JPH05338745A - トレーラシャーシ格納設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 牽引車両から切離されたトレーラシャーシ
を、限られたスペースにより多台数格納する。 【構成】 格納スペースＳに複数の支持部材２を所定の
間隔で立設し、トレーラシャーシＣのリヤ側に装着した
保護部材３の被挟持部３ａを、作業車両Ｆのフロント側
の水平軸心回りに回転自在かつ昇降自在なクランプ装置
Ｆｃで挟持してトレーラシャーシＣを水平状態から起立
状態に回転させ、そのままの状態でトレーラシャーシＣ
を隣り合う支持部材２と支持部材２との間に運搬すると
共に格納スペースＳに下ろすことにより、下ろしたトレ
ーラシャーシＣが支持部材２により支えられ、トレーラ
シャーシＣが起立状態で格納されるので、トレーラシャ
ーシＣの格納範囲を狭くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、格納設備に係り、より
詳しくは荷物を積載するトレーラシャーシを起立させ
て、より多台数のトレーラシャーシを格納し得るように
した省スペース方式のトレーラシャーシ格納設備に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】例えば、大型車両であるトレーラの荷物
を積載するトレーラシャーシにあっては、その荷台の面
積が広く（例えば、幅２．４８ｍ、長さ６〜１３ｍ）、
しかも重量（最大７．５トン程度）も重く、立体駐車設
備等への駐車が困難であるために、牽引車両から切離さ
れたトレーラシャーシは通常そのままの状態で地上に置
かれている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】牽引車両と、これに連
結されて牽引されるトレーラシャーシとからなるトレー
ラでは、上記したように、例えば港等で積み荷を降荷し
た後、次の荷物の輸送に備えて待機するときは、牽引車
両から切離したトレーラシャーシをそのまま地上に置か
ざるを得ず、限られた道路や広場が占有される。つま
り、次の荷役に係る待機のために広大な駐車スペースが
必要となるため、トレーラシャーシの駐車スペースの確
保に困難を来している。

【０００４】従って、本発明の目的とするところは、限
られた駐車スペースに、より多台数のトレーラシャーシ
の格納を可能ならしめるトレーラシャーシ格納設備を提
供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記実情に鑑
み、トレーラシャーシを起立状態にして入出庫自在に格
納し得れば、限られた駐車スペースを有効に活用し得
て、しかもより多くの台数のトレーラシャーシを格納し
得ると考えてなしたものである。

【０００６】従って、本発明の請求項１に係るトレーラ
シャーシ格納設備が採用した主たる手段の特徴とすると
ころは、牽引車両から取外されたトレーラシャーシを格
納スペースに格納するトレーラシャーシ格納設備であっ
て、前記格納スペースに所定の間隔で立設され、前記ト
レーラシャーシを起立状態で支持する支持部材と、該ト
レーラシャーシのリヤ側に着脱自在に装着され、少なく
とも幅方向の一方側に被挟持部を有する保護部材と、該
保護部材の被挟持部を挟持し、前記トレーラシャーシを
水平状態から起立状態の間で回転させる水平軸心回りに
回転自在、かつ昇降自在なクランプ装置を備えた作業車
両とからなるところにある。

【０００７】また、本発明の請求項２に係るトレーラシ
ャーシ格納設備が採用した主たる手段の特徴とするとこ
ろは、牽引車両から取外されたトレーラシャーシを格納
スペースに格納するトレーラシャーシ格納設備であっ
て、前記格納スペースの上方に横架される軌道と、該軌
道に沿って往復動自在に作動される台車と、該台車によ
り支持され、前記軌道と直交する方向であって、かつ少
なくとも軌道の幅方向の中央位置から一方側の外方位置
までの間で往復動自在に作動されると共に前記トレーラ
シャーシの牽引車両への連結側を吊持するリフト装置
と、前記格納スペースに所定の間隔で立設され、前記ト
レーラシャーシを起立状態で支持する支持部材とからな
るところにある。

【０００８】

【作用】本発明の請求項１に係るトレーラシャーシ格納
設備によれば、トレーラシャーシのリヤ側に保護部材を
装着し、保護部材の被挟持部をクランプ装置で挟持する
と共に、クランプ装置を上昇させて回転させればトレー
ラシャーシが水平状態から起立状態に回転され、この状
態で作業車両を格納スペースに所定の間隔で立設されて
いる支持部材の間に運搬すると共にクランプ装置を下降
させることにより、トレーラシャーシを起立状態で格納
することができる。一方、格納されているトレーラシャ
ーシに装着されている保護部材の被挟持部をクランプ装
置で挟持し、クランプ装置を上昇させて作業車両を外方
に移動させ、トレーラシャーシが水平になる方向回りに
クランプ装置を回転させると共に下降させることによ
り、容易にこのトレーラシャーシを出庫することができ
る。

【０００９】本発明の請求項２に係るトレーラシャーシ
格納設備によれば、軌道に沿って台車をトレーラシャー
シを格納し得る位置の上方に移動させ、リフト装置を軌
道の幅方向の中央位置からその幅方向一方側の外方位置
まで移動させることにより、トレーラシャーシの牽引車
両への連結側を吊持してこれを吊上げ、吊上げた状態で
リフト装置を軌道の幅方向の中央位置に移動させると共
に、トレーラシャーシを下降させてこれを支持部材によ
り起立状態で支持して格納することができる。一方、軌
道に沿って台車をトレーラシャーシの格納対応位置に移
動させ、支持部材により起立状態で支持されて格納され
ているトレーラシャーシをリフト装置で吊持して吊上
げ、吊り上げた状態でリフト装置を軌道の幅方向の中央
位置から一方側の外方位置まで移動させると共に、これ
を下降させることにより容易にこのトレーラシャーシを
出庫することができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例に係るトレーラシャー
シ格納設備を、保護部材を装着したトレーラシャーシの
側面図の図１と、トレーラシャーシの格納作業状況を示
すその平面図の図２と、作業車両の側面図の図３とを参
照しながら説明すると、図２に示す符号１は内側に格納
スペースＳを有する鉄骨構成になる構造物であって、前
記格納スペースＳには複数の支持部材２が所定の間隔で
立設されている。

【００１１】なお、上記支持部材２の上端部の幅方向の
両側において支持部材２に固着されてなるものは、起立
状態におけるトレーラシャーシＣの幅方向の両側を挟持
するシャーシ挟持部材２ａであり、これらはトレーラシ
ャーシＣの幅寸法に応じて間隔を調整し得るように構成
されている。

【００１２】一方、図１に示すように、牽引車両（図示
省略）から切離されたトレーラシャーシＣのリヤ側に
は、幅方向の一方側に突出する被挟持部３ａを有し、後
述する作業車両により被挟持部３ａを挟持してこのトレ
ーラシャーシＣを持ち上げ、回転させると共に運搬する
ための保護部材３が着脱自在に装着されている。この保
護部材３はトレーラシャーシＣが格納されている間は装
着されていて、出庫後に取外されるものであって、鋼板
を溶接することにより製造した製缶品である。

【００１３】次に、上記作業車両Ｆは、図３に示すよう
に、周知のフォークリフトに類似した構成であって、フ
ロント側に水平軸心回りに回転自在、かつ相対する方向
に近接すると共に相反する側に離反する挟持爪を有する
昇降自在なクランプ装置Ｆｃを備えてなる構成になって
いる。

【００１４】以下、上記構成になるトレーラシャーシ格
納設備の使用態様を説明すると、図２に示すように、格
納スペースＳの近傍においてトレーラシャーシＣのリヤ
側に装着されている保護部材３の被挟持部３ａをクラン
プ装置Ｆｃで挟持してこのクランプ装置Ｆｃを上昇させ
ると共に水平軸心回りに回転させれば、トレーラシャー
シＣが水平状態から起立状態になる。

【００１５】次いで、トレーラシャーシＣを起立させた
ままの状態で作業車両Ｆを、トレーラシャーシＣを格納
すべき支持部材２同士の間に移動させると共に、ここに
おいてクランプ装置Ｆｃを下降させれば、トレーラシャ
ーシＣが支持部材２により支えられ、このトレーラシャ
ーシＣはそのリヤ側を下側にして垂直の起立状態で格納
されることとなる。

【００１６】このように、格納スペースＳにトレーラシ
ャーシＣを起立状態で格納することができるので、従来
であれば１台のトレーラシャーシＣしか駐車させ得ない
程度の駐車スペースに対して、本実施例ではより多台
数、例えば５〜６台のトレーラシャーシＣを格納するこ
とが可能になる。

【００１７】一方、格納されているトレーラシャーシＣ
を再使用に供する場合には、出庫すべきトレーラシャー
シＣが格納されている部位に作業車両Ｆを移動させ、ク
ランプ装置Ｆｃで保護部材３の被挟持部３ａを挟持して
クランプ装置Ｆｃを上昇させると共に、作業車両Ｆを避
退させる。そして、所定の位置に移動した後にトレーラ
シャーシＣが起立状態から水平状態になる方向回りにク
ランプ装置Ｆｃを回転させて下降させれば、トレーラシ
ャーシＣは使用可能な状態で出庫され、荷物を積載する
前にこの保護部材３は取外される。

【００１８】次に、本発明の他の実施例に係るトレーラ
シャーシ格納設備を、それを示す模式的側面図の図４
と、台車の構成説明図の図５とを参照しながら説明する
と、図４に示す符号１は内側に格納スペースＳを有する
鉄骨構成になる構造物であり、この構造物１の支柱１ａ
には一対の軌道４が水平に横架され、そしてこの一対の
軌道４には後述する構成になる台車５が往復動自在に支
持されている。

【００１９】上記台車５は、図５に示すように、移動方
向の前後のそれぞれに上記一対の軌道４を転動する車輪
５ａを有すると共に、下部に一対の軌道４と直交する方
向で、かつ端部が何れも一対の軌道４の幅方向の外方位
置まで延び、一端側にバランスウェイトＷが装着された
梁部材５ｂが固着されてなり、そしてこの梁部材５ｂに
よって下端にフック６ｂが垂設されてなるワイヤロープ
６ａを巻上げ・巻下げるウインチを有するリフト装置６
が往復動自在に支持されている。

【００２０】上記台車５やリフト装置６は、このリフト
装置６からケーブルを介して垂設されてなるペンダント
と呼ばれるスイッチボックス７の操作ボタンをＯＮ−Ｏ
ＦＦ操作することによって移動されるように構成されて
いる。なお、構造物１の支柱１ａにスイッチボックスを
付設し、その操作ボタンの操作により作動させ、また移
動しているリフト装置６を近接スイッチまたはリミット
スイッチ（何れも図示省略）により所定の位置で停止さ
せるように構成しても良い。

【００２１】一方、格納スペースＳの一対の軌道４に沿
う方向に、複数の支持部材２が所定の間隔で立設されて
いる。この支持部材２の上端部の幅方向の両側において
支持部材２に固着されてなるものは、起立状態における
トレーラシャーシＣの幅方向の両側を挟持する間隔調整
自在なシャーシ挟持部材２ａである。

【００２２】以下、上記構成になるトレーラシャーシ格
納設備の使用態様を説明すると、先ず構造物１の一方の
側、つまり反バランスウェイトＷ側のトレーラシャーシ
の入出庫側にトレーラシャーシを位置させ、梁部材５ｂ
に沿ってリフト装置６を反バランスウェイトＷ側に移動
させてウインチでワイヤロープ６ａを巻下げると共に、
フック６ｂをトレーラシャーシの牽引車両側への連結部
に取付けたリフトクランプ６ｃに掛けてワイヤロープ６
ａを巻あげると、トレーラシャーシＣは次第に起立し、
ついにはそのリヤ側が地切りされて吊持される。なお、
リフトクランプ６ｃは通常の吊上用ロープであっても良
い。

【００２３】次いで、このトレーラシャーシＣを吊持し
たままの状態でリフト装置６を梁部材５ｂに沿って一対
の軌道４の幅方向の中央位置に移動させ、ウインチによ
りワイヤロープ６ａを巻下げれば、図４に示すように、
トレーラシャーシＣが下降されてそのリヤ側が接地し、
このトレーラシャーシＣは接地した状態で支持部材２に
より支えられ、起立状態で格納スペースＳに格納される
一方、これと逆に操作することによってトレーラシャー
シＣを格納スペースＳから容易に出庫することができる
ので、本実施例は上記実施例と同効である。

【００２４】ところで、入出庫に際してトレーラシャー
シＣを吊持したとき、このトレーラシャーシＣが揺れて
入出庫が困難になることがあるが、そのためには保護部
材３の被挟持部３ａを、例えば上記実施例で述べた作業
車両と類似の構成になる小型の作業車両で支持すれば良
く、これによりトレーラシャーシＣの入出庫作業時間が
短縮される。

【００２５】以上の説明から良く理解されるように、こ
の実施例の場合にはトレーラシャーシＣの牽引車両への
連結側に取付けたリフトクランプ６ｃにフック６ｂを掛
け、逆にリフトクランプ６ｃからフック６ｂを取外す、
所謂フック着脱作業が必要であるが、例えば支持部材２
に作業台（図示省略）を付設し、この作業台上にて作業
者等がフック６ｂを着脱するようにすれば良い。

【００２６】なお、以上ではトレーラシャーシＣを垂直
に起立させた状態で格納する場合を例として格納設備の
使用態様について説明したが、必ずしもトレーラシャー
シＣを垂直に起立させる必要がなく、例えばトレーラシ
ャーシＣを若干傾斜させた状態でこれを支持部材２によ
って支えて格納することもできる。

【００２７】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項
１，２に係るトレーラシャーシ格納設備によれば、駐車
スペースに設けた支持部材によりトレーラシャーシを起
立状態で支持して格納することができるので、限られた
駐車スペースに従来よりも多台数のトレーラシャーシを
格納することが可能になり、トレーラシャーシの駐車ス
ペースの確保の容易化に対して多大な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る保護部材を装着したトレ
ーラシャーシの側面図である。

【図２】本発明の実施例に係るトレーラシャーシの格納
作業状況を示すトレーラシャーシ格納設備の平面図であ
る。

【図３】本発明の他の実施例に係る作業車両の側面図で
ある。

【図４】本発明の他の実施例に係るトレーラシャーシ格
納設備を示す模式的側面図である。

【図５】本発明の他の実施例に係る台車の構成説明図で
ある。

【符号の説明】

１…構造物、１ａ…支柱、２…支持部材、２ａ…シャー
シ挟持部材、３…保護部材、３ａ…被挟持部、４…一対
の軌道、５…台車、５ａ…車輪、５ｂ…梁部材、６…リ
フト装置、６ａ…ワイヤロープ、６ｂ…フック、６ｃ…
リフトクランプ、７…スイッチボックス、Ｃ…トレーラ
シャーシ、Ｆ…作業車両、Ｆｃ…クランプ装置、Ｓ…格
納スペース、Ｗ…バランスウェイト。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｈ 6/12 Ｚ 9024−2Ｅ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 牽引車両から取外されたトレーラシャー
   シを格納スペースに格納するトレーラシャーシ格納設備
   であって、前記格納スペースに所定の間隔で立設され、
   前記トレーラシャーシを起立状態で支持する支持部材
   と、該トレーラシャーシのリヤ側に着脱自在に装着さ
   れ、少なくとも幅方向の一方側に被挟持部を有する保護
   部材と、該保護部材の被挟持部を挟持し、前記トレーラ
   シャーシを水平状態から起立状態の間で回転させる水平
   軸心回りに回転自在、かつ昇降自在なクランプ装置を備
   えた作業車両とからなることを特徴とするトレーラシャ
   ーシ格納設備。
2. 【請求項２】 牽引車両から取外されたトレーラシャー
   シを格納スペースに格納するトレーラシャーシ格納設備
   であって、前記格納スペースの上方に横架される軌道
   と、該軌道に沿って往復動自在に作動される台車と、該
   台車により支持され、前記軌道と直交する方向であっ
   て、かつ少なくとも軌道の幅方向の中央位置から一方側
   の外方位置までの間で往復動自在に作動されると共に前
   記トレーラシャーシの牽引車両への連結側を吊持するリ
   フト装置と、前記格納スペースに所定の間隔で立設さ
   れ、前記トレーラシャーシを起立状態で支持する支持部
   材とからなることを特徴とするトレーラシャーシ格納設
   備。