JPH05339295A - 抗体の作成方法 - Google Patents
抗体の作成方法Info
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- JPH05339295A JPH05339295A JP34867791A JP34867791A JPH05339295A JP H05339295 A JPH05339295 A JP H05339295A JP 34867791 A JP34867791 A JP 34867791A JP 34867791 A JP34867791 A JP 34867791A JP H05339295 A JPH05339295 A JP H05339295A
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- JP
- Japan
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- dhfr
- antibody
- peptide
- lek
- fusion protein
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】ジヒドロ葉酸還元酵素(以下DHFR)のカル
ボキシル末端に目的ペプチドを結合した融合タンパク質
を作成し、それを免疫用抗原として用いることを特徴と
する抗体の作成方法の提供。 【構成】遺伝子工学的手法を用いた目的ペプチドをカル
ボキシ末端側に有するDHFR融合タンパク質の作成、
目的融合タンパク質の宿主菌からの精製分離、および高
度精製した目的融合タンパク質を用いた動物の免疫感作
用、の手段より構成されるペプチドに対する抗体の調製
方法。
ボキシル末端に目的ペプチドを結合した融合タンパク質
を作成し、それを免疫用抗原として用いることを特徴と
する抗体の作成方法の提供。 【構成】遺伝子工学的手法を用いた目的ペプチドをカル
ボキシ末端側に有するDHFR融合タンパク質の作成、
目的融合タンパク質の宿主菌からの精製分離、および高
度精製した目的融合タンパク質を用いた動物の免疫感作
用、の手段より構成されるペプチドに対する抗体の調製
方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遺伝子工学的にジヒド
ロ葉酸還元酵素(以下DHFR)のカルボキシル末端に
目的ペプチドを結合した融合タンパク質を作成し、それ
を免疫用抗原として用いることを特徴とする抗体の作成
方法に関するものである。本発明の産業上の利用分野と
しては、臨床検査及び医薬品製造の分野が上げられる。
ロ葉酸還元酵素(以下DHFR)のカルボキシル末端に
目的ペプチドを結合した融合タンパク質を作成し、それ
を免疫用抗原として用いることを特徴とする抗体の作成
方法に関するものである。本発明の産業上の利用分野と
しては、臨床検査及び医薬品製造の分野が上げられる。
【0002】
【従来の技術】生体内に存在する微量生理活性物質を特
異的に検出し定量する方法として、抗原−抗体反応にお
ける免疫学的分子認識特性と放射性同位元素の放射能ま
たは酵素活性の高感度検出による定量特性を組み合わせ
た放射免疫測定法(RIA)及び酵素免疫測定法(EI
A)が知られている。これら免疫測定法は血清など試料
中の測定対象物質を高感度かつ比較的容易に定量できる
ことから、測定対象物質の数が年々増加の一途をたどっ
ており、臨床検査など医療福祉の分野において一つの産
業を形成しつつある。特にEIAはRIAが法的規制の
ある放射性同位元素を用いなければならない不便さがあ
るのに対し、酵素活性を検出手段に用いるため取扱いが
容易であり、最近はEIAによる測定法が普及しつつあ
る。
異的に検出し定量する方法として、抗原−抗体反応にお
ける免疫学的分子認識特性と放射性同位元素の放射能ま
たは酵素活性の高感度検出による定量特性を組み合わせ
た放射免疫測定法(RIA)及び酵素免疫測定法(EI
A)が知られている。これら免疫測定法は血清など試料
中の測定対象物質を高感度かつ比較的容易に定量できる
ことから、測定対象物質の数が年々増加の一途をたどっ
ており、臨床検査など医療福祉の分野において一つの産
業を形成しつつある。特にEIAはRIAが法的規制の
ある放射性同位元素を用いなければならない不便さがあ
るのに対し、酵素活性を検出手段に用いるため取扱いが
容易であり、最近はEIAによる測定法が普及しつつあ
る。
【0003】免疫測定法を確立する場合、測定対象生理
活性分子に対して特異的に結合する抗体を調製しなけれ
ばならない。一般に、分子量数千もしくはそれ以下のペ
プチドは抗原活性が極めて低く、ペプチドをウシ血清ア
ルブミン(BSA)等の高分子担体に化学結合させ、抗
原活性を高めた複合体を調製し、免疫感作をしなければ
ならない。
活性分子に対して特異的に結合する抗体を調製しなけれ
ばならない。一般に、分子量数千もしくはそれ以下のペ
プチドは抗原活性が極めて低く、ペプチドをウシ血清ア
ルブミン(BSA)等の高分子担体に化学結合させ、抗
原活性を高めた複合体を調製し、免疫感作をしなければ
ならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
低分子ペプチドの高分子担体への結合には、グルタルア
ルデヒドなどの2価性架橋試薬が用いられ、架橋反応の
効率が低いことの他に、架橋反応の原理が、本質的には
アミノ酸側鎖のアミノ基もしくはカルボキシル基の化学
修飾反応であるため、高分子担体に結合したペプチドの
構造が目的ペプチドそれ自身の構造と異なること、すな
わち、修飾されているアミノ酸側鎖の構造がもとのペプ
チドの側鎖が修飾されている形をとること、が原理的に
避けられない大きな問題として上げられていた(岩崎辰
夫、安東民衛、市川かおる、保井孝太郎、「単クローン
抗体−ハイブリドーマとELISA」、講談社サイエン
ティフィク)。
低分子ペプチドの高分子担体への結合には、グルタルア
ルデヒドなどの2価性架橋試薬が用いられ、架橋反応の
効率が低いことの他に、架橋反応の原理が、本質的には
アミノ酸側鎖のアミノ基もしくはカルボキシル基の化学
修飾反応であるため、高分子担体に結合したペプチドの
構造が目的ペプチドそれ自身の構造と異なること、すな
わち、修飾されているアミノ酸側鎖の構造がもとのペプ
チドの側鎖が修飾されている形をとること、が原理的に
避けられない大きな問題として上げられていた(岩崎辰
夫、安東民衛、市川かおる、保井孝太郎、「単クローン
抗体−ハイブリドーマとELISA」、講談社サイエン
ティフィク)。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を本質的に解消する手段に関して鋭意研究を行い、既
に本発明者らが、遺伝子工学的にDHFRのカルボキシ
ル末端に異種ペプチドを結合した融合タンパク質の発現
生産技術を確立している(特公平3−49559号公
報、特開昭63−89981号公報、特開昭63−10
2696号公報、特開平1−252290号公報)こと
に着目した。すなわち、目的ペプチドをDHFRのカル
ボキシル末端側に融合した形で大腸菌などの宿主に大量
に発現させ、これを分離精製し、高度精製した融合タン
パク質を用いて免疫動物を免疫感作することを考案し
た。
点を本質的に解消する手段に関して鋭意研究を行い、既
に本発明者らが、遺伝子工学的にDHFRのカルボキシ
ル末端に異種ペプチドを結合した融合タンパク質の発現
生産技術を確立している(特公平3−49559号公
報、特開昭63−89981号公報、特開昭63−10
2696号公報、特開平1−252290号公報)こと
に着目した。すなわち、目的ペプチドをDHFRのカル
ボキシル末端側に融合した形で大腸菌などの宿主に大量
に発現させ、これを分離精製し、高度精製した融合タン
パク質を用いて免疫動物を免疫感作することを考案し
た。
【0006】しかしながら、通常行われるBSAなどの
高分子担体に化学的結合法によりペプチドを結合したも
のを用いる場合は、BSA1分子に複数個(数十個)の
目的ペプチドが結合するのに対して、本発明の融合タン
パク質の場合は、高分子担体(すなわちDHFR部分)
1分子に対して、結合する目的ペプチドが1分子であ
る。このため、本発明で用いられる融合タンパク質を用
いて動物を免疫感作した場合、抗体産生に必要な強い抗
原活性が得られるかに関しては全く不明であった。後に
実施例で示されるように、実験を行った結果、非常に少
量(50μg程度)の融合タンパク質でも、抗体産生を
誘発できることが明らかにされ、これにより、考案した
方法が現実に達成できることを明かにし、本発明を完成
させるに至った。
高分子担体に化学的結合法によりペプチドを結合したも
のを用いる場合は、BSA1分子に複数個(数十個)の
目的ペプチドが結合するのに対して、本発明の融合タン
パク質の場合は、高分子担体(すなわちDHFR部分)
1分子に対して、結合する目的ペプチドが1分子であ
る。このため、本発明で用いられる融合タンパク質を用
いて動物を免疫感作した場合、抗体産生に必要な強い抗
原活性が得られるかに関しては全く不明であった。後に
実施例で示されるように、実験を行った結果、非常に少
量(50μg程度)の融合タンパク質でも、抗体産生を
誘発できることが明らかにされ、これにより、考案した
方法が現実に達成できることを明かにし、本発明を完成
させるに至った。
【0007】
【発明の構成】本発明の抗体の作成方法は、目的ペプチ
ドをカルボキシル末端側に有するDHFR融合タンパク
質を作成し、これを免疫感作用抗原として用いることに
特徴を有する。
ドをカルボキシル末端側に有するDHFR融合タンパク
質を作成し、これを免疫感作用抗原として用いることに
特徴を有する。
【0008】本発明に従えば、目的ペプチドをカルボキ
シル末端側に有するDHFR融合タンパク質を用いるこ
とにより、目的ペプチドに対する抗体を容易に作成する
ことができる。また、従来用いられている高分子に結合
したペプチドと異なり、抗原として用いられる融合タン
パク質がタンパク質として均一である。更に、ペプチド
のアミノ末端がDHFRのカルボキシル末端と結合して
いる以外は、アミノ酸側鎖は全く修飾されておらず、従
来の方法による原理的な欠点を解消している。
シル末端側に有するDHFR融合タンパク質を用いるこ
とにより、目的ペプチドに対する抗体を容易に作成する
ことができる。また、従来用いられている高分子に結合
したペプチドと異なり、抗原として用いられる融合タン
パク質がタンパク質として均一である。更に、ペプチド
のアミノ末端がDHFRのカルボキシル末端と結合して
いる以外は、アミノ酸側鎖は全く修飾されておらず、従
来の方法による原理的な欠点を解消している。
【0009】目的ペプチドをカルボキシル末端側に有す
るDHFR融合タンパク質を免疫感作用抗原として用い
ることの利点としては、DHFR酵素活性を利用する
ことにより高度に精製することができ、不純物に由来す
る不用な抗体の産生誘導を抑えることができる。融合
タンパク質が均一である。アミノ末端がDHFRのカ
ルボキシル末端に結合している以外は、目的ペプチドと
全く同一の構造をしている。DHFRが細菌由来であ
り、免疫動物との類縁性が非常に離れていることから、
抗体産生に増強効果が期待できる。などである。
るDHFR融合タンパク質を免疫感作用抗原として用い
ることの利点としては、DHFR酵素活性を利用する
ことにより高度に精製することができ、不純物に由来す
る不用な抗体の産生誘導を抑えることができる。融合
タンパク質が均一である。アミノ末端がDHFRのカ
ルボキシル末端に結合している以外は、目的ペプチドと
全く同一の構造をしている。DHFRが細菌由来であ
り、免疫動物との類縁性が非常に離れていることから、
抗体産生に増強効果が期待できる。などである。
【0010】本発明は、(1)遺伝子工学的手法を用い
た目的ペプチドをカルボキシル末端側に有するDHFR
融合タンパク質の作成、(2)目的融合タンパク質の宿
主菌からの精製分離、および(3)高度精製した目的融
合タンパク質を用いた動物の免疫感作用、により達成で
きる。
た目的ペプチドをカルボキシル末端側に有するDHFR
融合タンパク質の作成、(2)目的融合タンパク質の宿
主菌からの精製分離、および(3)高度精製した目的融
合タンパク質を用いた動物の免疫感作用、により達成で
きる。
【0011】目的ペプチドをカルボキシル末端側に有す
るDHFR融合タンパク質の遺伝子工学的手法による作
成方法(特公平3−49559号公報、特公平3−33
315号公報、特開昭63−89981号公報)及び目
的融合タンパク質の宿主菌からの精製分離方法(特開昭
63−102696号公報、特開平1−252290号
公報)に関しては、本発明者らによって開発されてお
り、その方法に従うことにより、高度精製した目的融合
タンパク質を入手することができる。なお、DHFRと
の融合タンパク質の作成方法は、枯草菌及び大腸菌由来
のDHFRを用いた方法について公知であるが、各種生
物由来のDHFRを用いた場合も可能であることを容易
に類推することができることから、本発明は、DHFR
の起源に限定されない。
るDHFR融合タンパク質の遺伝子工学的手法による作
成方法(特公平3−49559号公報、特公平3−33
315号公報、特開昭63−89981号公報)及び目
的融合タンパク質の宿主菌からの精製分離方法(特開昭
63−102696号公報、特開平1−252290号
公報)に関しては、本発明者らによって開発されてお
り、その方法に従うことにより、高度精製した目的融合
タンパク質を入手することができる。なお、DHFRと
の融合タンパク質の作成方法は、枯草菌及び大腸菌由来
のDHFRを用いた方法について公知であるが、各種生
物由来のDHFRを用いた場合も可能であることを容易
に類推することができることから、本発明は、DHFR
の起源に限定されない。
【0012】融合タンパク質の生成は、目的ペプチドを
暗号化するDNAを合成、もしくは単離し、これを本発
明者らが既に開発している融合タンパク質作成用ベクタ
ーに組み込み、目的融合タンパク質を大腸菌などの宿主
菌体で発現させる。宿主菌体を培養し、これから発現し
た融合タンパク質をDHFR活性を目安に高度に精製す
る。目的ペプチドに関しては、大腸菌のDHFRを用い
た場合、200アミノ酸程度よりなるプロラクチンとの
融合タンパク質の発現生産に関して成功していることか
ら(特開平2−142479号公報)、任意長さのペプ
チドを用いることができる。
暗号化するDNAを合成、もしくは単離し、これを本発
明者らが既に開発している融合タンパク質作成用ベクタ
ーに組み込み、目的融合タンパク質を大腸菌などの宿主
菌体で発現させる。宿主菌体を培養し、これから発現し
た融合タンパク質をDHFR活性を目安に高度に精製す
る。目的ペプチドに関しては、大腸菌のDHFRを用い
た場合、200アミノ酸程度よりなるプロラクチンとの
融合タンパク質の発現生産に関して成功していることか
ら(特開平2−142479号公報)、任意長さのペプ
チドを用いることができる。
【0013】高度精製した融合タンパク質を用いた免疫
動物の免疫感作は、通常に行われる免疫感作の方法を用
いて行うことができ、免疫感作の方法によって限定され
ない。すなわち、融合タンパク質をアジュバンドと混合
し、日をおいて数回に分けて注射した後、採血し、血液
中から抗体を分離することにより行うことができる。
動物の免疫感作は、通常に行われる免疫感作の方法を用
いて行うことができ、免疫感作の方法によって限定され
ない。すなわち、融合タンパク質をアジュバンドと混合
し、日をおいて数回に分けて注射した後、採血し、血液
中から抗体を分離することにより行うことができる。
【0014】本発明の実施例では、アミノ酸5残基から
なり、種間の特異性がないため抗原活性が極めて弱いロ
イシンエンケファリン(LEK)をとりあげ、LEK換
算として1.4μgのごく少量で有効に免疫感作が行わ
れることを示し、本発明が優れていることを示してい
る。
なり、種間の特異性がないため抗原活性が極めて弱いロ
イシンエンケファリン(LEK)をとりあげ、LEK換
算として1.4μgのごく少量で有効に免疫感作が行わ
れることを示し、本発明が優れていることを示してい
る。
【0015】免疫感作は、DHFRのカルボキシル末端
にLEKを連結させた融合タンパク質(DHFR−LE
K)を調製し、これを免疫感作用実験動物としてもちい
たBALB/cメスマウスにDHFR−LEKを0.5 mg
/mlの濃度になるように生理食塩水で希釈した後、等容
量の完全フロイントアジュバンド(1回目)もしくは不
完全フロイントアジュバント(2及び3回目)と混合
し、マウス腹腔内に3週間ごとに3回投与することによ
り行った。最終注射後14日目には有効な抗体産生が観
察される。
にLEKを連結させた融合タンパク質(DHFR−LE
K)を調製し、これを免疫感作用実験動物としてもちい
たBALB/cメスマウスにDHFR−LEKを0.5 mg
/mlの濃度になるように生理食塩水で希釈した後、等容
量の完全フロイントアジュバンド(1回目)もしくは不
完全フロイントアジュバント(2及び3回目)と混合
し、マウス腹腔内に3週間ごとに3回投与することによ
り行った。最終注射後14日目には有効な抗体産生が観
察される。
【0016】抗体産生は、マウス尾静脈から採血し、血
清を分離し、これを固相酵素免疫測定法(ELISA)
により力価を測定することにより行うことができる。本
実施例では、以下の方法を用いたが、ELISAの方法
およびそれに用いられるLEKを固定化したタンパク質
によって本発明は制限されない。
清を分離し、これを固相酵素免疫測定法(ELISA)
により力価を測定することにより行うことができる。本
実施例では、以下の方法を用いたが、ELISAの方法
およびそれに用いられるLEKを固定化したタンパク質
によって本発明は制限されない。
【0017】グルタルアルデヒドを用いてLEKを固定
化したBSAを、0.1 M 炭酸ナトリウム緩衝液 pH9.5で
1-10μg/mlの濃度に希釈する。これを、ELISA用の
市販の96穴マイクロプレートにウェル当り50μlずつ分
注し、2時間以上4℃で静置し、ウェルに吸着させる。
水で3回洗浄後0.5% BSA-0.025 MEDTA- 0.15M NaCl-10m
M リン酸緩衝液pH7.5(BEPBS)でウェルを満たし1時間以
上室温で静置する。続いて 0.05% Tween 20-0.15 M NaC
l-10mM リン酸緩衝液 pH7.5(TPBS)と水で3回ずつプ
レートを洗浄した後よく水を切って-20℃で使用直前ま
で保存する。測定する血清を 1ウェル当り50μlずつタ
ンパク質固定化プレートに分注し、1時間室温で反応後
TPBSと水で3回ずつ洗浄した後、50μlずつ400倍に0.05
%Tween 20-BEPBS (TBPBS)で希釈した西洋わさびペルオ
キシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG+IgM抗体溶液を分注し
た。続いて1時間室温で静置後同様にプレートを洗浄し
よく水を切った後、50μlずつ各ウェルに0.25mg/ml ABT
S(2,2'-アシ゛ノ-ヒ゛ス(3-エチルヘ゛ンソ゛チアソ゛リン-6-スルホン酸)-0.0025%
H2O2-0.1M クエン酸緩衝液(pH4.2)を加え発色反応を
行った。反応は0.5%のSDS水溶液150μlを加えることで
停止させ、405nm の吸収増加をコロナ社のマイクロプレ
ートリーダーで測定し、プレートに残存しているマウス
ガンマグロブリンを定量した。この方法により、LEK
に対する抗体のみを検出できる。
化したBSAを、0.1 M 炭酸ナトリウム緩衝液 pH9.5で
1-10μg/mlの濃度に希釈する。これを、ELISA用の
市販の96穴マイクロプレートにウェル当り50μlずつ分
注し、2時間以上4℃で静置し、ウェルに吸着させる。
水で3回洗浄後0.5% BSA-0.025 MEDTA- 0.15M NaCl-10m
M リン酸緩衝液pH7.5(BEPBS)でウェルを満たし1時間以
上室温で静置する。続いて 0.05% Tween 20-0.15 M NaC
l-10mM リン酸緩衝液 pH7.5(TPBS)と水で3回ずつプ
レートを洗浄した後よく水を切って-20℃で使用直前ま
で保存する。測定する血清を 1ウェル当り50μlずつタ
ンパク質固定化プレートに分注し、1時間室温で反応後
TPBSと水で3回ずつ洗浄した後、50μlずつ400倍に0.05
%Tween 20-BEPBS (TBPBS)で希釈した西洋わさびペルオ
キシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG+IgM抗体溶液を分注し
た。続いて1時間室温で静置後同様にプレートを洗浄し
よく水を切った後、50μlずつ各ウェルに0.25mg/ml ABT
S(2,2'-アシ゛ノ-ヒ゛ス(3-エチルヘ゛ンソ゛チアソ゛リン-6-スルホン酸)-0.0025%
H2O2-0.1M クエン酸緩衝液(pH4.2)を加え発色反応を
行った。反応は0.5%のSDS水溶液150μlを加えることで
停止させ、405nm の吸収増加をコロナ社のマイクロプレ
ートリーダーで測定し、プレートに残存しているマウス
ガンマグロブリンを定量した。この方法により、LEK
に対する抗体のみを検出できる。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例をしめす。 (実施例1)DHFR−LEK融合タンパク質の調製 枯草菌または大腸菌のDHFRの遺伝子にLEKを暗号
化した遺伝子を連結させて作製したDHFR−LEK遺
伝子を有するプラスミドを含有する大腸菌を遺伝子操作
により調製した(特開昭63−102696号公報、特
開平1−252290号公報)。これら大腸菌について
それぞれ液体培養を行い、得られた菌体を超音波処理、
DEAE−トヨパール650Mイオン交換クロマトグラ
フィー及びトヨパールHW55ゲルクロマトグラフィー
でDHFR−LEKタンパク質分画を精製純化し、SD
S電気泳動で均一なバンドを示す枯草菌及び大腸菌DH
FR−LEK融合タンパク質を得た。
化した遺伝子を連結させて作製したDHFR−LEK遺
伝子を有するプラスミドを含有する大腸菌を遺伝子操作
により調製した(特開昭63−102696号公報、特
開平1−252290号公報)。これら大腸菌について
それぞれ液体培養を行い、得られた菌体を超音波処理、
DEAE−トヨパール650Mイオン交換クロマトグラ
フィー及びトヨパールHW55ゲルクロマトグラフィー
でDHFR−LEKタンパク質分画を精製純化し、SD
S電気泳動で均一なバンドを示す枯草菌及び大腸菌DH
FR−LEK融合タンパク質を得た。
【0019】(実施例2)DHFR−LEK融合タンパ
ク質の免疫感作 免疫感作用実験動物として、8週令のBALB/cメス
マウスを用いた。免疫化はDHFR−LEKを0.5mg/ml
の濃度になるように生理食塩水で希釈した後、等容量の
完全フロイントアジュバンドと混合し、マウス腹腔内に
一匹当り10μgのDHFR−LEK投与群と50μg投与群
とに分け注射した。2,3回目はアジュバンドとして不
完全フロイントアジュバントを用いた。3週間ごとに3
回注射を行い、3回目の注射後14日目に尾静脈から採
血し、固相酵素免疫測定法(ELISA)によりDHF
R及びLEKに対する抗体力価を測定した。その結果、
マウス1匹当りDHFR−LEK50μg投与群3匹と10
μg投与群3匹の3回免疫感作後の血清中の抗体価に両
群の差はみられず、800倍希釈した血清でも有為なL
EK結合活性が認められた。一方、LEKをBSAにグ
ルタルアルデヒド法で結合させて調製したBSA−LE
Kに対しては50μg投与群のマウス2匹の血清にのみL
EK結合活性の存在が認められただけであった。このこ
とは1)DHFR−LEKの3回投与により抗LEK抗
体を発現させるためにはDHFR−LEK 50μg(L
EK含量:約1.4μg)をマウスに投与すれば、DHFR
1分子に1分子のLEKが結合した融合タンパク質でも
LEKに対する抗体の産生を惹起できること。2)DH
FRはカルボキシル末端に遺伝子操作で元来抗原活性が
非常に弱い低分子量ペプチドを結合させることにより抗
原性を付与できる有用な担体になりうることを示唆して
いる。
ク質の免疫感作 免疫感作用実験動物として、8週令のBALB/cメス
マウスを用いた。免疫化はDHFR−LEKを0.5mg/ml
の濃度になるように生理食塩水で希釈した後、等容量の
完全フロイントアジュバンドと混合し、マウス腹腔内に
一匹当り10μgのDHFR−LEK投与群と50μg投与群
とに分け注射した。2,3回目はアジュバンドとして不
完全フロイントアジュバントを用いた。3週間ごとに3
回注射を行い、3回目の注射後14日目に尾静脈から採
血し、固相酵素免疫測定法(ELISA)によりDHF
R及びLEKに対する抗体力価を測定した。その結果、
マウス1匹当りDHFR−LEK50μg投与群3匹と10
μg投与群3匹の3回免疫感作後の血清中の抗体価に両
群の差はみられず、800倍希釈した血清でも有為なL
EK結合活性が認められた。一方、LEKをBSAにグ
ルタルアルデヒド法で結合させて調製したBSA−LE
Kに対しては50μg投与群のマウス2匹の血清にのみL
EK結合活性の存在が認められただけであった。このこ
とは1)DHFR−LEKの3回投与により抗LEK抗
体を発現させるためにはDHFR−LEK 50μg(L
EK含量:約1.4μg)をマウスに投与すれば、DHFR
1分子に1分子のLEKが結合した融合タンパク質でも
LEKに対する抗体の産生を惹起できること。2)DH
FRはカルボキシル末端に遺伝子操作で元来抗原活性が
非常に弱い低分子量ペプチドを結合させることにより抗
原性を付与できる有用な担体になりうることを示唆して
いる。
【0020】(実施例3)生成した抗体の免疫交差性 LEKの対する抗体の免疫交差性を調べるためLEK類
縁体ペプチドについてELISAを行った。DHFR−
LEK抗体は、LEKに対し10-7Mから10-4Mの濃度範囲
で用量反応曲線を示し、IC50は約4μMであった。この
ことはDHFR−LEKを用いた定量用ELISAの可
能性を示唆している。両抗体の主要なLEK認識部位
は、両抗体がロイシンの代わりにメチオニンをカルボキ
シル末端に持つMEKに対して弱い免疫交差活性を示し
た一方、LEK−NH2やアミノ末端側にLEKのアミ
ノ酸配列を有するαーネオエンドルフィンに対して全く
交差活性を示さなかった。このことから、カルボキシル
末端側にあるロイシン残基の側鎖部分及びカルボキシル
基であることを示している。また、D-もしくは、L-ロイ
シン及びD-Ala2,D-Leu5-エンケェファリン(2番目と5
番目のアミノ酸が光学異性対のD−体に置換されたLE
K)に対しても交差活性を示さなかった。
縁体ペプチドについてELISAを行った。DHFR−
LEK抗体は、LEKに対し10-7Mから10-4Mの濃度範囲
で用量反応曲線を示し、IC50は約4μMであった。この
ことはDHFR−LEKを用いた定量用ELISAの可
能性を示唆している。両抗体の主要なLEK認識部位
は、両抗体がロイシンの代わりにメチオニンをカルボキ
シル末端に持つMEKに対して弱い免疫交差活性を示し
た一方、LEK−NH2やアミノ末端側にLEKのアミ
ノ酸配列を有するαーネオエンドルフィンに対して全く
交差活性を示さなかった。このことから、カルボキシル
末端側にあるロイシン残基の側鎖部分及びカルボキシル
基であることを示している。また、D-もしくは、L-ロイ
シン及びD-Ala2,D-Leu5-エンケェファリン(2番目と5
番目のアミノ酸が光学異性対のD−体に置換されたLE
K)に対しても交差活性を示さなかった。
【発明の効果】本発明に従えば、抗原活性の極めて低い
低分子量ポリペプチドに対する抗体調製を効果的に行う
ことができ、免疫抗体法を用いた種々の分析に用いられ
る抗体の調製に貢献することが大である。
低分子量ポリペプチドに対する抗体調製を効果的に行う
ことができ、免疫抗体法を用いた種々の分析に用いられ
る抗体の調製に貢献することが大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19)
Claims (1)
- 【請求項1】ペプチドに対する特異的な抗体を作成する
ために免疫動物を免疫化する際、ジヒドロ葉酸還元酵素
のカルボキシル末端に目的のペプチドを結合した融合タ
ンパク質を用いて免疫化することを特徴とする抗体の作
成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34867791A JPH05339295A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | 抗体の作成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34867791A JPH05339295A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | 抗体の作成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05339295A true JPH05339295A (ja) | 1993-12-21 |
Family
ID=18398618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34867791A Pending JPH05339295A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | 抗体の作成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05339295A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62272989A (ja) * | 1986-04-25 | 1987-11-27 | カビ・フアーマシア・アクテイエボラーグ | 融合タンパク質、抗体およびこれらの製造方法 |
JPS63102696A (ja) * | 1986-10-20 | 1988-05-07 | Agency Of Ind Science & Technol | ジヒドロ葉酸還元酵素―ロイシンエンケファリン融合タンパクおよびその製造方法 |
JPH02218694A (ja) * | 1988-07-29 | 1990-08-31 | Sclavo Spa | 合成ペプチド |
JPH03502584A (ja) * | 1988-08-30 | 1991-06-13 | アプライド・リサーチ・システムス・エー・アール・エス・ホールディング・エヌ・ブイ | ホルモン分泌を変化させる組換え体融合タンパク質 |
-
1991
- 1991-12-05 JP JP34867791A patent/JPH05339295A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62272989A (ja) * | 1986-04-25 | 1987-11-27 | カビ・フアーマシア・アクテイエボラーグ | 融合タンパク質、抗体およびこれらの製造方法 |
JPS63102696A (ja) * | 1986-10-20 | 1988-05-07 | Agency Of Ind Science & Technol | ジヒドロ葉酸還元酵素―ロイシンエンケファリン融合タンパクおよびその製造方法 |
JPH02218694A (ja) * | 1988-07-29 | 1990-08-31 | Sclavo Spa | 合成ペプチド |
JPH03502584A (ja) * | 1988-08-30 | 1991-06-13 | アプライド・リサーチ・システムス・エー・アール・エス・ホールディング・エヌ・ブイ | ホルモン分泌を変化させる組換え体融合タンパク質 |
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