JPH05341104A - 光学用成形品 - Google Patents

光学用成形品

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JPH05341104A
JPH05341104A JP4152532A JP15253292A JPH05341104A JP H05341104 A JPH05341104 A JP H05341104A JP 4152532 A JP4152532 A JP 4152532A JP 15253292 A JP15253292 A JP 15253292A JP H05341104 A JPH05341104 A JP H05341104A
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JP
Japan
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sol
oxide
thin film
silicon oxide
refractive index
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Application number
JP4152532A
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Inventor
Shigeo Itagaki
茂男 板垣
Koji Narisawa
孝司 成澤
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明では、耐摩耗性被膜を有し、かつ、耐候
性のよい光学用成形品を提供することを目的とする。 【構成】光学用基材上に1〜300ナノメートルの微粒
子状無機物を含む耐磨耗性被覆を形成し、その上に1.
470以下の屈折率を有する酸化ケイ素薄膜を形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性被覆を施した
プラスチックレンズ等の基材に、酸化ケイ素薄膜を形成
した光学用成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック成形物は、軽量、易加工
性、耐衝撃性などの長所を活かして多量に使用されてい
るが、反面、硬度が不十分で傷がつき易い、溶媒に侵さ
れやすい、帯電してほこりを吸着する、耐熱性が不十分
などの欠点があり、めがねレンズ、窓材などとして使用
するには、無機ガラス成形物にくらべ実用上不満足であ
った。
【0003】そこで、プラスチック成形物に耐磨耗性被
覆を施すことが提案された。この塗膜に使用されるコー
ティング組成物は、実に多数の種類が提案された。その
中には、無機系に近く硬い塗膜を与えるものとして期待
された「有機ケイ素化合物又はその加水分解物を主成分
(樹脂成分又は塗膜形成成分)とするコーティング組成
物」があり(例えば、特開昭52−11261号参
照)、これは、めがねレンズ用として実用化されてい
る。
【0004】しかしながら、このコーティング組成物も
未だ耐擦傷性(傷つき難さ)が不満足であるため、これ
にコロイド状に分散したシリカ(酸化ケイ素)ゾルを添
加したものが提案され(例えば、特開昭53−1113
36号参照)、これも、めがねレンズ用として実用化さ
れている。最近では、さらに、コーティング組成物中
に、酸化ケイ素に変えて、酸化亜鉛、酸化アルミニウ
ム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸
化ベリリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸
化セリウム、酸化スズと酸化タングステンの複合体等の
粒径が1〜300mμの微粒子状無機物(ゾル形態)を
含むものが提案され、一部商品化されている。
【0005】しかしながら、上記のような、微粒子状無
機物を含む耐摩耗性被覆を有するレンズ(光学用成形品
の一種)は、耐候性が悪く、光にあたると変質し、着色
してしまうという問題点があった。また、上記の如き耐
摩耗性被覆の上に「酸化ケイ素薄膜(屈折率1.472
以上)を最上層とする反射防止膜」を形成したものが知
られているが、耐候性が悪いという問題点は改善されて
いなかった。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】上記問題点に鑑み、鋭
意研究した結果、発明者らは、酸化ケイ素薄膜を形成す
る際に、蒸着装置の真空度を調節することによって、偶
然に屈折率が1.47未満の酸化ケイ素薄膜を形成する
ことができた。そして、この膜が前記問題点の解決に効
果があることをつきとめ、本発明をなすに至った。
【0007】図2は、真空度と屈折率との関係を示した
図であり、真空度が高いほど屈折率が小さくなっていく
ことがわかる。そこで、本発明では、耐摩耗性被膜を有
し、かつ、耐候性のよい光学用成形品を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、光学用基材と、光学用基材の上に形成
された1〜300ナノメートルの微粒子状無機物を含む
耐磨耗性被覆と、耐摩耗性被覆上に形成された1.47
0以下の屈折率を有する酸化ケイ素薄膜とからなること
を特徴とする光学用成形品を提供する。
【0009】
【作用】
(A)光学用基材の説明 本発明の光学用基材としては、ガラス、プラスチック等
のあらゆる光学用部材が使用できるが、特に、ポリメチ
ルメタクリレートおよびその共重合体、ポリカーボネー
ト、ポリエステルとくにポリエチレンテレフタレート、
ポリウレタン、ジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート(CR−39)、エポキシ樹脂、塩化ビニル、ア
クリロニトリル−スチレン共重合体等が好ましく用いら
れる。 (B)耐摩耗性被覆の説明 (a)ビヒクル成分の説明 耐摩耗性被覆のビヒクル成分は、公知のもの全てが利用
できるが、特に以下の一般式(1)で表される有機ケイ
素化合物又はその加水分解物が好ましい。
【0010】 R1 a 2 b Si(OR3)4-(a+b) ─(1) (但し、式中、R1 は、官能基又は不飽和2重結合を有
する炭素数4〜14の有機基であり、R2 は、炭素数1
〜6の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基であり、R
3 は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル
基又はアシル基であり、a及びbは、それぞれ0又は1
であり、かつa+bは、1又は2である。)一般式
(1)の化合物のうち、R1 が官能基としてエポキシ基
を有するものについて言うと、例えば、次のものが使用
される。
【0011】(1) 一般式(2):
【0012】
【化1】
【0013】(但し、式中、R4 は、炭素数1〜4のア
ルキル基又はアルコキシアルキル基又はアシル基、 R5
は、炭素数1〜6の炭化水素基又はハロゲン化炭素化水
素基、R6 は、水素またはメチル基、mは2又は3、p
は1〜6、qは0〜2である。)で表わされる化合物。
【0014】(2) 一般式(3):
【0015】
【化2】
【0016】(但し、R7 は、炭素数1〜4のアルキル
基又はアルコキシアルキル基又はアシル基、R8 は、炭
素数1〜4の炭化水素基又はハロゲン化炭素化水素基、
1は2又は3、rは1〜4である。)で表わされる化合
物。上記一般式で表される化合物は、いずれもエポキシ
基を有するので、エポキシシランとも呼ばれる。
【0017】エポキシシランの具体例としては、例え
ば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランな
どが挙げられる。
【0018】また、一般式(1)の化合物のうち、R1
が官能基としてエポキシ基を有するもの以外(a=0の
ものを含む)の例としては、例えば、次のものが使用さ
れる。メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメ
トキシエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、アメノメチルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、フエニルトリメトキシシラ
ン、フエニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエト
キシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメ
トキシシランなどの各種トリアルコキシシラン、トリア
シロキシシランあるいはトリアルコキシアルコキシシラ
ン化合物。
【0019】以上に挙げた一般式(1)の例示化合物
は、いずれもSi原子に結合するOR 3 基が3個ある
(a+b=1)3官能の例であるが、OR3 基が2個あ
る(a+b=2)2官能の相当する化合物ももちろん使
用することができる。2官能の相当する化合物の例とし
ては、ジメチルジメトキシシラン、ジフエニルジメトキ
シシラン、メチルフエニルジメトキシシラン、メチルビ
ニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなど
がある。
【0020】一般式(1)の化合物は、1種で使用して
もよいが、目的に応じて2種以上を混合して使用しても
よい。特に、2官能の化合物を使用するときには、3官
能の化合物と併用することが好ましい。併用した場合に
は、平均で2>a+b>1となる。更に、a+b=0の
4官能の相当する化合物を併用することも可能である。
4官能の相当する化合物の例としては、メチルシリケー
ト、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−
プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、t−ブチ
ルシリケート、sec−ブチルシリケートなどが挙げら
れる。
【0021】一般式(1)の化合物は、そのまま使用し
てもよいが、反応速度を増し、硬化温度を下げる目的で
加水分解物として使用することが望ましい。2〜4官能
の化合物の中で同一官能数の化合物を2種以上を併用す
る場合、或いは異なる官能数の化合物を2種以上を併用
する場合、加水分解後に併用してもよいし、加水分解前
に併用して共加水分解を行なってもよい。加水分解によ
りHOR3 なるアルコールが遊離され、一般式(1)の
化合物は、相当するシラノール:
【0022】
【化3】
【0023】になる。シラノールは、速やかに脱水縮合
が進み、オリゴマーになる。従って、この反応が十分に
進むように、加水分解後、1〜24時間放置(養生)さ
せてもよい。 (b)微粒子上無機物の説明 1〜300ミリミクロンのゾル形態のものが使用しやす
いので好ましく、例を挙げると、酸化亜鉛ゾル、酸化ア
ルミニウムゾル、酸化ベリリウムゾル、酸化セリウムゾ
ル、酸化アンチモンゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化
チタンゾル、酸化スズゾル、酸化タングステンゾル、酸
化チタンと酸化セリウムの複合ゾル、酸化チタンと酸化
鉄の複合ゾル、酸化スズと酸化タングステンの複合ゾ
ル、または、酸化スズと酸化タングステンの複合ゾルで
被覆された酸化スズゾル等が挙げられる。
【0024】特に耐候性が悪いゾルは、酸化アンチモン
ゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化チタンゾル、酸化ス
ズゾル、酸化タングステンゾル、酸化チタンと酸化セリ
ウムの複合ゾル、酸化チタンと酸化鉄の複合ゾル、また
は、酸化スズと酸化タングステンの複合ゾル等が挙げら
れる。また、酸化チタニウム、酸化アンチモン、酸化タ
ングステン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化ス
ズを使用した場合には、組成物の屈折率を高くすること
ができ、本発明は、このような高屈折率成分を使用した
際に、特に優れた効果を発揮する。
【0025】分散媒としては、水、アルコールその他の
有機溶媒が使用される。ゾルには、有機アミンその他の
安定剤を添加することが好ましい。ゾルの粒子径は1〜
200mμ、特に5〜100mμのものが好ましい。こ
れより小さいと製造が困難であり、ゾル自身の安定性も
悪く、かつ効果も小さい。これより大きいと、コーティ
ング組成物の安定性、塗膜の透明性、平滑性などが低下
する。
【0026】このようなゾルは、一部公知であり一部市
販品として入手可能である。さらに、酸化スズを酸化タ
ングステンと酸化スズの複合ゾルで被覆した変性ゾル等
も使用可能である。この変性ゾルは、「酸化スズ(ゾ
ル)のコロイド粒子を核に、その周囲を酸化スズ−酸
化タングステン複合体(ゾル)のコロイド粒子が完全
に又は不完全に取り囲んだ、二重構造を持つコロイド粒
子」が分散媒中にコロイド状に分散したものである。核
となる酸化スズのコロイド粒子の粒径は一般に4〜50
nmである。周囲を取り囲む複合体のコロイド粒子の粒
径は、一般に2〜7nmである。核となる酸化スズ粒子
は、正に帯電している。そのため、これをそのまま成分
(a)に混合すると、成分(a)の分子は−SiO- +
に由来して、負の電荷を持つので、凝集(ゲル化)す
る。それに対して、複合体粒子は負に帯電している。
そのため、これを成分(a)と混合しても凝集しない。
【0027】酸化スズ−酸化タングステン複合体ゾル
は、一般には、タングステン酸ナトリウム水溶液をイオ
ン交換して製造したタングステン酸水溶液に、スズ酸ナ
トリウム水溶液を室温にて強撹拌下に加えることによっ
て、製造される。複合体ゾルのWO3 /SnO2 の重量比
は一般に0.5 〜100 である。0.5 より小さくても100 よ
り大きくとも、本発明のコーティング組成物を調製して
塗膜を形成したとき、性能の劣った塗膜しか得られな
い。
【0028】変性ゾルは、酸化スズの水性ゾルの“Sn
2 換算で100 重量部”に対して、複合体の水性ゾル
を“WO3 とSnO2 の合計重量換算で2〜100 重量部”
を、室温にて強撹拌下に加えることによって、製造され
る。この場合も、2重量部より少なくとも100 重量部よ
り多くとも、本発明のコーティング組成物を調製して塗
膜を形成したとき、性能の劣った塗膜しか得られない。
変性ゾルの二重構造コロイド粒子の粒径は、一般に4.5
〜60nmである。酸化スズの水性ゾルに複合体の水性
ゾルを混合すると、酸化スズの粒子と複合体の粒子
とは、化学的に結合するものと推定される。そのため、
製造された変性ゾルは安定に存在するものと推定され
る。このような変性ゾル自身は特開平3−217230号に詳
細に記載されているように公知である。(C)酸化ケイ素薄膜の説明 上述したように、酸化ケイ素薄膜を耐摩耗性被覆の上に
蒸着することは知られている。最上層を酸化ケイ素薄膜
とする多層反射防止膜も知られている。
【0029】本発明に係る酸化ケイ素薄膜は、真空蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの真空
薄膜形成技術で成膜することが好ましい。本発明の酸化
ケイ素薄膜は、屈折率が1.470以下であることが特
徴であり、耐候性を向上させる観点からは、屈折率が
1.46以下、特に1.45以下が好ましい。
【0030】酸化ケイ素薄膜の屈折率は、成膜時の真空
度を酸素あるいは大気(空気)の導入によりコントロー
ルすることによって変化を生じ、真空度を高くするほ
ど、低屈折率の酸化ケイ素薄膜を形成することができ
る。図4は真空蒸着時の真空度と屈折率の関係を示す。
酸化ケイ素薄膜の膜厚は、一般に1mμ〜5mμ位あれ
ば充分である。反射防止効果を持たせるには、光の波長
の1/4程度の膜厚とする。
【0031】反射防止膜は多層でも良く、この場合、酸
化ケイ素薄膜(低屈折率層)は中間層としても良いし、
最上層としても良い。多層反射防止膜は、知られている
ように、基本的には1/4波長の膜厚の低屈折率層と高
屈折率層(例えばZrO2 :Al2 3 :Y2 3 等)
の交互層からなる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。図1は、本発明の光学用成形品の断面図を示した図
である。光学用成形品の一種であるレンズ基材の上に
は、耐摩耗性被覆が形成されており、その上には酸化ケ
イ素の薄膜が形成されている。
【0033】〔屈折率の変化の測定〕まず、蒸着時の真
空度の違いにより、酸化ケイ素薄膜の屈折率がどのよう
に変化するかを測定した。
【0034】実験は、真空蒸着装置内に測定用の青板硝
子基板をセットし、ハロゲンランプで75度に加熱させ
ながら1.0×10-5Torrまで排気したあと、酸素ガス
を導入し所定の真空度毎に厚さλ/4になるように酸化
ケイ素薄膜を蒸着した。それぞれのガラス基材につい
て、分光光度計を用いて屈折率を測定した。図2はその
結果を示しており、真空度が高くなるにつれて屈折率が
低下していることがわかる。
【0035】以下の実施例において、酸化ケイ素薄膜を
形成する方法は上記の方法を用いて行った。 〔実施例1〕 (1) ビヒクル成分の調製:回転子を備えた反応容器中に
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン212.4 重
量部を仕込み、容器内の温度を10℃に保ち、マグネチ
ックスターラーを用いて激しく撹拌しながら、0.01規定
塩酸水溶液48.6重量部を徐々に滴下した。滴下終了後は
直ちに冷却を止めると、均一で無色透明なビヒクル成分
に相当する加水分解物が得られた。
【0036】(2) コーティング組成物の調製:得られた
加水分解物に市販の酸化スズゾルを加え、充分に攪拌す
ることにより均一で無色透明な溶液状のコーティング組
成物を得た。 (3)耐摩耗性被覆、および酸化ケイ素薄膜の形成:市販
の屈折率nd =1.66のポリウレタン系めがねレンズ基材
を用意し、これに浸漬法(引上げ速度10cm/分)で上
記コーティング組成物を塗布し、100℃で2時間加熱
処理して、塗膜を硬化させた。これにより、耐摩耗性被
覆が形成された。
【0037】得られたレンズに、上述したように蒸着の
真空度をコントロールしながら蒸着により酸化ケイ素薄
膜を形成した。詳細は表1に示す。 (4) 耐候性試験:耐候性の試験は、スガ試験機(株)製
のキセノンロングライフフェードメーターを用いて40
0時間光を照射させて行った。
【0038】図3は、屈折率の異なる酸化ケイ素薄膜そ
れぞれの耐候性の変化量を示している。図中、耐候性の
変化量とは、耐候性試験を行う前のレンズの透過率と、
400時間の耐候性試験後のレンズの透過率との差を意
味する。本実施例において、耐候性変化量が5以上のも
のについては不良、5未満のものについては良とした。 〔比較例1〕酸化ケイ素薄膜の蒸着を、従来どおり真空
度コントロールなしで行った以外は実施例1と同様の実
験を行なった。結果は表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】〔実施例2〕 (1) ビヒクル成分の調製:実施例1と同様にして加水分
解物を得た。 (2) コーティング組成物の調製:得られた加水分解物に
市販の酸化アンチモンゾルを加え、充分に攪拌すること
により均一で無色透明な溶液状のコーティング組成物を
得た。
【0041】(3) 耐摩耗性被覆、および酸化ケイ素薄膜
の形成:実施例1と同様にしてレンズ基材上に耐摩耗性
被覆を形成し、得られたレンズに、上述したように蒸着
の真空度をコントロールしながら蒸着により酸化ケイ素
薄膜を形成した。詳細は表2に示す。 (4) 耐候性試験:耐候性の試験は、スガ試験機(株)製
のキセノンロングライフフェードメーターを用いて40
0時間光を照射させて行った。
【0042】図4は、屈折率の異なる酸化ケイ素薄膜そ
れぞれの耐候性の変化量を示している。図中、耐候性の
変化量とは、耐候性試験を行う前のレンズの透過率と、
400時間の耐候性試験後のレンズの透過率との差を意
味する。本実施例において、耐候性変化量が2以上のも
のについては不良、2未満のものについては良とした。
【0043】〔比較例2〕酸化ケイ素薄膜の蒸着を、従
来どおり真空度コントロールなしで行った以外は実施例
2と同様の実験を行なった。詳細は表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】〔実施例3〕 (1) ビヒクル成分の調製:実施例1と同様にして加水分
解物を得た。 (2) コーティング組成物の調製:得られた加水分解物に
市販の酸化スズと酸化タングステンの複合ゾルを加え、
充分に攪拌することにより均一で無色透明な溶液状のコ
ーティング組成物を得た。
【0046】(3) 耐摩耗性被覆、および酸化ケイ素薄膜
の形成:実施例1と同様にしてレンズ基材に耐摩耗性被
覆を形成し、レンズを得た。
【0047】得られたレンズに、表3に示すように、6
層からなる多層反射防止膜を形成した。最外層には、上
述したように蒸着の真空度をコントロールしながら酸化
ケイ素薄膜を蒸着した。 (4) 耐候性試験:耐候性の試験は、スガ試験機(株)製
のキセノンロングライフフェードメーターを用いて40
0時間光を照射させて行った。
【0048】図5は、屈折率の異なる酸化ケイ素薄膜そ
れぞれの耐候性の変化量を示している。図中、耐候性の
変化量とは、耐候性試験を行う前のレンズの透過率と、
400時間の耐候性試験後のレンズの透過率との差を意
味する。本実施例において、耐候性変化量が3以上のも
のについては不良、3未満のものについては良とした。
【0049】〔比較例3〕酸化ケイ素薄膜の蒸着を、従
来どおり真空度コントロールなしで行った以外は実施例
3と同様の実験を行なった。詳細は表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】〔実施例4〕 (1) ビヒクル成分の調製:実施例1と同様にして加水分
解物を得た。 (2) コーティング組成物の調製:得られた加水分解物に
市販の酸化スズと酸化タングステンの複合ゾルで被覆さ
れた酸化スズゾルを加え、充分に攪拌することにより均
一で無色透明な溶液状のコーティング組成物を得た。
【0052】(3) 耐摩耗性被覆、および酸化ケイ素薄膜
の形成:実施例1と同様にしてレンズ基材に耐摩耗性被
覆を形成し、レンズを得た。
【0053】得られたレンズに、表4に示すように、5
層からなる多層反射防止膜を形成した。最外層には、上
述したように蒸着の真空度をコントロールしながら酸化
ケイ素薄膜を蒸着した。 (4) 耐候性試験:耐候性試験、評価とも実施例3と同様
に行った。
【0054】〔比較例4〕酸化ケイ素薄膜の蒸着を、従
来どおり真空度コントロールなしで行った以外は実施例
4と同様の実験を行なった。詳細は表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、耐擦傷
性、表面硬度、耐摩耗性、可撓性、透明性、耐熱性、耐
水性、耐候性等に優れた光学用成形品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示したレンズの断面図
である。
【図2】蒸着の真空度を変化させたときの屈折率の変化
について示した図である。
【図3】屈折率の違いによる耐候性試験の変化量を示し
た図である。
【図4】屈折率の違いによる耐候性試験の変化量を示し
た図である。
【図5】屈折率の違いによる耐候性試験の変化量を示し
た図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学用基材と、 前記光学用基材の上に形成された1〜300ナノメート
    ルの微粒子状無機物を含む耐磨耗性被覆と、 前記耐摩耗性被覆上に形成された1.470以下の屈折
    率を有する酸化ケイ素薄膜とからなることを特徴とする
    光学用成形品。
  2. 【請求項2】 請求項1の光学用成形品において、 前記微粒子状無機物は、酸化アンチモンゾル、酸化ジル
    コニウムゾル、酸化チタンゾル、酸化スズゾル、酸化タ
    ングステンゾル、酸化チタンと酸化セリウムの複合ゾ
    ル、酸化チタンと酸化鉄の複合ゾル、酸化スズと酸化タ
    ングステンの複合ゾル、または、酸化スズと酸化タング
    ステンの複合ゾルで被覆された酸化スズゾルのうちの1
    種、または2種以上を混合したものであることを特徴と
    する光学用成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1の光学用成形品において、 前記酸化ケイ素薄膜は、反射防止膜またはその一部であ
    ることを特徴とする光学用成形品。
JP4152532A 1992-06-12 1992-06-12 光学用成形品 Pending JPH05341104A (ja)

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JP4152532A Pending JPH05341104A (ja) 1992-06-12 1992-06-12 光学用成形品

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JP (1) JPH05341104A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6777706B1 (en) 1998-07-14 2004-08-17 Cambridge Display Technologies Optical devices

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