または−(CH2)mCOOR21(R21
水素原子または低級アルキル基を表わし、mは1〜3の
整数を示す)である。R2は水素原子、ハロゲン原子、
枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、
アラルキル基、−NO2、−NH2、−N(R222(R
22は低級アルキル基)、−SO323(R23は水素原
子)、置換基を有してもよいフェニル基、または−Si
(CH33である。R3、R4は水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH2、または−N
(R242(R24は低級アルキル基)である。R5は水素
原子または炭素数1〜3のアルキル基である。R11は水
素原子、炭素数1〜5のアルキル基または−(CH2)p
COOR31(R31は水素原子または低級アルキル基を表
わし、pは1〜3の整数を示す)である。R12は水素原
子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜
12のアルキル基、アラルキル基、−NO2、−NH2
−N(R322(R32は低級アルキル基)、−SO333
(R33は水素原子)、置換基を有してもよいフェニル
基、または−Si(CH33である。R13、R14は水素
原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−N
2、または−N(R342(R34は低級アルキル基)で
ある。R15は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基
である。)
【0007】本発明ではこのトナーをキャリアと混合し
て使用することができるが、その場合には、このトナー
と芯材をシリコーン樹脂でコーティングしたキャリアと
を混合することにより一層長期使用によっても初期と変
わらぬ帯電性及び画像品質が得られるようになる。
【0008】前記一般式(I)で表わされ本発明のトナ
ーに用いられる帯電制御剤はカリックス(n)アレン化
合物と称され、トナーの長期使用や環境変化に対する帯
電安定性を施すものである。この化合物は、フェノール
とホルムアルデヒドを原料として、特に濃いアルカリを
使用した場合に高収率で合成される。
【0009】具体的な化合物例としては以下の表1に示
されるものがあげられるが、これらには限られない。
【表1−(1)】
【表1−(2)】
【0010】前記帯電制御剤の添加量はトナー全体の
0.5〜15重量部、好ましくは1〜5重量部である。
この範囲よりも少ない場合には充分な負帯電量をトナー
に付与することができず、逆に多い場合には現像装置内
での連続使用時にトナーの表面から帯電制御剤が脱離し
大きく帯電量が変化する場合がある。
【0011】また、本発明のトナーに使用される結着樹
脂としては、少なくともポリエステル樹脂が用いられ、
中でもビスフェノールジオール型のアルコールと多価カ
ルボン酸とを主成分とするモノマーから合成されたポリ
エステル樹脂を用いれば耐塩ビマット性(耐可塑剤性)
やカラートナーの色材の色を損なうことなく、良好なト
ナーを得ることができる。もちろん低温での定着性も良
好となる。ここでのポリエステル樹脂中のジオール成分
としては下記一般式(II)
【化2】 (但し、R41は炭素数2〜4のアルキレン基、x及びy
は整数でその和の平均2〜16である。)で示されるも
のであり、一方、多価カルボン酸としては下記一般式
(III)又は(IV)
【化3】 (但し、R51は炭素数4〜20の飽和又は不飽和の炭化
水素基である。)
【化4】 (但し、R52、R53は炭素数4〜20の飽和又は不飽和
の炭化水素基である。)で示される二価カルボン酸又は
その無水物である。これらポリエステル樹脂における一
般式(II)に表わされる化合物は1〜50モル%が適当
であり、一般式(III)又は(IV)で表わされる化合物
は10〜30モル%が適当である。
【0012】なお、本発明においては、通常ポリオール
成分と多価カルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中で1
80〜250℃の温度で縮重合することでポリエステル
樹脂を作成することができる。
【0013】本発明のトナーに離型剤として使用される
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスは、カルナウバワッ
クスを原料にして遊離脂肪酸を脱離したものであり、こ
のため酸価が5%以下となり、かつ、従来のカルナウバ
ワックスより微結晶でバインダー樹脂中での分散粒子径
が1μm以下となり、分散性が向上する。
【0014】モンタン系エステルワックスは鉱物より精
製されたものであり、カルナウバワックスと同様に微結
晶となりバインダー樹脂中での分散粒子径が1μm以下
となり、分散性が向上する。モンタン系エステルワック
スの場合酸価として特に5〜14であることが好まし
い。
【0015】本発明の酸化ライスワックスは米ぬかワッ
クスを空気酸化したものである。酸価は10〜30であ
ることが好ましく10未満では定着下限温度が上昇し低
温定着性が不充分となり、30より大きいとコールドオ
フセット温度が上昇しやはり低温定着性が不充分とな
る。
【0016】また、サゾールワックスは、サゾール社製
サゾールワックスH1,H2,A1,A2,A3,A
4,A6,A7,A14,C1,C2,SPRAY3
0,SPRAY40等が使用できるが、中でも、H1,
H2,SPRAY30,SPRAY40が低温定着、保
存安定性にすぐれ好ましい。
【0017】上記ワックスは単独で用いても組み合わせ
て用いても良く、トナー全体の1〜15重量部好ましく
は2〜10重量部含有させることで前記に示した良好な
結果が得られる。
【0018】本発明で使用される着色剤としては、カー
ボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、アニリン
ブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリー
ン、ハンザイエローG、ローダミン6Gレーキ、カルコ
オイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジ
ジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染
料等の染顔料など従来公知のいかなる染顔料をも単独あ
るいは混合して使用し得る。これらの着色剤の使用量は
バインダー樹脂に対して、通常1〜30重量%、好まし
くは3〜20重量%である。
【0019】本発明で使用される着色剤のうち特に望ま
しいものは下記一般式(V)で表わされるC.I.ピグ
メントレッド48である。
【化5】 (ここで、X=Baのときは、C.I.ピグメントレッ
ド48:1 X=Caのときは、C.I.ピグメントレッド48:2 X=Srのときは、C.I.ピグメントレッド48:3 X=Mnのときは、C.I.ピグメントレッド48:4
である。)
【0020】赤色着色剤として前記のC.I.ピグメン
トレッド48が使用された場合には、これに更にトナー
の帯電安定性をより確実にするため、C.I.ピグメン
トレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベント
レッド49の少なくとも1種(これらはいずれも赤外着
色剤でもある)が併用されるのが有利である。
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【0021】なお、C.I.ソルベントレッド57:
1、C.I.ソルベントレッド112、C.I.ソルベ
ントレッド122及びC.I.ソルベントレッド49か
ら選ばれる赤色着色剤の少なくとも1種をC.I.ピグ
メントレッド48に併用させてトナーの帯電安定剤を計
る場合にあっては、C.I.ピグメントレッド48と前
記他のC.I.ソルベントレッド57:1などとの配合
比(重量割合)は9:1〜1:9好ましくはにすること
で、赤色トナーの帯電量をより安定させることが可能と
なる。
【0022】本発明のトナーは更に磁性材料を含有さ
せ、磁性トナーとしても使用し得る。この磁性トナー中
に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイ
ト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルの
ような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバル
ト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、
ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マン
ガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのよ
うな金属の合金およびその混合物などが挙げられる。こ
れらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のもの
が望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分
100重量部に対し約20〜200重量部、特に好まし
くは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部で
ある。
【0023】更に、本発明のトナーは、必要に応じて添
加物が混合されてもよい。添加物としては、例えばテフ
ロン、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤あるいは酸化セリ
ウム、炭化ケイ素等の研磨剤、あるいは例えばコロイダ
ルシリカ、酸化アルミニウムなどの流動性付与剤、ケー
キング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック、酸化
スズ等の導電性付与剤等がある。
【0024】本発明のトナーは一成分系現像剤として用
いられてもよいが、キャリアと混合され二成分系現像剤
として用いられてもよい。キャリアにはこの分野で知ら
れているもののいずれもが使用できるが、特に芯材をシ
リコーン樹脂で被覆したキャリアが好ましい。
【0025】シリコーン樹脂で被覆するキャリア核体粒
子としては、従来より公知のものでよく、たとえば鉄、
コバルト、ニッケル等の強磁性金属:マグネタイト、ヘ
マタイト、フェライトなどの合金や化合物:ガラスビー
ズ等が挙げられる。これら核体粒子の平均粒径は、通常
10〜1000μm、好ましくは30〜500μmであ
る。
【0026】シリコーン樹脂の使用量は通常キャリア核
体粒子にたいして1〜10重量%である。本発明で用い
られるシリコーン樹脂は従来より公知のいずれのシリコ
ーン樹脂であってもよく、たとえば市販品として入手で
きる信越シリコーン社製のKR261,KR271,K
R272,KR275,KR280,KR282,KR
285,KR251,KR155,KR220,KR2
01,KR204,KR205,KR206,SA−
4,ES1001,EA1001N、ES1002T、
KR3093や東レシリコーン社製のSR2100,S
R2101,SR2107,SR2110,SR210
8,SR2109,SR2115,SR2400,SR
2410,SR2411,SH805,SH806A,
SH840等が用いられる。
【0027】シリコーン樹脂層の形成法としては、従来
と同様、キャリア核体粒子の表面に噴霧法、浸漬法等の
手段でシリコーン樹脂を塗布すればよい。シリコーン樹
脂被覆キャリアは、表面エネルギーが低いことから現像
装置内での長期撹拌等により表面へのトナーの融着を極
端に減少することが可能となる。
【0028】
【実施例】本発明を実施例によってさらに具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。ここでの部はすべて重量部である。
【0029】実施例1 ポリエステル樹脂(数平均分子量=5000, 重量平均分子量=55000,Tg=62℃) 81部 脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(酸価2) 4部 カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 12部 例示化合物(1) 2部 これら組成の混合物をヘンシェルミキサー中で充分撹拌
混合した後、ロールミルで80〜110℃の温度で約4
0分間熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物を粉
砕、分級し、5〜20μmの粒径のトナーを得た。この
トナー3部とし、150〜250メッシュの酸化鉄粉キ
ャリア(日本鉄粉社製TEFV)97部とをボールミル
で混合し、二成分系現像剤を得た。トナーの帯電量は−
20μc/gであった。次に、定着ローラーとしてテフ
ロン被覆ローラーを具備した普通紙複写機(リコー社製
FT−4530)に前記現像剤をセットし、熱ローラー
温度130℃で連続コピーテストを行なったところ、オ
フセットや巻き付き現象を生じることなく、初期はもち
ろん、10万枚コピー後も良好な画像が得られ、感光体
や現像スリーブへのフィルミングもみられなかった。ま
た、定着テストとしてホットオフセット、コールドオフ
セット、巻き付き発生温度および定着下限温度を測定し
たところ、後記表2に示すように良好な結果が得られ
た。更に、10万枚後の現像剤のトナースペントを測定
したところ、トナースペントは認められなかった。
【0030】実施例2 カーボンブラック4部の代りにC.I.ピグメントレッ
ド48:1を7部用いた以外は実施例1とまったく同様
にしてトナーをつくり、二成分系現像剤とし、これの連
続コピーテストを行なった。結果は、表2のとおりで実
施例1と同じように良好な結果が得られた。
【0031】比較例1及び2 実施例1の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスの代わり
に、低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業社製660
P)を用いた以外は実施例1及び2と同様にして現像剤
をつくり、連続コピーテストを行なったところ、巻き付
き現象が発生し、良好な画像は得られなかった。
【0032】実施例3 ポリエステル樹脂(実施例1と同じもの) 85部 モンタン系エステルワックス(酸価12.0) 3部 カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 9部 例示化合物(2) 1.5部 これら組成の混合物を実施例1と同様に、ヘンシェルミ
キサー中で充分撹拌混合した後、ロールミルで80〜1
10℃の温度で約40分間熱溶融し、室温まで冷却後、
得られた混練物を粉砕分級し、5〜20μmの粒径のト
ナーを得た。このトナー3.5部と、シリコーン樹脂
(SR−2410:東レシリコーン社製)を被覆した5
0〜250メッシュの酸化鉄粉キャリア96.5部とを
ボールミルで混合し、2成分系現像剤を得た。トナーの
帯電量は−18μc/gであった。この現像剤を用いて
実施例1と同様に連続コピーテストを行なったところ、
実施例1と同様に良好な結果が得られた。また、このも
のの定着性は後記表2に示すように良好であった。
【0033】実施例4 カーボンブラック9部の代りにC.I.ピグメントレッ
ド48:1を4部及びC.I.ピグメントレッド57:
1を2部用いた以外は実施例3とまったく同様にしてト
ナーをつくり、二成分系現像剤とし、これの連続コピー
テストを行なった。結果は、表2のとおりで実施例3と
同じように良好な結果が得られた。
【0034】実施例5 実施例1の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスの代わり
に酸価15の酸化ライスワックスを用い、さらに帯電制
御剤を例示化合物(3)に代えたほかは実施例1と同様
にして、現像剤を得た。次に、この現像剤を実施例1と
同様にして連続コピーテストを行なったところ、実施例
1と同様に良好な結果が得られた。また、このものの定
着性は後記表2に示すように良好であった。
【0035】実施例6 実施例3のモンタン系エステルワックスの代りに酸化1
5の酸化ライスワックス、カーボンブラック9部の代り
にC.I.ピグメントレッド48:1を4部及びC.
I.ピグメントレッド112を2部用い、さらに例示化
合物(2)の代りに例示化合物(3)を用いた以外は実
施例3とまったく同様にしてトナーをつくり、二成分系
現像剤とし、これの連続コピーテストを行なった。結果
は、表2のとおりで実施例3と同じように良好な結果が
得られた。
【0036】比較例3及び4 実施例3及び4のモンタン系エステルワックスを用いな
かった以外は実施例3及び4と同様にして現像剤を調製
し、連続コピーテストを行なったところ、耐オフセット
性は良好であったが巻き付き現象が発生し、良好な画像
は得られなかった。
【0037】比較例5及び6 実施例1及び2のポリエステル樹脂の代わりにスチレン
アクリル樹脂(SBM−73:三洋化成社製)を用いた
以外は実施例1及び2と同様に現像剤を作製し、連続コ
ピーテストを行なったところ定着下限温度が高く定着性
が不充分であり、良好な画像は得られなかった。
【0038】実施例7 実施例1のポリエステル樹脂の代わりに他のポリエステ
ル樹脂(数平均分子量=5300、重量平均分子量=5
1000、ガラス転移点=59.5℃)を用い、また酸
価4の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスを用い、更
に、帯電制御剤として例示化合物(4)を用いたほかは実
施例1と同様にして、現像剤を得た。連続コピーテスト
を行なったところ、実施例1と同様に良好な結果が得ら
れた。また、このものの定着性は後記表2に示すように
良好であった。
【0039】実施例8 更にC.I.ピグメントレッド122を3部添加した以
外は実施例7とまったく同様にして現像剤を得た。連続
コピーテストを行なったところ、実施例1と同様に良好
な結果が得られた。また、このものの定着性は後記表2
に示すように良好であった。
【0040】実施例9及び10 実施例7及び8のカルナウバワックスの代わりにサゾー
ル社製サゾールワックスH1を用い、さらに帯電制御剤
として実施例7及び8の代わりに例示化合物(5)を用
いたほかは実施例7及び8と同様にして、現像剤を得
た。次に、この現像剤を実施例7及び8と同様にして連
続コピーテストを行なったところ、実施例7及び8と同
様に良好な結果が得られた。また、このものの定着性は
後記表2に示すように良好であった。
【0041】実施例11 ポリエステル樹脂(数平均分子量=5200, 重量平均分子量=55000,Tg=62℃) 85部 酸化ライスワックス(酸価12.0) 3部 カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 10部 例示化合物(6) 2部 これら組成の混合物を実施例1と同様にして5〜20μ
mの粒径のトナーを得た。このトナー3部に対し、シリ
コーン樹脂(SR−2411:東レシリコーン社製)を
被覆した100〜250メッシュのフェライトキャリア
97部とをボールミルで混合し、2成分系現像剤を得
た。なお、トナーの帯電量は−19μc/gであった。
次に、この現像剤を実施例1と同様にして連続コピーテ
ストを行なったところ、実施例1と同様に良好な結果が
得られた。また、このものの定着性は後記表2に示すよ
うに良好であった。
【0042】実施例12 カーボンブラック10部の代りにC.I.ピグメントレ
ッド48:1を7部及びC.I.ソルベントレッド49
を3部用いた以外は実施例11と同様にして、二成分系
現像剤を得た。トナーの帯電量は−21μc/gであっ
た。次に、この現像剤を実施例1と同様にして連続コピ
ーテストを行なったところ、実施例1と同様に良好な結
果が得られた。また、このものの定着性は後記表2に示
すように良好であった。
【0043】比較例7 実施例1の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスの代わり
に、酸化ポリプロピレン(三洋化成工業社製)用いた以
外は実施例1と同様にして現像剤をつくり、連続コピー
テストを行なったところ、巻き付き現象が発生し、良好
な画像は得られなかった。また、定着性は後記表2に示
すように低温定着性は充分であったが、ホットオフセッ
トが発生し実用レベルではなかった。
【0044】比較例8及び9 実施例1及び2の帯電制御剤の代わりに、オキシナフト
エ酸クロム錯体を用いた以外は実施例1及び2と同様に
して現像剤をつくり、コピー画像を出したところ、画像
の地肌部にかぶりが生じ、良好な画像は得られなかっ
た。
【0045】実施例13 実施例1の帯電制御剤の代わりに例示化合物7を用いた
以外は実施例1と同様にして現像剤をつくり、コピー画
像を出したところ、良好な画像が得られ連続コピー後も
良好な画像が得られた。しかし、初期の帯電量が−17
μc/gに対し10万枚コピー後では、−13μc/g
となり若干低下する傾向がみられた。
【0046】実施例14 実施例2のC.I.ピグメントレッド48:1の代りに
C.I.ピグメントレッド239を用いた以外は実施例
2と同様にして現像剤をつくり、コピー画像を出したと
ころ、初期の画像には異常は見られなかったが、10万
枚プリント後においては、画像の地肌部にカブリが生
じ、良好な画像が得られにくくなった。
【表2】 オフセット発生温度:コピー紙上に転写されたトナー画
像を前記テフロン被覆ローラーでローラーの加熱温度を
順次上昇させながら、ローラーのニップ幅4mmおよび
線速250mm/secの条件で定着する操作を繰り返
して地汚れが発生する温度を求め、このときの最低温度
をコールドオフセット発生温度とし、また最高温度をホ
ットオフセット発生温度とする。 巻き付き発生温度:いわゆるベタ黒野原稿を用いてコピ
ー用紙のほぼ全面にトナーを転写せしめ、これを、ロー
ラーの加熱温度を順次低下させるほかはオフセット発生
温度の測定の場合と同様に定着させる操作を繰返し、ロ
ーラーにこのコピー用紙が巻き付いた時の温度を求め
る。 定着下限温度:オフセット発生温度の測定の場合と同様
にして定着を行ない、クロックメーターによるトナー定
着率が70%に達したときの温度を求める。
【発明の効果】本発明の乾式トナーは、(1)充分な耐
オフセット性、耐巻き付き性を有し、(2)低温定着が
可能なので、高速定着ができ、(3)離型剤のバインダ
ー樹脂への分散性がよく、従って、現像中感光体や現像
スリーブへのトナーフィルミングが少なく、スペントト
ナーによるキャリア汚染もなく、長期間に亘って安定
し、及び(4)充分な負帯電性を付与し高品質の画像を
形成できるなどの利点を有している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 G03G 9/08 361 365 (72)発明者 近藤 富美雄 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 望月 千春 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 岩本 康敬 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 南谷 俊樹 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、離型剤、帯電制御剤及び着色
    剤を主成分とするトナーにおいて、前記トナーの結着樹
    脂としてポリエステル樹脂を含有し、離型剤として酸価
    5以下の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタン
    系エステルワックス、酸価10〜30の酸化ライスワッ
    クス及びサゾールワックスからなる群から選ばれた少な
    くとも1種を含有し、更に帯電制御剤として下記一般式
    (I)で示される化合物の少なくとも1種を含有するこ
    とを特徴とする電子写真現像用トナー。 【化1】 (但し、X及びYはそれぞれ整数であり、n=X+Yと
    したときnは4〜8である。R1は水素原子、炭素数1
    〜5アルキル基または−(CH2)mCOOR21(R21
    水素原子または低級アルキル基を表わし、mは1〜3の
    整数を示す)である。R2は水素原子、ハロゲン原子、
    枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、
    アラルキル基、−NO2、−NH2、−N(R222(R
    22は低級アルキル基)、−SO323(R23は水素原
    子)、置換基を有してもよいフェニル基、または−Si
    (CH33である。R3、R4は水素原子、ハロゲン原
    子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH2、または−N
    (R242(R24は低級アルキル基)である。R5は水素
    原子または炭素数1〜3のアルキル基である。R11は水
    素原子、炭素数1〜5のアルキル基または−(CH2)p
    COOR31(R31は水素原子または低級アルキル基を表
    わし、pは1〜3の整数を示す)である。R12は水素原
    子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜
    12のアルキル基、アラルキル基、−NO2、−NH2
    −N(R322(R32は低級アルキル基)、−SO333
    (R33は水素原子)、置換基を有してもよいフェニル
    基、または−Si(CH33である。R13、R14は水素
    原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−N
    2、または−N(R342(R34は低級アルキル基)で
    ある。R15は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基
    である。)
  2. 【請求項2】 前記着色剤が特にC.I.ピグメントレ
    ッド48である請求項1記載の電子写真現像用トナー。
  3. 【請求項3】 前記着色剤が特にC.I.ピグメントレ
    ッド48とC.I.ピグメントレッド57:1、C.
    I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッ
    ド49及びC.I.ピグメントレッド122より選ばれ
    る少なくとも1種との併用からなる請求項1記載の電子
    写真現像用トナー。
  4. 【請求項4】 キャリアと混合して用いられるものであ
    る請求項1記載の電子写真現像用トナー。
  5. 【請求項5】 芯材をシリコーン樹脂でコーティングし
    たキャリアと混合して用いられるものである請求項1記
    載の電子写真現像用トナー。
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