JP3328201B2 - 無機質系成形品 - Google Patents

無機質系成形品

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JP3328201B2
JP3328201B2 JP25480698A JP25480698A JP3328201B2 JP 3328201 B2 JP3328201 B2 JP 3328201B2 JP 25480698 A JP25480698 A JP 25480698A JP 25480698 A JP25480698 A JP 25480698A JP 3328201 B2 JP3328201 B2 JP 3328201B2
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/34Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing cold phosphate binders
    • C04B28/344Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing cold phosphate binders the phosphate binder being present in the starting composition solely as one or more phosphates

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、建築材料
や、産業用の構造材などに好適な無機質系成形品に関
し、更に詳しくは、従来のセメント系、あるいは珪酸カ
ルシウム系材料と比べて、強度、耐水性、耐熱性、耐熱
衝撃性、寸法安定性に優れた無機質系成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築材料や、産業用の耐熱性、不
燃性が要求される構造材として、セメント板、珪酸カル
シウム板等が広く使用されている。また、耐火性を有す
る無機質材料として、リン酸塩と各種金属化合物を含む
組成物が提案されている。更に、この無機質材料を繊維
補強した各種成形品、構造材、建築材料が提案されてい
る。
【0003】例えば、特開昭47−2424号公報で
は、密度が0.9g/cc以下であって、組成が中性リ
ン酸マグネシウム、アルカリ土類金属の酸化物、シリ
カ、シリカ以外の酸性酸化物及び無機繊維からなること
を特徴とする融点が1500℃以上であり、また、使用
限界温度が1200℃以上であるような半剛性体の熱絶
縁性の耐火材料が提案されている。
【0004】また、特開昭51−27272号公報で
は、リン酸及び/又はリン酸塩と、アルミニウム及び/
又はアルミニウム化合物と、周期律表第IIA属の金属
及び/又は周期律表第IIA属の金属化合物の三系列を
混合反応させて得られる組成物を適量の水とともに、又
は、そのままでセメント補強材、充填剤と混合し、製板
されて得られる生板状物を硬化させることを特徴とした
無機質建築用板の製法が提案されている。
【0005】更に、特開昭55−51768号公報で
は、(a)アルミナ、シリカ、又は両者の少なくとも一
つを主成分とする天然物又は組成物、あるいは、ガラス
と、(b)リン酸又はその塩との混合物からなる無機質
系材料に、上限750℃なる焼成温度に耐え得る補強材
を添加してなる低温焼成無機組成物が提案されており、
その補強材として、ガラス繊維、ロックウール、金属繊
維、カーボン繊維、又はこれらの混合物が挙げられてい
る。
【0006】また、特開昭55−95667号公報で
は、ガラス繊維補強材、銅−クロム−リン酸バインダ
ー、あるいはアルミニウム−クロム−リン酸バインダ
ー、及び活性中性ドープ材として、カオリン、マグネシ
ウム含有無機エクステンダーからなる構造材が提案され
ている。
【0007】更にまた、特公昭59−3958号公報で
は、無機質皮膜形成材を主剤とし、これに対して適量の
速効性及び遅効性の硬化剤を混合した水性スラリー状混
合物を紙、織布、不織布、マット等の定型繊維基材に含
浸塗布した後、硬化させる可撓性無機質不燃成形体の製
造法が開示されており、無機質皮膜成形材として、リン
酸アルミニウム、ポリリン酸アルミニウム等のリン酸金
属塩、及び、その硬化剤として、酸化マグネシウム、酸
化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、珪酸
カルシウム等が挙げられており、繊維基材の例として、
ガラス繊維が挙げられている。
【0008】また、海外においても、様々な提案がなさ
れている。米国特許第4,569,878号公報では、
金属酸化物、珪酸カルシウム、リン酸よりなるリン酸塩
結合剤と各種層状の充填剤、強化材を積層してなる積層
複合材が開示されており、層状の強化材として、ガラス
繊維の織布、不織布、あるいはチョップドストランドマ
ットが挙げられている。
【0009】更に、これに関連するものとして、米国特
許第4,375,516号公報、同第4,792,35
9号公報、同第4,872,912号公報、同第5,3
12,657号公報等がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】セメント板の場合に
は、遊離アルカリに耐えるよう、耐アルカリガラス繊維
を用いたり、アルカリ不溶性のポリマーで被覆したガラ
ス繊維を用いたりする必要がある。しかし、これらの方
法によっても、長期にわたりガラス繊維に完全な耐アル
カリ性を付与することはできず、経時に伴ない、あるい
は湿度の高い環境下では、機械的強度が低下するという
問題があった。
【0011】また、ビニロンあるいはパルプ等の有機繊
維で補強したセメント板において、機械的強度の向上の
ために前記有機繊維を増量することは、逆にセメント板
の不燃性、耐火性を損なう場合があるため、前記有機繊
維の使用量が制限され、十分な機械的強度が得られない
という問題が生じる場合があった。
【0012】また、珪酸カルシウム板においても、ガラ
ス繊維補強したものがいくつか上市されているが、珪酸
カルシウム板は、耐火性、耐熱衝撃性には優れているも
のの、耐水性に欠け、水分の影響を受けない部位にしか
使用できないという問題がある。
【0013】更に、セメント板、珪酸カルシウム板、石
膏ボード等の無機材料を繊維補強する場合、補強用繊維
と無機マトリックスとの界面の接着が乏しく、十分な機
械的強度が得られないという問題がある。
【0014】更にまた、リン酸マトリックスを使用した
無機材料においても、ガラス繊維の表面処理剤の種類に
よっては、ガラス繊維と無機マトリックスとの界面での
接着が乏しくなる場合があり、十分な機械的強度が得ら
れないという問題が生じる場合がある。
【0015】更に、リン酸マトリックスを使用した場
合、前述のセメント系材料、珪酸カルシウム系材料のよ
うな水硬化とは、異なるメカニズムで硬化するため、成
形時の流動に必要な水分は、成形硬化後すべて揮発する
が、無機マトリックス中の水分が逃げる際に気孔ができ
やすく、無機マトリックスの透水性を増加させ、あるい
は機械的強度を低下させるという問題があった。
【0016】したがって、本発明の目的は、無機質系材
料をガラス繊維で補強してなる、高強度で、優れた耐水
性、耐熱性、耐熱衝撃性、寸法安定性を有する無機質系
成形品を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の無機質系成形品は、(A)第一リン酸金属
塩100重量部と、硬化剤80〜200重量部とを含む
無機マトリックス100重量部と、(B)エポキシ樹脂
を含む処理剤で表面処理された補強用ガラス繊維5〜1
00重量部とを含有し、前記処理剤が前記表面処理され
た補強用ガラス繊維の総重量に対して、0.5〜1.5
重量%付着されており、前記補強用ガラス繊維間に、前
記無機マトリックスが含浸されて硬化していることを特
徴とする。
【0018】本発明の好ましい態様においては、前記硬
化剤が、金属水酸化物、塩基性金属酸化物、塩基性金属
酸化物を含む複合酸化物から選ばれた少なくとも1種で
あることが好ましい。
【0019】また、前記硬化剤のうち、平均粒子径が5
μm以下のものが、30〜90重量%含まれることが好
ましい。
【0020】更に、前記補強用ガラス繊維が、エポキシ
樹脂を含む処理剤で表面処理されたEガラス組成のガラ
ス繊維であることが好ましい。
【0021】更にまた、前記エポキシ樹脂が、芳香族ポ
リグリシジルエーテル系エポキシ樹脂であることが好ま
しい。
【0022】本発明の無機質系成形品によれば、エポキ
シ樹脂を含む処理剤で表面処理された補強用ガラス繊維
を用いることにより、エポキシ樹脂はリン酸化合物と相
溶性が良く、容易に反応するので、無機マトリックスと
補強用ガラス繊維の濡れ性あるいは接着性を改良するこ
とが可能となる。また、無機マトリックスと、補強用
ラス繊維とを、上記の特定の割合で含有させたことによ
り、従来品に比べて、非常に優れた機械的強度、耐水
性、耐熱性、耐熱衝撃性、寸法安定性が付与され、建築
材料、あるいは産業用の耐熱性が要求される様々な構造
材等に使用することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。本発明の無機質系成形品における無機マトリ
ックスは、第一リン酸金属塩と、その硬化剤とを含有す
る。第一リン酸金属塩としては、第一リン酸アルミニウ
ム、第一リン酸マグネシウム、第一リン酸亜鉛等が好ま
しく用いられ、この中でも水に対する溶解性が良く、2
00℃前後の加熱で相転換し、耐水性が向上する第一リ
ン酸アルミニウムが好ましい。第一リン酸アルミニウム
は、水溶液のものだけでなく、固形状のものも市販され
ており、無機マトリックスの硬化前のスラリーでの水分
調整が容易である。これらの第一リン酸金属塩は、40
〜90重量%の水溶液として用いることが好ましく、成
形加工時の流動性と硬化後の無機マトリックスを緻密に
するという観点から50〜70重量%の水溶液を用いる
ことが更に好ましい。
【0024】第一リン酸金属塩の硬化剤としては、例え
ば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム等の金属水酸化物や、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム等の塩基性
金属酸化物、更には塩基性金属酸化物を含む複合酸化
物、例えば珪酸カルシウム(ウオラストナイト)、アル
ミン酸カルシウム(アルミナセメント)、カオリナイ
ト、コーデイエライト(2MgO・2Al2 3 ・5S
iO2)、マグネサイト、タルク等が挙げられ、これら
の1種又は2種以上を組合せて使用することが好まし
い。
【0025】上記硬化剤は、第一リン酸金属塩(固形分
として)100重量部に対して、80〜200重量部を
使用する。硬化剤の使用量が、第一リン酸金属塩100
重量部に対して、80重量部未満では、加熱硬化後の最
終製品に第一リン酸金属塩が残存し、十分な機械的強度
が得られないばかりか、耐水性を損なう場合がある。逆
に、硬化剤量が200重量部を超えると、硬化剤に対し
て、第一リン酸金属塩が少なくなり、最終製品の組織が
粗になり、十分な機械的強度が得られない。より好まし
くは、第一リン酸金属塩100重量部に対して、上記硬
化剤を100〜180重量部使用する。
【0026】上記無機マトリックスは、硬化過程におい
て、セメント系あるいは珪酸カルシウム系の水硬化とは
異なり、成形時の流動に必要な水のほとんどは、硬化に
寄与せず、余剰水として、加熱により系外に揮散され
る。この場合、無機マトリックスの表面層あるいはその
近傍に存在する水は、比較的容易に、しかも無機マトリ
ックスの組織に欠陥を与えずに揮散することが可能であ
る。しかし、無機マトリックス内部の水が揮散するため
には、表面層にたどり着くまでに何らかの気孔等が必要
になる。
【0027】これに関して、無機マトリックスの組織を
粗にすると、無機マトリックス内部の水の揮散は容易と
なるが、無機マトリックス同士の接着力が乏しくなり、
十分な機械的強度が得られなくなる。一方、無機マトリ
ックスの組織を余りにも密にすると、加熱の際に、気体
となった無機マトリックス内部の水は、まだ硬化が完了
していない無機マトリックスを膨脹させたり、クラック
を発生させたりする可能性がある。
【0028】この問題を解決するため、無機マトリック
スの硬化剤として使用する金属水酸化物、塩基性金属酸
化物あるいは塩基性金属酸化物を含む複合酸化物の平均
粒子系に分布を持たせることが好ましい。
【0029】したがって、無機マトリックスの硬化剤と
して使用する金属水酸化物、塩基性金属酸化物、あるい
は塩基性金属酸化物を含む複合酸化物は、平均粒子径が
5μm以下のものが30〜90重量%含まれていること
が好ましい。更には、この平均粒子径が5μm以下のも
ののうち、平均粒子径が1μm以下のものが、5〜20
重量%含まれていることがより好ましい。また、無機マ
トリックスの硬化剤の平均粒子径が5μm以下のもの以
外の平均粒子径については、特に制限はないが、平均粒
子径が、かなり大きなもの、例えば、50μm以上のも
のを多く使用する時は、平均粒子径5μm以下のものを
多目に使用する必要があるが、使用する硬化剤の平均粒
子径により適宜最適化すればよい。
【0030】無機マトリックスの硬化剤として使用する
金属水酸化物、塩基性金属酸化物、あるいは塩基性金属
酸化物を含む複合酸化物のうち、平均粒子径が5μm以
下のものが、30重量%未満であると、無機マトリック
ス同士の接着力に欠け、十分な機械的強度が得られなく
なる。また、90重量%を超えると、加熱硬化の際に無
機マトリックスが膨脹したり、クラックが発生する場合
がある。
【0031】本発明における補強用ガラス繊維として
は、ガラス繊維の短繊維又は長繊維、もしくはマット、
クロス等に加工した製品などを用途、加工法に合わせて
選択して用いることができる。なお、補強用ガラス繊維
としては、コストが安く、汎用されているEガラス組成
のガラス繊維を用いることが好ましい。Eガラス繊維の
形態は、チョップドストランドのような短繊維、ロービ
ングのような連続繊維、もしくはマット、クロス、不織
布等に加工したものを1種又は2種以上を組み合せて使
用することができる。
【0032】本発明において、上記補強用ガラス繊維
は、エポキシ樹脂を含む処理剤で、表面処理して用い
る。エポキシ樹脂は、リン酸化合物と相溶性が良く、容
易に反応するので、補強用ガラス繊維をエポキシ樹脂を
含む処理剤で表面処理をすることにより、無機マトリッ
クスと補強用ガラス繊維の濡れ性あるいは接着性を改良
させることが可能になる。
【0033】表面処理剤に使用するエポキシ樹脂の種類
としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールFジグリシジルエーテル、フェノールノボ
ラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラック
ポリグリシジルエーテルなどの芳香族ポリグリシジルエ
ーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルな
どの脂肪族ポリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロ無水
フタル酸ジグリシジルエステル、ポリ(メタ)アクリル
酸グリシジルエステル、あるいは(メタ)アクリル酸グ
リシジルエステルと他のアクリル酸モノマー、メタクリ
ル酸モノマーとの共重合体などの脂肪族ポリグリシジル
エステルなどが挙げられ、特に制限はないが、無機マト
リックスの硬化に加熱が必要なため、表面処理剤の耐熱
性という観点から、芳香族ポリグリシジルエーテル系を
用いることが好ましく、特にはフェノールノボラックポ
リグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、クレゾールノボ
ラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル系エポキシ樹脂を用い
ることが好ましい。
【0034】また、処理剤のエポキシ樹脂以外の成分に
ついては、特に制限がないが、無機マトリックスを含浸
成形後加熱硬化する必要があるので、表面処理剤の他の
成分は、熱可塑性でないことが好ましい。なぜならば、
加熱硬化時に補強用ガラス繊維の表面処理剤が流動し、
無機マトリックスと補強用ガラス繊維の界面での接着を
損なう場合がある。表面処理剤の他の成分として、好ま
しいものは、エポキシ架橋ポリ酢酸ビニル、あるいはウ
レタン架橋ポリ酢酸ビニルが挙げられる。
【0035】上記表面処理剤は、表面処理された補強用
ガラス繊維の総重量に対して、0.5〜1.5重量%付
着させる。表面処理剤量が0.5重量%未満であると、
無機マトリックスと補強用ガラス繊維の接着が十分でな
く、得られた最終製品の機械的強度が十分でなくなる。
逆に、表面処理剤量が1.5重量%を超えても、界面で
の接着に対する一層の改良効果が観察されず、反って不
経済となる。
【0036】本発明において、補強用ガラス繊維は、無
機マトリックス(固形分として)100重量部に対し
て、5〜100重量部を使用する。補強用ガラス繊維
使用量が無機マトリックス100重量部に対して5重量
部未満であると、無機質系成形品として十分な強度が得
られず、100重量部を超えると、補強用ガラス繊維に
対して無機マトリックスが十分な量とならず、無機質系
成形品の組織が粗となり、十分な機械的強度が得られな
い。なお、補強用ガラス繊維の使用量は、15〜80重
量部であることがより好ましい。
【0037】また、本発明では、無機質系成形品の軽量
化、低コスト化、あるいは意匠性の付与のために、各種
充填剤を併用することも可能であり、そのような材料と
しては、例えばシラスバルーン、ガラスバルーン、パー
ライト等の軽量骨材や、酸性酸化物を主成分とする珪
砂、ガラス粉、クレイの充填剤、酸化チタン、酸化亜
鉛、フタロシアニン、弁柄、マビコ等の顔料が挙げられ
る。これらの材料は、それぞれの目的に合わせ、適宜適
当量使用すれば良い。
【0038】本発明の無機質系成形品の製造方法は、特
に限定されないが、例えば次のような工程により製造す
ることができる。
【0039】第1工程:無機マトリックスを構成する第
一リン酸金属塩水溶液及びその硬化剤と、必要に応じて
各種充填剤、顔料などとを混合攪拌する。
【0040】第2工程:第1工程で得られた混合物と、
補強用ガラス繊維とを複合する。なお、複合の方法とし
ては、補強用ガラス繊維がマット状の場合には、混合
液中にガラス繊維を浸漬し引き抜きながら、混合液を
ラス繊維に含浸、付着させる方法、混合液をある程度
粘度の高い状態にしておき、フィルム等のキャリヤ材に
塗布し、その上に、チョップドストランドやカットした
ロービングを撒き、含浸させる方法、ガラス繊維強化
プラスチックのように、ハンドレイアップやスプレーア
ップさせる方法等があり、成形法や用途によって選択で
きる。しかし、ガラス繊維と混合液をバッチ混合する方
法は、繊維の配向性が三次元化するために、十分な機械
的強度が得られない場合がある。上記の方法において
は、無機マトリックスと補強用ガラス繊維の複合を所望
する形状の金型上で行うことが好ましい。
【0041】第3工程:次工程の成形工程までの取り扱
い性を良好にし、成形時の水分揮発を成形前に調整する
目的で、成形前材料中の水分量を成形前材料に対し5〜
10重量%になるように調整する。ただし、第1工程の
混合液調整の際、水分量を低減することが可能であれ
ば、この工程を必要としない。また、第2工程のの方
法で無機マトリックスと補強用ガラス繊維の複合/賦形
を行った場合は、無機マトリックス中の水分がほとんど
揮発するまで乾燥を施した後、脱型を行う。この乾燥
は、80〜110℃の比較的低温で、2〜8時間行うこ
とが好ましい。これは、先に無機マトリックスの表面層
が硬化して、後から成形品内部に残存する水が気化する
ことにより生じる成形品の膨脹を防ぐためである。
【0042】第4工程:水分調整後の成形前材料を、板
状、波形、凹凸形等の所望の形状に成形する。なお、成
形方法としては、平板プレス、ベルトプレス、ロールプ
レス等、加圧或は加圧と同時に加熱ができる装置で成形
する方法等が挙げられる。
【0043】第5工程:第一リン酸金属塩と硬化剤とを
完全に反応、硬化させる。120〜200℃、好ましく
は150〜200℃の加熱機中で硬化が完了するまで、
およそ1〜8時間養生することが好ましい。
【0044】こうして得られる本発明の無機質系成形品
は、無機マトリックスと、補強用ガラス繊維とを上記の
割合で含有しており、従来品に比べて、非常に優れた強
度、耐水性、耐熱性、耐熱衝撃性、寸法安定性を有して
いる。
【0045】
【実施例】実施例1〜7、比較例1〜10 表1に示した配合の無機マトリックスと、表2に示した
配合の処理剤で表面処理した補強用ガラス繊維とを、表
3、4に示した配合比で複合して、実施例1〜7及び比
較例1〜6の無機質系成形品のサンプルを製造した。な
お、上記処理剤は、表面処理されたガラス繊維の総重量
に対して、1重量%付着するように表面処理を施した。
【0046】これらのサンプルの製造は、まず第一リン
酸金属塩と硬化剤をデイゾルバーにより混合攪拌する。
次いで、この混合物をマット状のガラス繊維と含浸槽を
用いてシート状に複合するか、あるいはPETフィルム
をキャリヤ材として、この混合物を塗布し、その上から
チョップしたガラス繊維を撒き、メッシュベルトプレス
でシート状に複合した後、80℃の乾燥機中で水分を除
去することにより、水分量を成形前材料に対して5重量
%程度になるように調整し、これを平板プレスにより1
20℃、35Kg/cm2 、5分間の条件下で加圧成形
し、板状の成形品を得た。
【0047】こうして得られた成形品を200℃の加熱
機中で、約1時間保持した後、自然冷却して、それぞれ
の無機質系成形品を得た。
【0048】なお、上記で使用した各材料は、以下の通
りである。 ・第一リン酸アルミニウム:日本化学工業社製、重リン
酸アルミニウム水溶液50重量%品 ・ウオラストナイト10μm品:キンセイマテック社
製、商品名「FPW#400」 ・ウオラストナイト4μm品:キンセイマテック社製、
商品名「FPW#800」 ・酸化マグネシウム2μm品:宇部マテリアルズ社製、
酸化マグネシウム、UC95H粉 ・水酸化アルミニウム50μm品:昭和電工社製、商品
名「ハイジライトH−10」 ・水酸化アルミニウム25μm品:昭和電工社製、商品
名「ハイジライトH−21」 ・水酸化アルミニウム10μm品:昭和電工社製、商品
名「ハイジライトH−31」 ・水酸化アルミニウム3.5μm品:昭和電工社製、商
品名「ハイジライトH−34」 ・水酸化アルミニウム1.0μm品:昭和電工社製、商
品名「ハイジライトH−42」 ・水酸化アルミニウム0.6μm品:昭和電工社製、商
品名「ハイジライトH−43」 ・酸化アルミニウム60μm品:昭和電工社製、商品名
「アルミナA−12」 ・酸化アルミニウム15μm品:昭和電工社製、商品名
「アルミナAS−30」 ・酸化アルミニウム3.7μm品:昭和電工社製、商品
名「アルミナA−42−3」 ・酸化アルミニウム1.8μm品:昭和電工社製、商品
名「アルミナA−43−M」
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】また、比較例7としてガラス繊維強化石膏
ボード、比較例8として石綿スレート板、比較例9とし
て化粧石綿スレート板、比較例10として耐アルカリガ
ラス繊維強化コンクリートを用意した。
【0054】試験例 実施例1〜7、比較例1〜10のサンプルについて、J
IS A5430の方法で嵩比重と厚さを、JIS A
1408に従って曲げ強度を測定した。更に、15℃の
水に3日間浸漬した後の曲げ強度を同様に測定し、保持
率を算出して耐水性の評価を行った。
【0055】また、試験片を60℃の空気に24時間、
15℃の水に24時間、105℃の空気に24時間順次
暴露させ、この前後の長さ変化をコンタクトゲージで測
定(常温)し、寸法変化率を算出した。更に、400℃
で1時間加熱した際の表面状態の変化を目視により評価
した。これらの評価結果を表5、6、7に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】表5〜7に示されるように、本発明で規定
する原料組成により製造した実施例1〜7はいずれも、
比較例1〜10に比べて、曲げ強度、曲げ強度保持率に
優れている。また、実施例1〜7は、比較例7〜10に
比べて、寸法安定性に優れており、400℃の加熱下に
おいてクラック、反り等の発生がなく、耐熱衝撃性にも
優れている。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第一リン酸金属塩及び硬化剤を含む無機マトリックス
と、エポキシ樹脂を含む処理剤で表面処理された補強用
ガラス繊維とを特定の割合で含有させたことにより、従
来品に比べて、非常に優れた機械的強度、耐水性、耐熱
性、耐熱衝撃性、寸法安定性が付与され、建築材料や、
産業用の構造材等に使用することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 14:44) C04B 14:44) C 111:20 111:20 (56)参考文献 特開 平9−142902(JP,A) 特開 昭62−148351(JP,A) 特開 平11−314942(JP,A) 特開 昭61−256949(JP,A) 特公 昭59−3958(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/34 C04B 14/38 - 14/48 C04B 16/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)第一リン酸金属塩100重量部
    と、硬化剤80〜200重量部とを含む無機マトリック
    ス100重量部と、(B)エポキシ樹脂を含む処理剤で
    表面処理された補強用ガラス繊維5〜100重量部とを
    含有し、前記処理剤が前記表面処理された補強用ガラス
    繊維の総重量に対して、0.5〜1.5重量%付着され
    ており、前記補強用ガラス繊維間に、前記無機マトリッ
    クスが含浸されて硬化していることを特徴とする無機質
    系成形品。
  2. 【請求項2】 前記硬化剤が、金属水酸化物、塩基性金
    属酸化物、塩基性金属酸化物を含む複合酸化物から選ば
    れた少なくとも1種である請求項1記載の無機質系成形
    品。
  3. 【請求項3】 前記硬化剤のうち、平均粒子径が5μm
    以下のものが、30〜90重量%含まれる請求項1又は
    2記載の無機質系成形品。
  4. 【請求項4】 前記補強用ガラス繊維が、エポキシ樹脂
    を含む処理剤で表面処理されたEガラス組成のガラス繊
    維である請求項1〜3のいずれか1つに記載の無機質系
    成形品。
  5. 【請求項5】 前記エポキシ樹脂が、芳香族ポリグリシ
    ジルエーテル系エポキシ樹脂である請求項1〜4のいず
    れか1つに記載の無機質系成形品。
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