JPH05339043A - 樹皮状及び木板状シート成形用組成物 - Google Patents
樹皮状及び木板状シート成形用組成物Info
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- C04B28/02—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
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Abstract
ョン100重量部(樹脂固形分量)、水硬性無機質セメ
ント粉末140〜300重量部、発泡体粒子20〜12
0重量部、及び非水硬性無機質粉末0〜200重量部を
含有してなる組成物である。この組成物の水性スラリー
を樹皮状や木板状の内表面を有する凹型に流し込んでか
ら硬化させて得られるシートは、その表面外観及び触感
が樹皮や木板によく似ているから、擬木の製造等に有利
に使用することができる。樹脂水性エマルジョンとして
は、各種の共重合体樹脂の水性エマルジョンが、水硬性
無機質セメント粉末としてはポルトランドセメントをは
じめとする各種のセメント類が、発泡体粒子としてはシ
ラスバルーン、発泡ガラス球、発泡ポリスチレンなどが
用いられる。 【効果】 この組成物を用いて成形して得られる樹皮状
及び木板状シートは、成形時の脱型性に優れ、また折り
曲げても折れにくく、元の状態に戻りやすく、かつ適度
の弾性を有していて、その表面外観及び感触が樹皮や木
板によく似ている。
Description
状シート、すなわち樹皮状若しくは木板状の表面外観を
有するシートを成形するための成形用組成物に関するも
のである。
造しようとする擬木と同じような樹皮の表面形状を有す
る型にセメント・モルタルを流し込み、硬化させたのち
脱型し、塗料を塗布する方法が一般的に用いられてい
る。この場合に、セメント・モルタルに樹脂水性エマル
ジョンを併用することもあるが、その樹脂分量はセメン
トに対して5〜15重量%程度の少量であった。これ
は、擬木のような直径10cmもあるものを成形する場
合に、樹脂分を多く混合すると、硬化物中の水分が逃げ
ずに残り、充分に硬化しない傾向があるためである。
とするものを成形した擬木等を硬化させるには、室温〜
60℃の温度で、高湿度雰囲気中又はオートクレーブ中
で行なわせる必要があり、かつその硬化には半日から1
0日程度の長時間を要する。
として用いて成形した擬木等は、外観はともかくとし
て、主成分がセメント・モルタルの硬化物であるので素
地が硬く、触感が悪いし、表面にセメント・モルタルの
微細な突起等が形成されていて、触れるとけがをするな
どの欠点があった。また、生地が硬いため丈夫で耐久性
に富んではいるが、その反面において衝撃により割れや
表面の欠けなどが発生しやすく、その場合に素地のセメ
ント層が現われ、外観を損なう欠点もあった。
として用いて成形した擬木等は、表面塗装されていて
も、エフロレッセンスにより外観が損なわれやすい(な
お、エフロレッセンスとは、セメント硬化物の表面に水
に溶けて運ばれてきて析出した析出物をいう。)。特
に、完全に硬化する前の(なお、セメントの完全硬化に
は通常、28日程度の日数がかかる)、表面アルカリ強
度の高いものや、エフロレッセンスの発生しているもの
の上に塗装をすると、塗装の剥離を起しやすい。また、
使用中にも、ピンホールや傷等から新たにエフロレッセ
ンスが発生し、外観を損なうこともある。
のは、素地が硬いために脱型の際に樹皮状の外観を表現
した複雑な突起部分や繊細な模様の部分等が壊れてしま
うので、松や杉のようなほりが深く、複雑な凹凸等のあ
る樹皮状の外観を忠実に表現した成形体が得られない
し、また逆に、桜や白樺、さらに焼杉板のような表面が
平滑に近いが、繊細な模様を有する樹皮の外観を忠実に
表現した成形体も得られない。
時の離型性(脱型性)が良好で、樹皮若しくは木板の外
観によく似た表面外観を有し、弾性及び触感等も樹皮や
木板に似ており、しかも折り曲げ抵抗性に富む樹皮状及
び木板状シートを容易に成形することのできる樹皮状及
び木板状シート成形用の組成物を提供しようとするもの
である。
状シート成形用組成物は、(a)ガラス転移点が5℃以
下の樹脂の水性エマルジョン100重量部(樹脂固形分
量)、(b)水硬性無機質セメント粉末140〜300
重量部、(c)発泡体粒子20〜120重量部及び
(d)非水硬性無機質粉末0〜200重量部を含有して
なる組成物である。
成物調製用の(a)ガラス転移点が5℃以下の樹脂の水
性エマルジョンとしては、たとえばアクリル酸2−エチ
ルヘキシル〔そのホモ重合体のガラス転移点が−85℃
である(これをここでは「Tg −85℃」のように略
記することとする。)〕、アクリル酸n・ブチル(Tg
−54℃)、アクリル酸エチル(Tg −22℃)、
塩化ビニリデン(Tg−18℃)、アクリル酸イソプロ
ピル(Tg −5℃)、メタクリル酸2エチルヘキシル
(Tg −5℃)、アクリル酸n・プロピル(Tg 8
℃)、メタクリル酸n・ブチル(Tg 20℃)、酢酸
ビニル(Tg 30℃)、アクリル酸(Tg 87
℃)、メタクリル酸n・プロピル(Tg 81℃)、ス
チレン(Tg 100℃)、アクリロニトリル(Tg
100℃)、メタクリル酸メチル(Tg 105℃)、
メタクリル酸(Tg 130℃)、無水マレイン酸、イ
タコン酸(Tg 130℃)、アクリル酸アミド(Tg
153℃)、メタクリル酸エチル(Tg 65℃)、
塩化ビニル(Tg 79℃)、エチレン、ブタジエンな
どより選ばれた不飽和単量体の1種又は2種以上を乳化
重合させて得られるガラス転移点が5℃以下の、好まし
くは0℃以下のホモ重合体又は共重合体のエマルジョ
ン、さらにはこれらの重合体エマルジョンの2種以上の
混合物が用いられる。さらに、これらのエマルジョンよ
り製造された水再分散性の樹脂粉末を水性媒体中に再分
散せしめて得た樹脂エマルジョン(俗称パウダーエマル
ジョン)も使用することができる。
メント粉末としては、ポルトランドセメントと称される
もの(たとえば普通セメント、白色セメント、早強セメ
ント、超早強セメントなど)、混合セメントと称される
もの(たとえば高炉セメント、シリカセメント、フイッ
シュアイセメントなど)、その他アルミナセメント、水
硬性の石こうなどがあるが、一般的には普通セメント、
白色セメントが好ましい。
(a)樹脂の水性エマルジョンの樹脂固形分100重量
部に対して140〜300重量部、好ましくは160〜
240重量部使用される。その使用割合が少なすぎると
得られる樹皮状及び木板状シートは弾性が低下してくる
し、樹皮表面等の複雑な凹凸などや繊細な模様等を表現
できなくなるし、多すぎると得られる樹皮状シート等は
硬くてもろくなり、特に水に対して著しくもろくなる。
ては、シラスバルーン、発泡ガラス球などのような無機
発泡体粒子、発泡ポリスチレンのような有機発泡体粒子
があげられるが、製品の難燃性や混和性を考慮すると無
機発泡体粒子が好ましい。発泡体粒子の配合割合は、
(a)樹脂水性エマルジョンの樹脂固形分100重量部
に対して20〜120重量部、好ましくは40〜80重
量部である。その配合割合が少なすぎると、樹皮状シー
ト等の触感、特に木のコルク質感が得られなくなるし、
樹皮状シート等成形時の硬化・乾燥時間、特に硬化後乾
燥に要する時間に長時間を要し、生産性が低下する。ま
た、その配合割合が多くなりすぎると、樹皮シート等が
硬くてもろくなる。
粉末としては、たとえば炭酸カルシウム、硅砂、タル
ク、クレー、セラミック粒子、その他各種の無機質体質
顔料、無機質着色用顔料等があげられる。非水硬性無機
質粉末は、必須成分ではないが配合するのが好ましい。
すなわち、その配合割合は、(a)樹脂水性エマルジョ
ンの樹脂固形分100重量部に対して0〜200重量
部、好ましくは80〜150重量部である。その配合割
合が多くなりすぎると、得られる樹皮状シート等が硬く
てもろい、セメントモルタルの硬化物状のものとなり、
木質感が失なわれるし、特に水に浸漬すると著しく硬い
ものとなる。
成物を用いて樹皮状及び木板状シートを成形するには、
その組成物を、必要に応じてさらに水を加えてから充分
に混練して適度の含水状態のスラリー状にしたのち、樹
皮状等の凹凸や模様を有する型(たとえばシリコーン樹
脂型等を利用して樹皮から樹皮状表面のネガ模様等を形
成せしめた型)の中に、そのスラリーを流し込み、上か
ら型押しして成形したのち硬化させる。
その硬化前に透水性の基布を乗せてから圧着して硬化さ
せると、基布で裏打ちされた樹皮状シート等が得られ、
その強度を向上させることができるとともに、接着剤等
で他のものに貼り合わせたり、シートを型枠にしてモル
タル等を流し込み一体成形するときの接着性が向上す
る。
合成繊維、たとえばポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ナイロンなどの繊維のスパ
ンボンド、不織布、雑フェルト、織布、織物等;木綿、
麻、羊毛などの織布、ガラス繊維布等があげられる。
は、好ましくは2〜30mm、より好ましくは3〜15
mmである。厚くなりすぎると、硬化・乾燥に長時間を
要し、好ましくない。また、薄すぎると、樹皮等の感触
が失なわれやすい。
らに樹皮や木板らしさを高めたり、強度を向上させたり
する目的で、その表面に適宜の粉末状の着色剤を撒布し
たり、着色塗料やクリヤー塗料等を塗布することができ
る。粉末状の着色剤は成形シートを型から離型するため
の離型剤としての役割をさせるために、樹皮シート等を
成型するための型に予め撒布しておくことができる。
板状シート(以下において、「樹皮状シート」と略記す
ることがある。)は、種々の態様で用いることができ
る。たとえば、鉄パイプ、コンクリートパイル、プラス
チック棒やパイプ、木材丸太、紙管等のような筒状や棒
状のものに、この樹皮状シートを貼り合わせ、そのシー
トのつぎ目及び筒や棒の上端に、本発明の樹皮状シート
成形用組成物と同じ組成物の水性スラリー(樹脂モルタ
ル)をハケやコテを用いて充填若しくは塗布してから、
その表面に顔料粉を撒布して固化させ、さらにその上か
らクリヤー樹脂溶液を塗布すると、擬木が得られる。ま
た、円筒の内側面に樹皮状シートを設置し、その中にモ
ルタル等を流し込んで一体化させて擬木としてもよい。
する。これらの例に記載の「部」は重量部を意味する。
会社商品名、アクリル酸エステル−スチレン共重合体樹
脂の水性エマルジョン、樹脂固形分濃度57%、樹脂の
Tgが0℃以下)900部、白色セメント100部、シ
ラスバルーン(イヂチ化成株式会社商品名 ウイニライ
トSB−9011)20部、水15部、及び酸化鉄赤1
部を混合して充分に混練してスラリーとした。
たくぬぎの樹皮外観を有する凹型に流し込み(平均湿潤
厚さ5mm、最大湿潤厚さ10mm)、その上にポリエ
ステルスパンボンド基布(三井石油化学工業株式会社商
品名 シンテックスR−24、坪量69g/m2 )を乗
せ、押圧して充分に接触させた。次いでシリコーン型面
側から140℃に加熱した。60分間加熱後脱型し、く
ぬぎ樹皮状の外観表面を有するシートを得た。
表2にそれぞれ示したように変更し、そのほかは実施例
1の方法に準じてシートを製造した。
すように変更し、さらに樹皮模様型を焼杉板模様型に変
え、そのほかは実施例1の方法に準じてシートを製造し
た。
リル酸エステル−スチレン共重合体樹脂の水性エマルジ
ョン、樹脂固形分濃度57%、樹脂のTgが0℃以下 *2・・・ イヂチ化成株式会社商品名、ウイニライトSB
−9011 *3・・・ 三井石油化学工業株式会社商品名、ポリエステ
ル製のスパンボンド(坪量69g/m2 ) *4・・・ 三菱油化バーディッシェ株式会社商品名、アク
ロナールYJ−3042D、アクリル酸エステル−スチ
レン共重合体樹脂の水性エマルジョン、固形分50%、
樹脂のTgが3℃ *5・・・ 三菱油化バーディッシェ株式会社商品名、アク
ロナールYJ−1560D、アクリル酸エステル−スチ
レン共重合体樹脂の水性エマルジョン、固形分48%、
樹脂のTgが10℃ *6・・・ 三井石油化学工業株式会社商品名、ポリプロピ
レン製のスパンボンド(坪量40g/m2 )
られた各シートについて、脱型性、折り曲げ性、弾力
性、並びに20℃又は60℃の水中に浸漬後のそれぞれ
の場合のシート外観を調べ、評価した結果は表3に示す
とおりであった。
価した。 ○・・・ シリコーン型枠中にシート用組成物の残留物を全
く残さずに簡単に離型でき、シートの表面に全く異常が
ない。 △・・・ その離型時にシート用組成物の一部が型枠に付着
して残り、シート表面の10%以内にシートの異常が認
められる。 ×・・・ 同じくシート表面の10%を越えて、シートに破
れ、割れ等の異常が認められる。
面上に直径20mmの円筒を置き、その円筒に沿ってシ
ートを180°折り曲げたときの状態を目視により調
べ、下記の基準によって評価した。 ◎・・・ シートに全く異常なし ○・・・ シートの曲げ部分が元の状態に戻るのに若干の時
間がかかる △・・・ シートの曲げ部分にクセが残ったり、白化したり
する。 ×・・・ シートが折れたり、クラックが入ったりする。
上にして合板(厚さ10mm)の上に置き、2Kg/c
m2 で押圧してから放圧した後の圧縮変形を調べ下記の
基準によって評価した。 ◎・・・ 圧縮変形あり ○・・・ 圧縮変形が多少ある △・・・ 圧縮変形が殆んどない ×・・・ 圧縮変形が全くない
は、比較例のシートに較べて脱型性、折り曲げ性、弾
性、及び水浸漬後の外観がバランスよく優れている。
組成物は、成形シートの成形時の離型性に優れ、得られ
るシートは折り曲げに対する抵抗性があり、弾性に富
み、かつ樹皮や木板の外観を忠実に表現した樹皮や木板
によく似た表面外観と触感を有しており、かつ風雨にさ
らされてもその外観や触感があまり変わらない。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)ガラス転移点が5℃以下の樹脂の
水性エマルジョン100重量部(樹脂固形分量)、
(b)水硬性無機質セメント粉末140〜300重量
部、(c)発泡体粒子20〜120重量部及び(d)非
水硬性無機質粉末0〜200重量部を含有してなること
を特徴とする樹皮状及び木板状シート成形用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4173727A JP2747957B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | 樹皮状及び木板状シート注型成形用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4173727A JP2747957B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | 樹皮状及び木板状シート注型成形用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05339043A true JPH05339043A (ja) | 1993-12-21 |
JP2747957B2 JP2747957B2 (ja) | 1998-05-06 |
Family
ID=15966027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4173727A Expired - Lifetime JP2747957B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | 樹皮状及び木板状シート注型成形用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2747957B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006051678A1 (ja) * | 2004-11-01 | 2006-05-18 | Xiaonan Yang | シート状成形物 |
JP2006151801A (ja) * | 2004-11-01 | 2006-06-15 | Xiaonan Yang | シート状成形物 |
JP2019195587A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 文男 山越 | 植物の支持具又は支持方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63315546A (ja) * | 1987-06-17 | 1988-12-23 | Inax Corp | 可撓性セメント系シ−トの製造法 |
JPH0148236B2 (ja) * | 1984-04-11 | 1989-10-18 | Kikusui Kagaku Kogyo Kk | |
JPH04114943A (ja) * | 1990-08-31 | 1992-04-15 | Mitsubishi Yuka Badische Co Ltd | ポリマーセメント組成物 |
-
1992
- 1992-06-09 JP JP4173727A patent/JP2747957B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019195587A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 文男 山越 | 植物の支持具又は支持方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2747957B2 (ja) | 1998-05-06 |
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