JP2005104749A - 軟質モルタルシート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水性樹脂エマルジョンに、水硬性無機粉末、潜在水硬性無機粉末、フィラーなどを混合した組成物から、きわめて短時間で成形でき且つ連続成形法での製造も可能な軟質モルタルシートを提供する。
【解決手段】 感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョン100重量部と、少なくとも水硬化性無機粉末(水硬性無機粉末、潜在水硬性無機粉末、ボゾラン反応性無機粉末等)を50重量部以上含有する固形状の基材150〜400重量部を含有する組成物を成形して軟質モルタルシートを製造する。成形材料として感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンを用いたことで、成形時にゲル化温度以上に加熱すると、水性樹脂エマルジョンが急速にゲル化し、短時間での成形が可能となる。
【選択図】 なし
【解決手段】 感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョン100重量部と、少なくとも水硬化性無機粉末(水硬性無機粉末、潜在水硬性無機粉末、ボゾラン反応性無機粉末等)を50重量部以上含有する固形状の基材150〜400重量部を含有する組成物を成形して軟質モルタルシートを製造する。成形材料として感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンを用いたことで、成形時にゲル化温度以上に加熱すると、水性樹脂エマルジョンが急速にゲル化し、短時間での成形が可能となる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、建築物の屋根、屋上、壁、ベランダ等に用いる建築材料として、あるいは土木分野のコンクリート防食材などの土木材料として用いるのに好適な軟質モルタルシート及びその製造方法に関する。
従来より、水性樹脂エマルジョンに、水硬性無機粉末や潜在水硬性無機粉末を入れ、更に、必要に応じ、非水硬性無機粉末、骨材、発泡体粒子等を入れてスラリー状とした組成物を作成し、そのスラリー状の組成物を型に流しこんで、乾燥反応させ、石目状、岩肌状、樹皮状などの外観を有する軟質のシートを製造することが知られている(例えば、特開2000−319057号公報、特開2000−319058号公報、特開平5−338399号公報、特開平5−339043号公報参照)。
特開2000−319057号公報
特開2000−319058号公報
特開平5−338399号公報
特開平5−339043号公報
しかしながら、これらの方法では、スラリー状の組成物を型に流し込んだ後、乾燥反応に、十数時間から数日というように時間がかかり生産性が悪いという問題があった。また、乾燥反応に時間がかかるため、連続成形法で製品が得られないという問題もあった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、水性樹脂エマルジョンに、水硬性無機粉末、潜在水硬性無機粉末、ボゾラン反応性無機粉末、フィラーなどを混合した組成物から成形して得たモルタルシートでありながら、きわめて短時間で成形でき且つ連続成形法での製造も可能な軟質モルタルシート並びにその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らはかかる課題を解決すべく鋭意検討の結果、水性樹脂エマルジョンとして感熱ゲル化性を有するものを用い、成形時に加熱、ゲル化を行わせることできわめて短時間での成形が可能であることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本願請求項1に係る発明は、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョン100重量部と、少なくとも水硬化性無機粉末を50重量部以上含有する固体状の基材150〜400重量部を含有する組成物を板状に成形してなる軟質モルタルシートである。
請求項2に係る発明は、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョン100重量部と、少なくとも水硬化性無機粉末を50重量部以上含有する固体状の基材100〜390重量部を含有する組成物と、無機繊維10〜50重量部とを一体に板状に成形してなる軟質モルタルシートである。
請求項3に係る発明は、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョン100重量部と、少なくとも水硬化性無機粉末を50重量部以上含有する固体状の基材120〜395重量部を含有する組成物と、有機繊維5〜30重量部とを一体に板状に成形してなる軟質モルタルシートである。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の軟質モルタルシートにおいて、前記基材が、水酸化アルミニウム粉末30〜200重量部を含有していることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の軟質モルタルシートにおいて、前記感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンが、一般式(1)で示されるメタアクリルアミド誘導体及び/又はメタクリルアミド誘導体を共重合成分として樹脂組成中に0.3〜10重量%含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンに、ノニオン系界面活性剤及び/又は一価又は二価の金属の無機塩を添加したものであることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、軟質モルタルシートを連続的に製造する方法に関するもので、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンに、水硬化性無機粉末を含有する固形状の基材を混合し且つ真空脱泡し、粘度1〜20ポイズの混合樹脂液を作成し、その混合樹脂液を走行中の第一のキャリアフィルム上に供給し、次いで第一のキャリアフィルム上の混合樹脂液の上に第二のキャリアフィルムを供給して挟み、その後、第一及び第二のキャリアフィルムで挟まれた混合樹脂液を加熱硬化炉に通して加熱、ゲル化させ、板状に成形することを特徴とする。
請求項7に係る発明も、軟質モルタルシートを連続的に製造する方法に関するもので、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンに、水硬化性無機粉末を含有する固形状の基材を混合し且つ真空脱泡し、粘度1〜20ポイズの混合樹脂液を作成し、その混合樹脂液を走行中の第一のキャリアフィルム上に供給し、次いで第一のキャリアフィルム上の混合樹脂液の上に無機繊維あるいは有機繊維からなる強化繊維を供給して、その強化繊維に混合樹脂液を含浸させ、更にその上に第二のキャリアフィルムを供給して挟み、その後、第一及び第二のキャリアフィルムで挟まれた混合樹脂液含浸強化繊維を加熱硬化炉に通して加熱、ゲル化させ、板状に成形することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、上記した請求項6又は7に係る軟質モルタルシートの製造方法において、前記第二のキャリアフィルムを、通水性を備えたものとしたものである。
上記した請求項1から5に係る発明の軟質モルタルシートはいずれも、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンに水硬化性無機粉末を含有する基材を混合した組成物から成形したものであるので、成形の際に組成物を加熱すると、その組成物中の水性樹脂エマルジョンがゲル化温度に到達した後、直ちに豆腐状にゲル化し、水を追い出してセメント等の水硬化性無機粉末の硬化を促進し、且つゲル化した樹脂がマトリックス(結合材)になって全体を一体化する。成形後は、室温に戻っても無機質の量が多いので、樹脂が液状に戻ることはなく、シートの形態を保っている。かくしてきわめて短時間で成形可能であり、組成物を型に流し込んで加熱、成形する方法によって生産性よく製造可能であり、また、組成物を連続的に走行するキャリアフィルムに挟んで加熱炉を通過させる連続方式によっても生産可能である。得られた軟質モルタルシートは、無機質の粉末を水和硬化させると共にマトリックス樹脂を配合したものであるので、防水性、耐火・難燃性、耐熱性、柔軟性等を備えており、建築物の屋根、屋上、壁、ベランダ等の建築材料として用いるのに好適である。また、建築物に限らず、土木分野のコンクリート防食材などの土木材料として用いるにも好適である。すなわち、本発明の軟質モルタルシートは主に無機質の物質からなる成型品であるので、コンクリートとの密着が良好であり、コンクリートの耐食性向上に寄与する。
請求項2に係る軟質モルタルシートは、無機繊維を配合しているので、強度が大きく、シートを薄肉化して軽量化を図ることができると共に柔軟性を付与することができ、施工性が一層向上する。また、シートの、耐火・難燃性、耐熱性が一層向上し、屋根や屋上の耐火・難燃且つ防水用資材に特に好適である。
請求項3に係る軟質モルタルシートは、有機繊維を配合しているので、強度が大きく、シートを薄肉化して軽量化を図ることができると共に柔軟性を付与することができ、施工性が一層向上する。なお、有機繊維を配合したことで若干難燃性が低下するので、外装建材、下地材などの防水用資材に特に好適である。
請求項4に係る軟質モルタルシートは、水酸化アルミニウム粉末を配合しているので、難燃性、耐火性が更に向上し、屋根や屋上の耐火・難燃且つ防水用資材に一層好適である。
請求項5に係る軟質モルタルシートは、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンとして、前記した一般式(1)で示されるメタアクリルアミド誘導体及び/又はメタクリルアミド誘導体を共重合成分として樹脂組成中に0.3〜10重量%含むメタアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンに、ノニオン系界面活性剤及び/又は一価又は二価の金属の無機塩を添加したものを用いている。この構成の水性樹脂エマルジョンは、常温では水性樹脂エマルジョンが安定しており、且つゲル化温度に達すると急速にゲル化するという規則正しい感熱ゲル化性を有しており、しかもゲル化温度は、例えば65°C程度の低い温度とすることができ、しかも、ゲル化した後は、合成樹脂本来の性能を低下させることがない。かくして、この構成の水性樹脂エマルジョンを用いたことで、軟質モルタルシートの成形が容易となると共に樹脂本来の性能を発揮させることができる。
請求項6に係る製造方法は、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンと水硬化性無機粉末を含有する基材の混合樹脂液を2枚のキャリアフィルムに挟んで送りながら、加熱、成形する構成としたことにより、軟質モルタルシートを連続的に成形でき、従って、軟質モルタルシートを生産性良く製造できる。
請求項7に係る製造方法は、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンと水硬化性無機粉末を含有する基材の混合樹脂液を、無機繊維あるいは有機繊維からなる強化繊維に含浸させ、2枚のキャリアフィルムに挟んで送りながら、加熱、成形する構成としたことにより、強化繊維入の軟質モルタルシートを連続的に成形でき、従って、強度の大きい軟質モルタルシートを生産性良く製造できる。
請求項8に係る製造方法は、上記した製造方法に用いる第二のキャリアフィルムを通水性を備えたものとしたことで、水性樹脂エマルジョンがゲル化した際の脱水を第二のキャリアフィルムを通して敏速に行うことができ、ゲル化、成形工程に要するパス長を短縮できる。
本発明の軟質モルタルシートの成形に用いる組成物は、基本的には、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンと、水硬化性無機粉末を含有する固体状の基材とを含有するものである。ここで、固体状の基材とは、成形後の軟質モルタルシート内に存在する成分のうち、マトリックス樹脂及び強化繊維を除いた他の固形成分となるものであり、具体的は、水和硬化に寄与する水硬化性無機粉末を必須の成分とし、その他に、軟質モルタルシートの物性改善などのために必要に応じて加えられるフィラー、骨材、難燃材等を含むことができる。なお、軟質モルタルシート成形用の組成物には、必要に応じ、潜在水硬性無機粉末に水硬性を付与するためのアルカリ刺激剤、水硬化性無機粉末の硬化速度を制御するための水和反応刺激剤や水和反応遅延剤などを適量、入れておいてもよい。以下、軟質モルタルシートの成形に用いる組成物の各成分を説明する。なお、各成分の混合割合の説明においては、水性樹脂エマルジョンを100重量部とする。
水性樹脂エマルジョンは、成形後に軟質モルタルシートにおける軟質のマトリックスを構成するものであり、本発明では、この水性樹脂エマルジョンとして、感熱ゲル化性を有するものを用いる。感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンは、所定のゲル化温度に達すると急速にゲル化する特性を有しており、このため、この水性樹脂エマルジョンと水硬化性無機粉末を含有する固体状の基材とを含有する組成物を用いて軟質モルタルシートを成形する際に、その組成物を加熱すると、水性樹脂エマルジョンがゲル化温度に到達した後、直ちに豆腐状にゲル化し、水を追い出してセメント等の水硬化性無機粉末の硬化を促進し、且つゲル化した樹脂がマトリックス(結合材)になって全体を一体化する。かくして、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンを用いることで、きわめて敏速な成形が可能となる。本発明に用いる水性樹脂エマルジョンは、感熱ゲル化性を有するものであれば任意であるが、特に、特許第2668580号公報に記載の感熱ゲル化エマルジョンを用いることが好ましい。
この特許第2668580号公報に記載の感熱ゲル化エマルジョンは、前記した一般式(1)で示されるメタアクリルアミド誘導体及び/又はメタクリルアミド誘導体を共重合成分として樹脂組成中に0.3〜10重量%含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンに、ノニオン系界面活性剤及び/又は一価又は二価の金属の無機塩を添加したものである。ここで用いる(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルであり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルなどのアルキルエステルが挙げられる。なお、感熱ゲル化特性を損なわない範囲で少量の不飽和カルボン酸、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、塩化ビニル、エチレン、酢酸ビニルなどを含ませても良い。(メタ)アクリル酸エステル共重合体に共重合成分として含ませる一般式(1)で示されるメタアクリルアミド誘導体及び/又はメタクリルアミド誘導体は、その含有量が0.3重量%より少ないとゲル化剤を添加しても感熱ゲル化性が小さく実用に耐えず、また10重量%より大きいと、水性樹脂エマルジョンの重合中にゲル化し安定なエマルジョンが得られないので、含有量を上記のように、0.3〜10重量%とする。ノニオン系界面活性剤及び/又は一価又は二価の金属の無機塩は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンに感熱ゲル化性を付与ためのゲル化剤として添加するものである。ノニオン系界面活性剤は、低曇点のものが好適であり、例えば、特開昭63−193901に記載のゲル化剤であり、アルキルフェノール−ホルマリン縮合物のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。無機塩は、ノニオン乳化剤の曇点を低下させる一価から二価の金属塩がよく、これらには、Na2 CO3 、Na2 SO4 、CaCl2 、NaOH、CaSO4 、KCl、K2 CO4 、NaNO4 等がある。これらのゲル化剤の添加量としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン100重量部に対し、ノニオン系界面活性剤0〜3重量部、及び/又は無機塩0〜3重量部とすることが好ましい。これらのゲル化剤は単独でもよいが、併用することにより更に効果を高めることができる。しかし、それぞれ3重量部以上併用使用した場合にはゲル化効果はあるものの、ゲル化した後の樹脂製品の耐水性等の性能低下を招いてしまう。従って、上記した範囲内の添加量とすることが好ましい。以上の構成の感熱ゲル化エマルジョンは、常温ではエマルジョンが安定しており、且つゲル化温度に達すると急速にゲル化するという規則正しい感熱ゲル化性を有しており、しかもゲル化温度は、例えば65°C程度の低い温度とすることができ、しかも、ゲル化した後は、合成樹脂本来の性能を低下させることがないので、これを軟質モルタルシートの成形に用いることで、軟質モルタルシートの成形が容易となると共に樹脂本来の性能を発揮させることができる。
上記したように、本発明に用いる感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンは、特許第2668580号公報に記載の感熱ゲル化エマルジョンが好ましいが、これに限らず、感熱ゲル化性を有する他の水性樹脂エマルジョンを用いてもよい。感熱ゲル化性を有する他の水性樹脂エマルジョンとしては、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタアクリルアミドの単独又は他のラジカル重合性モノマーとの共重合体、例えば、N−イソプロピルアクリルアミドの重合体、N,N−シクロアルキルアクリルアミド、N,N−シクロアルキルメタアクリルアミドの単独又は他のラジカル重合性モノマーとの共重合体、例えば、N,N−シクロヘキシルアミドの重合体等のエマルジョンを例示できる。
軟質モルタルシートの成形に用いる組成物中に含有される固体状の基材は、上記したように、水和硬化に寄与する水硬化性無機粉末を必須の成分とし、その他に、軟質モルタルシートの物性改善などのために必要に応じて加えられるフィラー、骨材、難燃材等を含むことができるものである。このうち、水硬化性無機粉末としては、水硬性無機粉末、潜在水硬性無機粉末、ボゾラン反応性無機粉末等を挙げることができる。更に具体的には以下のものを例示でき、これらを単体で或いは必要に応じて2種以上を組み合わせて用いる。
(1)水硬性無機粉末
ポルトランドセメントと称されるもの(普通セメント、白色セメント、早強セメント、超早強セメントなど)、混合セメントと称されるもの(高炉セメント、シリカセメント、フィシュアイセメント等)、その他、フライアッシュセメント、アルミナセメント、トーマスセラミックスセメント、水硬性石膏などが挙げられる。
(2)潜在水硬性無機粉末
アルカリ刺激剤の存在下で水硬性を示すものであり、代表例として高炉スラグを挙げることができる。更に具体的には、エスメント(登録商標、新日鉄高炉セメント株式会社製)、セラメント(登録商標、第一セメント株式会社製)などが挙げられる。
(3)ポゾラン反応性無機粉末
フライアッシュ、シリカヒューム、籾殻灰等の人工ポゾラン、あるいはシラスや白土、火山灰に起因する天然ポゾランを微粉末で使用する。シリカはフィラーとしても使用可能である。
(1)水硬性無機粉末
ポルトランドセメントと称されるもの(普通セメント、白色セメント、早強セメント、超早強セメントなど)、混合セメントと称されるもの(高炉セメント、シリカセメント、フィシュアイセメント等)、その他、フライアッシュセメント、アルミナセメント、トーマスセラミックスセメント、水硬性石膏などが挙げられる。
(2)潜在水硬性無機粉末
アルカリ刺激剤の存在下で水硬性を示すものであり、代表例として高炉スラグを挙げることができる。更に具体的には、エスメント(登録商標、新日鉄高炉セメント株式会社製)、セラメント(登録商標、第一セメント株式会社製)などが挙げられる。
(3)ポゾラン反応性無機粉末
フライアッシュ、シリカヒューム、籾殻灰等の人工ポゾラン、あるいはシラスや白土、火山灰に起因する天然ポゾランを微粉末で使用する。シリカはフィラーとしても使用可能である。
フィラーとしては、非水硬性無機粉末(例えば、珪砂、炭酸カルシウム、タルク、クレー、セラミック粒子、その他各種の無機質顔料、無機質着色用顔料など)、発泡体粒子(シラスバルーン、発泡ガラスなど)を挙げることができる。
難燃材は、軟質モルタルシートの耐火性、難燃性を向上させるために混入するものであり、具体的には、水酸化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、硼酸塩、燐酸塩などを例示できる。
軟質モルタルシートの成形に用いる組成物中における固体状の基材の混合割合は、軟質モルタルシート内に強化繊維を混合しない場合には、水性樹脂エマルジョン100重量部に対し、基材150〜400重量部とし、且つ基材に含有される水硬化性無機粉末は50重量部以上とする。水硬化性無機粉末が50重量部より少ないと、水和硬化性が低下して成形性が失われる。また、基材が150重量部よりも少ないと軟質モルタルシートの成形性が失われ、且つ軟質モルタルシート内の無機質成分が少なくなって耐火難燃性が低下する。一方、基材が400重量部より多いと、成形性が失われ、且つ得られた軟質モルタルシートの軟質さ、可撓性、柔軟性が損なわれる。
軟質モルタルシートの耐火性、難燃性を向上させるために、基材中に難燃材である水酸化アルミニウム粉末を混合する場合、その水酸化アルミニウム粉末は30〜200重量部とすることが好ましい。これは、少な過ぎると耐火性、難燃性の効果がなくなり、一方、ある程度以上に多くなると、耐火性、難燃性の向上効果が少なくなり、コスト高となるためである。
本発明の軟質モルタルシートは、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンと、水硬化性無機粉末を含有する基材を含有する組成物を成形して作られるが、その際に無機繊維あるいは有機繊維からなる強化繊維を混合することも可能である。
強化繊維は軟質モルタルシートの強度を向上させ、薄いシートを製造可能とするために入れるもので、無機繊維、有機繊維のいずれも使用可能である。無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維等を挙げることができ、その形態は、チョップドストランドマットなどの短繊維によるマットの形態がコスト面から好ましい。無機繊維の混合割合としては、水性樹脂エマルジョン100重量部に対して、無機繊維10〜50重量部とする。無機繊維が10重量部より少ないと補強硬化が小さくなる。一方、50重量部より多いと、含浸が悪くなって製造した軟質モルタルシートの品質が低下し、且つ可撓性が悪くなる。無機繊維を混入する場合、組成物中に入れる基材量は、無機繊維の混入量に応じて適宜少なくすることが好ましく、100〜390重量部とするのがよい。有機繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等を挙げることができ、その形態は、不織布、スパンボンド、フェルト、織布、織物等を挙げることができる。有機繊維の混合割合としては、水性樹脂エマルジョン100重量部に対して、有機繊維5〜30重量部とする。有機繊維が5重量部より少ないと補強硬化が小さくなる。一方、30重量部より多いと、含浸が悪くなって製造した軟質モルタルシートの品質が低下し、且つ可撓性が悪くなる。有機繊維を混入する場合、組成物中に入れる基材量は、有機繊維の混入量に応じて適宜少なくすることが好ましく、120〜395重量部とするのがよい。
次に、上記した組成物及び強化繊維を用いた軟質モルタルシートの製造方法を説明する。製造方法には型を用いたバッチ式のものと連続式のものがあるので、以下、それぞれを説明する。
(A)バッチ式成形方法
まず、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンに、固体状の基材(水硬化性無機粉末、フィラー、骨材、難燃材など)や、必要に応じ、潜在水硬性無機粉末に水硬性を付与するためのアルカリ刺激剤、水硬化性無機粉末の硬化速度を制御するための水和反応刺激剤や水和反応遅延剤などを入れて混合、攪拌し、スラリー状の組成物とする。次いで、このスラリー状の組成物を型に流し込む。強化繊維を入れる場合には、型に流し込んだ組成物の上に強化繊維を供給し、その強化繊維を組成物に押し付けることによって強化繊維にスラリー状の組成物を含浸させる。その後、全体を、ゲル化温度(例えば、65°C程度)よりも少し高い温度(例えば、90°C程度)に設定している炉に入れるなどして加熱し、昇温させる。組成物が昇温してゲル化温度に到達すると急激にゲル化が進み、硬化すると共にセメントの硬化を促進する。ゲル化温度より少し高い温度に適当な時間(例えば、約30分程度)保持した後、徐々に120°C程度まで昇温させ、その温度で短時間(例えば、10〜30分程度)アフターキュアを行う。これにより、樹脂が硬化し且つ水硬化性無機粉末も硬化し、軟質モルタルシートが得られる。かくして、きわめて短時間で成形が行われる。
まず、感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンに、固体状の基材(水硬化性無機粉末、フィラー、骨材、難燃材など)や、必要に応じ、潜在水硬性無機粉末に水硬性を付与するためのアルカリ刺激剤、水硬化性無機粉末の硬化速度を制御するための水和反応刺激剤や水和反応遅延剤などを入れて混合、攪拌し、スラリー状の組成物とする。次いで、このスラリー状の組成物を型に流し込む。強化繊維を入れる場合には、型に流し込んだ組成物の上に強化繊維を供給し、その強化繊維を組成物に押し付けることによって強化繊維にスラリー状の組成物を含浸させる。その後、全体を、ゲル化温度(例えば、65°C程度)よりも少し高い温度(例えば、90°C程度)に設定している炉に入れるなどして加熱し、昇温させる。組成物が昇温してゲル化温度に到達すると急激にゲル化が進み、硬化すると共にセメントの硬化を促進する。ゲル化温度より少し高い温度に適当な時間(例えば、約30分程度)保持した後、徐々に120°C程度まで昇温させ、その温度で短時間(例えば、10〜30分程度)アフターキュアを行う。これにより、樹脂が硬化し且つ水硬化性無機粉末も硬化し、軟質モルタルシートが得られる。かくして、きわめて短時間で成形が行われる。
ここで、成形して得た軟質モルタルシートの厚さは、必要に応じ適宜定めれば良いが、好ましい範囲としては、0.8〜4.0mm程度とする。この厚さが0.8mm以下では強度が低くなりすぎ、また、厚さが4.0mmを越えると水分除去に時間がかかり、生産性が落ちるばかりでなく、軟質モルタルシートの可撓性が低くなる。
成形によって製造する軟質モルタルシートの形態は、平板、波板、折板等任意である。
(B)連続式成形方法
図1は連続式成形方法で軟質モルタルシートを製造する構成を概略的に示すものである。第一原料タンク1には感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョン2が収容されている。第二原料タンク3には水硬化性無機粉末、水酸化アルミニウム粉末、フィラー、骨材等の基材4が収容されている。第一原料タンク1と第二原料タンク3の下方には、脱泡混合タンク6が設けられ、第一及び第二原料タンク1、3から水性樹脂エマルジョン2と基材4とを所定の混合割合で受け入れ、混合し且つ真空脱泡して、粘度1〜20ポイズの混合樹脂液7を作成している。ここで、粘度が低いと水分が多いので硬化性が低下し、一方粘度が高いと強化繊維に含浸しずらく成形性が低下するので、粘度1〜20ポイズとしている。
図1は連続式成形方法で軟質モルタルシートを製造する構成を概略的に示すものである。第一原料タンク1には感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョン2が収容されている。第二原料タンク3には水硬化性無機粉末、水酸化アルミニウム粉末、フィラー、骨材等の基材4が収容されている。第一原料タンク1と第二原料タンク3の下方には、脱泡混合タンク6が設けられ、第一及び第二原料タンク1、3から水性樹脂エマルジョン2と基材4とを所定の混合割合で受け入れ、混合し且つ真空脱泡して、粘度1〜20ポイズの混合樹脂液7を作成している。ここで、粘度が低いと水分が多いので硬化性が低下し、一方粘度が高いと強化繊維に含浸しずらく成形性が低下するので、粘度1〜20ポイズとしている。
脱泡混合タンク6の下方には、キャリアフィルムロール11Aから引き出された第一のキャリアフィルム11が走行している。このキャリアフィルム11並びに後述する第二のキャリアフィルム12には、通常、PET、ナイロン及びPVA等の長尺フィルムが良く使われるが、これらに限定されるものではない。なお、第二のキャリアフィルム12には、これらのフィルムに多数の小孔を設けて通水性を付与したもの、不織布、クロス状の繊維、マット状の繊維などの通水性を備えたもの、あるいは、水蒸気透過性のもの(フィルム自体に水蒸気透過性のああるものなど)を用いることが好ましい。
走行中の第一のキャリアフィルム11の上に、脱泡混合タンク6から混合樹脂液7がノズル14によって一定厚さに供給される。次いで、キャリアフィルム11上の混合樹脂液7の上に強化繊維のマット16が連続的に供給される。この実施形態では、強化繊維のマット16は、ガラスロービング17をロービングカッター18で所定長さに切断しコンベア19上に集積することで連続的に形成されている。なお、混合樹脂液7上に供給する強化繊維は図示のようなマット16に限らず、織布、不織布、組布等の形態でもよい。また、材料もガラスに限らず、他の無機繊維でもよいし、更には有機繊維でもよい。このようにして、強化繊維のマット16がキャリアフィルム11上の混合樹脂液7の上に供給されることで、そのマットに混合樹脂液が含浸し、更に下流の含浸ローラ21で一層含浸が行われる。
その後、第一のキャリアフィルム11上の混合樹脂液含浸マットの上に、キャリアフィルムロール12Aから引き出された第二のキャリアフィルム12がかぶせられ、上下のキャリアフィルム11、12及びそれに挟まれた混合樹脂液含浸マットが、上下のスクイズローラ23によって加圧され、脱泡されると共に全体の厚さが所望の値に(例えば、用途によっても異なるが、通常0.8〜4mm程度)に調整される。次いで、上下のキャリアフィルム11、12に挟まれた混合樹脂液含浸マットが、例えば、前段を70〜90°C程度、後段を90〜120°C程度とした加熱硬化炉25に通され、そこで加熱されることで急激にゲル化が進んで硬化すると共に余剰な水を排出し、且つ水硬化性無機粉末の硬化を促進してシートに成形されてゆく。この際、第二のキャリアフィルム12として通水性を備えたもの(あるいは水蒸気透過性のもの)を用いると、脱水が敏速に進み、成形を一層早く行うことができる。そして、加熱硬化炉25の後段でアフターキュアされた後、加熱硬化炉25の外に移動し、上下に配していた第一及び第二のキャリアフィルム11、12が剥がされロール11B、12Bに巻き取られる。その後、成形されたシートが、切断装置27で所望寸法にカットされる。これにより、軟質モルタルシート30が連続的に製造される。ここで、使用材料によっても異なるが、加熱硬化炉25におけるゲル化及び硬化には、20〜40分程度必要であり、その後のアフターキュアには10〜30分程度必要である。なお、ゲル化及び硬化が不十分の場合には、アウトラインで40〜50°Cの養生炉に入れればよい。
以上の実施の形態では、強化繊維のマット16を混入した軟質モルタルシートを製造しているが、強化繊維を用いない軟質モルタルシートを製造する場合には、強化繊維のマット16を供給する工程を省略すればよい。また、図面では、上下のキャリアフィルム11、12ではさまれて加熱硬化炉25を通過する混合樹脂液含浸マットを単に平面状としており、このため、平板状の軟質モルタルシートが成形されるが、加熱硬化炉25内を通過する際に、適当な成型型等を用いて波形や折形に賦形しておくことで、波板状或いは折板状の軟質モルタルシートを得ることができる。
[実施例1]
(1)感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンとして、次の組成のものを作成した。
・アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン(昭和高分子株式会社製「ポリゾールKG−230」) 100重量部
・ノニオン系界面活性剤(昭和高分子株式会社製「KBX−0347」) 3重量部
・無機塩(硫酸ナトリウウム) 1重量部
(2)上記水性樹脂エマルジョンを用いて次の組成のスラリー状組成物を作成した。
・水性樹脂エマルジョン:100重量部
・水硬化性無機粉末:高炉スラグ 50重量部
早強セメント 33.3重量部
フライアッシュ 25重量部
・難燃材:水酸化アルミニウム粉末(昭和電工株式会社製「ハイジライト」) 41.7重量部
・フィラー:珪砂 41.7重量部
・水和反応遅延剤:グルコン酸ナトリウム 0.8重量部
(3)成形
この組成のスラリー状組成物を縦3m×横1mの平面状の底面を備えた型に厚さが1mm程度となるように流し込み、その型を90°Cに保持している加熱炉に入れ、30分間保持した後、炉内温度を約10分で120°Cまで昇温させ、その温度に20分間保持した。その後、型を加熱炉から取り出し、徐冷した。これによって、十分に硬化した厚さ1mmの軟質モルタルシートを得ることができた。
(1)感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンとして、次の組成のものを作成した。
・アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン(昭和高分子株式会社製「ポリゾールKG−230」) 100重量部
・ノニオン系界面活性剤(昭和高分子株式会社製「KBX−0347」) 3重量部
・無機塩(硫酸ナトリウウム) 1重量部
(2)上記水性樹脂エマルジョンを用いて次の組成のスラリー状組成物を作成した。
・水性樹脂エマルジョン:100重量部
・水硬化性無機粉末:高炉スラグ 50重量部
早強セメント 33.3重量部
フライアッシュ 25重量部
・難燃材:水酸化アルミニウム粉末(昭和電工株式会社製「ハイジライト」) 41.7重量部
・フィラー:珪砂 41.7重量部
・水和反応遅延剤:グルコン酸ナトリウム 0.8重量部
(3)成形
この組成のスラリー状組成物を縦3m×横1mの平面状の底面を備えた型に厚さが1mm程度となるように流し込み、その型を90°Cに保持している加熱炉に入れ、30分間保持した後、炉内温度を約10分で120°Cまで昇温させ、その温度に20分間保持した。その後、型を加熱炉から取り出し、徐冷した。これによって、十分に硬化した厚さ1mmの軟質モルタルシートを得ることができた。
[実施例2]
実施例1と同一組成のスラリー状組成物を作成し、そのスラリー状組成物を縦3m×横1mの平面状の底面を備えた型に厚さが3mm程度になるように流し込み、そのスラリー状組成物の上に、ガラス繊維マット(目付量450g/m2 )を乗せ、その上から手作業で含浸ローラをかけ、ガラス繊維マットにスラリー状組成物を十分に含浸させた。次に、その型を90°Cに保持している加熱炉に入れ、30分間保持した後、炉内温度を約10分で120°Cまで昇温させ、その温度に20分間保持した。その後、型を加熱炉から取り出し、徐冷した。これによって、十分に硬化した厚さ3mmの軟質モルタルシートを得ることができた。
実施例1と同一組成のスラリー状組成物を作成し、そのスラリー状組成物を縦3m×横1mの平面状の底面を備えた型に厚さが3mm程度になるように流し込み、そのスラリー状組成物の上に、ガラス繊維マット(目付量450g/m2 )を乗せ、その上から手作業で含浸ローラをかけ、ガラス繊維マットにスラリー状組成物を十分に含浸させた。次に、その型を90°Cに保持している加熱炉に入れ、30分間保持した後、炉内温度を約10分で120°Cまで昇温させ、その温度に20分間保持した。その後、型を加熱炉から取り出し、徐冷した。これによって、十分に硬化した厚さ3mmの軟質モルタルシートを得ることができた。
[実施例3]
図1に示す脱泡混合タンク6内で、実施例1と同一組成のスラリー状組成物(混合樹脂液7)を作成した。得られた混合樹脂液7の粘度は、17ポイズであった。
この混合樹脂液7を、ライン速度1m/minで走行するポリエチレンテレフタレート製の第一のキャリアフィルム11(ユニチカ株式会社製、厚さ25μm、幅1500mm)上に厚さ約2mm程度に塗布し、その上にガラス繊維マット(目付量300g/m2 )を乗せ、含浸ローラ21で混合樹脂液を含浸させた後、その上に第二のキャリアフィルム12(ユニチカ株式会社製、厚さ25μm、幅1500mm))をかぶせ、上下のスクイズローラ23の間に送って挟み込み、密着させると共に脱泡させ、厚さを約2mmに調整した後、前段を80°C、後段を110°Cに設定している加熱硬化炉25内に送り込み、炉内前段を30分間走行させ、後段を20分間走行させて混合樹脂液のゲル化、脱水及び水和硬化を行ってシートに成形し、加熱硬化炉25から出てきたシートから第一及び第二のキャリアフィルム11、12を剥がして巻き取り、シートを切断装置27によって約1.8mの長さにカットした。これによって、十分に硬化した幅900mm×長さ1800mm×厚さ2mmの軟質モルタルシートを得ることができた。
図1に示す脱泡混合タンク6内で、実施例1と同一組成のスラリー状組成物(混合樹脂液7)を作成した。得られた混合樹脂液7の粘度は、17ポイズであった。
この混合樹脂液7を、ライン速度1m/minで走行するポリエチレンテレフタレート製の第一のキャリアフィルム11(ユニチカ株式会社製、厚さ25μm、幅1500mm)上に厚さ約2mm程度に塗布し、その上にガラス繊維マット(目付量300g/m2 )を乗せ、含浸ローラ21で混合樹脂液を含浸させた後、その上に第二のキャリアフィルム12(ユニチカ株式会社製、厚さ25μm、幅1500mm))をかぶせ、上下のスクイズローラ23の間に送って挟み込み、密着させると共に脱泡させ、厚さを約2mmに調整した後、前段を80°C、後段を110°Cに設定している加熱硬化炉25内に送り込み、炉内前段を30分間走行させ、後段を20分間走行させて混合樹脂液のゲル化、脱水及び水和硬化を行ってシートに成形し、加熱硬化炉25から出てきたシートから第一及び第二のキャリアフィルム11、12を剥がして巻き取り、シートを切断装置27によって約1.8mの長さにカットした。これによって、十分に硬化した幅900mm×長さ1800mm×厚さ2mmの軟質モルタルシートを得ることができた。
上記した実施例1、2、3で成形した軟質モルタルシートについて、特性を測定して表1に示す結果を得た。
実施例1、2から明らかなように、このスラリー状組成物を用いたことで、軟質モルタルシートをバッチ式で極めて短時間で成形することが可能であった。また、実施例3では連続成形が可能であった。得られた軟質モルタルシートは、表1の結果から明らかなように、柔軟性を維持しながら防水性、耐火性、難燃性などを備えた材料であり、建築材料及び土木材料として好適である。また、今まで施工が困難であった形状、場所に適応し、使用することも可能である。特に、実施例2、実施例3の、無機繊維からなる強化繊維入りの軟質モルタルシートは、優れた耐火性、難燃性を備えており、建物の屋根や屋上などの耐火性を要求される場所に使用するのに適している。
1 第一原料タンク
2 水性樹脂エマルジョン
3 第二原料タンク
4 基材
6 脱泡混合タンク
7 混合樹脂液
11 第一のキャリアフィルム
12 第二のキャリアフィルム
14 ノズル
16 強化繊維のマット
17 ガラスロービング
18 ロービングカッター
19 コンベア
23 スクイズローラ
25 加熱硬化炉
27 切断装置
30 軟質モルタルシート
2 水性樹脂エマルジョン
3 第二原料タンク
4 基材
6 脱泡混合タンク
7 混合樹脂液
11 第一のキャリアフィルム
12 第二のキャリアフィルム
14 ノズル
16 強化繊維のマット
17 ガラスロービング
18 ロービングカッター
19 コンベア
23 スクイズローラ
25 加熱硬化炉
27 切断装置
30 軟質モルタルシート
Claims (8)
- 感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョン100重量部と、少なくとも水硬化性無機粉末を50重量部以上含有する固体状の基材150〜400重量部を含有する組成物を板状に成形してなる軟質モルタルシート。
- 感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョン100重量部と、少なくとも水硬化性無機粉末を50重量部以上含有する固体状の基材100〜390重量部を含有する組成物と、無機繊維10〜50重量部とを一体に板状に成形してなる軟質モルタルシート。
- 感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョン100重量部と、少なくとも水硬化性無機粉末を50重量部以上含有する固体状の基材120〜395重量部を含有する組成物と、有機繊維5〜30重量部とを一体に板状に成形してなる軟質モルタルシート。
- 前記基材が、水酸化アルミニウム粉末30〜200重量部を含有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の軟質モルタルシート。
- 感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンに、水硬化性無機粉末を含有する固形状の基材を混合し且つ真空脱泡し、粘度1〜20ポイズの混合樹脂液を作成し、その混合樹脂液を走行中の第一のキャリアフィルム上に供給し、次いで第一のキャリアフィルム上の混合樹脂液の上に第二のキャリアフィルムを供給して挟み、その後、第一及び第二のキャリアフィルムで挟まれた混合樹脂液を加熱硬化炉に通して加熱、ゲル化させ、板状に成形することを特徴とする軟質モルタルシートの製造方法。
- 感熱ゲル化性を有する水性樹脂エマルジョンに、水硬化性無機粉末を含有する固形状の基材を混合し且つ真空脱泡し、粘度1〜20ポイズの混合樹脂液を作成し、その混合樹脂液を走行中の第一のキャリアフィルム上に供給し、次いで第一のキャリアフィルム上の混合樹脂液の上に無機繊維あるいは有機繊維からなる強化繊維を供給して、その強化繊維に混合樹脂液を含浸させ、更にその上に第二のキャリアフィルムを供給して挟み、その後、第一及び第二のキャリアフィルムで挟まれた混合樹脂液含浸強化繊維を加熱硬化炉に通して加熱、ゲル化させ、板状に成形することを特徴とする軟質モルタルシートの製造方法。
- 前記第二のキャリアフィルムが通水性を備えていることを特徴とする請求項6又は7記載の軟質モルタルシートの製造方法。
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JP2003336962A JP2005104749A (ja) | 2003-09-29 | 2003-09-29 | 軟質モルタルシート及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006341246A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-12-21 | Kanayama Kasei Kk | 発泡樹脂成型品に対する塗布方法および塗布装置 |
CN111943609A (zh) * | 2020-07-27 | 2020-11-17 | 中铁四院集团工程建设有限责任公司 | 隧道波纹板加固结构用砂浆 |
WO2023167259A1 (ja) * | 2022-03-01 | 2023-09-07 | 日本エイアンドエル株式会社 | 積層造形物の製造方法、感熱ゲル化剤及び積層造形用組成物 |
-
2003
- 2003-09-29 JP JP2003336962A patent/JP2005104749A/ja active Pending
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CN111943609B (zh) * | 2020-07-27 | 2022-08-16 | 中铁四院集团工程建设有限责任公司 | 隧道波纹板加固结构用砂浆 |
WO2023167259A1 (ja) * | 2022-03-01 | 2023-09-07 | 日本エイアンドエル株式会社 | 積層造形物の製造方法、感熱ゲル化剤及び積層造形用組成物 |
JP7408018B1 (ja) | 2022-03-01 | 2024-01-04 | 日本エイアンドエル株式会社 | 積層造形物の製造方法、感熱ゲル化剤及び積層造形用組成物 |
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