JPH0533945U - 連鋳鋳込設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多品種小ロットの連鋳鋳込みに好適に適用し
得る比較的コンパクトな連鋳鋳込設備を提供する。 【構成】 連鋳用鋳型３部の近傍に溶鋼取鍋２を装脱且
つ旋回可能に支持する取鍋交換装置１を配設するととも
に、鋳型３部と排滓９部との間にわたって敷設されたレ
ール６上にタンディッシュ５を装脱可能に載設する走行
台車４を設け、この走行台車４に、タンディッシュ５を
長手方向を軸として横転するための横転装置10を設ける
一方、前記レール６に沿って、タンディッシュ５内に保
持された溶鋼の成分調整のための合金投入装置８および
タンディッシュ５内の溶鋼の温度保持あるいは昇温のた
めの溶鋼加熱装置７を配設するとともに、さらに排滓部
９にタンディッシュ整備装置11を配設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、連鋳鋳込設備に関し、特にタンディッシュの熱間繰返し操業に適し た連鋳鋳込設備に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

連鋳鋳込設備は、例示するまでもなく周知の技術に属するものであり、溶鋼取 鍋、タンディッシュ、鋳型により主要構成されている。

【０００３】 図３に示す連鋳鋳込設備は、最も一般的な構成のものであって、２個の溶鋼取 鍋25を装脱且つ旋回可能に支持する取鍋交換装置26の一側に設けた走行レール27 上に、それぞれにタンディッシュ28を載置した走行台車29の２台を走行可能に配 設し、各走行台車29を交替に取鍋交換装置26側に走行させて、取鍋25からの溶鋼 をタンディッシュ28内に受けてタンディッシュ28の外底に設けられた鋳込みノズ ル（図示せず）を介して鋳型（図示せず）に注湯して鋳造を行い。１台の走行台 車29が鋳込位置にある時は、他の走行台車29は待機位置に在って、次回の鋳込み に備えるようにしている。

【０００４】 ところで、上記の如き装置では、一般にタンディッシュ28に対する整備が冷間 整備であるため、タンディッシュ28は冷却され、待機時における次の鋳造のため の再加熱に時間を要する。また再加熱したとしても充分な高温は得られず鋳造開 始時におけるタンディッシュ28内の溶鋼に対する耐火物での熱吸収が大きく、こ のため、溶鋼温度が下降し、溶湯内介在物の浮上分離が妨げられ、品質に影響を 及ぼす。また走行台車29上におけるタンディッシュ28には自在な運動性が与えら れていないので、作業性の点で各種の不都合を生じている。

【０００５】 そこで、本出願人は、上記の問題点を解決するために、取鍋を装脱且つ旋回可 能に支持するとともに、走行台車上にタンディッシュを自在な運動性を付与して 可動的に且つ溶湯加熱手段とともに搭載することにより熱間反復使用を可能とし 、鋳造開始に先立って取鍋よりタンディッシュへの注湯、更にはタンディッシュ の待機位置より鋳込位置への移動工程、連鋳操業の全工程においてタンディッシ ュ内溶湯の温度制御を可能とし、更には鋳造終了後のタンディッシュ内残存の地 金、滓等の排滓物を自動的に溶融、排除可能とした連鋳鋳込設備を開発し、出願 した。（特開昭63−220951号公報参照）

【０００６】 具体的には、連鋳用鋳型部と排滓部との間にわたって進退可能に設けられる走 行台車上に、注湯用バルブ口および排滓口を設けた注湯用タンディッシュを旋回 兼傾動可能に載設するとともにタンディッシュ内溶湯の加熱装置を併設し、前記 走行台車の走行経路側方に溶湯取鍋を装脱兼旋回可能に支持する取鍋移動部材を 配設するとともに、前記取鍋底部には前記タンディッシュの旋回支点位置と正対 可能な排湯用バルブ口を設けた構成からなる鋳込設備である。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記の連鋳鋳込設備では、図３に示す従来設備が有する問題点を解 消し、特に熱間繰返し操業の実施が可能となったが、多品種小ロットの連鋳鋳込 みに適用する場合に次の如き問題がある。

【０００８】 すなわち、多品種小ロットでは排滓回数が増える分、タンディッシュ内に残っ た溶鋼等を排滓する位置と排滓後のタンディッシュ整備位置とが離れているため その移動に時間がかかり作業ロスが大きくなる。また、排滓位置でタンディッシ ュの整備をする場合、タンディッシュが長手方向に傾動するため安定した固定位 置を得るには大掛かりな且つ複雑な傾動装置が必要となり実用的でない。また、 成分調整を行う場合、成分調整された合金を投入しなければならないが、その投 入装置を設ける適切な場所が無い。

【０００９】 本考案は、上記の問題点を解消するためになしたものであって、その目的は、 特に多品種小ロットの連鋳鋳込みに好適に適用し得る比較的コンパクトな連鋳鋳 込設備を提供するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係わる連鋳鋳込設備は、連鋳用鋳型部の 近傍に溶鋼取鍋を装脱且つ旋回可能に支持する取鍋交換装置を配設するとともに 、鋳型部と排滓部との間にわたって敷設されたレール上にタンディッシュを装脱 可能に載設する走行台車を設けてなる連鋳鋳込設備において、タンディッシュの 受湯口と注湯口とを結ぶ線を軸としてタンディッシュを横転するための横転装置 を前記走行台車に設ける一方、前記レールに沿って、タンディッシュ内に保持さ れた溶鋼の成分調整のための合金投入装置およびタンディッシュ内の溶鋼の温度 保持あるいは昇温のための溶鋼加熱装置を配設するとともに、さらに排滓部にタ ンディッシュ整備装置を配設したものである。

【００１１】

【実施例】

本考案の連鋳鋳込設備の適切な実施例を図１乃至図＊を参照して説明する。 図１は、本考案の連鋳鋳込設備の全体配置を示す平面図、図２は、図１の側面 図である。図において、１は取鍋交換装置、２は取鍋、３は鋳型、４は走行台車 、５はタンディッシュ、６は走行台車４の走行レール、７はプラズマ加熱装置、 ８は合金投入装置、９は排滓部、10はタンディッシュ横転装置、11はタンディッ シュ整備装置を示す。

【００１２】 取鍋交換装置１は、基台上に立設され、少なくとも２個のアーム12を独立旋回 可能に備え、従来より知られている取鍋交換装置と同様にアーム12に取鍋２を着 脱可能に支持するようになっている。

【００１３】 走行台車４は、タンディッシュ５を脱着可能に載置するとともに、その長手方 向支持軸としてタンディッシュ５を横転するフレーム13を装備し、鋳型３と排滓 部９との間に敷設された走行レール６上を図外の駆動モータにより自走する。

【００１４】 タンディッシュ５は、従来より使用されているものと同じものであって、タン ディッシュ本体とタンディッシュ蓋とで構成され、タンディッシュ蓋はタンディ ッシュ本体の横側壁上端面に溶滓排出口を残して気密的に固設されている。また タンディッシュ本体の底部前方には注湯口が設けられている。またタンディッシ ュ蓋には、前記注湯口に対向する位置に注湯口等の整備用開口、後部に取鍋２か らの受湯口が設けられ、これら開口の間にプラズマ加熱用開口が設けられ、これ ら開口には必要時以外は蓋を設けるようになっている。

【００１５】 プラズマ加熱装置７は、走行レール６の前方且つ鋳型３の近傍に設けられた機 台14上にタンディッシュ５に対して進退可能に設けられるとともに、先端部に装 備されたプラズマトーチ15がタンディッシュ蓋に設けられたプラズマ加熱用開口 に対して挿脱可能に設けられている。

【００１６】 合金投入装置８は、鋳型３と排滓部９とのほぼ中間の上部架台に設けられ、そ の投入用ホッパー16がタンディッシュ蓋に設けられた合金投入口に対して昇降し て挿脱し得るように構成されている。

【００１７】 排滓部９は、機台に開口17が設けられ、その下方の機台には台車に搭載された 排滓ポット18が待機しており、タンディッシュ５を横転して排滓した溶鋼および 溶滓をポット18に受けるように構成されている。

【００１８】 タンディッシュ横転装置10は、前記排滓部９の一側（図１の下側）の機台上に 設けられた駆動モータ19、減速機20および前記タンディッシュ横転フレーム13と で構成され、減速機20の出力軸が前記走行台車４のタンディッシュ横転フレーム 13の従動軸と係脱し得るように構成されている。

【００１９】 タンディッシュ整備装置11は、前記排滓部９の後方の機台上に配設された台車 21とその上の加熱バーナ22等とで構成され、排滓部９において走行台車４上に載 置されたタンディッシュ５を横転して排滓を行う際、９０度横転した状態で、タ ンディッシュ蓋の整備用開口やプラズマ加熱用開口等に加熱バーナ22等を挿入し てタンディッシュ５内に付着した鋼滓等を除去整備するとともに、必要であれば 退避可能に設けられている整備台車23により排滓口の整備さらにはレンガ交換を 行う。また必要であれば図示省略するノズル交換装置によりタンディッシュ５の 外底部に設けられたスライドバルブを交換整備する。

【００２０】 上記の如く構成された鋳込設備であるから、前ロットを鋳型３への鋳込んだ後 、溶湯合金が変わる場合は、走行台車４を合金投入装置８の下に移動し、その位 置で予め成分調整された合金の投入を受け、次いで鋳型３上に移動し、その位置 で取鍋２から溶鋼を受湯すると同時にプラズマ加熱装置７により溶鋼加熱を受け 、所定加熱の後に鋳型３への鋳込みを行うことができる。また、鋳込みが全て完 了したら、走行台車４を排滓部９上に移動し、タンディッシュ横転装置10を連結 させてタンディッシュ５を横転し、同時に所定の整備を行い、その後、鋳型３上 に移動し、その位置で取鍋２から溶鋼を受湯すると同時にプラズマ加熱装置７に より溶鋼加熱を行いながら次のロットの鋳込みに備えることもできる。

【００２１】 このように、上記構成の鋳込装置では、タンディッシュ５内に残った溶鋼等の 排滓作業と排滓後のタンディッシュ５の整備作業とが排滓部９において同時に行 えるためタンディッシュ５の移動時間が少なく、排滓および整備作業が短時間に 効率的に行える。しかも、排滓はタンディッシュ５を横転して行うので、従来の ように長手方向に傾動する形式に比べて横転装置や横転機構がコンパクトになり 且つ整備装置が安全に設け易く、また整備作業の安全性が良い。

【００２２】 また、合金投入装置８が設けられているので、成分調整を行う場合、予め成分 調整を行った合金を投入することができ、効率的に成分変えが行える。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係わる連鋳鋳込設備によれば、タンディッシュ 内の残滓の排滓作業とその後の整備作業が短時間に効率的に行えるので、タンデ ィッシュの熱間繰返し操業が効果的に行え、特に排滓回数が増える多品種小ロッ トの連鋳鋳込みが効率的に行えるとともに、その成分変えも効率的に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の連鋳鋳込設備の全体配置を示す平面図
である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】従来の連鋳鋳込設備の説明図である。

【符号の説明】

１：取鍋交換装置 ２：取鍋
３：鋳型 ４：走行台車 ５：タンディッシュ
６：走行レール ７：プラズマ加熱装置 ８：合金投入装置
９：排滓部 10：タンディッシュ横転装置 11：タンディッシ
ュ整備装置 12：アーム 15：プラズマトーチ 1
6：投入用ホッパー 17：開口 18：排滓ポット 1
9：駆動モータ 20：減速機 21：台車 2
2：加熱バーナ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 連鋳用鋳型部の近傍に溶鋼取鍋を装脱且
   つ旋回可能に支持する取鍋交換装置を配設するととも
   に、鋳型部と排滓部との間にわたって敷設されたレール
   上にタンディッシュを装脱可能に載設する走行台車を設
   けてなる連鋳鋳込設備において、タンディッシュの受湯
   口と注湯口とを結ぶ線を軸としてタンディッシュを横転
   するための横転装置を前記走行台車に設ける一方、前記
   レールに沿って、タンディッシュ内に保持された溶鋼の
   成分調整のための合金投入装置およびタンディッシュ内
   の溶鋼の温度保持あるいは昇温のための溶鋼加熱装置を
   配設するとともに、さらに排滓部にタンディッシュ整備
   装置を配設したことを特徴とする連鋳鋳込設備。