JPH05148979A - 建築用化粧材及びその製造法 - Google Patents

建築用化粧材及びその製造法

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JPH05148979A
JPH05148979A JP11848992A JP11848992A JPH05148979A JP H05148979 A JPH05148979 A JP H05148979A JP 11848992 A JP11848992 A JP 11848992A JP 11848992 A JP11848992 A JP 11848992A JP H05148979 A JPH05148979 A JP H05148979A
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cement
decorative material
alkyl ester
water
fiber
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JP11848992A
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Akira Kojima
昭 小島
Masao Ose
正雄 小瀬
Hiromitsu Kimura
裕光 木村
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SANSOU KK
Kanebo Ltd
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SANSOU KK
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非焼成建築用化粧材の強度の改善、並びに光
沢及び表面の緻密さの向上。 【構成】 セメントから作られる非焼成の建築用化粧材
において、アクリルまたはメタクリル酸のアルキルエス
テルとスチレン系化合物との共重合体により表面処理さ
れた繊維強化材により強化されている非焼成の建築用化
粧材。並びに、セメント:水の重量比が約1:0.3 〜
1:0.6 であり、セメント混和剤:水の重量比が約1:
5〜1:40であり、かつそれらの混合時間が約2〜20分
間であることを特徴とする、建築用化粧材の製造法。並
びに、繊維強化材の混入された、セメント、セメント混
和剤及び水の混合物を、密閉容器に入れて減圧すること
によって脱気し、次に約1〜10℃で養生する、上記製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い強度を有する、セ
メントから作られる非焼成の建築用化粧材例えばタイル
に関する。本発明はまた、高い光沢を有する緻密な建築
用化粧材の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築用化粧材例えばタイルは、そ
の製造工程において、成形後に焼成されていたが、近
年、非焼成の化粧材が報告されている。特開昭62-22304
9 号公報には、特開昭61-209941 号公報に開示された混
和剤を含有するセメントを成形固化した表面層とそれと
一体的に層設された裏面層から成る建築用化粧材例えば
床タイル、外壁タイルが開示されている。こうした非焼
成の建築用化粧材には、焼成操作を要しないため製造が
簡単であり、しかも焼成工程でのひび割れがないので大
きさが制限されないと言う利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の非焼成
建築用化粧材の強度は不十分である。セメントから作ら
れる製品例えばコンクリートの強度を向上させるため
に、従来より繊維強化材を混入することが行われてき
た。これら繊維強化材は通常、セメントとの接着性を改
善させるために、表面にエポキシ樹脂を施与してから用
いられる。しかし、本発明者が見出したところによる
と、エポキシ樹脂を施与した繊維強化材を上記の非焼成
建築用化粧材に用いると、型枠から外す時にひび割れを
起こす。
【0004】また、従来のセメント凝結物は多くの細孔
を有し、そのため内部に水が浸透することがある。セメ
ント凝結物内部に酸性雨等が浸透すると、セメント凝結
物が浸蝕される。また、浸透した水が内部で凍結し、膨
脹してセメント凝結物を破壊することがある。セメント
凝結物内部への水の浸透は、表面に高分子系塗料を塗布
して耐水性塗膜を形成することによって防止することが
できるが、こうして得られる製品には、太陽光による劣
化、機械的強度の不足、塗膜とセメント凝結物の接着性
等の問題がある。そのため、水の浸透しない緻密な表面
を有する上記化粧材の開発が望まれる。
【0005】さらに、上記化粧材はしばしば低い光沢を
有する。このことは、これら化粧材をタイル等の特定の
用途に用いる場合に欠点となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、セメントから
作られる非焼成の建築用化粧材において、アクリルまた
はメタクリル酸のアルキルエステルとスチレン系化合物
との共重合体により表面処理された繊維強化材によって
強化されている非焼成の建築用化粧材である。
【0007】本発明の建築用化粧材は、セメントを主原
料とするため、非焼成で固化し得る。また、繊維強化材
を含有するため、高い強度を有する。
【0008】ここで、繊維強化材が、アクリルまたはメ
タクリル酸のアルキルエステルとスチレン系化合物との
共重合体により表面処理されていることが、本発明の重
要な要件である。コンクリート補強繊維に対して通常使
用されるエポキシ樹脂を上記繊維強化材に施与すると、
得られる建築用化粧材は型枠から外す際にひび割れを起
こす。一方、本発明に従いアクリルまたはメタクリル酸
のアルキルエステルとスチレン系化合物との共重合体を
繊維強化材に施与すると、建築用化粧材はひび割れを生
じない。このことは全く予期されなかったことである。
この理由は必ずしも明白ではないが、本発明の共重合体
は、エポキシ樹脂とは膨脹率が違い、またエポキシ樹脂
に比べて可撓性なので、非焼成でセメントが固化する際
に収縮に追従でき、従って離型時にひび割れが発生しな
いものと推定される。また、本発明で使用する共重合体
はコンクリートとの接着性が良いので、繊維強化材とコ
ンクリートとがより緊密に密着することも、ひび割れが
発生しない一因と考えられる。
【0009】本発明において、アクリルまたはメタクリ
ル酸のアルキルエステルに特に制限はなく、種々の公知
の化合物を使用することができる。しかし、アルキル部
分の炭素数が4〜12個のもの、特に2-エチルヘキシルア
クリレートであるものを使用するのが好ましい。スチレ
ン系化合物としては、スチレン以外にも、アルキル基、
ハロゲン基等の種々の置換基を有する芳香族ビニル化合
物を使用することができる。共重合体における、両者の
モル比、重合度、ガラス転移点等の特性は任意である。
両者の重合比は好ましくは、重量比で70:30〜30:70の
範囲内である。アクリルまたはメタクリル酸のアルキル
エステルとスチレン系化合物との共重合法は公知であ
り、ここで説明する必要はない。
【0010】本発明で使用し得る繊維強化材に特に制限
はなく、種々の公知の繊維を使用することができる。例
として、耐アルカリガラス、アラミド、カーボン、ビニ
ロン、ポリアリーレート等の繊維が挙げられるが、これ
らに限定されない。これら繊維は、チョップドストラン
ドのようなストランドの形で、もしくはミルドファイバ
ーのような形で強化材として使用されても良く、また、
種々の繊維構造物の形で使用されても良い。繊維構造物
の形態は任意であり、その例としてからみ織り、平織
り、模しゃ織り、直交もしくは三軸の組布、フェルト、
マット、及び三次元織物等が挙げられるが、これらに限
定されない。これら繊維強化材の種類、形態及び添加量
等を種々に変化させて、破壊形態を制御することが可能
である。
【0011】本発明においては、上記繊維強化材には、
アクリルまたはメタクリル酸のアルキルエステルとスチ
レン系化合物との共重合体が施与されており、該共重合
体が繊維強化材表面の少なくとも一部に保持されてい
る。共重合体の施与方法は任意である。例として、共重
合体を含有する溶液もしくは分散物を、浸漬、噴霧もし
くは刷毛塗り等によって繊維強化材に含浸させる方法等
が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施
態様を例示すると、共重合体の10〜99重量%水性分散液
に繊維強化材を浸漬し、引き上げた後、60〜200 ℃で
0.5〜10分間乾燥する。共重合体の含有量は、繊維及び
共重合体の合計重量に対して、5〜60重量%、特に10〜
50重量%とするのが好ましい。
【0012】本発明で使用し得るセメントの例として、
ポルトランドセメント、天然セメント、アルミナセメン
ト、マグネシアセメント等を挙げることができるが、こ
れらに限定されない。これらのセメントはまた、フェロ
セメント、MDFセメントのような、添加物を含有する
セメントであっても良い。
【0013】本発明において好ましくは、セメントの混
練において、塩化カルシウムを主成分とし、鉄塩、カリ
ウム塩及びアンモニウム塩から選択される1以上の塩を
補助成分とするセメント混和剤を使用する。このことに
よって、特開昭62-223049 号公報に開示されているよう
に、非焼成であるにもかかわらず強度に優れ、表面がガ
ラス様に緻密で光沢に富んだ製品が得られる。ここで、
補助成分として使用する鉄塩、カリウム塩及びアンモニ
ウム塩に特に制限はなく、例えば鉄塩の例として塩化第
一鉄、塩化第二鉄等のハロゲン化鉄、硫酸第一鉄、硫酸
第二鉄、硝酸第一鉄、硝酸第二鉄、リン酸第一鉄、リン
酸第二鉄、酢酸第一鉄、酢酸第二鉄等の鉄塩;塩化カリ
ウム等のハロゲン化カリウム、炭酸カリウム、硝酸カリ
ウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸カリウム等
のカリウム塩;並びに、塩化アンモニウム等のハロゲン
化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩等を挙げる
ことができるが、これらに限定されない。アンモニウム
鉄ミョウバン、モール塩等の複塩を使用することでもで
きる。補助成分の使用量は、塩化カルシウム 100重量%
に対して、合計で 0.3〜30重量%程度とするのが好まし
い。より好ましくは、塩化カルシウム 100重量部と、鉄
塩例えば硫酸第一鉄2〜15重量部、カリウム塩例えば炭
酸カリウム1〜9重量部及びアンモニウム塩例えば塩化
アンモニウム 0.3〜5重量部のうちの二種以上とを含有
するセメント混和剤、特に、塩化カルシウム 100重量
部、鉄塩例えば硫酸第一鉄 3.7〜4.6 重量部、カリウム
塩例えば炭酸カリウム0〜2.5 重量部及びアンモニウム
塩例えば塩化アンモニウム1.1〜1.7 重量部を含むセメ
ント混和剤を使用する。尚、本文中において、塩の量及
びそれらと水との重量比は、各塩がいずれも無水塩であ
るとした場合の値である。これらセメント混和剤の添加
方法に特に制限はなく、固形物のまま添加しても良く、
また、それらを水等の溶媒と混合し、溶液もしくは懸濁
物としてから添加しても良い。これら混和剤及びその溶
液、並びにそれらのセメントへの混合法については、特
開昭61-209941号公報及び特開昭62-223049 号公報に記
載されており、本発明においてもそれらの方法を用いる
ことができる。これらとは別に、粘土、砂、石、上記以
外の塩、または水溶性樹脂等を、混練時に加えても良
い。
【0014】上記のように、本発明の建築用化粧材を製
造するに際しては、セメントと水及び任意的成分の組成
及び混合法に特に制限はないが、得られる製品をより緻
密でかつ高い光沢を有するものとするために、セメン
ト:水の重量比を約1:0.3 〜1:0.6 、特に約1:0.
35〜1:0.45と、セメント混和剤:水の重量比を約1:
5〜1:40、特に約1:15〜1:30とし、かつそれらの
混合時間を約2〜20分間、特に約3〜7分間とするのが
好ましい。本発明はまた、セメント:水の重量比が約
1:0.3 〜1:0.6 であり、セメント混和剤:水の重量
比が約1:5〜1:40であり、かつそれらの混合時間が
約2〜20分間であることを特徴とする、建築用化粧材の
製造法である。セメントに対する水の重量比が 0.3未満
では粘度が高く、撹拌が困難となり、0.6 を越えると粘
度が低く、養生後の化粧材表面の光沢が生じにくくな
る。また、セメント混和剤に対する水の重量比が5未満
では硬化が早く、光沢が生じにくく、逆に40を越えた場
合にも光沢は生じにくくなる。セメント、水及び任意的
成分の混合時間を2分間未満とした場合も、また、20分
間を越えた場合も、得られる化粧材の表面には光沢が生
じにくくなる。
【0015】セメント、水及びセメント混和剤等の任意
的成分の混合物(以下、セメント混練物と云うことがあ
る)に繊維強化材を混入する方法は任意であるが、型枠
中に適宜の手段(例えばスペーサー)によって繊維強化
材を保持し、この上からコンクリートを流し込む方法、
及びセメントを注いだ型枠に繊維強化材を配置し、そこ
にさらにセメントを注入する方法が簡単であろう。ここ
で、上記セメント混練物の上に、例えば特開昭62-22304
9 号公報に記載されているように、さらに裏面材例えば
セメント混練物を流し込む、あるいは裏面材の大きさに
成形しておいた固体状のものを圧接して一体化すること
もまた可能である。
【0016】次に、セメント混練物を養生することによ
り、本発明の建築用化粧材を作ることができる。乾燥処
理法は任意であり、その際に用いる温度、圧力等の条件
に特に制限はない。好ましくは、繊維強化材の混入され
たセメント混練物を、密閉容器に入れて減圧することに
よって脱気し、次に約1〜10℃で養生する。養生前に脱
気すること、及び養生を約1〜10℃で行うことによっ
て、より緻密な表面を有するセメント凝結物を得ること
ができる。養生時間は任意であるが、好ましくは約1日
〜1か月、より好ましくは約3〜15日、特に好ましくは
約5〜10日とする。養生は水中で行っても良いが、気中
で養生する方が、表面をより緻密にすることができるた
め、好ましい。
【0017】本発明のように、アクリルまたはメタクリ
ル酸のアルキルエステルとスチレン系化合物との共重合
体を表面の少なくとも一部に有する繊維強化材を含有す
るセメントから成る非焼成建築用化粧材は、非焼成であ
るにもかかわらず実用に耐える強度を有し、湿っていて
もスリップしにくく、なおかつ艶を有すると言う好まし
い特性を有する。また、非焼成でひび割れがないので、
大きなサイズのものも可能である。
【0018】また、本発明の建築用化粧材の製造におい
て、上記の好ましい方法を用いることによって、より高
い光沢、及び非常に緻密な表面を有し、水等の液体が殆
ど浸透しない製品を得ることができる。こうして得られ
る製品の表面は、平滑で光反射することができ、また、
おぼろげながらではあるが、鏡のように周囲の状況を写
すことも可能である。さらに、この表面に水性、油性の
インクで字あるいは絵などを書いても容易に拭き取るこ
とができる。上記のようにして製造した本凝結物に水を
滴下したところ、水は凝結物中に浸透せず、球形の水滴
のまま表面に止まった。その際の水とセメント凝結物表
面との接触角は 120〜140 °であった。従来のセメント
凝結物においては、滴下した水滴が瞬時にしてセメント
凝結物中に吸収されることを考えると、本凝結物は従来
品に比べ、より緻密になっていることが分かる。これら
凝結物の表面はまた、平滑かつ緻密であるため、電子顕
微鏡で観察する際に焦点を合わせるのが困難なほどであ
る。通常のセメント凝結物中には20〜30μm程度の結晶
が存在するが、このようにして得られるセメント凝結物
中に存在する粒子のサイズは、一般に1μm以下であ
る。
【0019】本発明をさらに、実施例により説明する
が、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
【0020】
【実施例】実施例においては、以下の繊維強化材を使用
した。 繊維強化材A:耐アルカリガラス繊維から成るからみ織
りのメッシュ(目付180g/m2 、メッシュ間隔10mm)
を、スチレン‐2-エチルヘキシルアクリレート共重合体
(スチレン43重量%、2-エチルヘキシルアクリレート57
重量%)の水性エマルジョン(固形分45%)90重量部及
び水10重量部から成る混合物に浸漬し、130℃で2〜3
分間乾燥したもの。乾燥後の樹脂の付着量は15重量%
(繊維及び樹脂の合計重量に対して。以下同様)。 繊維強化材B:アラミド繊維から成るからみ繊りのメッ
シュ(目付 72g/m2 、メッシュ間隔10mm)を、繊維A
と同じ処理に付して得られた繊維。乾燥後の樹脂の付着
量は40重量%。 繊維強化材C:カーボン繊維から成るからみ繊りのメッ
シュ(目付218g/m2 、メッシュ間隔7.5mm)を、繊維A
と同じ処理に付して得られた繊維。乾燥後の樹脂の付着
量は30重量%。 繊維強化材D(比較例1):カーボン繊維から成るから
み繊りのメッシュ(目付218g/m2 、メッシュ間隔7.5m
m)を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔チバガイギー
社製のGY-260(商標)〕100 重量部、ジシアンジアミ
ド10重量部、イミダゾール型促進剤〔四国化成株式会社
製のキュアゾール2P4MHZ(商標)〕2重量部及び
溶剤としてのメチルセロソルブ 120重量部から成るワニ
スに連続浸漬し、120 ℃で5分間乾燥した後170 ℃で10
分間硬化したもの。乾燥後の樹脂の付着量は41重量%。
【0021】
【実施例1】上記の繊維強化材を用い、非焼成のタイル
を以下のようにして調製した。
【0022】塩化カルシウム8.65kgと硫酸第一鉄0.36kg
及び塩化アンモニウム0.12kgを水7リットルに加えて作
った比重約1.3 の混和剤溶液(固形分57重量%)を用意
した。混和剤溶液4g(混和剤 2.26gを含有)と水40g を
混合し、その混合液にさらに白セメント100gを混合し
て、5分間撹拌した。一方で、予め高さ1mmのスペーサ
ーを型枠の底部に入れた。この上に、上記のメッシュを
夫々表1に示した枚数だけ敷き、その上から上記の混合
液を加えた。この際に、成形品の取り出しに便宜なよう
に、型枠の両側面に取出し治具をはさんだ。デシケータ
ー中、0.1 気圧で10分間弱脱気した後、冷蔵庫に入れ、
約5℃で1週間養生した。
【0023】上記により得られた、幅3.6cm ×長さ6.5c
m ×厚み0.5cm の非焼成タイルを、3点曲げ試験に付
し、その強度を測定した。この際、繊維強化材が表面に
より近い側の表面を二点支持側に向けた。その結果を表
1に示す。
【0024】表1より、本発明に従いアクリルまたはメ
タクリル酸のアルキルエステルとスチレンとの共重合体
が施与された繊維強化材を含むタイルの強度は、繊維強
化材を含まない、あるいはエポキシ樹脂の施与された繊
維強化材を含むタイルよりも高い強度を有すると言うこ
とが明らかである。
【0025】これらのタイルはいずれも、高い光沢を有
した。また、これらのタイルに水を滴下しても内部に浸
透せず、水滴は球形のままタイル表面上に止まった。
【0026】
【表1】 表 1 繊 維 曲げ強度 強化材 (kg重/cm2 ) 備 考 な し1) 54 即破壊 A1枚 98.5 破壊後、メッシュとタイルが付いたまま B1枚 103.0 破壊後、メッシュとタイルが付いたまま C1枚 177.0 破壊後、メッシュとタイルが付いたまま C2枚 250 破壊後、メッシュとタイルが付いたまま D1枚2) − 脱型時にひび割れ発生 1)対照 2)比較例1
【0027】
【比較例2】水の使用量を20g 、混和剤溶液の使用量を
2g (混和剤 1.13gを含有)〔水/セメントの重量比(w
/c比)=0.21〕とし、実施例1と同じ操作を行ってタイ
ルの製造を試みたが、セメントを混練する際に混練物の
粘度が高くなり、撹拌ができなかった。
【0028】
【比較例3】水の使用量を80g 、混和剤溶液の使用量を
8g (混和剤 4.53gを含有)(w/c比=0.83)とし、実施
例1と同じ操作を行ってタイルを製造した。養生前のセ
メント混練物は、粘度が低く、シャブシャブの状態であ
った。
【0029】得られたタイルの光沢は、実施例1で得ら
れたものに比べ格段に劣っていた。
【0030】
【比較例4】混和剤溶液の使用量を1g (混和剤 0.57g
を含有)とし〔水/セメント混和剤の重量比(w/a比)=
71〕、実施例1と同じ操作を行ってタイルを製造した。
【0031】得られたタイルの光沢は、実施例1で得ら
れたものに比べ格段に劣っていた。
【0032】
【比較例5】混和剤溶液の使用量を25g (混和剤14.15g
を含有)とし(w/a比=3.59)、実施例1と同じ操作を行
ってタイルを製造した。セメント混練物は、実施例1の
時よりも早く硬化した。
【0033】得られたタイルの光沢は、実施例1で得ら
れたものに比べ格段に劣っていた。
【0034】
【比較例6】白セメントと、セメント混和剤溶液及び水
との撹拌時間を1分間とした以外は、実施例1と同じ操
作を行ってタイルを製造した。
【0035】得られたタイルの光沢は、実施例1で得ら
れたものに比べ格段に劣っていた。
【0036】
【比較例7】白セメントと、セメント混和剤溶液及び水
との撹拌時間を30分間とした以外は、実施例1と同じ操
作を行ってタイルを製造した。
【0037】得られたタイルの光沢は、実施例1で得ら
れたものに比べ格段に劣っていた。
【0038】
【比較例8】養生前に脱気を行わなかった以外は、実施
例1と同じ操作を行ってタイルを製造した。
【0039】得られたタイルの光沢は、実施例1で得ら
れたものに比べ格段に劣っていた。
【0040】
【比較例9】養生を30℃で行った以外は、実施例1と同
じ操作を行ってタイルを製造した。
【0041】得られたタイルの光沢は、実施例1で得ら
れたものに比べ格段に劣っていた。
フロントページの続き (72)発明者 小瀬 正雄 群馬県高崎市町屋町487−5 (72)発明者 木村 裕光 群馬県新田郡笠懸町大字鹿212−1

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントから作られる非焼成の建築用化
    粧材において、アクリルまたはメタクリル酸のアルキル
    エステルとスチレン系化合物との共重合体により表面処
    理された繊維強化材によって強化されている非焼成の建
    築用化粧材。
  2. 【請求項2】 アクリルまたはメタクリル酸のアルキル
    エステルのアルキル部分が、4〜12個の炭素原子を有す
    る、請求項1記載の建築用化粧材。
  3. 【請求項3】 アクリルまたはメタクリル酸のアルキル
    エステルが2-エチルヘキシルアクリレートである、請求
    項1記載の建築用化粧材。
  4. 【請求項4】 共重合体におけるアルキルエステルとス
    チレン系化合物の共重合比が、重量比で70:30〜30:70
    である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の建築用化
    粧材。
  5. 【請求項5】 セメントが、塩化カルシウムを主成分と
    し、鉄塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選択され
    る1以上の塩を補助成分とするセメント混和剤をさらに
    含有する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の建築用
    化粧材。
  6. 【請求項6】 セメント:水の重量比が約1:0.3 〜
    1:0.6 であり、セメント混和剤:水の重量比が約1:
    5〜1:40であり、かつそれらの混合時間が約2〜20分
    間であることを特徴とする、請求項5記載の建築用化粧
    材の製造法。
  7. 【請求項7】 繊維強化材の混入された、セメント、セ
    メント混和剤及び水の混合物を、密閉容器に入れて減圧
    することによって脱気し、次に約1〜10℃で養生する、
    請求項6記載の製造法。
JP11848992A 1991-07-09 1992-04-13 建築用化粧材及びその製造法 Pending JPH05148979A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007247375A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Kinji Yoshida フレキシブル板サイディング

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JP2007247375A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Kinji Yoshida フレキシブル板サイディング

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