JPH0534082Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、絶縁基板の上面に形成した抵抗膜
を、ガラスコートで被覆して成るチツプ抵抗器の
改良に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種のチツプ抵抗器におけるガラスコ
ートは、絶縁基板の幅一杯に形成したものであつ
たが、このようなチツプ抵抗器を、プリント基板
等の装着部材への装着に際して左右両側から挟ん
だとき、前記ガラスコートに欠けが発生すること
になる。

そこで最近では、第６図及び第７図に示すよう
に、長手方向の左右両端に電極端子２，３を備え
た絶縁基板１の上面における抵抗膜４を覆うガラ
スコートを、第１のガラスコート５と第２のガラ
スコート６との二層にし、第１のガラスコート５
は、前記絶縁基体１における左右両側面１ａ，１
ｂの縁部まで幅一杯に形成するが、第２のガラス
コート６は、前記抵抗膜４における絶縁基板１の
長さ方向の寸法よりも長い長さＬ２で、絶縁基板
１の幅Ｓ１より狭い幅寸法Ｓ２に形成することに
より、ガラスコートの欠けを低減することが行な
われている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そして、この種のチツプ抵抗器は、従来から良
く知られているように、先づ絶縁基板１の両端部
に電極端子２，３をマスクをかけて塗着形成し、
この両電極端子２，３の間の部分に抵抗膜４を同
じくマスクをかけて塗着形成し、次いで、第１の
ガラスコート５を同様にマスクをかけて塗着形成
し、前記両電極端子２，３に通電用のプローブ
（図示せず）を各々接触することにより抵抗膜４
に通電した状態で、抵抗膜４をその抵抗値が所定
値になるようにレーザトリミングしたのち、第２
のガラスコート６を、前記と同様にマスクをかけ
て塗着形成し、最後に、前記両電極端子２，３に
半田メツキを施すことにより製造される。

この場合、絶縁基板１に対する前記両電極端子
２，３、抵抗膜４、第１のガラスコート５及び第
２のガラスコート６の塗着位置には、その塗着に
際して使用するマスクのずれ動きにより、互いに
ずれる誤差が存在するものであるから、このずれ
誤差のうち特に絶縁基板１の幅方向におけるずれ
誤差が重なると、第８図に示すように、両電極端
子２，３にけおる側面の一部分２ａ，３ａが第１
のガラスコート６及び第２のガラスコート６より
はみだして露出する場合がある。

このような場合、そのまま、両電極端子２，３
に対して半田メツキを施すことは、両電極端子
２，３のうち前記のように第２のガラスコート６
の左右両側から露出する部分２ａ，３ａに半田が
高く盛り上がり成長することになるから、製品の
外観形状が損なわれるのであり、場合によつて
は、前記部分２ａ，３ａに盛り上がり成長した半
田が互いに一体化して不良品となる不具合が発生
するのであつた。

なお、この不具合を解消するには、前記第１の
ガラスコート５における絶縁基板１の長さ方向の
長さを、第７図に二点鎖線Ａで示すようにＬ１か
らＬ１′に増大すれば良いと考えられるが、かく
すると、抵抗膜４に対するレーザトリミングに際
して、両電極端子２，３に対して通電用のプロー
ブを接触するときの面積が狭くなり、接触不良が
発生して、レーザトリミング不能の事態を招来す
るから、得策ではないのである。

本考案は、このような不具合の発生を防止した
チツプ抵抗器を提供することを目的とするのもの
である。

〔問題を解決するための手段〕

この目的を達成するために本考案は、絶縁基板
の上面に、両端が前記絶縁基板の両端に形成した
電極端子に導通する抵抗膜を形成し、前記絶縁基
板の上面に、前記抵抗膜を覆う第１のガラスコー
トを、前記絶縁基板における左右両側面の縁部ま
で幅一杯に延びるように形成し、更に、その上
に、第２のガラスコートを、前記第１のガラスコ
ートにおける前記基板の長さ方向に沿つた長さ寸
法よりも長い長さで、且つ、前記絶縁基板の幅寸
法よりも狭い幅寸法にて形成して成るチツプ抵抗
器において、前記第１のガラスコートにおける絶
縁基板の長さ方向に沿つた長さ寸法を、絶縁基板
における左右両側面の中間の部分において部分的
に短くして、当該第１のガラスコートにおける左
右両端の縁部に入り込み部を形成する構成にし
た。

〔考案の作用・効果〕

このように構成することにより、第１のガラス
コートにて、両電極端子における絶縁基板の幅方
向の左右両側部分を塗着位置のずれに対しても完
全に覆い隠すことができるように構成した場合に
おいても、当該第１のガラスコートにおける左右
両端の縁部に形成した入り込み部によつて、抵抗
膜に対するレーザトリミングに際して、両電極端
子に対して通電用のプローブを接触するときの面
積を十分に確保することができるのである。

従つて本考案によると、抵抗膜に対するレーザ
トリミングに際してのプローブの接触不良の発生
を招来することなく、両電極端子、抵抗膜及び両
ガラスコートの塗着位置のずれ誤差のために、両
電極端子に対する半田メツキに際して不良品が発
生することを確実に低減できる効果を有する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

図において符号１は、セラミツク等の絶縁基板
を示し、該絶縁基板１における長さ方向の両端部
には、電極端子２，３が、上面には、抵抗膜４が
各々形成されている。

図において符号５は、前記絶縁基板１の上面
に、前記抵抗膜４を覆うように塗着形成した第１
のガラスコートを示し、該第１のガラスコート５
は、前記絶縁基板１における左右両側面１ａ，１
ｂの縁部まで幅一杯に形成されており、また、前
記抵抗膜４は、この第１のガラスコート５の塗着
形成後において、両電極端子２，３に通電用のプ
ローブ（図示せず）を各々接触して通電した状態
で、当該抵抗膜４における抵抗値が所定値になる
ようにレーザトリミングされる。

更に、図中符号６は、前記第１のガラスコート
５を覆うように塗着形成した第２のガラスコート
を示し、該第２のガラスコート６における幅寸法
Ｓ２は、前記絶縁基板１の幅寸法Ｓ１より狭い寸
法に構成され、また、第２のガラスコート６にお
ける長さ寸法Ｌ２は、前記抵抗膜４の全体を覆う
ことができるように抵抗膜４の長さよりも長い長
さに構成されている。

そして、前記第１のガラスコート５における絶
縁基板１の長さ方向の長さを、前記絶縁基板１の
左右両側面１ａ，１ｂの縁部においては長い長さ
Ｌ１ａに、絶縁基板１における左右両側面１ａ，
１ｂの中間部分においては幅方向の適宜寸法Ｓの
部分のみを部分的短い長さＬ１ｂにすることによ
つて、当該第１のガラスコート５における左右両
端の縁部に入り込み部５ａ，５ｂを形成する。

このように構成すると、絶縁基板１の上面に対
する両電極端子２，３、第１のガラスコート５及
び第２のガラスコート６の塗着位置が、第５図に
示すように前記絶縁基板１の幅方向に互いに逆方
向にずれた場合においても、前記両電極端子２，
３における左右両側の部分２ａ，３ａを、前記第
１のガラスコート５においてその長さがＬ１ａと
長い部分によつて覆い隠すことができ、換言する
と、両電極端子２，３の一部がガラスコートから
露出することを確実に防止できるのである。

一方、前記第１のガラスコート６における絶縁
基板１の長さ方向の長さを、前記絶縁基板１の左
右両側面１ａ，１ｂの中間部分において部分的に
短い長さＬ１ｂに形成することによつて、第１の
ガラスコート５における左右両端の縁部に入り込
み部５ａ，５ｂを形成したことにより、抵抗膜４
に対するレーザトリミングに際して、両電極端子
２，３に対して通電用のプローブを接触するとき
の面積を十分に確保できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すチツプ抵抗器の
縦断正面図、第２図は第１図の平面図、第３図は
第２図の−視断面図、第４図は第２図の−
視断面図、第５図は第１図のチツプ抵抗器にお
いて電極端子及びガラスコートの塗着位置にずれ
が生じた場合の平面図、第６図は従来のチツプ抵
抗器の縦断正面図、第７図は第６図の平面図、第
８図は従来のチツプ抵抗器において電極端子及び
ガラスコートの塗着位置にずれが生じた場合の平
面図である。 １……絶縁基板、１ａ，１ｂ……左右両側面、
２，３……電極端子、４……抵抗膜、５……第１
のガラスコート、５ａ，５ｂ……第１のガラスコ
ートにおける入り込み部、６……第２のガラスコ
ート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁基板１の上面に、両端が前記絶縁基板１の
   両端に形成した電極端子２，３に導通する抵抗膜
   ４を形成し、前記絶縁基板４の上面に、前記抵抗
   膜４を覆う第１のガラスコート５を、前記絶縁基
   板１における左右両側面１ａ，１ｂの縁部まで幅
   一杯に延びるように形成し、更に、その上に、第
   ２のガラスコート６を、前記第１のガラスコート
   ５における絶縁基板１の長さ方向に沿つた長さ寸
   法よりも長い長さで、且つ、前記絶縁基板１の幅
   寸法よりも狭い幅寸法にて形成して成るチツプ抵
   抗器において、前記第１のガラスコート５におけ
   る絶縁基板１の長さ方向に沿つた長さ寸法を、絶
   縁基板１における左右両側面１ａ，１ｂの中間の
   部分において部分的に短くして、当該第１のガラ
   スコート５における左右両端の縁部に入り込み部
   ５ａ，５ｂを形成したことを特徴とするチツプ抵
   抗器。