JPH0750042Y2

JPH0750042Y2 - 連続鋳造設備におけるタンディッシュの残鋼滓排出装置

Info

Publication number: JPH0750042Y2
Application number: JP1990028818U
Authority: JP
Inventors: 勝若林; 宏社本
Original assignee: Hitachi Zosen Corp
Current assignee: Hitachi Zosen Corp
Priority date: 1990-03-20
Filing date: 1990-03-20
Publication date: 1995-11-15
Anticipated expiration: 2005-03-20
Also published as: JPH03120947U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野タンデイツシユから連続鋳造用モールドへ溶鋼を供給す
るための、連続鋳造設備におけるタンデイツシユの残鋼
滓排出装置に関する。

従来の技術連続鋳造施設におけるタンデイツシユ熱間繰り返し操業
設備は、第６図に示すように、作業床１上で、下方のモ
ールド２の上方のレードル３との間の注湯位置（イ）
と、注湯位置（イ）の両側の待機（予熱）位置（ロ）、
（ハ）の間に走行レール４を介して移動自在な２台のタ
ンデイツシユカー5A,5Bを備え、たとえば図面右方のタ
ンデイツシユカー5Aを注湯位置（イ）に移動させ、レー
ドル３からの溶鋼をタンデイツシユ6Aに受け、タンデイ
ツシユ6Aからスライデイングノズルを介してモールド２
内に注湯を行う。注湯作業終了後、タンデイツシユカー
5Aを待機位置（ロ）に後退させ、左方のタンデイツシユ
カー5Bを待機位置（ハ）から注湯位置（イ）に移動して
操業を行う。

注湯作業の終了時には、タンデイツシユ6A内にスラグや
シエルの多い残溶鋼滓が３〜5t程度残されており、これ
を排出して次の操業に備えなければならない。そのた
め、従来では待機位置（ロ）のタンデイツシユ6Aをタン
デイツシユクレーンで吊り上げて作業床１から離れた整
備場に運び、タンデイツシユ6Aの残溶鋼滓を冷却後タン
デイツシユ6Aを傾斜させて固まつた残鋼滓を排出してい
る。この時、残鋼滓と共にタンデイツシユ6Aの耐火壁の
一部が剥離して脱落するため、その耐火壁を補修して乾
燥してからタンデイツシユ6Aを待機位置（ロ）のタンデ
イツシユカー5Aに戻し、予熱して次の使用に備えてい
た。

しかし、このような作業ではタンデイツシユ6A,6Bを一
旦冷却させるため熱効率もきわめて悪く、また耐火壁の
補修のため高コストになるという問題がある。

そのため、タンデイツシユカー5A,5Bにタンデイツシユ6
A,6Bの傾転装置を設け、待機位置（ロ）、（ハ）でタン
デイツシユ6A,6Bを傾動して溶融状態の残鋼滓を排出す
るものが提案されている。

考案が解決しようとする課題しかし上記設備では、作業床１上のタンデイツシユカー
5A,5Bにおいて、タンデイツシユ6A,6Bを約90度傾転して
タンデイツシユ6A,6B内に残溜した３〜5tの残溶鋼滓を
迅速かつ確実に排出しなければならない。そのため、タ
ンデイツシユ6A,6Bの排滓口からの溶鋼滓流出時に、残
溶鋼滓の条件によつては60度を越えた傾転角度で、溶鋼
が飛散する可能性があり、タンデイツシユ6A,6B内の溶
鋼量を検出するロードセルや位置制御装置等の精密機器
を備えたタンデイツシユカー5A,5Bや走行レール４を汚
染するおそれがあつた。しかも待機位置（ロ）、（ハ）
付近の作業床１上では、人手による作業が多く、作業員
に危険を及ぼすおそれがあつた。

本考案は上記問題点を解決して、タンデイツシユ台車や
その走行レールの汚染もなく安全に残鋼滓が排出でき、
熱エネルギーの使用量や操業コストも低減できる連続鋳
造設備におけるタンデイツシユの残鋼滓排出装置を提供
することを目的とする。

課題を解決するための手段上記問題点を解決するために本考案は、タンデイツシユ
を搭載してモールド上方の注湯位置と待機位置の間で作
業床上を移動自在なタンデイツシユカーを備えた連続鋳
造設備において、待機位置と作業床端部の残鋼排出位置
の間を移動自在で、タンデイツシユをタンデイツシユカ
ーとの間で受け渡し自在なタンデイツシユ傾転台車を設
け、このタンデイツシユ傾転台車に、タンデイツシユを
排滓口が下方に向くように傾動させる傾動装置を設け、
前記残鋼排出位置の作業床下方に排滓ポツトを設けたも
のである。

作用上記構成において、使用後のタンデイツシユは、タンデ
イツシユカーにより注湯位置から待機位置まで移動され
てタンデイツシユ傾転台車に受け渡され、タンデイツシ
ユ傾転台車により作業床端部近傍の残鋼排出位置に運ば
れる。そして傾動装置によりタンデイツシユを傾動させ
て、排滓口から排滓ポツトにタンデイツシユ内の残溶鋼
滓を排出させる。そして、タンデイツシユを元の姿勢に
して待機位置のタンデイツシユカーに戻し、予熱して再
使用する。したがつて、残溶鋼滓がタンデイツシユカー
や走行レールを汚染することもなく、安全に行える。

実施例以下本考案の一実施例を第１図〜第５図に基づいて説明
する。従来例と同一部材には同一符号を付して説明を省
略する。

第１図に示すように、作業床１上には待機位置（ロ）、
（ハ）から、それぞれレードルベイ近傍で作業床１の端
部近傍に位置する残鋼排出位置（ニ）、（ホ）に左右一
対の移送レール11が走行レール４に直交する方向に敷設
され、タンデイツシユカー5A,5Bとの間でタンデイツシ
ユ6A,6Bを受渡し可能なタンデイツシユ傾転台車12が移
動自在にそれぞれ配設される。

前記タンデイツシユ6A,6Bは、第２図、第３図に示すよ
うに、平面視で左右両側が細幅の略長方形状に形成され
て下面に左右一対の注湯用スライデイングノズル13を備
え、上面を覆うカバー体14の中央部にはレードル３から
の溶鋼を注入する注湯口15が開口されている。また、中
央部から後方に延びて開口する排滓口16が形成され、排
滓口16には開閉シリンダ17により開閉可能な蓋体18が配
設されてオーバーフローした溶鋼や残溶鋼を排出できる
ように構成される。さらに、タンデイツシユ6A,6Bの左
右両側面には、それぞれトラニオン軸19が水平方向に突
設され、トラニオン軸19から所定間隔をあけて後方に
は、トラニオン軸19と平行な軸心回りに回転自在なガイ
ドローラ20がそれぞれ配設されている。

タンデイツシユカー5A,5Bは走行レール４に案内される
走行車輪21を備え、所定間隔離れた前後左右位置４ケ所
に支持ジヤツキ6A,6Bが、前部両側と排滓口16両側に設
けられた受部23を支持ジヤツキ22により下方から昇降自
在に支持されている。

タンデイツシユ傾転台車12は、第４図、第５図に示すよ
うに、移送レール11に沿つて配置されてタンデイツシユ
6A,6Bの両側部を支持する左右一対の支持フレーム24
と、これら支持フレーム24の後端部を連結する連結フレ
ーム25とで、平面視がコの字形に形成される。支持フレ
ーム24の前後位置には移送レール11に案内される車輪26
A,26Bがそれぞれ配設され、前部の車輪26Aが走行装置27
により駆動される。また、支持フレーム24上にはタンデ
イツシユ6A,6Bを支持するとともに、水平姿勢のタンデ
イツシユ6A,6Bを残滓口16が下方に向くように垂直姿勢
（ト）に約90度傾動させる傾動装置28が配設されてい
る。

この傾動装置28は、支持フレーム24上面で前後方向に移
動自在に配設されるとともにタンデイツシユ6A,6Bのト
ラニオン軸19を回動自在に支持する押引台車29と、タン
デイツシユ6A,6Bのガイドローラ20を案内するガイドレ
ール30と、押引台車29を移動するトラニオン駆動装置31
とで構成される。前記押引台車29は、車輪32を介して支
持フレーム24上面に前後方向に敷設された押引レール33
に案内され、押引台車29の上部には、上方からトラニオ
ン軸19を嵌脱自在でかつ回動自在に支持する谷形状の軸
受部34が設けられる。ガイドレール30は、支持フレーム
24の内面側で前部水平部30aから湾曲部30bを介して後部
垂直部30cに至る逆Ｌ字形に形成されている。トラニオ
ン駆動装置31は、前端部が押引台車29に連結された駆動
軸（ラツク軸またはねじ軸）35を出退駆動して押引台車
29を前後方向に移動させることができる。したがつて、
第４図実線または第５図右半分に示すようにトラニオン
軸19が前方位置で押引台車29の軸受部34に嵌合されると
ともに、ガイドローラ20がガイドレール30の前部水平部
30aに支持された水平姿勢（ヘ）のタンデイツシユ6A,6B
は、トラニオン駆動装置31を駆動し押引台車29を介して
トラニオン軸19を後方に移動することにより、ガイドロ
ーラ20をガイドレール30の前部水平部30aから湾曲部30b
に移動させ、排滓口16が下方に向くようにタンデイツシ
ユ6A,6Bが矢印Ａ方向に傾動され、さらに第４図仮想線
または第５図左半分に示すように、タンデイツシユ6A,6
Bを垂直姿勢（ト）にすることができる。

前記残鋼排出位置（ニ）、（ホ）の作業床１には残鋼排
出口36が形成され、内部には残溶鋼滓のガイド壁37と排
滓ポツト38が配設されている。

上記構成において、使用後のタンデイツシユ6Aは、タン
デイツシユカー5Aにより注湯位置（イ）から待機位置
（ロ）に移動され、支持ジヤツキ22が伸展されてタンデ
イツシユ6Aを所定の高さまで持ち上げる。そして、タン
デイツシユ傾転台車12を待機位置（ロ）に移動させて支
持フレーム24をトラニオン軸19の下方に挿入し、支持ジ
ヤツキ22を収縮してタンデイツシユ6Aをタンデイツシユ
傾転台車12に受け渡す。つぎに、タンデイツシユ傾転台
車12を残滓排出位置（ニ）まで移動させ、トラニオン駆
動装置31を駆動して押引台車29を後方に移動させ、タン
デイツシユ6Aを水平姿勢（ヘ）から矢印Ａ方向に垂直姿
勢（ト）まで傾動させるとともに、開閉シリンダ17を駆
動して蓋体18を開動し排滓口16を開放する。これによ
り、タンデイツシユ6A内の残溶鋼滓はすべて排滓口16か
ら排滓ポツト38に排出される。スライデイングノズル13
を交換した後、タンデイツシユ6Aを水平姿勢（ヘ）に戻
し、タンデイツシユ傾転台車12を待機位置（ニ）まで移
動し、タンデイツシユ6Aをタンデイツシユカー5Aに受け
渡す。そして予熱されて再使用される。

上記タンデイツシユ6Aの残溶鋼滓の排出やノズル交換、
予熱作業中は他方のタンデイツシユ6Bが使用され、これ
らの工程が繰り返えされて連続操業される。

考案の効果以上に述べたごとく本考案によれば、待機位置とは離れ
た作業床端部近傍の残鋼排出位置で、タンデイツシユを
傾動して残溜溶鋼滓を排出できるので、タンデイツシユ
カーを走行レールを汚染することがなく、また人手によ
る作業の多い待機位置から離れているとともに作業床下
方の排滓ポツトに溶鋼滓を排出するので、作業員への安
全性も確保できる。しかも、溶融状態で残鋼滓を排出す
るので、タンデイツシユ内の耐火壁も剥れることもなく
補修も不要で、タンデイツシユの温度低下も小さく予熱
の熱エネルギーを節約することができ、操業コストも低
減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の一実施例を示し、第１図は作
業床の平面図、第２図、第３図はタンデイツシユカーの
平面図および側面図、第４図および第５図はタンデイツ
シユ傾転台車の側面図および平面図、第６図は従来の作
業床の平面図である。（イ）…注湯位置、（ロ）、（ハ）…待機位置、
（ニ）、（ホ）…残鋼排出位置、１…作業床、２…モー
ルド、３…レードル、４…走行レール、5A,5B…タンデ
イツシユカー、6A,6B…タンデイツシユ、11…移送レー
ル、12…タンデイツシユ傾転台車、16…排滓口、19…ト
ラニオン軸、20…ガイドローラ、22…支持ジヤツキ、28
…傾動装置、29…押引台車、30…ガイドレール、33…押
引レール、36…残鋼排出口、38…排滓ポツト。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】タンデイツシユを搭載してモールド上方の
注湯位置と待機位置の間で作業床上を移動自在なタンデ
イツシユカーを備えた連続鋳造設備において、待機位置
と作業床端部の残鋼排出位置の間を移動自在で、タンデ
イツシユをタンデイツシユカーとの間で受け渡し自在な
タンデイツシユ傾転台車を設け、このタンデイツシユ傾
転台車に、タンデイツシユを排滓口が下方に向くように
傾動させる傾動装置を設け、前記残鋼排出位置の作業床
下方に排滓ポツトを設けたことを特徴とする連続鋳造設
備におけるタンデイツシユの残鋼滓排出装置。